もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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13章 ワクワク冒険がいっぱいだ!

636.胡麻団子食べたい

 人目を避けながらササッと目的の棚まで移動した。
 入り口から遠いところにあったけど、うろついてる闇使徒団の人たちがいいタイミングで逆側に集まってたから、楽できたよ~。

 目的の棚を観察する。
 うーん、一度確認して何もなしと判断したのが当然なくらい、なんの変哲もない感じだ。
 ザ・闇使徒団(=厨二病)っぽいアイテムもなかったはずだし。

 本当にここに何かあるのかな? 僕の推理が間違ってた?

 ちょっぴり不安になってきたところで、飛鼯鼠ウォレワールくんに服を軽く引っ張られた。

「(なぁに?)」
「(棚の下にある床の色が、他とはちょっと違う気がするよ)」
「(下? ……あ、ホントだ。黒色の床の上に、灰っぽい粉が落ちてる……?)」

 飛鼯鼠ウォレワールくんに教えてもらった異変は、棚の最下部と床の間から灰色の粉が散らばっているのが見えることだった。

 基本的に、埃とかは自動発生しない世界だから、こういうのが床に落ちていることは異常だ。
 つまり、これが何かのヒントになっている可能性が高い。

「(クンクン……この匂いは【解錠胡麻ヒラケ・ゴマ】の残骸だな)」
「(なんて???)」

 隠狼ハインドウルフくんが真面目な口調で不思議なアイテム名を呟いた気がする。
 それ、有名な解錠用の呪文じゃない? アイテム名にしちゃってるの?

 運営さんのネーミングセンスに僕は微妙な気分になったけど、隠狼ハインドウルフくんたちは何も違和感がないらしい。首を傾げてる僕を、不思議そうに見ている。

 プレイヤーと異世界の住人NPCの感覚の違いを大きく感じたよ……。
 仲間外れになった気分で、ちょっとしょんぼりしちゃう。

「(解錠胡麻ヒラケ・ゴマなら、近くの棚で見た気がするにゃ)」

 静猫サイレントキャットがそう言うが早いか、足音なく駆けて「(ここにあるにゃ~)」と手で指した。
 すぐさま賢梟クレバウルくんが飛び、静猫サイレントキャットが指している箱の中から小袋を取り出して戻ってくる。

 僕が何も指示しなくても、みんなが自発的に動いてくれるから、とっても楽です。

「(これだね。はい、どうぞ)」
「(ありがとー。【全鑑定】……うん、解錠胡麻ヒラケ・ゴマだねぇ)」

 受け取った巾着型の小袋を覗き込むと、濃い灰色の胡麻のような粒がたくさん入っていた。

 胡麻かぁ……なんか胡麻団子食べたくなってきたなー。
 胡麻のプチプチとした食感と、団子のモチモチ感、中のあんこのほどよい甘みが美味しいんだよねぇ。時々無性に食べたくなる。
 残念なことに、作り置きはしてないから、後で覚えてたら作ろう。

 ちなみに、中華を食べた後のデザートは杏仁豆腐派。胡麻団子やマンゴープリンより、断然杏仁豆腐の方がいい。さっぱりと締めたいからね。
 胡麻団子は三時のおやつにちょうどいいんだ。結構お腹に溜まるし。

 ……思考が脇道に逸れちゃった。
 えへへ、これだから食いしん坊って言われちゃうんだよなぁ。

 思考を軌道修正して、改めて鑑定結果に目を通す。

——————
解錠胡麻ヒラケ・ゴマ】レア度☆☆☆☆
 閉ざされた出入り口を開ける魔法のような効果を持つゴマ
 一掴み取って、閉ざされた部分に当てると80%の確率で解錠する
 運が悪いと、出入り口を破壊して無理に開けてしまうので、注意が必要
——————

 出入り口を破壊する胡麻ってなに?? 爆薬なの??
 ちょっぴり戸惑ったけど、僕が使う分には気にしなくていいはず。
 なんたって、僕のたくさんある取り柄の一つは、幸運値が高いことだからね。

 ということで、遠慮なく投げるぞー!
 小袋の中身を一掴み取る。

「(……僕のお手々のサイズでの一掴みの量でもいいのかな?)」

 ちょっぴり疑問が芽生えた。
 人の手と僕の手じゃ、サイズの違いが大きいけど、同じ効果が発揮されるのかなぁ?

「(試しに当ててみればいいと思うよ。少なくとも、ボクが掴むよりは多い)」

 賢梟クレバウルがひょい、と片脚を上げて言った。
 確かに、鳥の足じゃ粉っぽいものはほとんど掴めないよね。僕の手は、それよりはだいぶマシだ。

 こういうアイテムの説明って、たまにモンスタータイプのプレイヤーのことを考慮し忘れてる時があるんだよなぁ。
 運営さん、もっとチェックしておいて。

「(そうだね。とりあえず、投げてみる──鬼は~外~)」

 とりゃー、と解錠胡麻ヒラケ・ゴマを棚の下目掛けて投げた。
 投げ方は節分の方が近い気がしたから、この掛け声をチョイスしたよ。
 だって、解錠胡麻ヒラケ・ゴマを投げるのに、『開けゴマ』って言うのは、なんかナンセンスでしょ?

「(なんで鬼……?)」

 飛鼯鼠ウォレワールくんにすごく不思議そうな顔をされちゃったけどね!
 ノリで言ってるだけだから、気にしないでください。

「(お、石が動いたぞ)」

 床をジッと見ていた隠狼ハインドウルフくんが楽しげに報告する。

 散らばった解錠胡麻ヒラケ・ゴマが、すり鉢で擦られるように粉々になったかと思うと、床の一部が僅かに沈み込んで、横にスライドしていった。
 そういう開き方なのかぁ……。

 棚の下に入り込んで、さらに下って行ける感じの階段が現れてる。
 人型だとちょっと窮屈そうだけど、行けなくもないくらいの広さ。

〈エクストラ調査ミッション1【隠し通路の発見】をクリアしました。報酬として【偵察ポイント+10】が贈られます。現在の偵察ポイントは『34』です〉
〈エクストラ調査を開始しました。【闇君ヤミノキミの巣窟調査】の時間制限が一時間延長されます〉

——————
エクストラ調査ミッション1【隠し通路の発見】
 闇君ヤミノキミの巣窟内にある隠し通路を発見しよう
 闇使徒団のアジトの深部に行けるよ
——————

 ……エクストラ?
 シークレット調査ミッションとは違う何かが始まったね?

 時間制限が延びたから、落ち着いて探索できそうなのは嬉しい。
 せっかく発見したし、行っちゃおう♪
 ここを進めば、シークレット調査ミッション7をクリアする方法も見つかるかも。

 追加のミッションもがんばるぞ~!

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