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12章 美味しいもの大好き!
538.食い倒れ〜
手伝妖精のおかげで、料理が無事に完成したよ!
途中、心が折れかける度に、手伝妖精たちが『ふれー、ふれー』とカラフルなポンポンを振って応援してくれた。
作製数+1の効果も高頻度で発揮してくれたし……感謝感激雨あられ!
お礼にチョコブラウニーをプレゼントしたら、美味しそうに食べてたよ。
ちなみに、交代しながら協力してくれた手伝妖精の数は、トータルで二十一体。
大体三体一組で十回の作業で疲労してきて、交代してから三十分くらいで回復することがわかった。
今後、また大量の生産活動をすることがあるかはわからないけど、作業時間を計算する材料になりそうだ。
まあ、それはともかく。
山あり谷あり、いろんなことがありまして、ようやくこの日が来ました!
「グルメ大会開始だー!」
いつもの何倍も賑わってる第二の街の広場で、ぴょんぴょんと跳ねて喜びを表現する。
周りで「きゃわゆい!」と悶えてる人がいるのはスルー推奨です。みんな楽しそうだね。
「……なんか、テンションおかしくねぇか?」
ルトが『さてはコイツ偽物か? それとも、なんか変な薬でも飲んだのか?』と言いたげな目で僕を見下ろす。
失礼だなー。
僕は昨日までがんばって料理を用意しててギリギリでノルマを達成したから、その喜びのテンションを引きずってるだけだよ。
いわゆるランナーズハイだね! こんなの、僕、初めて……!
「やっぱテンションヤベーわ。混乱回復薬いるか?」
「いらぬ。このテンションのまま突っ走る所存なり」
「いや、飲めよ」
キリッとした顔を作って宣言したら、ルトが顔を引き攣らせた。
え、そんなに変かな? 僕、とっても楽しい気分なんだけど。
きっとお酒を飲んだ時とか、こういう心地になるんだろうなぁ。早く飲めるようになりたい。
「モモ、わたしからプレゼントあげる。いま飲んでね」
「アリスちゃんに言われたなら飲むしかないね」
ニコニコ笑顔のアリスちゃんに渡された小瓶の中身を、鑑定せずに飲む。
僕の初めてのお友だちが、僕に害のあるものを渡すはずがないもん。
ルトが「マジかぁ……」と引いた目で見てるのは、小瓶の中身がショッキングピンクだったからかな。目に痛い色だねぇ。味は薄っすらと桃。意外と美味しい。
ちなみにアリスちゃんは、ルトに頼んでグルメ大会に連れてきてもらったらしい。
拗ねて「なんで僕じゃないの?」って聞いたら、「モモから、おへんじがなかったから」としょんぼりされたから、反省しました。
アリスちゃんからの連絡をスルーしてしまっていたとは……忙殺されてた弊害だね。心に余裕を持つことは大切、という教訓を得たよ。
「ふあ……なんか頭が冴えてきた……」
ふわふわと浮き立っていた気分が、スンッと落ち着いた。
ねぇ、これ、なんの効果があったの? こんな薬は知らないんだけど。アリスちゃんパパのランドさん作かな。今度レシピを聞きにいかなくちゃ。教えてくれるかなー?
「あ、モモ落ち着いた? 最初はこれ食べよー」
リリが両手に料理を抱えて駆け寄ってきた。
いつの間にやら、近くの屋台で料理をゲットしてきたらしい。交代でルトが買いに行くのを見送る。
僕が動くと騒ぎが起きそうだから、今日はルトとリリ、たまにタマモたちもふもふ教のみんなが、各屋台の料理を集めてくれるんだって。
僕はアリスちゃんと一緒に、のんびりと屋台を観賞しながら、グルメ大会の雰囲気を楽しむよ。
みんな凝った屋台を作ってて、見てるだけでもワクワクする。
「これなーに?」
アリスちゃんがリリが持ってきたものを見て首を傾げる。
これは何層にもなったケーキだね。上に載ってるのは桃のコンポートっぽい。
ムースやジャム、スポンジ、タルト生地などなどが積み重なった断面が綺麗だ。
「マルって子が作った桃ケーキだよー。モモに美味しい桃スイーツを食べてほしいがために、パティシエに弟子入りしてる子なの」
「あ、これ、マルが作ったケーキなんだね」
おー、さすがパティシエさん。美味しそうなケーキだー。
一端の料理人として、しっかりとケーキを観察する。
……僕が作るより綺麗な気がするぞ?
