160 / 193
第五章 ヴェステ王国編
22.刻み動く
そこには空っぽな者がいた。
煌びやかで美しい容貌に切なさを秘め、2つと無いような色合いの宵闇の星映す瞳は憂い、雨降りし空の様に銀の雫の如き髪がそれを哀れみ覆う。
求め追い…失くしてしまったと思い…疲れてしまった者が…そこに存在した。
「終わりにしてしまうのが良いかもしれないな…」
そう呟くと追う者の影消えた王宮の転移の間より賢者の塔へ戻る。
いつもの様に18層に向かう3層にある転移陣に乗り、いつもの上層ではなく下層への路を開く。
辿り着いたその場所は転移陣の青い輝きのみが薄ぼんやりと周囲を照らす、冷え冷えとした闇の世界。
一歩踏み出そうとすると久々に内より語り掛ける者がある。
『良いのですか』
「あぁ、もう良いよ…」
『地下から? それとも上空から?』
「上空からにしよう…綺麗だと思うんだ…」
『塔だけ残す形で宜しいですか?』
「十分でしょ? …何なら全て無に帰しても良いよ」
『その選択は、まず第一選択を行った後の結果となります』
内在する管理するモノと最終確認を行った後、陣から降り広間へ歩み出す。
その真円を描く広間の対面の部屋にある陣へと赴く。
その広間の床は一歩踏み進める毎に、転移陣と同じ青い光を紡ぎだし足元に広がる。
あらゆる種類の青系の魔石施し、空間魔力を高めた領域であった。
目的の部屋に辿り着くと、塔に繋がりし大賢者の権限にて封印用の結界陣を施された扉が存在した。そこに魔力を流し、解除する。
部屋の中に入ると、2人しか乗れない小さな転移陣があった。
それは塔が隠し持つ機能を開放するため、基幹系統の中枢部へ赴くための小さな転移陣であった。
リーシェライルは迷いの無い足取りで陣に乗る。
「ふふっ、ちょっと動かせるのが楽しみでもあるな…」
長い歳月、広間まで確認の為に降りてくることはあった。だが実際に身体を伴いそれ以上進むのは、時満ちて上位空間へ赴くか、決断して地下機構へ行くときにしか使わない。その為、普段は年に何度か問題の有無だけ確認し戻るだけであった。
「そうだよね…ここから登る事もあるんだから、空間魔力満ちていて当然なんだよね」
だが傍らに寄り添っていて良いはずの者はそこに存在せず、ただ一人向かい進むしかない。
そして、登ることも出来たこの塔から地下へ潜る。
「皮肉だな…天へ行かず地へ降りるとは…ここに来るはずでは無かったのだけどな…」
"普通で幸せな生活" …大賢者という囚われの身になったからと言って、リーシェライルが望まなかった訳ではない。
大賢者になって後、元々のリーシェライルの続きの人生を送っている時も細やかな幸せを願い手を伸ばしたことはあった。だが、叶わないどころか周囲全てを巻き込み潰しそうになった。
そして自身で送る人生を諦め、表面から立ち去った。
それでも "自分だけの特別な何か" …それが何処かにあるのではないかと思い、他の者と混在する奥底で探し求め続けていた。
『自身で感じ取った先に見つけた光…今度こそ手に入ると思っていた。それなのに、いつも自由に飛び回り、近付き横をすり抜けて行くだけで何も残らない。幸せは僕の手には乗らずに飛び去ってしまう…』
憔悴見せる灰簾魔石色した空虚な瞳が闇を揺蕩う。
『掴んだつもりでいた何もない手を眺めるのはもう嫌だ』
更なる下層へ向かうため、陣の魔力を動かしながら決意する。
『一緒じゃないなら…それならばもう…』
清々しく前を向き、万物怨む瞳で先へ進む。
『そのための第一歩…』
ヴェステの赤の塔に入った、王と青の将軍とサンティエルゼとサランラキブである隠者Ⅰの4人は、ただただ驚いた。
そこには鮮やかで濃厚な魔力が、重厚で厳然たる暗赤色の空間にひしめくように広がっていたのだ…。
最初は王から言われるがまま向かっただけだった。
半信半疑っと言った風情で王都から10キメル離れた砂漠にある賢者の塔の遺跡…と呼ばれた場所に立っている。
