もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

文字の大きさ
450 / 555
10章 海は広くて冒険いっぱい

418.もふもふから情報収集

しおりを挟む
 気になったら即行動!
 準備を整えて霊峰頂上に来たよー。

 お菓子を供えて出てきた天兎アンジュラパに「こんちゃー」と挨拶すると、きょとんとされた。

「ぷぃぷー?」
「なんて??」

 天兎アンジュラパ語は相変わらずわからぬぅ。しょんぼり。

 首を傾げる僕の周囲に、ワラワラと天兎アンジュラパが集まってくる。みんなでお菓子食べようか。
 今日は仙桃ミルクを使ったムースやクッキー、ケーキとかたくさん持ってきたよ。

『うまうま』
「よかったー。もっとたくさん食べてね」

 美味しそうに食べてる天兎アンジュラパを見て、僕もニコニコだ。
 天兎アンジュラパはやっぱり可愛い!

『最近美味しいお菓子いっぱい食べられるんだよ。うまうま、って言うと、みんな「可愛いー!」って喜ぶ』
「なるほど、ファンサだね」

 僕が天兎アンジュラパに関しての情報を広めたり、お菓子作り教室を開催したりしたことで、ここに来てふれあうプレイヤーが多いみたい。
 天兎アンジュラパは美味しいものを食べられて、プレイヤーは可愛いもふもふとふれあえる、まさにWin-Winの関係だね。

『でも、たまに微妙なの持ってくるキツネがいる……』

 薄緑色の天兎アンジュラパが耳を垂らして呟く。
 キツネかぁ……心当たりがある気がするぞ? それ、九本の尻尾を持ってるキツネの獣人では?

 タマモ、せっかく一緒にお菓子作りをしたのに、まだ微妙なお菓子しか作れないんだ? 絶対余計なもの入れてるか、分量間違えてるでしょ!
 今度アドバイスしなくちゃ。

『変なキツネだよね。お金がかかってる味はする』
『むしろお金の気配しかしない』
『なんでだろうね?』

 首を傾げたいのは僕ですよ。お金がかかってる味って何? 課金アイテムでも使ってお菓子作ってるの?

 天兎アンジュラパと一緒にちょっと考えたけど、答えは出なかった。
 とりあえず、あんまり美味しくないからやめてほしいなっていう感想はもらったから、タマモに伝えておこう。

 簡単に作れそうなお菓子のレシピを新たにあげた方がいいかなぁ。くれぐれもレシピに忠実に作ってね、って念押ししないと。

『モモが持ってくるお菓子は一番美味しい』
『さすが同類だね』
『味覚が一緒』

 天兎アンジュラパがウンウンと頷いてる。
 いぇーい、仲間ー! 嬉しいねぇ♪

 用意したお菓子をあらかた食べ終えたところで、薄青色の天兎アンジュラパが仙桃ミルクの滝の上の方を指す。

『また光花ライトフラワーいる?』

 お菓子を持ってきたことへのお礼をくれるつもりらしい。
 でも、前回たくさんもらったからそれはいいかなー。 

「ううん。それより、僕、みんなに聞きたいことがあるんだよね」
『聞きたいこと?』
『なんだろ?』
『病気の治し方? スキルほしい?』
「ほしい! ──あ、でも、そのために来たわけではないよ?」

 反射的に答えてから、念の為告げる。
 第一目的は、進化についての情報がないか聞くことなので!
 それはそれとして病気を治すスキルは欲しい。プレイヤーでも使えるのかな?

『病気を治すにはねー、えーいっ、とりゃ、ほほほーい、ってすればいいんだよ』
「ごめん、全然わからなかったよ。どういうこと?」

 薄黄色の天兎アンジュラパが何かを三回投げるような仕草をしたけど、それで病気が治るの? 意味わかんなくない?

 真顔で尋ね返したら、天兎アンジュラパ全員から『えっ、なんでわかんないの?』って顔をされた。
 さっきの動作は天兎アンジュラパ理解できるものだったのか……天兎アンジュラパって難しぃ。

『とりあえず真似てみてよ』
「……えーいっ、とりゃ、ほほほーい」

 さっき見た動きを思い出しながら真似てみる。
 天兎アンジュラパたちはパチパチと目を瞬かせた後、弾けたように笑い始めた。何がおかしいのー?

『ふはっ、モモ、かわいーね』
『そういうの、かわゆいって言うんでしょ』
『萌え?』
『萌え萌えキューン♡』

 ちょっと、天兎アンジュラパに萌えの概念を伝授したのは誰だぁあ!?
 天兎アンジュラパ二体で大きく体を使ってハートの形を作ったのは可愛かったけど、俗世にまみれた天兎アンジュラパはなんかヤダ!

