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6章 どたばた大騒動?
205.成長しましょう
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どこでレベリングしようかなー、と考えていたら、タマモから連絡が来ていることに気づいた。約束通り、ホラースポット探索の結果を教えてくれたらしい。
「――ダンジョン?」
タマモから教えられた内容に、思わずきょとんと目を丸くする。
ホラースポットと言うほど怖い場所じゃなくて、階層ごとに出てくるモンスターのレベルや種類が分かれたバトルフィールドの一種だったそうだ。
地下一階はレベル10程度の無属性モンスター、二階以降は下へ進むごとにレベル5程度上がっていく感じだったらしい。今のところ地下五階まで見つけている。地下五階は踏破できなかったんだって。
「これ、レベリングにちょうどいいかも?」
タマモから『ドロップアイテムは魔石多めで、錬金術に使えそうなものも結構ありましたよ』という報告があるのを見て、うんうんと頷く。
レベリングついでに新商品用の素材を集めよう。今のところダンジョンでしか見つかっていないアイテムもゲットできるみたいだし。
ダンジョン内はパーティごとに独立した空間になっていて、混雑や人目を気にする必要がないっていうのも良い。
「よーし、ダンジョンでレベリングだー」
「くるる?」
不思議そうに首を傾げるペタと頷くオギンを一旦帰して、転移ではじまりの街・西の港へ向かった。
◇◆◇
ゴム製品廃工場は、確かに廃墟っぽい見た目で、一人で見たら怖くなるんだろうなぁという感じだった。
でも、たくさんの人が詰めかけている今は、バーゲンセール会場かな? と錯覚するくらいに、明るい雰囲気だ。
吸い込まれるように地下に向かうプレイヤーに混じって、僕も中へ進む。
一階と二階があるけど、そこでは少しのゴム製品と意味深なメモくらいしか拾えないらしいから、今回はスルー。
階段を下りて、地下一階の攻略開始だ。
タマモ曰く、地下一階は迷路のような廊下がある空間らしい。フルパーティだと動きにくそうな狭さだ。
床も壁も天井も銀一色の空間を眺めて、ちょっと困っちゃう。目印がなくて迷子になりそう。
スラリンたちは迷路得意かなぁ、なんて考えながら召喚スキルを使う。まだ敵の姿は見えない。
「【召喚】スラリン、ユキマル」
「きゅい(あ、バトルだ!)」
「ぴぅ(ボクが倒せるかなぁ)」
「この階層のモンスターはあまり強くないらしいから、レベリングしようね」
スラリンとユキマルが頷く。
二体を前衛にして進み始め、幾ばくも経たない内にユキマルが赤く光を放った。少し遅れて、僕もモンスターの接近を察知する。
「ぴぅ(敵が来たよ)」
「二体とも、体当たりとか分解・吸収で攻撃してねー」
指示をしてから、天からの祝福など継続回復スキルを使っていく。歌唱スキルで意気高揚と回復効果上昇を重ねがけしたら、準備は完了。
「ゴミュッ!」
「初めて見るモンスターだ」
曲がり角から現れたのは白色の球体のようなモンスターだった。口が見当たらないし、どこから声が出てるのかわからない。
まずは鑑定しないと。
――――――
【丸玉】
無属性モンスター。弾力のあるボディで衝撃を受け流す。防御力が高い。主な攻撃は体当たり。
――――――
「ゴムボールかな?」
大きさはスラリンより少し大きいくらい。それが浮遊しながら、体当たりを仕掛けてこようとしてる。
「回避してから攻撃だよ!」
「きゅい!」
やる気いっぱいのスラリンが、紙一重のところで丸玉を回避した。すぐに攻撃に転じて、勢いよく体当たりする。
「ゴミュ!?」
「ぴぅ!」
丸玉が弾かれた先にいたユキマルが体当たりを繰り出す。