「あの様な俗物が本物を用意できるか疑わしいものですが、確認するだけしてみるのですね…」
ニュールが王に塔の現状告げた数日後、王から召集された面々は塔のことを伝えられた。そして、そのまま連れ立って赴くことになった。
散々、国として取り組み調べ尽くした場所である。
調査当時、転移陣は完全に破壊されて修復不可能と言われていた。尚且つ転移先が不明であるため、復旧させても陣の組み替えが必要であった。
活用する利点少なき場所にある陣、莫大な費用をかけても意味がないと判断され放置されていた。
実際に周囲に街も人も無く、砂に半分埋もれた本当に遺跡のような場所だった。
その中にある王が説明受けたと言う場所へ到達すると、転移陣は修復され輝き放つものとなっていた。
「罠である可能性もありますし、修復が不十分な可能性もありますからまず私が…」
「大丈夫だよ…この前ここまで来た時、陣の先に柘榴魔石の輝きを感じたからね。塔を構成しているのは石榴魔石だとも聞いているよ」
先んじて王は単独で、ここまでは見に来ていたような雰囲気だった。
『だれを伴い??』
単純に問いたくなるが問うてはいけない質問。
少し前より新たな参謀を得たらしいのだが、現在居る側近には一切素性を明かさないようだ。王の信頼を新たに得た何者か、年齢性別全て不明であり怪しいこと甚だしい。
告げない事を問うのは王の決断疑うこと…余程の事以外は黙認するしかない。
この陣の真偽も国王自らが感じ判断した結果であり、サランラキブは異議唱えることは出来なかった。
内心の不服隠しながら、しぶしぶ皆と共に輝く転移陣に乗る。
そして持ってきた蒼玉魔石の塊使い転移魔力を導き出し転移陣へ流す。
皆いつもと同じ転移の感覚を受け、塔の転移陣に到着する。
到着した瞬間、そこは膨大な魔力の循環が起きている塔の中…18層だった。
通常の転移の間ある3層は砂で埋もれているため、ニュールが錠口から直接18層へ繋ぎ変えていたのだ。
「凄い魔力だよね…だけど今はまだ大賢者と繋がってない状態の塔だから、末端の循環しか改善してないらしいよ。大賢者が塔に繋がってくれたら、さぞ凄いのだろうね…」
そう言って王は微笑む。
そしてスルリと近づいてきて、サランラキブに対してのみ伝わるような声音で吃驚するようなことを言う。
「君は青の塔に…その場所へ生命力吸われ大賢者達と同じように繋がっている存在なんだよね。同じように赤の塔とも繋がれるんじゃないのかい? サンティのために研究してみる価値はあるかもしれないよ…君がヴェステにて大隠者となる日を待っているよ」
甘い言葉で魔物のように囁く。
サランラキブは言葉返す余裕も無く考え込んでいた。
巧みに持ち上げ、その者が真に希望する方向へ話を進めつつ…自身の思う方向へ進むよう操るヴェステ王シュトラ。
そうして意思あるのに思うように踊る傀儡が出来上がる。
踊らされてる本人は自覚ない。全てが自分で望んでいた事であり、自分の意思持ち動いているように感じる。だが真実は、導かれ意図に従い、勝手に踊り動くお人形の様であった。
言葉の巧みさで操作する人身掌握術。
それは古に廃れたという魔術を、王が使ったかのように見えた。
近い未来…目の色変えて邁進するササランラキブの姿が見られるだろう。
現在ある研究の粋を集め、代重ねる魔物魔石から賢者の石になりそうな魔石を作り出す姿…そして喜び勇み大隠者目指し動く姿がありありと思い描けるのだった。
フレイリアルは転位する場所を、元々行くはずだったヴェステ王立魔石研究所の転移の間に設定した。
見知っている場所であり空間の置換もしやすい。
ヴェステではモモハルムアの侍女になりすまし活動する予定だったので、隠蔽魔力使わずフィーデスと共に最初からモモハルムアの背後に控えることにした。
通常の転移と違い、魔法陣を使わないので転移陣が輝かない。違和感生じさせぬ為に魔石で幻想奇術の様に視覚効果生み出し転移陣の輝きも作り出す。