 いや、でも、今後僕のコンサートに協力してもらう可能性を考えたら、今から愛嬌を振りまく方法をいろいろと知っているのはいいことかも?
 天兎アンジュラパの集団で『萌え萌えキューン♡』をしたら、尊死するもふもふ教信徒が続出する気がする。

 ──それはさておき。
 僕が病気を治すスキルをゲットするのはまだ難しそうだ。全然原理が理解できないもん。
 とりあえず「えーいっ、とりゃ、ほほほーい」の動きは毎日練習しておこう。

「ねぇねぇ、天兎アンジュラパの進化先ってどんなのか知ってるー?」

 本題を切り出した僕に、天兎アンジュラパたちが口々に『進化?』『僕らの?』『進化したいの?』と尋ね返してきた。
 そのすべてに僕が頷くと、一斉に『へぇ~』と頷かれる。実はあんまり興味ない感じ?

『進化ねぇ……』
『したいと思ったことないなぁ』
『僕たち十分強いし』
『幸せだし』

 それはいいことだね。
 苦笑しながら話を聞いていたら、不意に薄紫色の天兎アンジュラパが『はい!』と手を挙げた。

「ムーちゃん、どうぞ!」
『ムーちゃん? 僕のこと?』
「うん、紫色だから」
『……まぁ、別にいいけど。ボク、進化した子を知ってるよー』

 あだ名を受け入れてくれた天兎アンジュラパから有力情報をゲットできそう。
 ワクワクと続く言葉を待つ。

『──天兎アンジュラパはねぇ、たくさんの進化先があるんだよ』
「たくさん?」
『うん。実は光属性以外にも進化する可能性があるんだってー。光の進化石と一緒に、必要なアイテムがあるらしいけど。用意したら、いろいろなのになれるよ』

 なんと、僕の進化先の選択肢は想像以上に多かったらしい。
 でも、進化石以外に何が必要なのか全然わからないなぁ。

『あ、僕も知ってることある!』

 濃い青色の天兎アンジュラパがぴょんと跳ねた。
 僕が指名するより先に言葉を続ける。

『──進化できるくらいまで強くなると、何に進化できるかわかるんだって』
「おお、そうなんだ?」

 いい情報ゲット!
 つまり、僕が進化について何もわかってない状態なのは、まだ進化できるレベルに達してないからの可能性が高いね。
 それなら、とりあえずレベリングをがんばらないと。

 もうすぐルトたちと海底ダンジョン攻略を始めるし、いい感じで強くなれたらいいな。
 よーし、ちょっとやる気入れて取り組んじゃうぞ。

 目指せ、進化条件解放、だね!

******
この章は一旦ここで切って、次は運営回です。
諸事情により、次章更新までお時間をいただきます。
詳しくは近況ボードをご覧くださいませ。

モモ
種族:天兎アンジュラパ(34)
職業:魔術士(20)、錬金術士(17)
サブ職:テイマー(3)
冒険者ランク:E
所属クラン:もふもふ教
クラン称号:【恐るべき信仰心】
称号:【あなたと仲良し】【採集ダイスキ】【スライムキングを尻に敷く】【愛し愛される者】【初物好き】【芸の道を行く者】【解き放つ者】【友だちたくさん】【もふもふ教・教祖兼アイドル】【世話焼き】【開放王】【希少種集め】【迷走中】【釣り上手】【爆弾魔】【フラグ破壊者】【五属性を制する】【海の覇者】【真なる神】【ドラゴンを従える者】【もふもふ神アイドル】【花月の祝福】【秘密を暴く者】【提督】【ウサギと仲良し】【精霊の愛し子】【救世主】

【ステータス】〈〉内はテイムモンスターによる変化値。
体力:227 魔力:278
物理攻撃力:43 魔力攻撃力:50
防御力:53 器用さ:21
精神力:20 素早さ:47
幸運値:21〈+10〉

〈スキル〉スキルリスト;3
◯パッシブスキル
魔力攻撃力強化、魔術詠唱速度向上、魔力自動回復、体力自動回復、決死の覚悟、自由曲芸、神級栽培、詠唱破棄、ターン、フラグ可視化、フラグ折り

◯戦闘系
火魔術(6)
 火の玉ファイアーボール火の矢ファイアーアロー火炎放射フレイムラジエーション炎爆烈フレイムバースト火炎絨毯イクスプロージョン火炎嵐フレイムストーム
水魔術(3)
 水の玉ウォーターボール水の槍ウォーターランス水盾ウォーターシールド
風魔術(4)
 風の玉ウィンドボール風の槍ウィンドランス風の刃ウィンドスラッシュ竜巻トルナード
木魔術(4)
 木の玉ウッドボール木の罠ウッドトラップ木の鞭ウッドウィップ木の槍ウッドランス
土魔術(3)
 土の玉アースボール土の槍アースランス土壁アースウォール
氷魔術(1)
 氷弾アイスバレット
歌唱(2)——意気高揚、回復効果アップ
飛翔フライ(6)、聴覚鋭敏、テイム(2)、召喚(4)、気配察知(6)、見切り、回避(4)、花舞、泥遊び(1)、ステップ、ジャンプ、足蹴、嵐蹴り、投擲(4)、ステルス、神使召喚【角馬ホルース】、リズム、影分身(1)、竜操縦(1)
形態変化魔術(1)——サイズ変更
水の戯れ
水精術(使用不可)
水術(1)──水練アクアモルド

