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二章
離れの庭園へ
――アルベルト・オルレリアン国王陛下
お母様に恋をし、何年も想い続けていたのに報われなかった人。
(その点で言えば前世の私と同じ……なのかしら)
愛する人が別の人間を愛する辛さは私にも理解できる。
しかし、だからと言って無関係な人たちを巻き込むのは良くないことである。
そして私はもちろん国王陛下のものになるつもりは一切ない。
今度こそは心から愛する人と幸せになりたいのだ。
(私は殿下の婚約者だから……)
だけど相手はこの国の王。
私と殿下だけではやはり不安だ。
殿下の言っていた通り、王妃陛下に守ってもらうのが一番良い方法だろう。
王妃陛下が拒否したのは私が王妃陛下に嫌われてるせいだ。
(少なくとも、絶対に殿下のせいではないわ……)
王妃陛下が殿下を嫌っているだなんて、そんなのありえない。
それに私が今回動くのは、自分自身のためだけではなかった。
(王妃陛下の本心が知りたい……)
今までたくさん助けてもらった分、今度は私が殿下に何かをしてあげたかった。
殿下の手を煩わせるわけにはいかない。
今回ばかりは私一人でどうにかしなければならない。
どうにかして王妃陛下と親しくなれないだろうか。
私は馬車に揺られながらそのことを考え続けていた。
そこでふと、前に初めて見た王妃陛下の穏やかな笑みが頭に浮かんだ。
もしかして、王妃陛下は花が好きなのだろうか。
そんな考えが頭に浮かんだ。
(これは使えるかもしれないわね)
そう思った私は、公爵邸に戻った後部屋にいたミリアに尋ねた。
「ねぇ、ミリア。そういえば離れに花がたくさん咲いてるところがあったわよね?あの庭園は今もあるかしら?」
「もちろんです!あそこは庭師が定期的に手入れをしていますので!」
「ほんと!?では明日行ってみようかしら」
そうして私は、明日離れの庭園へ行くことを決めた。
***
翌日。
私は早朝からミリアと共に離れへと向かっていた。
(こうしていると何だか回帰したばかりのあの頃に戻ったみたいね……)
懐かしいものだ。
あの頃よりは心も体もずっと成長していると信じたい。
「それにしてもお嬢様、急に離れへ行かれたいなんてどうされたのですか?」
後ろを歩いていたミリアは不思議そうな顔で私に尋ねた。
「実は私、王妃陛下と仲良くなりたいと思ってるの」
それを聞いたミリアは目を丸くした。
「エリザベス王妃陛下とですか……?あの方は非常に気難しい方だとお聞きしております……」
ミリアの言う通りだ。
オルレリアン王国の王妃の印象といえばそれに尽きるだろう。
王妃陛下は人前では全く笑わないし、何を考えているかまるで読めない方なので、人々に冷たい印象を与えている。
「……そうね、確かに王妃陛下は気難しい方だわ。だけど将来私の義母になる方だし仲良くなりたいの」
「なるほど、そういうことだったのですね。ですが、それと離れの庭園に何の関係が?」
ミリアには包み隠さず話してもいいだろう。
私は花を見て穏やかな笑みを浮かべていた王妃陛下の話をした。
「それで、もしかしたら王妃陛下は花が好きなんじゃないかなって思ったの。これはあくまでも私の推測だけどね?」
「さすがはセシリア様です……しかし、あの王妃陛下にそんな一面があったとは……正直驚きました」
「ふふふ、私もよ。人は見かけによらないわよね」
私は未だに驚きを隠せない様子のミリアに苦笑した。
「それで王妃陛下に花をプレゼントしたいということですか?」
「ええ、だけど私はあまり花に詳しくないの……どうしていいか……」
「それなら大丈夫です!私が詳しいですから!」
ミリアが花に詳しいとは驚きだ。
「あら、それは頼もしいわね」
「あそこはたくさんの種類の花がありますから!きっと良い花がすぐに見つかるはずです!」
「ええ、そうね」