とりあえず転移先の隠者達に疑問を持たれる事は無かったようだ。
だがそこには、王宮からの…白の将軍からの使者が待っていた。
「モモハルムア・フエル・リトス様及びお付きの方々。再びヴェステ王国へいらっしゃいました事、心より歓迎申し上げます」
恭しく迎えたのは、バルニフィカ公爵だった。将軍が直接に使者を依頼したのだ。
「留学して頂いた時、公賓であるにも関わらず此方の不手際で色々ご迷惑お掛けしたことについてお詫びをしたい…とのことで、白の将軍からの招待状をお持ちしました」
「お久しぶりでございます、バルニフィカ公爵。ご健勝そうで何よりでございます」
紫灰の瞳輝く端正な作りの顔で目一杯の笑顔を浮かべ、モモハルムアは美しく挨拶する。フレイリアルとフィーデスはその背後で跪く。
そして挨拶と共にモモハルムアは言葉を続ける。
「勿体無いお言葉恐れ入りますわ。それにあれはお互い様…と言うことで秘した内容だったと思いますが、思い違いでしたでしょうか?」
「いえ、大変申し訳なかったのですが、風の噂により将軍のお耳に届きお叱りを受けてしまいました。その為、改めて私と共に王宮砦の白尾へ御一緒していただきたいのですが…聞き入れて下さいますでしょうか?」
近付き情報を得ようとしていた場所へのお誘い。
モモハルムアは華やかに笑み答える。
「えぇ、ご招待お受け致しますわ」
海千山千の敵がひしめく伏魔殿…とも言える様な場所。どんな魔物的な危険人物が飛び出すかわからない。
それでも受け入れ対峙する覚悟をする。
一番目に遭遇した中位魔物的バルニフィカ公爵が三日月目で笑み深め優雅に手を差し出す。
「では、御一緒に参りましょう」
モモハルムアはその手を取り向かう。
煌びやかで美しい容貌に切なさを秘め、2つと無いような色合いの宵闇の星映す瞳は憂い、雨降りし空の様に銀の雫の如き髪がそれを哀れみ覆う。
求め追い…失くしてしまったと思い…疲れてしまった者が…そこに存在した。
「終わりにしてしまうのが良いかもしれないな…」
そう呟くと追う者の影消えた王宮の転移の間より賢者の塔へ戻る。
いつもの様に18層に向かう3層にある転移陣に乗り、いつもの上層ではなく下層への路を開く。
辿り着いたその場所は転移陣の青い輝きのみが薄ぼんやりと周囲を照らす、冷え冷えとした闇の世界。
一歩踏み出そうとすると久々に内より語り掛ける者がある。
『良いのですか』
「あぁ、もう良いよ…」
『地下から? それとも上空から?』
「上空からにしよう…綺麗だと思うんだ…」
『塔だけ残す形で宜しいですか?』
「十分でしょ? …何なら全て無に帰しても良いよ」
『その選択は、まず第一選択を行った後の結果となります』
内在する管理するモノと最終確認を行った後、陣から降り広間へ歩み出す。
その真円を描く広間の対面の部屋にある陣へと赴く。
その広間の床は一歩踏み進める毎に、転移陣と同じ青い光を紡ぎだし足元に広がる。
あらゆる種類の青系の魔石施し、空間魔力を高めた領域であった。
目的の部屋に辿り着くと、塔に繋がりし大賢者の権限にて封印用の結界陣を施された扉が存在した。そこに魔力を流し、解除する。
部屋の中に入ると、2人しか乗れない小さな転移陣があった。
それは塔が隠し持つ機能を開放するため、基幹系統の中枢部へ赴くための小さな転移陣であった。
リーシェライルは迷いの無い足取りで陣に乗る。
「ふふっ、ちょっと動かせるのが楽しみでもあるな…」
長い歳月、広間まで確認の為に降りてくることはあった。だが実際に身体を伴いそれ以上進むのは、時満ちて上位空間へ赴くか、決断して地下機構へ行くときにしか使わない。その為、普段は年に何度か問題の有無だけ確認し戻るだけであった。
「そうだよね…ここから登る事もあるんだから、空間魔力満ちていて当然なんだよね」
だが傍らに寄り添っていて良いはずの者はそこに存在せず、ただ一人向かい進むしかない。