◯耐性系
麻痺耐性(1)、笑撃耐性(1)、毒耐性(1)、混乱耐性(1)

◯種族固有
天からの祝福アンジュブレス(3)、天の祈りアンジュプレ(3)、天からの光梯子アンジュレイラダー(1)、天の断罪アンジュジャッジ

◯収集系
採集(5)、採掘(3)、釣り(4)、全鑑定(5)、特殊採集(1)、精霊視

◯生産系
錬金術二級
宝石強化
料理(4)
 1.焼く、煮る、揚げる
 2.混ぜる、オーブン焼き、燻製
 3.炊く、冷やす、成形
 4.発酵、淹れる、伸ばす
調薬
符作製(2)——符:コピー、符:まじない作製
修復

◯遊び系
跳び芸、玉乗り、毛繕い
生活魔術(1)——洗浄
水面渡り、遊泳
しおりを挟む
感想 2,532

あなたにおすすめの小説

番外編・もふもふで始めるのんびり寄り道生活

ゆるり
ファンタジー
『もふもふで始めるのんびり寄り道生活』の番外編です。 登場人物の説明などは本編をご覧くださいませ。 更新は不定期です。

もふもふと味わうVRグルメ冒険記 〜遅れて始めたけど、料理だけは最前線でした〜

きっこ
ファンタジー
五感完全再現のフルダイブVRMMO《リアルコード・アース》。 遅れてゲームを始めた童顔ちびっ子キャラの主人公・蓮は、戦うことより“料理”を選んだ。 作るたびに懐いてくるもふもふ、微笑むNPC、ほっこりする食卓―― 今日も炊事場でクッキーを焼けば、なぜか神様にまで目をつけられて!? ただ料理しているだけなのに、気づけば伝説級。 癒しと美味しさが詰まった、もふもふ×グルメなスローゲームライフ、ここに開幕!

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

【完結】小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜

るあか
ファンタジー
 僕はフィル・ガーネット5歳。田舎のガーネット領の領主の息子だ。  でも、ただの5歳児ではない。前世は別の世界で“大賢者”という称号を持つ大魔道士。そのまた前世は日本という島国で“独身貴族”の称号を持つ者だった。  どちらも決して不自由な生活ではなかったのだが、特に大賢者はその力が強すぎたために側に寄る者は誰もおらず、寂しく孤独死をした。  そんな僕はメイドのレベッカと近所の森を散歩中に“根無し草の鬼族のおじさん”を拾う。彼との出会いをきっかけに、ガーネット領にはなかった“騎士団”の結成を目指す事に。  家族や領民のみんなで幸せになる事を夢見て、元大賢者の5歳の僕の幸せ騎士団大作戦が幕を開ける。

異世界で焼肉屋を始めたら、美食家エルフと凄腕冒険者が常連になりました ~定休日にはレア食材を求めてダンジョンへ~

金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
辺境の町バラムに暮らす青年マルク。 子どもの頃から繰り返し見る夢の影響で、自分が日本(地球)から転生したことを知る。 マルクは日本にいた時、カフェを経営していたが、同業者からの嫌がらせ、客からの理不尽なクレーム、従業員の裏切りで店は閉店に追い込まれた。 その後、悲嘆に暮れた彼は酒浸りになり、階段を踏み外して命を落とした。 当時の記憶が復活した結果、マルクは今度こそ店を経営して成功することを誓う。 そんな彼が思いついたのが焼肉屋だった。 マルクは冒険者をして資金を集めて、念願の店をオープンする。 焼肉をする文化がないため、その斬新さから店は繁盛していった。 やがて、物珍しさに惹かれた美食家エルフや凄腕冒険者が店を訪れる。 HOTランキング1位になることができました! 皆さま、ありがとうございます。 他社の投稿サイトにも掲載しています。

異世界に召喚されたけど、戦えないので牧場経営します~勝手に集まってくる動物達が、みんな普通じゃないんだけど!?~

黒蓬
ファンタジー
白石悠真は、ある日突然異世界へ召喚される。しかし、特別なスキルとして授かったのは「牧場経営」。戦えない彼は、与えられた土地で牧場を経営し、食料面での貢献を望まれる。ところが、彼の牧場には不思議な動物たちが次々と集まってきて――!? 異世界でのんびり牧場ライフ、始まります!

ねえ、今どんな気持ち?

かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた 彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。 でも、あなたは真実を知らないみたいね ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・

婚約破棄?一体何のお話ですか?

リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。 エルバルド学園卒業記念パーティー。 それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる… ※エブリスタさんでも投稿しています

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。