――まるで卓球のピンポン玉のように、丸玉がスラリンとユキマルの間を行き来した。なんだか二体が楽しんでる気がする。
「吸収してもいいんだよ?」
僕がそう言った頃には丸玉の体力はすでに赤表示になっていた。スラリンがドンッと体当たりした瞬間に、丸玉が光になって消える。
「きゅい(勝った~)」
「ぴぅ(弱かったね)」
ぽよんぽよんと跳ねるスラリンたちを眺めて、思わず苦笑した。
地下一階は、二体にとっては楽勝のフィールドだったのかも。これは早めに地下二階を目指した方がいいかな。
「よくできました~。楽しむのはいいけど、次からはバトル時間の短縮を目指そうね」
「きゅぃ(うん、遊んじゃってごめんね)」
「ぴぅ(次は瞬殺する!)」
しょんぼりしながらも、やる気に満ち溢れた雰囲気の二体に、にこにこしながら頷いた。しばらく僕が戦う必要はなさそうだ。
次の敵モンスターを求めて進む二体の後に続きながら、ドロップアイテムを確認する。
「無魔石とゴムかー」
予想に違わない結果だった。魔石に無属性があるのは初めて知ったけど。
はじまりの街周辺の無属性モンスターは倒しても魔石をドロップしないから、属性のあるモンスターしか魔石をくれないんだと思ってた。
この魔石を使うのが楽しみだ。ゴムもいろんなアイテムに使えて便利だから、たくさんあって損はない。
「きゅーい!」
「ぴぅ!」
地下一階で現れるモンスターは丸玉と同じタイプのモンスターばかりだった。
基本的に物理攻撃しかしてこないから、スラリンたちも避けて攻撃を繰り返すだけ。吸収・分解のスキルも使ったら、最初のバトルより早く決着する。
〈スラリンのレベルが上がりました〉
〈スラリンとユキマルがスキル【回避】を覚えました〉
「あ、すごい! スラリンたち、スキルを習得できたね!」
「きゅい!」
こんなにすぐスキルを覚えられたのは、僕がテイマーになったからかな? 回避して、という指示がスキル習得速度に影響してる気がする。
つまり、僕がいろんな指示をすれば、他にもたくさんスキルを覚えていくかも。
喜んでるスラリンたちを眺めながら、どういう風に育てようか考える。これもテイマーの醍醐味だね!
「――ダンジョン?」
タマモから教えられた内容に、思わずきょとんと目を丸くする。
ホラースポットと言うほど怖い場所じゃなくて、階層ごとに出てくるモンスターのレベルや種類が分かれたバトルフィールドの一種だったそうだ。
地下一階はレベル10程度の無属性モンスター、二階以降は下へ進むごとにレベル5程度上がっていく感じだったらしい。今のところ地下五階まで見つけている。地下五階は踏破できなかったんだって。
「これ、レベリングにちょうどいいかも?」
タマモから『ドロップアイテムは魔石多めで、錬金術に使えそうなものも結構ありましたよ』という報告があるのを見て、うんうんと頷く。
レベリングついでに新商品用の素材を集めよう。今のところダンジョンでしか見つかっていないアイテムもゲットできるみたいだし。
ダンジョン内はパーティごとに独立した空間になっていて、混雑や人目を気にする必要がないっていうのも良い。
「よーし、ダンジョンでレベリングだー」
「くるる?」
不思議そうに首を傾げるペタと頷くオギンを一旦帰して、転移ではじまりの街・西の港へ向かった。
◇◆◇
ゴム製品廃工場は、確かに廃墟っぽい見た目で、一人で見たら怖くなるんだろうなぁという感じだった。
でも、たくさんの人が詰めかけている今は、バーゲンセール会場かな? と錯覚するくらいに、明るい雰囲気だ。
吸い込まれるように地下に向かうプレイヤーに混じって、僕も中へ進む。
一階と二階があるけど、そこでは少しのゴム製品と意味深なメモくらいしか拾えないらしいから、今回はスルー。
階段を下りて、地下一階の攻略開始だ。
タマモ曰く、地下一階は迷路のような廊下がある空間らしい。フルパーティだと動きにくそうな狭さだ。
