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12章 美味しいもの大好き!
527.ひゅーひゅー!
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美味しそうにフルーツタルトを食べている龍馬を眺める。
ルトも無言で観察してた。
僕と違ってルトは龍馬の婚活関係のミッションを受けてない。だから、立ち去った後に幻の食材をゲットできればいい、と他人事な顔してる。
そういう態度を取られると、巻き込みたくなっちゃうんだけど……また怒られそうだからやめておこう。
頭の中で『モモは ジチョウを おぼえた!』っていうアナウンスが聞こえた気がするよ。
失礼だなぁ。僕は元から自重を知ってる。普段はあえて無視してるだけ!
『美味しかったよ、ウサギ。ありがとう』
「どういたしましてー。僕はモモだよ」
『うん、桃色ウサギだね』
「むー……たまに名前を言いたがらないタイプのキャラがいるよね、この世界のモンスター」
自己紹介をスルーされたけど、個体識別はされてるみたいだから、まあいいや。
それより、ミッション──婚活のお手伝いの方が大事!
「ねえ、君も今、婚活中?」
『コンカツ? 揚げた豚肉のことかな』
「それはトンカツ。というか、なんでトンカツを知ってるの」
まさか、僕がツッコミ役をすることになるなんて。柄じゃないことさせないでよ。
ルトが僕の傍でグフッと吹き出すのを我慢してる。笑いたきゃ潔く笑いなよ。
『トンカツは前に人間にもらったんだけど、すごく美味しくてね』
龍馬が期待に満ちた目を向けてくる。それはトンカツをくれってことだね?
「……トンカツあげるから、これ使っていい?」
面倒くさくなったから、いろいろと手順を短縮して、竜火砲を取り出した。
このアイテムを使えば、マリーちゃんを呼び出すための花火が発射されるはずなんだ。あとのことは、龍馬たちに任せる!
『おや、それは……なかなかいい魔力だね。どうぞ使って』
龍馬が竜火砲に顔を寄せ、クンクンと匂いを嗅いだ。
魔力に匂いなんてあるのかな?
このアイテムにはマリーちゃんの魔力が込められてるはずだから、これをいい匂いと言うなら、二人の相性がいいってことなのかも。
高評価を期待できそうだ。
「じゃあ、ちょっと離れてね──三・二・一……」
ポチッとな。
発射スイッチを押してすぐに、夜空に光の花が咲いた。そこはかとなく、龍馬の形に似てる気がする。
夜空に上がった花火はすごく綺麗だ。
めったに夜のバトルフィールドには来ないけど、この景色を見られただけでもよかったな、と思う。これも幸運値の導きのおかげかも。
しばらくして花火が消えた夜空を、大きな影が飛んでくるのが見えた。
マリーちゃんだ。やっほー。
『あらー、可愛いウサギさん。ようやく私の旦那様候補を見つけてくれたのね!』
ふわっ、と重さを感じさせない動きで地面に降り立ったマリーちゃんが、雄の龍馬を見て目を輝かせる。
「そうだよー。この龍馬さんはどう?」
『そうねぇ……』
ジッと雄を見つめたマリーちゃんが、照れたように尻尾を動かす。
だいぶ気に入ってくれたみたいだ。
駄目押しにプレゼントを渡しちゃおう。
「これ、二人のために用意したよ!」
モンちゃんにもらった結婚指輪を渡す。
僕が用意したわけじゃないんだけど、そんな些細なことは別にどうでもいいよね。
〈【龍馬】の雌雄に結婚指輪を渡しました。二人の相性が20%アップしました〉
お、早速アイテム効果が発揮された。
最終的に相性がどれくらいになったのかはわからないけど。
『まあ、なんて優しいウサギさんなの! 素敵ね。これを二人で着けるわ』
『うんうん、君が言うなら、もちろん俺も着けるとも』
マリーちゃんたちは首をスリスリしていい雰囲気。
むふふ、ちゃんと仲人できて僕も嬉しいよ。
『指輪のお礼に、あなたにこれをあげるわ』
マリーちゃんから王冠のようなものをもらった。深い緑色を基調として、キラキラと輝く透明な石が飾られてる。
——————
【龍冠】レア度☆☆☆☆☆
竜種が多大な恩に報いるために渡す冠
種族を問わず装備可能
体力+50、魔力+50、素早さ+15、精神力+15
装備している間は行動阻害系のデバフを無効化する
竜種との友好度が上がりやすくなる
——————
……めちゃくちゃ凄いアイテムをもらってしまった。モンちゃんからもらったアイテムを横流ししただけなのに。
これは、モンちゃんにもお礼をしなきゃいけないかな。
面倒くさいこと押し付けられたなんて思ってごめんね、モンちゃん!