そして、登ることも出来たこの塔から地下へ潜る。
「皮肉だな…天へ行かず地へ降りるとは…ここに来るはずでは無かったのだけどな…」
"普通で幸せな生活" …大賢者という囚われの身になったからと言って、リーシェライルが望まなかった訳ではない。
大賢者になって後、元々のリーシェライルの続きの人生を送っている時も細やかな幸せを願い手を伸ばしたことはあった。だが、叶わないどころか周囲全てを巻き込み潰しそうになった。
そして自身で送る人生を諦め、表面から立ち去った。
それでも "自分だけの特別な何か" …それが何処かにあるのではないかと思い、他の者と混在する奥底で探し求め続けていた。
『自身で感じ取った先に見つけた光…今度こそ手に入ると思っていた。それなのに、いつも自由に飛び回り、近付き横をすり抜けて行くだけで何も残らない。幸せは僕の手には乗らずに飛び去ってしまう…』
憔悴見せる灰簾魔石色した空虚な瞳が闇を揺蕩う。
『掴んだつもりでいた何もない手を眺めるのはもう嫌だ』
更なる下層へ向かうため、陣の魔力を動かしながら決意する。
『一緒じゃないなら…それならばもう…』
清々しく前を向き、万物怨む瞳で先へ進む。
『そのための第一歩…』
ヴェステの赤の塔に入った、王と青の将軍とサンティエルゼとサランラキブである隠者Ⅰの4人は、ただただ驚いた。
そこには鮮やかで濃厚な魔力が、重厚で厳然たる暗赤色の空間にひしめくように広がっていたのだ…。
最初は王から言われるがまま向かっただけだった。
半信半疑っと言った風情で王都から10キメル離れた砂漠にある賢者の塔の遺跡…と呼ばれた場所に立っている。
「あの様な俗物が本物を用意できるか疑わしいものですが、確認するだけしてみるのですね…」
ニュールが王に塔の現状告げた数日後、王から召集された面々は塔のことを伝えられた。そして、そのまま連れ立って赴くことになった。
散々、国として取り組み調べ尽くした場所である。
調査当時、転移陣は完全に破壊されて修復不可能と言われていた。尚且つ転移先が不明であるため、復旧させても陣の組み替えが必要であった。
活用する利点少なき場所にある陣、莫大な費用をかけても意味がないと判断され放置されていた。
実際に周囲に街も人も無く、砂に半分埋もれた本当に遺跡のような場所だった。
その中にある王が説明受けたと言う場所へ到達すると、転移陣は修復され輝き放つものとなっていた。
「罠である可能性もありますし、修復が不十分な可能性もありますからまず私が…」
「大丈夫だよ…この前ここまで来た時、陣の先に柘榴魔石の輝きを感じたからね。塔を構成しているのは石榴魔石だとも聞いているよ」
先んじて王は単独で、ここまでは見に来ていたような雰囲気だった。
『だれを伴い??』
単純に問いたくなるが問うてはいけない質問。
少し前より新たな参謀を得たらしいのだが、現在居る側近には一切素性を明かさないようだ。王の信頼を新たに得た何者か、年齢性別全て不明であり怪しいこと甚だしい。
告げない事を問うのは王の決断疑うこと…余程の事以外は黙認するしかない。
この陣の真偽も国王自らが感じ判断した結果であり、サランラキブは異議唱えることは出来なかった。
内心の不服隠しながら、しぶしぶ皆と共に輝く転移陣に乗る。
そして持ってきた蒼玉魔石の塊使い転移魔力を導き出し転移陣へ流す。
皆いつもと同じ転移の感覚を受け、塔の転移陣に到着する。
到着した瞬間、そこは膨大な魔力の循環が起きている塔の中…18層だった。
通常の転移の間ある3層は砂で埋もれているため、ニュールが錠口から直接18層へ繋ぎ変えていたのだ。
「凄い魔力だよね…だけど今はまだ大賢者と繋がってない状態の塔だから、末端の循環しか改善してないらしいよ。大賢者が塔に繋がってくれたら、さぞ凄いのだろうね…」
そう言って王は微笑む。
