もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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12章 美味しいもの大好き!

523.最後の幻!

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 ルンルンと鼻歌を歌いながら、王都北エリアに到着!
 ここでのパーティメンバーはスラリン、ユキマル、ヒスイ、ラッタン、オギンだよ。
 オギンを喚ぶってラッタンと約束してたから、こうなった。

「らぴゅ(ふわふわぁ)」
「キュオ(甘えん坊ねぇ)」

 ニコニコ顔のラッタンを背中に乗せたオギンは、仕方ない感じで言いながらも、優しい目をしてる。ママ味を感じるぅ。

 僕も乗りたいな、とウズウズしてたら、オギンが背中を向けてくれた。
 遠慮なくお邪魔します!

「最高にもっふもふー」
「らぴゅ(だよねぇ)」

 ラッタンの後ろに座って、オギンの背に揺られて王都北を進む。
 ヒスイもオギンの頭の上に乗ってた。スラリンとユキマルはオギンの尻尾に抱えられて、ブランコのように揺れるのを楽しんでるみたいだ。

 出くわす敵は遠距離攻撃かヒスイの近接戦で倒して、のんびりと進む。
 目指してるのはもちろんマップ上にある燕のマークの場所だよ。きっと秘燕ピエンがあるはず。
 今度はどんな出会いがあるかなー。


 バトルを繰り返しながら進み続けていると、燕のマークの近くについた。
 とはいえ、燕のマークは動いてるから、見つけられないまま離れちゃうかもしれない。

「ツバメさーん、出ておいでー」

 鳩さんの時と同じ感じでいけないかな、と呼びかけてみる。
 すると、近くの茂みがガサガサと揺れ──現れたのはウサギさんでした。

「なんでやねーん! あ、鳩さんの口調が移っちゃった」

 ツッコミを入れてから、ウサギ──光羽兎リヒティエールラパをジト目で見つめる。
 とっても好戦的な眼差しには見覚えがあるけど、背中に見える羽が前と違う気がするぞ……?

「その黒い羽は何……? 君、闇堕ちしちゃった……?」
「ぷぁっ」
「あっ、違うっぽいね?」

 プンプンとほっぺたを膨らませてファイティングポーズを取った光羽兎リヒティエールラパを見て、さらに首を傾げる。

 前に会った子より、話が通じる気がするぞ? 戦わずに済んだりする?

「ねぇねぇ。燕っぽいモンスター、知らない?」
「……ぷぁ?」

 光羽兎リヒティエールラパが目を丸くしてから、自分の胸元を指して首を傾げる。
 え、君、燕っぽくはない──いや、今は羽が燕に似てるかも?

 マジマジと見つめて気づいた。光羽兎リヒティエールラパの本来の羽に被さるように、黒い羽が乗っていることを。

「えっ、それどういう状態!?」
「ぷぁ」

 光羽兎リヒティエールラパが鳴いて身震いしたかと思うと、黒い羽がその背から離れた。
 それ、着脱可能なの!?

「キュオ(【氷柱】)」
「にゃ(【ニャンパンチ】)」

 僕が驚いて固まってる間に、オギンとヒスイが冷静にスキルを放つ。その標的はパタパタと飛ぶ黒い羽だ。

「ピヒャッ」

 黒い一対の羽は、必死に飛びながら攻撃を避けてる。羽以外の胴体が見えないのは、僕の気のせいかなぁ。

「キュオ(【吹雪】)」
「にゃ(【白雲】)」
「らぴゅ(【翼撃ウィングインパクト】)」
「きゅぃ(【体当たり】)」
「ぴぅ(【体当たり】)」

 ……みんな容赦ないね?
 ヒスイによって視界を妨げられて逃げ惑った黒羽くろはねくんが、オギンの吹雪で凍えて、ラッタンの攻撃でダメージを負ってる。
 最終的に、オギンが尻尾を振って投げたスラリンとユキマルのコンビ技・体当たりを食らって地面に墜落。

 オーバーキル!
 みんな、時々やりすぎるのはなんでかな?