ルトがドン引きした目で龍冠を凝視したあと、魂が抜けたような顔で遠くを見つめた。
大丈夫? あとで状態異常回復スキルを使おうか?
「マリーちゃん、ありがとう!」
『ふふ、お礼を言うのは私の方よ。素敵な旦那様を紹介してくれたお礼もしなくちゃ』
お、素敵な旦那様認定されたらしい。
つまり、ミッションを一発クリア? 確か、旦那様への評価次第で、報酬が変わるんだよねー。何をもらえるのか気になります!
ワクワクしながらマリーちゃんを見つめたら、星のような形の透明な石を渡された。
〈シークレットミッション【素敵な旦那様探しを手伝う】をクリアしました。報酬として、アイテム【龍馬の鬣】✕5、【星の輝き】が贈られます〉
——————
【龍馬の鬣】レア度☆☆☆☆☆
龍馬の煌めく鬣
大いなる力を秘めている
生産用素材として用いると、ランダムで特殊効果を付与する
【星の輝き】レア度☆☆☆☆☆☆
シークレットミッションを完全クリアした際に、稀にもらえる
使用すると、経験値100万を獲得する
——————
……え、経験値をもらえるアイテムって存在してたの!?
ルトも無言で観察してた。
僕と違ってルトは龍馬の婚活関係のミッションを受けてない。だから、立ち去った後に幻の食材をゲットできればいい、と他人事な顔してる。
そういう態度を取られると、巻き込みたくなっちゃうんだけど……また怒られそうだからやめておこう。
頭の中で『モモは ジチョウを おぼえた!』っていうアナウンスが聞こえた気がするよ。
失礼だなぁ。僕は元から自重を知ってる。普段はあえて無視してるだけ!
『美味しかったよ、ウサギ。ありがとう』
「どういたしましてー。僕はモモだよ」
『うん、桃色ウサギだね』
「むー……たまに名前を言いたがらないタイプのキャラがいるよね、この世界のモンスター」
自己紹介をスルーされたけど、個体識別はされてるみたいだから、まあいいや。
それより、ミッション──婚活のお手伝いの方が大事!
「ねえ、君も今、婚活中?」
『コンカツ? 揚げた豚肉のことかな』
「それはトンカツ。というか、なんでトンカツを知ってるの」
まさか、僕がツッコミ役をすることになるなんて。柄じゃないことさせないでよ。
ルトが僕の傍でグフッと吹き出すのを我慢してる。笑いたきゃ潔く笑いなよ。
『トンカツは前に人間にもらったんだけど、すごく美味しくてね』
龍馬が期待に満ちた目を向けてくる。それはトンカツをくれってことだね?
「……トンカツあげるから、これ使っていい?」
面倒くさくなったから、いろいろと手順を短縮して、竜火砲を取り出した。
このアイテムを使えば、マリーちゃんを呼び出すための花火が発射されるはずなんだ。あとのことは、龍馬たちに任せる!
『おや、それは……なかなかいい魔力だね。どうぞ使って』
龍馬が竜火砲に顔を寄せ、クンクンと匂いを嗅いだ。
魔力に匂いなんてあるのかな?