やっぱり、こういう繊細なスイーツには、センスの違いが出るよね。スキルや称号とかで品質はアップできるけど、見た目の大部分は個々でイメージ力を高めるしかないもんなぁ。
僕ももっとがんばろう。
「マルちゃんの屋台はどれ?」
「あれだよー」
リリが指した方をアリスちゃんが見て「ニャンコだー!」と歓声を上げる。
うん、マジにゃんこだよね。おすわりした猫そのものな見た目だから、屋台の既成概念に挑んでる感じがするよ。
一緒に作った時に見たけど、それよりパワーアップしてるように見えるのは気のせいかな? なんかもふもふしてない? 屋台、とは……?
「おいしー」
「おいしいね!」
リリとアリスちゃんがケーキを食べて、ふにゃっと頬を緩めてる。そんなに美味しいの? 僕も食べるー!
「はぐ……もぐもぐ……うまうまー!」
ケーキを分けてもらって、一口食べた途端、僕もニコニコしちゃった。
パティエンヌちゃんが作る桃スイーツに匹敵する美味しさだ。
神級料理のような衝撃はないけど、いろんな味がバランスよく混ざり合っていて美味しい。しみじみとゆっくり味わいたくなる感じ。
「ケーキに合う飲み物はどう? ミルクティーよ」
「あ、トアさんだ。ありがとー」
ニャンコな姿のプレイヤー・トアさんが、現れた途端に複数のカップを取り出して渡してくれた。
猫が描かれたカップが可愛い。
ミルクティーは程よい甘さで美味しいし、ケーキと相性バッチリだ。
「トアちゃん、ありがとう」
「どういたしまして」
微笑み合う幼女アリスちゃんとニャンコなトアさんの姿に、周りにいたもふもふ教の人たちが「尊い……」と呟きながら、凝視してる。
ちょっと怖いよ。アリスちゃんにそういう目を向けるのはやめて。
「甘いものの次はしょっぱいもの! じゃじゃーん、ハンバーガー!」
「順番、逆がよかったんじゃない?」
リリが掲げた包みを見ながら首を傾げる。
なんでデザートから始めたんだろうね。リリってたまに……いや、わりと頻繁に不思議ちゃんだ。
「そう? 甘いものの次にジャンクフードを食べるの美味しいよ?」
「うーん……否定はできない」
確かに甘いものを食べたら、しょっぱいものが欲しくなるもんね。その次は甘いもの──って、永遠に続いちゃうけど。
うむうむ、と頷きながら、切り分けてくれたハンバーガーを受け取る。
ポテトとセットになっていたハンバーガーは、見るからにジューシーなお肉とチーズ、シャキシャキなレタス、トマトがバンズに挟まれていて、美味しそう。
「──うっま!」
一口頬張った瞬間、じゅわっと肉汁が溢れ出る。ソースはデミグラスに近いかな。もうちょっとスパイシーだけど。
野菜とのバランスがよくて、食べ飽きることがなさそう。うまうま。
「ナディアちゃんも料理上手いよねー」
「あ、これ、ナディアが作ったやつなんだ?」
「うん。屋台はそこね」
リリが指したのは、マルの屋台と道を挟んで向かいにある屋台だ。大量の猫のぬいぐるみで飾られてる。
マルの屋台とは違う意味で猫猫しいなぁ。さすが猫狂いなナディア。
……そのナディアは、自分が飾っただろう猫のぬいぐるみをウットリと見つめてる。その周りは人が避けてポッカリと空いてるよ。
スルーしよう。
「美味しいものいっぱいで幸せ~」
「だねー。今日は食い倒れツアーを満喫しなきゃー!」
ニコニコ笑ってグッと握り拳を見せるリリに、僕とアリスちゃんも同じポーズを返して「「おー!」」とニッコリと笑った。
たくさん美味しいもの食べちゃうぞー♪
途中、心が折れかける度に、手伝妖精たちが『ふれー、ふれー』とカラフルなポンポンを振って応援してくれた。
作製数+1の効果も高頻度で発揮してくれたし……感謝感激雨あられ!
