異世界英雄バトルナイト

後島大宗

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第1部:赤と黒の騎士

01.Act01:邂逅ー英雄再動ー①

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異世界英雄バトルナイト、このあとすぐ!


*%:&&

小説を読むときは部屋を明るくして
モニターから離れてご覧ください。

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「はぁ・・・!はぁ・・・!はぁ・・・!はぁ・・・!」

 満月が輝く夜空の下、一人の少女が森の中を必死に駆けていた。
短めのブロンド髪を揺らし、エメラルドグリーンの瞳を正面を向け、
一心不乱に走っている少女の表情は恐怖に満ちていた。

 どうして、どうしてこんなことに?

少女がそう思いながら走っていると突然、目の前に『何か』が飛び出してきた。

「ばぁーーーーー!!」

そう言いながら現れたのは醜悪な顔をした『いかにも』な風貌の男。
「ひぁっ!?」と声を出しながら思わず足を止めた少女は、咄嗟に方向転換をして
目の前の男から逃れようとする。

「ひはァーーー!」

しかし進もうとした先に別の男が立ちふさがった。
完全に立ち止まってしまった少女は、何とか逃れようと後ろへ振り返るが
更に別の男が現れて行く手を阻む。
気付けば複数の男が下卑た笑みを浮かべながら少女を取り囲んでいる。
逃げ場を失った少女は、もはや恐怖で身を震わせることしか出来なくなっていた。

「やァれやれ、やっと追いつけたぜお嬢ちゃぁん」

今まで逃げてきた方向から声が聞こえ、その先からゆっくりと
周りのならず者達より格上と思われる男が現れた。

「あんまりじゃねェか、俺達が声掛けたらすぐに逃げ出すなんてよォーー」

かしらの好意に甘えた方がいいぜぇお嬢ちゃん。
 俺達が街まで送ってあげるからさぁ」

「あ…あなた達の言うことは信用できません!!」

恐怖に支配されながらも大声で言い返す少女。
力でも数でも敵わない中で唯一とれた抵抗手段だった。

 時を遡ること数刻前、彼女は薬草採集の依頼をこなす為にこの森を訪れていた。
少女は新米の治癒士で、冒険者としての資格を得たばかりなのである。
日が暮れてきた頃に採集を終え、いざ帰ろうとしたところにこの男達が現れて
街まで送ってやると話を持ちかけてきたのだ。
 しかし新米とは言え、少女は男達の言葉を鵜呑みにせず
その風貌と表情から親切心はないことを読み取り、持ち掛けられた話を断って
その場から逃げようと走り出した。
だが、逃げられることを予測していた男達は連携を取って少女を追い込んでいき、
最終的に取り囲むことに成功して現在に至る。

「酷いこと言うねェ嬢ちゃん。俺達ゃお嬢ちゃんが心配で堪ンないんだよォ~」

「う、ウソです!こっちに来ないで!!」

ねっとりと言いながらゆっくりと近づくかしらと呼ばれる男に対し、目を背きながら
大声で身構える治癒士の少女。
僅かな抵抗も虚しく、少女は身体を捕まれてしまう。

「あァ~~、綺麗な身体だァ。まだ成人前か?
 将来が楽しみで堪ンねぇぜ~~」

「ひっ・・・やめっ・・・!」

頭が品定めをするように少女の身体を触り、匂いを嗅いでいく。
周囲の部下達もジュルリとよだれを垂らしながら

「まだ小便臭いガキだがイケそうだよなァ!」

かしらァ!早いとこ『味見』して連れ帰っちまいましょうやァ!!」

「どうせこんな新米冒険者一人、帰ってこなくても誰も気にしやしませんぜ!!」

自分に降りかかる言葉の数々に少女の精神は限界を迎えつつあった。
そんな絶望に包まれている中、少女は自分の出せる力を振り絞り、
それを解き放とうとした。

「・・・て」

「あン?」



「誰か助けてーーーーー!!」



少女が放った最大限の大声に、周囲はしんと静まりかえった。


「・・・はっ。何を言うかと思えば」

突然の大声で呆気にとられた男達だが、直ぐに我に返った。

「こんな森の奥でそんな大声を出してもよぉ・・・
 助けに来てくれるヤツなんて何処にも---」

そう言いかけた刹那、今まで彼らの行いと見ていた月の前に一つの人影が現れた。
月光が遮られたことに気付いた男達と少女は、ハッと上空へ顔をやる。

そこにあったのは全身を黒い甲冑で身を包んだ人型のようなもの。

いつから『それ』はそこへ現れたのか。

全身鎧姿の『それ』がどうやって、自分達より遙か上空まで跳躍してきたのか。

突然現れた存在に対して理解が追いつかない一行の前に、『それ』は着地した。

「誰も助けに来ない?---そいつは違うな」

立ち上がりながらそう言葉を発した『それ』。

喋った。

得体の知れない『それ』は、一言発しただけでその場にいる全員に
更なる混乱をもたらす。

よくよく見るとその存在は全身黒色かと思われていたが、面頬や肩など
一部の甲冑が赤色になっていて、首には大きくて長く、端がボロボロになっている赤のマフラー。
そして何より目を引くのは腰に巻かれたベルトのバックルに埋め込まれた
拳程の大きさがある半透明状の宝石。

着地の際に前へ垂れたマフラーを手で払い、『それ』は更に言葉を続ける。

「俺が・・・ここにいる!」

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