そしてスルリと近づいてきて、サランラキブに対してのみ伝わるような声音で吃驚するようなことを言う。
「君は青の塔に…その場所へ生命力吸われ大賢者達と同じように繋がっている存在なんだよね。同じように赤の塔とも繋がれるんじゃないのかい? サンティのために研究してみる価値はあるかもしれないよ…君がヴェステにて大隠者となる日を待っているよ」
甘い言葉で魔物のように囁く。
サランラキブは言葉返す余裕も無く考え込んでいた。
巧みに持ち上げ、その者が真に希望する方向へ話を進めつつ…自身の思う方向へ進むよう操るヴェステ王シュトラ。
そうして意思あるのに思うように踊る傀儡が出来上がる。
踊らされてる本人は自覚ない。全てが自分で望んでいた事であり、自分の意思持ち動いているように感じる。だが真実は、導かれ意図に従い、勝手に踊り動くお人形の様であった。
言葉の巧みさで操作する人身掌握術。
それは古に廃れたという魔術を、王が使ったかのように見えた。
近い未来…目の色変えて邁進するササランラキブの姿が見られるだろう。
現在ある研究の粋を集め、代重ねる魔物魔石から賢者の石になりそうな魔石を作り出す姿…そして喜び勇み大隠者目指し動く姿がありありと思い描けるのだった。
フレイリアルは転位する場所を、元々行くはずだったヴェステ王立魔石研究所の転移の間に設定した。
見知っている場所であり空間の置換もしやすい。
ヴェステではモモハルムアの侍女になりすまし活動する予定だったので、隠蔽魔力使わずフィーデスと共に最初からモモハルムアの背後に控えることにした。
通常の転移と違い、魔法陣を使わないので転移陣が輝かない。違和感生じさせぬ為に魔石で幻想奇術の様に視覚効果生み出し転移陣の輝きも作り出す。
とりあえず転移先の隠者達に疑問を持たれる事は無かったようだ。
だがそこには、王宮からの…白の将軍からの使者が待っていた。
「モモハルムア・フエル・リトス様及びお付きの方々。再びヴェステ王国へいらっしゃいました事、心より歓迎申し上げます」
恭しく迎えたのは、バルニフィカ公爵だった。将軍が直接に使者を依頼したのだ。
「留学して頂いた時、公賓であるにも関わらず此方の不手際で色々ご迷惑お掛けしたことについてお詫びをしたい…とのことで、白の将軍からの招待状をお持ちしました」
「お久しぶりでございます、バルニフィカ公爵。ご健勝そうで何よりでございます」
紫灰の瞳輝く端正な作りの顔で目一杯の笑顔を浮かべ、モモハルムアは美しく挨拶する。フレイリアルとフィーデスはその背後で跪く。
そして挨拶と共にモモハルムアは言葉を続ける。
「勿体無いお言葉恐れ入りますわ。それにあれはお互い様…と言うことで秘した内容だったと思いますが、思い違いでしたでしょうか?」
「いえ、大変申し訳なかったのですが、風の噂により将軍のお耳に届きお叱りを受けてしまいました。その為、改めて私と共に王宮砦の白尾へ御一緒していただきたいのですが…聞き入れて下さいますでしょうか?」
近付き情報を得ようとしていた場所へのお誘い。
モモハルムアは華やかに笑み答える。
「えぇ、ご招待お受け致しますわ」
海千山千の敵がひしめく伏魔殿…とも言える様な場所。どんな魔物的な危険人物が飛び出すかわからない。
それでも受け入れ対峙する覚悟をする。
一番目に遭遇した中位魔物的バルニフィカ公爵が三日月目で笑み深め優雅に手を差し出す。
「では、御一緒に参りましょう」
モモハルムアはその手を取り向かう。
あなたにおすすめの小説
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
安全第一異世界生活
朋
ファンタジー
異世界に転移させられた 麻生 要(幼児になった3人の孫を持つ婆ちゃん)
新たな世界で新たな家族を得て、出会った優しい人・癖の強い人・腹黒と色々な人に気にかけられて婆ちゃん節を炸裂させながら安全重視の異世界冒険生活目指します!!