このアイテムにはマリーちゃんの魔力が込められてるはずだから、これをいい匂いと言うなら、二人の相性がいいってことなのかも。
高評価を期待できそうだ。
「じゃあ、ちょっと離れてね──三・二・一……」
ポチッとな。
発射スイッチを押してすぐに、夜空に光の花が咲いた。そこはかとなく、龍馬の形に似てる気がする。
夜空に上がった花火はすごく綺麗だ。
めったに夜のバトルフィールドには来ないけど、この景色を見られただけでもよかったな、と思う。これも幸運値の導きのおかげかも。
しばらくして花火が消えた夜空を、大きな影が飛んでくるのが見えた。
マリーちゃんだ。やっほー。
『あらー、可愛いウサギさん。ようやく私の旦那様候補を見つけてくれたのね!』
ふわっ、と重さを感じさせない動きで地面に降り立ったマリーちゃんが、雄の龍馬を見て目を輝かせる。
「そうだよー。この龍馬さんはどう?」
『そうねぇ……』
ジッと雄を見つめたマリーちゃんが、照れたように尻尾を動かす。
だいぶ気に入ってくれたみたいだ。
駄目押しにプレゼントを渡しちゃおう。
「これ、二人のために用意したよ!」
モンちゃんにもらった結婚指輪を渡す。
僕が用意したわけじゃないんだけど、そんな些細なことは別にどうでもいいよね。
〈【龍馬】の雌雄に結婚指輪を渡しました。二人の相性が20%アップしました〉
お、早速アイテム効果が発揮された。
最終的に相性がどれくらいになったのかはわからないけど。
『まあ、なんて優しいウサギさんなの! 素敵ね。これを二人で着けるわ』
『うんうん、君が言うなら、もちろん俺も着けるとも』
マリーちゃんたちは首をスリスリしていい雰囲気。
むふふ、ちゃんと仲人できて僕も嬉しいよ。
『指輪のお礼に、あなたにこれをあげるわ』
マリーちゃんから王冠のようなものをもらった。深い緑色を基調として、キラキラと輝く透明な石が飾られてる。
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【龍冠】レア度☆☆☆☆☆
竜種が多大な恩に報いるために渡す冠
種族を問わず装備可能
体力+50、魔力+50、素早さ+15、精神力+15
装備している間は行動阻害系のデバフを無効化する
竜種との友好度が上がりやすくなる
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……めちゃくちゃ凄いアイテムをもらってしまった。モンちゃんからもらったアイテムを横流ししただけなのに。
これは、モンちゃんにもお礼をしなきゃいけないかな。
面倒くさいこと押し付けられたなんて思ってごめんね、モンちゃん!
ルトがドン引きした目で龍冠を凝視したあと、魂が抜けたような顔で遠くを見つめた。
大丈夫? あとで状態異常回復スキルを使おうか?
「マリーちゃん、ありがとう!」
『ふふ、お礼を言うのは私の方よ。素敵な旦那様を紹介してくれたお礼もしなくちゃ』
お、素敵な旦那様認定されたらしい。
つまり、ミッションを一発クリア? 確か、旦那様への評価次第で、報酬が変わるんだよねー。何をもらえるのか気になります!
ワクワクしながらマリーちゃんを見つめたら、星のような形の透明な石を渡された。
〈シークレットミッション【素敵な旦那様探しを手伝う】をクリアしました。報酬として、アイテム【龍馬の鬣】✕5、【星の輝き】が贈られます〉
——————
【龍馬の鬣】レア度☆☆☆☆☆
龍馬の煌めく鬣
大いなる力を秘めている
生産用素材として用いると、ランダムで特殊効果を付与する
【星の輝き】レア度☆☆☆☆☆☆
シークレットミッションを完全クリアした際に、稀にもらえる
使用すると、経験値100万を獲得する
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……え、経験値をもらえるアイテムって存在してたの!?
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