お礼にチョコブラウニーをプレゼントしたら、美味しそうに食べてたよ。
ちなみに、交代しながら協力してくれた手伝妖精の数は、トータルで二十一体。
大体三体一組で十回の作業で疲労してきて、交代してから三十分くらいで回復することがわかった。
今後、また大量の生産活動をすることがあるかはわからないけど、作業時間を計算する材料になりそうだ。
まあ、それはともかく。
山あり谷あり、いろんなことがありまして、ようやくこの日が来ました!
「グルメ大会開始だー!」
いつもの何倍も賑わってる第二の街の広場で、ぴょんぴょんと跳ねて喜びを表現する。
周りで「きゃわゆい!」と悶えてる人がいるのはスルー推奨です。みんな楽しそうだね。
「……なんか、テンションおかしくねぇか?」
ルトが『さてはコイツ偽物か? それとも、なんか変な薬でも飲んだのか?』と言いたげな目で僕を見下ろす。
失礼だなー。
僕は昨日までがんばって料理を用意しててギリギリでノルマを達成したから、その喜びのテンションを引きずってるだけだよ。
いわゆるランナーズハイだね! こんなの、僕、初めて……!
「やっぱテンションヤベーわ。混乱回復薬いるか?」
「いらぬ。このテンションのまま突っ走る所存なり」
「いや、飲めよ」
キリッとした顔を作って宣言したら、ルトが顔を引き攣らせた。
え、そんなに変かな? 僕、とっても楽しい気分なんだけど。
きっとお酒を飲んだ時とか、こういう心地になるんだろうなぁ。早く飲めるようになりたい。
「モモ、わたしからプレゼントあげる。いま飲んでね」
「アリスちゃんに言われたなら飲むしかないね」
ニコニコ笑顔のアリスちゃんに渡された小瓶の中身を、鑑定せずに飲む。
僕の初めてのお友だちが、僕に害のあるものを渡すはずがないもん。
ルトが「マジかぁ……」と引いた目で見てるのは、小瓶の中身がショッキングピンクだったからかな。目に痛い色だねぇ。味は薄っすらと桃。意外と美味しい。
ちなみにアリスちゃんは、ルトに頼んでグルメ大会に連れてきてもらったらしい。
拗ねて「なんで僕じゃないの?」って聞いたら、「モモから、おへんじがなかったから」としょんぼりされたから、反省しました。
アリスちゃんからの連絡をスルーしてしまっていたとは……忙殺されてた弊害だね。心に余裕を持つことは大切、という教訓を得たよ。
「ふあ……なんか頭が冴えてきた……」
ふわふわと浮き立っていた気分が、スンッと落ち着いた。
ねぇ、これ、なんの効果があったの? こんな薬は知らないんだけど。アリスちゃんパパのランドさん作かな。今度レシピを聞きにいかなくちゃ。教えてくれるかなー?
「あ、モモ落ち着いた? 最初はこれ食べよー」
リリが両手に料理を抱えて駆け寄ってきた。
いつの間にやら、近くの屋台で料理をゲットしてきたらしい。交代でルトが買いに行くのを見送る。
僕が動くと騒ぎが起きそうだから、今日はルトとリリ、たまにタマモたちもふもふ教のみんなが、各屋台の料理を集めてくれるんだって。
僕はアリスちゃんと一緒に、のんびりと屋台を観賞しながら、グルメ大会の雰囲気を楽しむよ。
みんな凝った屋台を作ってて、見てるだけでもワクワクする。
「これなーに?」
アリスちゃんがリリが持ってきたものを見て首を傾げる。
これは何層にもなったケーキだね。上に載ってるのは桃のコンポートっぽい。
ムースやジャム、スポンジ、タルト生地などなどが積み重なった断面が綺麗だ。
「マルって子が作った桃ケーキだよー。モモに美味しい桃スイーツを食べてほしいがために、パティシエに弟子入りしてる子なの」
「あ、これ、マルが作ったケーキなんだね」
おー、さすがパティシエさん。美味しそうなケーキだー。
一端の料理人として、しっかりとケーキを観察する。
……僕が作るより綺麗な気がするぞ?
