もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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12章 美味しいもの大好き!

478.猫いっぱいの予感

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 幻の食材についての情報をナーグに教えてもらって、正式に依頼を受けることになった。

 ミッション名は【長靴猫ナガグツニャンコに幻の食材を届けよう】というもの。一種類を納品する毎に報酬をもらえるらしい。
 報酬の詳細は『???』表示で明かされてないから、クリアしてからのお楽しみだね。

「僕がクリアできるのは、ずっと先になりそうですねぇ」

 ぷる君が残念そうに言う。
 幻の食材はどれも王都周辺で入手できるもののようだから、まだ第二の街までしか行けてないぷる君じゃ難しいだろうな。

「クリアできたら情報をあげるよ」
「ありがとうございます! 楽しみに待ってます」

 ニコニコしてるぷる君に頷くと、ヤナから強い視線を感じた。

「あのぉ、俺と一緒に幻の食材を探しに行ったりなんて、しちゃったり──」
「しないね!」

 ハッキリと断る。
 ヤナのことは嫌いじゃないけど、ノリに疲れることがあるから、時間がかかりそうなミッションで一緒に行動したくない。予定を合わせるのも面倒くさいし。
 僕は基本的にソロプレイが性に合ってるんだよ。

「そうですかぁ……」
「ルトやリリにも、ここの情報を教えようかなー」

 しょんぼりしているヤナをスルーして、二人に連絡を入れておく。今はログインしてないみたいだけど、来たら確認してくれるでしょ。
 二人をここに連れてくるついでに、また無料で美味しいもの食べられるかも。

 トアさんと同じことを考えてルンルンしていると、ナーグと目が合った。
 そろそろお暇しようかな?

「僕、次の用事があるから──」
「吾輩の依頼を受けてくれた人は、キミたちで五人であるにゃ。みんな優しいにゃあ」

 僕が挨拶しようとしたのを遮って、なんか始まった。
 これ、避けて通れない会話っぽい強引さだ。僕たちの戸惑いをスルーして、ナーグが喋り続けてるし。

「そ、そう……?」

 とりあえず相槌を打って話を進める。
 いったい何が始まるんだろうねー。もう追加の納品ミッションはいらないんだけど。

「優しいキミたちには、長靴猫ナガグツニャンコ族の里への行き方を教えてあげるのであるにゃ。ぜひ行ってみてほしいにゃあ」
「え、長靴猫ナガグツニャンコ族の里……?」

 ナーグの思いがけない言葉に目を見張っていると、視界の隅でトアさんが嬉しそうに尻尾を揺らしたのが見えた。

〈シークレットミッション【長靴猫ナガグツニャンコナーグとの友好度を50%以上にしよう】をクリアしました〉
長靴猫ナガグツニャンコナーグとの友好度が50%を超えたプレイヤーが五人に達しました。友好度50%を超えたプレイヤー全員に、報酬としてアイテム【長靴猫ナガグツニャンコ族の里マップ】【長靴チャーム】が贈られます〉

——————
シークレットミッション【長靴猫ナガグツニャンコナーグとの友好度を50%以上にしよう】
 ナーグから出されるミッションをクリアして、友好度を高めましょう
 ワールド内で五人以上がクリアすると、長靴猫ナガグツニャンコ族の里が開放されます

〈報酬〉
長靴猫ナガグツニャンコ族の里マップ】レア度☆☆☆☆
 第二の街近くにあると言われる長靴猫ナガグツニャンコ族の里を記したマップ
 使用すると、マップ上に里の位置が示される

【長靴チャーム】レア度☆☆☆☆
 長靴猫ナガグツニャンコとの友好の証
 これを持って里を訪れると、いいことがあるかも……?
——————

 なるほど……?
 トアさんを見ると、とっても機嫌がよさそう。
 僕の視線に気づいたトアさんは「ありがとね」とニコリと笑った。

「第二の街で長靴猫ナガグツニャンコ族の里の情報は入手してたんだけど、行き方が全然わからなくて。なんとか、ここに住む長靴猫ナガグツニャンコの情報を聞いて来たんだけど。里に行くにはプレイヤー五人がミッションをクリアする必要があるみたいだったから、誰か誘ってこないとって思ってたんだよね」

 トアさんがここの入口近くで日向ぼっこしてたのは、ナーグの美味しいお菓子を食べたかったからだけじゃなかったんだ?
 ニコニコしながら「いやー、いいタイミングでみんなが来てくれて助かったよ」と言うトアさんに、僕は笑うしかない。

「トアさんが誘えば、もふもふ教の人とか、みんな来てくれたと思うけど」
「やだよ。あの子ら、面倒くさいところあるじゃない。たまに愛想を振りまくのはいいけど、今はそんな気分じゃない」
「わあ、とってもニャンコ……」

 気分屋で、ツンとしたニャンコすぎるトアさんに、また笑っちゃう。
 そういうところも好かれて、面倒くさいファンを量産するんだと思うよ。

「トアさん、そんなに長靴猫ナガグツニャンコ族の里に行きたかったんですか?」

 ぷる君が興味津々な感じで聞くと、トアさんが「うん」と頷く。

「やっぱり猫は可愛いし」
「それは真理」

 僕はウサギな見た目で、これも大好きだけど、猫が可愛いのも事実です。
 トアさんに力強く頷くと「フフッ」と笑われた。

「あと、里には美味しい食べ物がいっぱいあるらしいから」
「トアさんは食いしん坊キャラだった……?」
「美味しいものはいくらあってもいいでしょ。それに、この世界なら、たくさん食べても太らないんだよ?」

 なんとなく圧を感じる目で主張された。
 そ、そうだね……リリもたまに「美味しいものいっぱい食べても太らないの最高ー!」って言ってるし、リアルでカロリーとか気にしてる人にとってはありがたい環境なんだろう。

 僕もたくさん美味しいものを食べられて幸せになるし。
 このゲームの数ある魅力の内の一つが、美味しい食事をいくらでも食べられることだもん。

「わかるー。僕は美味しいものを食べるのも、作るのも好き!」
「知ってる。モモのお店には世話になってるからね」
「わあ、お得意様だった?」

 トアさんも第二の街のお店によく来てくれていたらしい。
 第三の街の店でしか売ってない商品もあるから、早く先に進もうとしてるんだとか。

 第二の街から第三の街に進むのはなかなか大変だけど、がんばってほしいな。
 ボス攻略に必要なアイテムとか、お店で買うといいよ! たくさん作っておくね。

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