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第17話 シアの処遇
彼女は魔国でも希少な闇の魔法を使うことができた。
シアは類稀なる魔法の才を持ち合わせていたのだ。
闇魔法を使い、一度死んだはずの彼女の身体は復活した。
「不思議だわ……身体が前よりも軽くなっているみたい……」
暗い海の底から這い上がったシアは、自らの能力に驚きを隠せなかった。
彼女はニヤリと口角を上げた。
それから彼女は自身が馬車の事故で死んだように見せかけた。
シア・グランダールとして生きている以上、追手は永遠にやってくる。
――あの男はきっと、またここへ訪れる。
そう思ったからだ。
自らの死を偽装したシアは、新しい名前と身分を用意し、闇魔法で顔を変えた。
「完璧だわ……これで誰も私だと気付かない……」
すべてが順調に進んでいたはずだった。
だが、しかしー
「お前は私を見くびっているのか?そんな馬鹿げた変装にこの私が気付かないとでも?」
「どうして私だってわかったのよ!完璧だったはずよ!」
彼女の問いに、ラギレスはシアの前に自らの手をかざした。
その瞬間、彼の手から紫色の粒子が溢れた。
「魔力の流れだ。お前のような魅了魔法を使う者の魔力は独特だからな。一目でお前だとわかったし、この国が再びお前に毒されていることもな」
「……」
シアは何も言えないようだった。
「お前にかけられた者たちの魅了魔法は私が解いておいた。そして二度と魅了をかけられないようにもした」
「勝手なことしないでよ!!!」
シアはラギレスの魔法の拘束の中で暴れた。
「暴れてる場合か?命乞いでもしたらどうだ?」
「命乞い?どうせ死刑になるのにそんなことする必要があるかしら?だったら最後にママに会わせて!まだ生きてるんでしょう!?」
シアは自らが窮地に陥っても変わらなかった。
ラギレスはそんな彼女を呆れたように見下ろした。
「お前は魔王様のもとに連れていく」
「魔王様……?」
魔族ではあるが人間界で生まれ育ったシアは魔王の存在を知らなかった。
聞くところによると、この世で最も恐ろしい、ラギレスよりも強い男なのだという。
「私をどうするつもり?」
「さぁな、お前の沙汰は魔王様が決めることだ。魔国に行けば母親にも会えるかもしれないぞ?」
その言葉に、シアは態度を一変させた。彼女は目をキラキラと輝かせて彼を見上げた。
「ママに会えるの!?」
「あぁ、お前の母親は今魔国にいるからな。大人しくついてこれば会えるはずだ」
大人しくなったシアに、ラギレスは転移魔法を展開させた。
「やった!ママに会えるだなんて夢みたい!」
魔法陣のなかでシアは先ほどとは打って変わってキャッキャッとはしゃいでいた。
ラギレスはそんな無邪気な少女を憐れな眼差しで見つめた。
彼女は知らないのだろう。
今から連れて行かれる場所がどれほど恐ろしく、残酷なところかを。
彼女はきっとアイリーンと同じ北の塔に行くことになるはずだ。
「地獄で罪を償え……愚かな娘よ……」
その言葉を最後に、彼女は姿を消した。
シアは類稀なる魔法の才を持ち合わせていたのだ。
闇魔法を使い、一度死んだはずの彼女の身体は復活した。
「不思議だわ……身体が前よりも軽くなっているみたい……」
暗い海の底から這い上がったシアは、自らの能力に驚きを隠せなかった。
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それから彼女は自身が馬車の事故で死んだように見せかけた。
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そう思ったからだ。
自らの死を偽装したシアは、新しい名前と身分を用意し、闇魔法で顔を変えた。
「完璧だわ……これで誰も私だと気付かない……」
すべてが順調に進んでいたはずだった。
だが、しかしー
「お前は私を見くびっているのか?そんな馬鹿げた変装にこの私が気付かないとでも?」
「どうして私だってわかったのよ!完璧だったはずよ!」
彼女の問いに、ラギレスはシアの前に自らの手をかざした。
その瞬間、彼の手から紫色の粒子が溢れた。
「魔力の流れだ。お前のような魅了魔法を使う者の魔力は独特だからな。一目でお前だとわかったし、この国が再びお前に毒されていることもな」
「……」
シアは何も言えないようだった。
「お前にかけられた者たちの魅了魔法は私が解いておいた。そして二度と魅了をかけられないようにもした」
「勝手なことしないでよ!!!」
シアはラギレスの魔法の拘束の中で暴れた。
「暴れてる場合か?命乞いでもしたらどうだ?」
「命乞い?どうせ死刑になるのにそんなことする必要があるかしら?だったら最後にママに会わせて!まだ生きてるんでしょう!?」
シアは自らが窮地に陥っても変わらなかった。
ラギレスはそんな彼女を呆れたように見下ろした。
「お前は魔王様のもとに連れていく」
「魔王様……?」
魔族ではあるが人間界で生まれ育ったシアは魔王の存在を知らなかった。
聞くところによると、この世で最も恐ろしい、ラギレスよりも強い男なのだという。
「私をどうするつもり?」
「さぁな、お前の沙汰は魔王様が決めることだ。魔国に行けば母親にも会えるかもしれないぞ?」
その言葉に、シアは態度を一変させた。彼女は目をキラキラと輝かせて彼を見上げた。
「ママに会えるの!?」
「あぁ、お前の母親は今魔国にいるからな。大人しくついてこれば会えるはずだ」
大人しくなったシアに、ラギレスは転移魔法を展開させた。
「やった!ママに会えるだなんて夢みたい!」
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ラギレスはそんな無邪気な少女を憐れな眼差しで見つめた。
彼女は知らないのだろう。
今から連れて行かれる場所がどれほど恐ろしく、残酷なところかを。
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