張り切るミリアに、私も自然と笑顔になった。
お母様に恋をし、何年も想い続けていたのに報われなかった人。
(その点で言えば前世の私と同じ……なのかしら)
愛する人が別の人間を愛する辛さは私にも理解できる。
しかし、だからと言って無関係な人たちを巻き込むのは良くないことである。
そして私はもちろん国王陛下のものになるつもりは一切ない。
今度こそは心から愛する人と幸せになりたいのだ。
(私は殿下の婚約者だから……)
だけど相手はこの国の王。
私と殿下だけではやはり不安だ。
殿下の言っていた通り、王妃陛下に守ってもらうのが一番良い方法だろう。
王妃陛下が拒否したのは私が王妃陛下に嫌われてるせいだ。
(少なくとも、絶対に殿下のせいではないわ……)
王妃陛下が殿下を嫌っているだなんて、そんなのありえない。
それに私が今回動くのは、自分自身のためだけではなかった。
(王妃陛下の本心が知りたい……)
今までたくさん助けてもらった分、今度は私が殿下に何かをしてあげたかった。
殿下の手を煩わせるわけにはいかない。
今回ばかりは私一人でどうにかしなければならない。
どうにかして王妃陛下と親しくなれないだろうか。
私は馬車に揺られながらそのことを考え続けていた。
そこでふと、前に初めて見た王妃陛下の穏やかな笑みが頭に浮かんだ。
もしかして、王妃陛下は花が好きなのだろうか。
そんな考えが頭に浮かんだ。
(これは使えるかもしれないわね)
そう思った私は、公爵邸に戻った後部屋にいたミリアに尋ねた。
「ねぇ、ミリア。そういえば離れに花がたくさん咲いてるところがあったわよね?あの庭園は今もあるかしら?」
「もちろんです!あそこは庭師が定期的に手入れをしていますので!」
「ほんと!?では明日行ってみようかしら」
そうして私は、明日離れの庭園へ行くことを決めた。
***
翌日。
私は早朝からミリアと共に離れへと向かっていた。
(こうしていると何だか回帰したばかりのあの頃に戻ったみたいね……)
懐かしいものだ。
あの頃よりは心も体もずっと成長していると信じたい。
「それにしてもお嬢様、急に離れへ行かれたいなんてどうされたのですか?」
後ろを歩いていたミリアは不思議そうな顔で私に尋ねた。
「実は私、王妃陛下と仲良くなりたいと思ってるの」
それを聞いたミリアは目を丸くした。
「エリザベス王妃陛下とですか……?あの方は非常に気難しい方だとお聞きしております……」
ミリアの言う通りだ。
オルレリアン王国の王妃の印象といえばそれに尽きるだろう。
王妃陛下は人前では全く笑わないし、何を考えているかまるで読めない方なので、人々に冷たい印象を与えている。
「……そうね、確かに王妃陛下は気難しい方だわ。だけど将来私の義母になる方だし仲良くなりたいの」
「なるほど、そういうことだったのですね。ですが、それと離れの庭園に何の関係が?」
ミリアには包み隠さず話してもいいだろう。
私は花を見て穏やかな笑みを浮かべていた王妃陛下の話をした。
「それで、もしかしたら王妃陛下は花が好きなんじゃないかなって思ったの。これはあくまでも私の推測だけどね?」
「さすがはセシリア様です……しかし、あの王妃陛下にそんな一面があったとは……正直驚きました」
「ふふふ、私もよ。人は見かけによらないわよね」
私は未だに驚きを隠せない様子のミリアに苦笑した。
「それで王妃陛下に花をプレゼントしたいということですか?」
「ええ、だけど私はあまり花に詳しくないの……どうしていいか……」
「それなら大丈夫です!私が詳しいですから!」
ミリアが花に詳しいとは驚きだ。
「あら、それは頼もしいわね」
「あそこはたくさんの種類の花がありますから!きっと良い花がすぐに見つかるはずです!」
「ええ、そうね」
張り切るミリアに、私も自然と笑顔になった。
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