無能令嬢、『雑役係』として辺境送りされたけど、世界樹の加護を受けて規格外に成長する
タマ マコト
ファンタジー
名門エルフォルト家の長女クレアは、生まれつきの“虚弱体質”と誤解され、家族から無能扱いされ続けてきた。
社交界デビュー目前、突然「役立たず」と決めつけられ、王都で雑役係として働く名目で辺境へ追放される。
孤独と諦めを抱えたまま向かった辺境の村フィルナで、クレアは自分の体調がなぜか安定し、壊れた道具や荒れた土地が彼女の手に触れるだけで少しずつ息を吹き返す“奇妙な変化”に気づく。
そしてある夜、瘴気に満ちた森の奥から呼び寄せられるように、一人で足を踏み入れた彼女は、朽ちた“世界樹の分枝”と出会い、自分が世界樹の血を引く“末裔”であることを知る——。
追放されたはずの少女が、世界を動かす存在へ覚醒する始まりの物語。
ポーション必要ですか?作るので10時間待てますか?
chocopoppo
ファンタジー
【毎日12:10更新!】
松本(35)は会社でうたた寝をした瞬間に異世界転移してしまった。
特別な才能を持っているわけでも、与えられたわけでもない彼は当然戦うことなど出来ないが、彼には持ち前の『単調作業適性』と『社会人適性』のスキル(?)があった。
第二の『社会人』人生を送るため、超資格重視社会で手に職付けようと奮闘する、自称『どこにでもいる』社会人のお話。
レンタル従魔始めました!
よっしぃ
ファンタジー
「従魔のレンタルはじめました!」
僕の名前はロキュス・エルメリンス。10歳の時に教会で祝福を受け、【テイム】と言うスキルを得ました。
そのまま【テイマー】と言うジョブに。
最初の内はテイムできる魔物・魔獣は1体のみ。
それも比較的無害と言われる小さなスライム(大きなスライムは凶悪過ぎてSランク指定)ぐらいしかテイムできず、レベルの低いうちは、役立たずランキングで常に一桁の常連のジョブです。
そんな僕がどうやって従魔のレンタルを始めたか、ですか?
そのうち分かりますよ、そのうち・・・・
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
【☆完結☆】転生箱庭師は引き籠り人生を送りたい
寿明結未(ことぶき・あゆみ)
ファンタジー
昔やっていたゲームに、大型アップデートで追加されたソレは、小さな箱庭の様だった。
ビーチがあって、畑があって、釣り堀があって、伐採も出来れば採掘も出来る。
ビーチには人が軽く住めるくらいの広さがあって、畑は枯れず、釣りも伐採も発掘もレベルが上がれば上がる程、レアリティの高いものが取れる仕組みだった。
時折、海から流れつくアイテムは、ハズレだったり当たりだったり、クジを引いてる気分で楽しかった。
だから――。
「リディア・マルシャン様のスキルは――箱庭師です」
異世界転生したわたくし、リディアは――そんな箱庭を目指しますわ!
============
小説家になろうにも上げています。
一気に更新させて頂きました。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」