 地面に落ちた黒羽くんを見下ろす。
 ボロボロになって可哀想。
 追加で光羽兎リヒティエールラパがベシベシとキックしてる。君たち仲間だったんじゃないの?

「ぷぁ」
「満足そうな顔してるー」

 えっへん、と胸を張った光羽兎リヒティエールラパにドン引きです。
 見た目は可愛いのに、中身が残念。

 黒羽くんに動く気配はない。でも、討伐アナウンスもないんだよなぁ。
 とりあえず鑑定しよ。

——————
燕尾羽テイルウィング
 風・木属性のモンスター
 一対の羽の間に胴体や頭部を見た者はいない
 羽だけで生きているという説と羽以外が透明という説がある
 致死的なダメージを負うと、特殊なスキルを使って全回復するため、倒すことは非常に難しい
——————

 なんか不思議な生態のモンスターらしい。
 特殊スキルも気になるなぁ。

 鑑定結果を見ながら「ふむふむ」と考えていたら、燕尾羽テイルウィングがヨロヨロと羽ばたき始めた。
 その状態で逃げる気? 危なくない?

 じぃと観察を続ける僕に習うように、今度はヒスイたちも攻撃せず待機してる。
 光羽兎リヒティエールラパがパタパタと羽ばたいて飛んでいった。

「ピーヒャ!」

 燕尾羽テイルウィングが甲高く鳴いたかと思うと、その周囲を光る糸のようなものが覆い、繭状の球体を作り上げる。

 綺麗だなぁ。ピアがここにいたら、テンションが上がりそう。キラキラしたものが好きだし。

「──ピヒャ!」

 燕尾羽テイルウィングが殻を破るように繭を破って出てきた。
 そのまま森の奥に消えていこうとするのを、ヒスイが追いかけて地面に叩き落とす。
 ……ちょっとひどいかも。

 頬が引き攣るのを感じながらも、僕以外のみんなが燕尾羽テイルウィングの相手をしてくれてる間に、繭を鑑定してみた。

——————
秘燕ピエン】レア度☆☆☆☆☆
 幻の食材
 プルプルした食感の細い糸
 春雨よりもっちりしていて、食べると口の中で溶ける
 燕尾羽テイルウィングの特殊なスキルによって作られる
 多くのモンスターの好物
 作られて一分以内に仕舞わないと野生のモンスターが押し寄せてくる
——————

 ……モンスターが押し寄せてくる!?

 最後の一文を見て、慌てて秘燕ピエンをアイテムボックスに仕舞った。
 キョロキョロと周囲を見ても、近づいてくるモンスターの気配はない。

「ふぃー……ギリギリ間に合ったぁ」

 汗を拭うように額に触れてから、ふとヒスイたちの方を見た。
 燕尾羽テイルウィングの相手をしてくれてたはずなんだけど──

「──って、秘燕ピエンがたくさんある!?」

 いつの間にやら、キラキラとした玉が地面にゴロゴロと転がってた。
 そして、それは今も量産されていて……つまり、みんなが燕尾羽テイルウィングを攻撃し続けているということ。

「ちょ、みんな、あんまりそれをやると、イジメみたいになっちゃうよーっ」

 慌ててみんなを止めながら、急いで秘燕ピエンを回収していく。
 でも、一分という制限時間はあまりにシビアだった。

「ぴぅ(モンスターがいっぱい近づいてきてるよ……!)」
「ヤババー」
「らぴゅ(やばばぁ?)」
「みんな【帰還】! 僕も【転移】!」

 転移スキルが使えるギリギリのタイミングで逃げられた。
 いくつか秘燕ピエンを回収し損ねたけど、大量のモンスターに囲まれて死に戻りするよりいいよね。

 ふぃー、危なかったぁ……。

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