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12章 美味しいもの大好き!
489.フラグさん乱立?
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王都の近くといえば、幻の食材が採れる場所のはず。
そこで竜が目撃されているってことは、今後幻の食材探しをした場合、僕が竜と遭遇する可能性があるってことだよね?
「……あれ? フラグが立った?」
めちゃくちゃわかりやすくフラグが出現したような?
フラグ可視化スキルを使ってないのに、旗さんがピョンピョン跳ねて自己主張してる気がするよ。
「お、そういや、モモは幻の食材を探すことになるかもしれないんだよな? それなら、ついでに竜が急に現れるようになった謎についても調査してくれないか?」
モンちゃんが「ちょうどいいタイミングに来てくれたな」と嬉しそうに言う。
「フラグ回収がほぼ確定になりました……」
フラグを蹴り折る隙もない展開に、遠い目をしてみる。
これ、絶対、竜に会う流れー!!
〈ミッション【はぐれ竜調査】が開始しました〉
——————
ミッション【はぐれ竜調査】
王都周辺で竜の姿が目撃されている
はぐれ竜に会って、人里近くに現れる謎を解明しよう!
——————
強制的にミッションが開始しちゃったよ。
失敗しても問題なさそうだから、取り組まなくてもいいんだろうけど、王都周辺に行ったら絶対出会うよねぇ。
竜かぁ。ストルムくらい、話しやすいタイプだといいなぁ。
「まあ、ほどほどにがんばってみるよ」
「モモならいつも通りに歩いてるだけで竜に出会えるって。がんばってくれ」
「否定できない……!」
僕のことを知ってる人なら誰もが今、『あっさり竜に会うんだろうなぁ』って思ってるよね。僕自身もそう思ってるよ!
「──くぅ……このフラグを運んできたリカちゃんをタダで帰すわけにはいかない! 美味しいグルメ情報、よこせー!」
シバちゃんに抱きつきながら、リカちゃんに要求した。
僕は転んでもタダでは起きないタイプです。
「美味しいグルメ情報?」
不思議そうに首を傾げたリカちゃんに、レアナさんがのほほんと微笑みながら僕の事情を説明してくれた。
何度も説明するのは面倒くさいから助かります。
「──へぇ、グルメ大会ねぇ。モモが出店するなら、私もお客さんとして行くわ」
「ありがとー。その前に情報よこせー」
情報よこせBot(別名:妖怪『ジョウホウヨコセ』)に変化しつつある僕の頭を撫でながら、リカちゃんが首を傾げる。
リカちゃんは頭を撫でるのが上手だ。さすが先輩テイマー。
「グルメ大会で勝ちたいなら、美味しいだけじゃなくて特別感も重要よね。それなら珍しい食材を使ったり、特殊な技法で調理するのがいいんじゃないかしら?」
「長靴猫族の特殊技法については、モンちゃんに情報をもらったよー」
「あら、そうなの? それじゃあ──」
ニコッと笑ったリカちゃんが、手を振って何かを取り出した。
「これをあげるわ」
「なぁに?」
封筒のようなものを受け取った途端アナウンスが聞こえてくる。
〈アイテム【王城料理長への紹介状】を入手しました。王城内のシークレットエリアの一部に入れるようになりました〉
——————
【王城料理長への紹介状】レア度☆☆☆☆
世界一と言われるシェフへの紹介状
これがあれば、王城内の調理場に入ることができる
シェフの弟子になれる可能性がある
——————
……おお、なんか凄い紹介状をもらった。
さすがシーアイ機関トップを父に持つお嬢様。やることが普通じゃない。
「街中のお店への紹介状をもらうノリで、王城内のシェフへの紹介状をもらっちゃった……」
「ふふ、モモならきっと気に入ってもらえるわよ。弟子入りしたかったら、一番得意な料理を持参して味見をしてもらうといいわ」
リカちゃんがそう言うと、すぐにまたアナウンスが聞こえてきた。
〈ミッション【王城料理長への弟子入り】が開始しました〉
——————
ミッション【王城料理長への弟子入り】
王城の調理場に行って、料理長に得意料理を披露しよう!
評価が百点満点中の八十点を超えると、弟子入りできる
弟子入りすると料理スキルの習熟度が上がりやすくなるよ
——————
「弟子入りミッションかぁ」
久々のパターンだ。
錬金術とテイマーの師匠はいるけど、次は料理人の師匠をゲットかな? しかも、世界一とも言われる料理人だ。凄いよね。
「料理長が作る料理は本当に美味しいのよ。見た目も綺麗だし。モモがその技術を学べば、きっといいことがあるわ」
「そうだねぇ。がんばってみるよ!」
新たなアイディアゲットというより、料理技術の底上げを促された感じだ。
グルメ大会では味で勝負するつもりなんだから、こういう地道な努力も大切だよね。がんばろっと。
「楽しみにしてるわ」
「うん、絶対美味しいものを作るからね!」
リカちゃんと約束して、今後の予定を確認。
幻の食材を探してナーグと仲良くなって、できたら特殊技術を教えてもらって、長靴猫族の里に行ってメニュー開発のためのアイディア調査をして、王城の料理長に弟子入りして技術を高める──
やることいっぱいだ。忙しくなりそうだな~。楽しみ!
