もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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12章 美味しいもの大好き!

539.楽しいお祭り

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 ルトやリリが持ってきてくれた料理を食べたり、タマモたち(もふもふ教の人たち)のオススメ料理を楽しんだり、のんびり歩いて屋台を鑑賞したり。
 グルメ大会を満喫してたら、僕の屋台も見えてきた。

 事前に整理券を抽選で配ってあるから、目に見える混乱はない──ということにしたい。
 屋台の周りに散らばるように、恍惚の表情で座り込んでいる人がいるのは、スルーしていいよね? いいって言って、運営さん。

「……ヤベー薬でも売ってんのか」

 ルトがドン引きした顔で、幸せそうにパフェを食べている人たちから目を逸らす。
 ヤベー薬とは失礼だな。昇天しそうなほど美味しいご飯とスイーツだよ。

「わあ、あれ、モモの屋台?」

 アリスちゃんがキラキラと目を輝かせて屋台を見つめた。

「そうだよー。可愛いでしょ」

 マルやナディアの屋台と比べたら、ウサギの主張は控えめ。シンプルだけど可愛い、を目指した屋台です。

「あれ? ウサギの置物がある?」

 整理券を持って並んでいる人たちの先頭まで来たところで、リリがカウンターの上を指して言った。

 そこには、おすわりして手招きしているモフモフなウサギの置物がある。
 招き猫ならぬ、招き天兎アンジュラパだよ。カラーリングとか、背中の小さな羽とかが僕そっくりなんだー。

「うん! 屋台がシンプルになったから、あとで置物を作って飾ったんだ」

 手招きしてる手と握手するのも可能だよ、と付け加えて説明すると、リリが「いいね! 可愛い」と褒めてくれた。
 えへへ、そんなに気に入ってもらえたら、僕も嬉しいよ。

 僕たちの会話が聞こえたのか、料理を買った人たちが順番に招き天兎アンジュラパと握手して、ニコニコとしながら幸せそうに立ち去る。

 近くでグルメ大会委員さんも見回りしてるから、長々と居座る人もなく、順調にみんな料理を入手できているようだ。
 一口食べた後に、異常が出ていないとは言えないけど。

 時々、悟りの境地に至った微笑みを浮かべた委員さんたちが、恍惚としながら動きを止めている人たちを道の脇(屋台同士の隙間など、道行く人の邪魔にならない場所)に連れていっているのが見える。
 お手間をとらせてごめんね? ありがとー。

「アリスちゃんとルトたちには、ちゃんと別枠で料理を用意してあるからね!」

 アイテムボックスから料理を取り出す。
 運営さんたち用に追加で作ったのと合わせて、お友だち用にも確保しておいたのだ。
 タマモはお友だち枠に入れなかったから、整理券をがんばってゲットしようとしてたはず。ゲット成功したかは知らない。

「アリスにそんなヤベーものを食わすつもりか……!?」
「ねえ、さっきから失礼すぎない!?」

 ぎょっとした顔で見下ろしてくるルトの膝にパンチを入れる。
 そんなこと言うなら、僕のとっても美味しい料理、ルトにあげないぞー?

「モモが作ったのすごいね! キラキラしてる!」
「でしょー。好きなのを食べてみて」

 僕とルトのやり取りをスルーして、目を輝かせてるアリスちゃんに、大人様ランチ──アリスちゃんが食べるなら普通にお子様ランチでいい気もする──を差し出す。

 アリスちゃんが選んだのは、可愛い旗付きのハンバーグだった。
 はぐっ、と小さな口で頬張ると、アリスちゃんは満面の笑みを浮かべてもぐもぐと噛み締めている。

 言葉で感想を告げられなくても、その表情だけで十分に幸福感が伝わってきて、僕も嬉しくなっちゃうなー。

「このシュークリーム、やばぁい……」
「なんでリリは一番ヤバそうなもんに、真っ先に食いついたんだ……」

 パフェの方に手を付けたリリが、至福の表情で口をもぐもぐと動かす。
 それを見て、ルトが頬を引き攣らせていた。僕は構わず料理を勧める。

「ルトも食べなよー。このパスタもオススメだよ?」
「はー……よし、覚悟を決めた。食うぞ」
「ボスに挑むみたいな決死の表情やめてよ」

 キリッと緊張感を漂わせるルトをジトリと見つめながら、僕もパフェを一口食べる。

 ちっぽけな不満なんて吹き飛んじゃうくらい美味しいよー。僕、天才だね? あ、神だったな!

「うっま……え、うっま!」

 パスタを食べたルトが、鳴き声のように「うっま」を繰り返しながら、次々と料理を口に運ぶ。呆然とした表情だ。
 食べ始めたら止まらない美味しさだよね~。いっぱいお食べ。

「うまうま──……うん?」

 僕も一緒に食べ進めてたら、近くにある広場にあるステージに、見慣れた姿が現れたのが見えた。

 あのステージは結果発表に使うまで、様々な出し物の披露の場になっているらしい。
 これまでにも、マジックとかダンスとかが披露されていて、歓声が上がっているのは聞こえていた。
 あとで、そのステージを使って、僕もコンサートをする予定なんだよ。

「ねえ、ルト。あそこにいるのって、ヤナだよね?」

 食べ終わった後、余韻を楽しんでいる様子でぼんやりとしていたルトに声をかける。

「あ? ……ああ、そうだな……今から、あいつらの出し物の時間か」
「出し物って……漫才、だったっけ? 出場権ゲットできたんだ?」
「みたいだぞ。スキル屋が協力したって聞いた」
「あー、シェルさんかー……」

 ルトに教えてもらって納得。
 ヤナとぷる君は、出場権ゲットのために街角で漫才を繰り返していたらしいし、その努力が報われたみたいでよかったね?

 お友だちだし、せっかくだから見ていくかー、とのんびりと歩き始める。
 ルトに「マジで見るのか? 時間のムダじゃね?」と言われたけど。アリスちゃんは楽しそうにステージを見てるから、たまにはこういうのもいいんじゃない?

 ステージの近くまで来たところで、ルトの肩に乗って鑑賞準備を整える。「おい、重い」と文句を言われたのは聞こえないふりー。
 アリスちゃんはリリが抱っこしてあげて、楽に見られる体勢になっていた。よかったね。

「どうもー! 陽気な骸骨こと、ヤナでーす」
「どうもー! 輝くぷるぷること、プラトンでーす」

 ぷる君がライトを体の中に入れて物理的に輝いてる。
 スライムだからできることだけど、人としての意識があるはずなのに、よくできるなー。

 ルトは「何やってんだ……」と呆れ、リリは「ぷる君ピッカピカー」と笑ってた。
 アリスちゃんは「すごーい。からだのなかに、たいようがあるみたい!」と純真な感想をこぼす。その無垢さ、ぷる君にはもったいない気がするよ。

「「二人合わせて骨ぷるでーす! ……ハゲてないですよ?」」

 ヤナとぷる君が合体して、骸骨にスライムをまとわせた姿になった。
 頭頂部でライトがピッカーと光ってる。まるで頭髪がない頭皮に後光が差したような──

「ハゲてるやないかーい!」

 聴衆から飛んだツッコミに、思わず吹き出してしまった。

「くふっ……これで笑うのは、不本意、っ」

 しょうもないギャグで笑うのが悔しくなるのって、僕だけじゃないよね?
 必死に笑うのを堪えたよ!

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