床も壁も天井も銀一色の空間を眺めて、ちょっと困っちゃう。目印がなくて迷子になりそう。
スラリンたちは迷路得意かなぁ、なんて考えながら召喚スキルを使う。まだ敵の姿は見えない。
「【召喚】スラリン、ユキマル」
「きゅい(あ、バトルだ!)」
「ぴぅ(ボクが倒せるかなぁ)」
「この階層のモンスターはあまり強くないらしいから、レベリングしようね」
スラリンとユキマルが頷く。
二体を前衛にして進み始め、幾ばくも経たない内にユキマルが赤く光を放った。少し遅れて、僕もモンスターの接近を察知する。
「ぴぅ(敵が来たよ)」
「二体とも、体当たりとか分解・吸収で攻撃してねー」
指示をしてから、天からの祝福など継続回復スキルを使っていく。歌唱スキルで意気高揚と回復効果上昇を重ねがけしたら、準備は完了。
「ゴミュッ!」
「初めて見るモンスターだ」
曲がり角から現れたのは白色の球体のようなモンスターだった。口が見当たらないし、どこから声が出てるのかわからない。
まずは鑑定しないと。
――――――
【丸玉】
無属性モンスター。弾力のあるボディで衝撃を受け流す。防御力が高い。主な攻撃は体当たり。
――――――
「ゴムボールかな?」
大きさはスラリンより少し大きいくらい。それが浮遊しながら、体当たりを仕掛けてこようとしてる。
「回避してから攻撃だよ!」
「きゅい!」
やる気いっぱいのスラリンが、紙一重のところで丸玉を回避した。すぐに攻撃に転じて、勢いよく体当たりする。
「ゴミュ!?」
「ぴぅ!」
丸玉が弾かれた先にいたユキマルが体当たりを繰り出す。
――まるで卓球のピンポン玉のように、丸玉がスラリンとユキマルの間を行き来した。なんだか二体が楽しんでる気がする。
「吸収してもいいんだよ?」
僕がそう言った頃には丸玉の体力はすでに赤表示になっていた。スラリンがドンッと体当たりした瞬間に、丸玉が光になって消える。
「きゅい(勝った~)」
「ぴぅ(弱かったね)」
ぽよんぽよんと跳ねるスラリンたちを眺めて、思わず苦笑した。
地下一階は、二体にとっては楽勝のフィールドだったのかも。これは早めに地下二階を目指した方がいいかな。
「よくできました~。楽しむのはいいけど、次からはバトル時間の短縮を目指そうね」
「きゅぃ(うん、遊んじゃってごめんね)」
「ぴぅ(次は瞬殺する!)」
しょんぼりしながらも、やる気に満ち溢れた雰囲気の二体に、にこにこしながら頷いた。しばらく僕が戦う必要はなさそうだ。
次の敵モンスターを求めて進む二体の後に続きながら、ドロップアイテムを確認する。
「無魔石とゴムかー」
予想に違わない結果だった。魔石に無属性があるのは初めて知ったけど。
はじまりの街周辺の無属性モンスターは倒しても魔石をドロップしないから、属性のあるモンスターしか魔石をくれないんだと思ってた。
この魔石を使うのが楽しみだ。ゴムもいろんなアイテムに使えて便利だから、たくさんあって損はない。
「きゅーい!」
「ぴぅ!」
地下一階で現れるモンスターは丸玉と同じタイプのモンスターばかりだった。
基本的に物理攻撃しかしてこないから、スラリンたちも避けて攻撃を繰り返すだけ。吸収・分解のスキルも使ったら、最初のバトルより早く決着する。
〈スラリンのレベルが上がりました〉
〈スラリンとユキマルがスキル【回避】を覚えました〉
「あ、すごい! スラリンたち、スキルを習得できたね!」
「きゅい!」
こんなにすぐスキルを覚えられたのは、僕がテイマーになったからかな? 回避して、という指示がスキル習得速度に影響してる気がする。
つまり、僕がいろんな指示をすれば、他にもたくさんスキルを覚えていくかも。
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