ほどほどにバトルをがんばってレベリングもしなきゃいけないし、次回からもがんばるぞー♪
そこで竜が目撃されているってことは、今後幻の食材探しをした場合、僕が竜と遭遇する可能性があるってことだよね?
「……あれ? フラグが立った?」
めちゃくちゃわかりやすくフラグが出現したような?
フラグ可視化スキルを使ってないのに、旗さんがピョンピョン跳ねて自己主張してる気がするよ。
「お、そういや、モモは幻の食材を探すことになるかもしれないんだよな? それなら、ついでに竜が急に現れるようになった謎についても調査してくれないか?」
モンちゃんが「ちょうどいいタイミングに来てくれたな」と嬉しそうに言う。
「フラグ回収がほぼ確定になりました……」
フラグを蹴り折る隙もない展開に、遠い目をしてみる。
これ、絶対、竜に会う流れー!!
〈ミッション【はぐれ竜調査】が開始しました〉
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ミッション【はぐれ竜調査】
王都周辺で竜の姿が目撃されている
はぐれ竜に会って、人里近くに現れる謎を解明しよう!
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強制的にミッションが開始しちゃったよ。
失敗しても問題なさそうだから、取り組まなくてもいいんだろうけど、王都周辺に行ったら絶対出会うよねぇ。
竜かぁ。ストルムくらい、話しやすいタイプだといいなぁ。
「まあ、ほどほどにがんばってみるよ」
「モモならいつも通りに歩いてるだけで竜に出会えるって。がんばってくれ」
「否定できない……!」
僕のことを知ってる人なら誰もが今、『あっさり竜に会うんだろうなぁ』って思ってるよね。僕自身もそう思ってるよ!
「──くぅ……このフラグを運んできたリカちゃんをタダで帰すわけにはいかない! 美味しいグルメ情報、よこせー!」
シバちゃんに抱きつきながら、リカちゃんに要求した。
僕は転んでもタダでは起きないタイプです。
「美味しいグルメ情報?」
不思議そうに首を傾げたリカちゃんに、レアナさんがのほほんと微笑みながら僕の事情を説明してくれた。
何度も説明するのは面倒くさいから助かります。
「──へぇ、グルメ大会ねぇ。モモが出店するなら、私もお客さんとして行くわ」
「ありがとー。その前に情報よこせー」
情報よこせBot(別名:妖怪『ジョウホウヨコセ』)に変化しつつある僕の頭を撫でながら、リカちゃんが首を傾げる。
リカちゃんは頭を撫でるのが上手だ。さすが先輩テイマー。
「グルメ大会で勝ちたいなら、美味しいだけじゃなくて特別感も重要よね。それなら珍しい食材を使ったり、特殊な技法で調理するのがいいんじゃないかしら?」
「長靴猫族の特殊技法については、モンちゃんに情報をもらったよー」
「あら、そうなの? それじゃあ──」
ニコッと笑ったリカちゃんが、手を振って何かを取り出した。
「これをあげるわ」
「なぁに?」
封筒のようなものを受け取った途端アナウンスが聞こえてくる。
〈アイテム【王城料理長への紹介状】を入手しました。王城内のシークレットエリアの一部に入れるようになりました〉
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これがあれば、王城内の調理場に入ることができる
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「ふふ、モモならきっと気に入ってもらえるわよ。弟子入りしたかったら、一番得意な料理を持参して味見をしてもらうといいわ」
リカちゃんがそう言うと、すぐにまたアナウンスが聞こえてきた。
〈ミッション【王城料理長への弟子入り】が開始しました〉
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ミッション【王城料理長への弟子入り】
王城の調理場に行って、料理長に得意料理を披露しよう!
評価が百点満点中の八十点を超えると、弟子入りできる
弟子入りすると料理スキルの習熟度が上がりやすくなるよ
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「弟子入りミッションかぁ」
久々のパターンだ。
錬金術とテイマーの師匠はいるけど、次は料理人の師匠をゲットかな? しかも、世界一とも言われる料理人だ。凄いよね。
「料理長が作る料理は本当に美味しいのよ。見た目も綺麗だし。モモがその技術を学べば、きっといいことがあるわ」
「そうだねぇ。がんばってみるよ!」
新たなアイディアゲットというより、料理技術の底上げを促された感じだ。
グルメ大会では味で勝負するつもりなんだから、こういう地道な努力も大切だよね。がんばろっと。
「楽しみにしてるわ」
「うん、絶対美味しいものを作るからね!」
リカちゃんと約束して、今後の予定を確認。
幻の食材を探してナーグと仲良くなって、できたら特殊技術を教えてもらって、長靴猫族の里に行ってメニュー開発のためのアイディア調査をして、王城の料理長に弟子入りして技術を高める──
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