やっぱり、こういう繊細なスイーツには、センスの違いが出るよね。スキルや称号とかで品質はアップできるけど、見た目の大部分は個々でイメージ力を高めるしかないもんなぁ。
僕ももっとがんばろう。
「マルちゃんの屋台はどれ?」
「あれだよー」
リリが指した方をアリスちゃんが見て「ニャンコだー!」と歓声を上げる。
うん、マジにゃんこだよね。おすわりした猫そのものな見た目だから、屋台の既成概念に挑んでる感じがするよ。
一緒に作った時に見たけど、それよりパワーアップしてるように見えるのは気のせいかな? なんかもふもふしてない? 屋台、とは……?
「おいしー」
「おいしいね!」
リリとアリスちゃんがケーキを食べて、ふにゃっと頬を緩めてる。そんなに美味しいの? 僕も食べるー!
「はぐ……もぐもぐ……うまうまー!」
ケーキを分けてもらって、一口食べた途端、僕もニコニコしちゃった。
パティエンヌちゃんが作る桃スイーツに匹敵する美味しさだ。
神級料理のような衝撃はないけど、いろんな味がバランスよく混ざり合っていて美味しい。しみじみとゆっくり味わいたくなる感じ。
「ケーキに合う飲み物はどう? ミルクティーよ」
「あ、トアさんだ。ありがとー」
ニャンコな姿のプレイヤー・トアさんが、現れた途端に複数のカップを取り出して渡してくれた。
猫が描かれたカップが可愛い。
ミルクティーは程よい甘さで美味しいし、ケーキと相性バッチリだ。
「トアちゃん、ありがとう」
「どういたしまして」
微笑み合う幼女アリスちゃんとニャンコなトアさんの姿に、周りにいたもふもふ教の人たちが「尊い……」と呟きながら、凝視してる。
ちょっと怖いよ。アリスちゃんにそういう目を向けるのはやめて。
「甘いものの次はしょっぱいもの! じゃじゃーん、ハンバーガー!」
「順番、逆がよかったんじゃない?」
リリが掲げた包みを見ながら首を傾げる。
なんでデザートから始めたんだろうね。リリってたまに……いや、わりと頻繁に不思議ちゃんだ。
「そう? 甘いものの次にジャンクフードを食べるの美味しいよ?」
「うーん……否定はできない」
確かに甘いものを食べたら、しょっぱいものが欲しくなるもんね。その次は甘いもの──って、永遠に続いちゃうけど。
うむうむ、と頷きながら、切り分けてくれたハンバーガーを受け取る。
ポテトとセットになっていたハンバーガーは、見るからにジューシーなお肉とチーズ、シャキシャキなレタス、トマトがバンズに挟まれていて、美味しそう。
「──うっま!」
一口頬張った瞬間、じゅわっと肉汁が溢れ出る。ソースはデミグラスに近いかな。もうちょっとスパイシーだけど。
野菜とのバランスがよくて、食べ飽きることがなさそう。うまうま。
「ナディアちゃんも料理上手いよねー」
「あ、これ、ナディアが作ったやつなんだ?」
「うん。屋台はそこね」
リリが指したのは、マルの屋台と道を挟んで向かいにある屋台だ。大量の猫のぬいぐるみで飾られてる。
マルの屋台とは違う意味で猫猫しいなぁ。さすが猫狂いなナディア。
……そのナディアは、自分が飾っただろう猫のぬいぐるみをウットリと見つめてる。その周りは人が避けてポッカリと空いてるよ。
スルーしよう。
「美味しいものいっぱいで幸せ~」
「だねー。今日は食い倒れツアーを満喫しなきゃー!」
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