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7章 世界が広がっていくよ
246.いろんなことが起きてるね?
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みんなと別れて王都探索を始めようとしたところで、モンちゃんから連絡が来てることに気づいた。
内容は『突然で悪いんだが相談がある。時間がある時にうちに来てくれないか?』だって。なんだろう?
「んー、先にモンちゃんの話を聞いてくるか」
王都探索はいつでもできるし。
ということで、モンちゃんに返事をしてから、王都に転移ピンを設定していることを確認する。前にタマモが設定し忘れて、ボス戦からやり直したって聞いたから、確認は大事だ。
「よしっ。じゃあ、モンちゃんちにレッツゴー」
マップから第三の街のモンちゃんの家前に設定した転移ピンを選択。一瞬で景色が切り替わった。
「お、来たな」
「待ち構えられてるとちょっとびっくりするよ!」
目の前に立ってたモンちゃんに気づいて、ぴょんと後ろに跳んじゃう。
「悪い悪い。中へ入ってくれ」
「おじゃましまーす」
勝手知ったる他人の家。モンちゃんに促されるままに、いつもの部屋に入る。レアナさんがお茶とお菓子を用意してくれてた。さっき食べたばかりだけど、別腹で食べちゃうよ。
「こんにちは、モモ。今日はおまんじゅうを用意したのよ。たくさん食べてね」
「はーい、ありがとう!」
モンちゃんの用件が気になるけど、まずはお茶で一服。緑茶はやっぱり心が和むねー。レアナさんはお茶を淹れるのも上手くて、ほとんど渋みがなくて甘く感じる。
おまんじゅうは粒あんと白あん、栗あんの三種類だった。今は粒あんの気分!
「うまうま」
「いつも美味しそうに食うよな」
「美味しいからね」
ほのぼのしてる僕とは違って、モンちゃんは微妙に緊張感を漂わせてる気がした。どうしたんだろう?
「――それで、相談ってなに? モンちゃんが僕にって珍しいよね」
「まぁ、そうかもな。……まだ情報規制されてんだが、実は東の鉱山がダンジョン化したらしいんだ」
「ダンジョン化?」
モンちゃんに言われて、はじまりの街近くにある廃工場のダンジョンを脳裏に思い浮かべた。ダンジョンって結構謎な場所だよね。
レイドイベントの時にあったタケミさん曰く、ダンジョンモンスターの発生にはなんらかの仕組みがあるらしいけど。
「ああ。そもそもダンジョン、つーのがまだ原理の解明が進んでないものなんだが、穢れた魔力が溜まって空間が変異するらしいって話がある」
「ふーん……なんかそんな話はどっかで聞いたことある気がする?」
タマモたちのダンジョン探索実況だったかな。そういう感じのヒントがあったらしいんだよね。
「そうか。まぁ、そういう原理は置いといて。今問題なのは、東の鉱山がダンジョン化して、内部の調査が進んでないことなんだ」
「モンちゃんはしてないの?」
「俺はダンジョンからモンスターが溢れてくる可能性を考えて、街防衛の役割がある。弟子たちには調査させてるんだが、今、高レベルのヤツらが他の街に出払ってて、なかなか調査が進まないんだ」
ご都合主義? というか、これたぶんミッションに繋がる話だよね。
「冒険者ギルドも信頼できる冒険者に声を掛けてるらしいが、なかなか集まらなくてなぁ。貢献度は少ないが、実力はあるモモたちみたいな旅人にも依頼しようって話が出てる」
「そうなんだ」
タケミさんとかユウシャとかに話がいくのかな。いや、ユウシャは微妙?
それにしても、ダンジョン探索かー。楽しそうだけど、僕とテイムモンスターたちで進める場所なのか気になる。
「――僕、レベル30になってないけど大丈夫? スラリンたちもまだレベルそんなに高くないよ?」
「できたら30超えてた方がいいが、無理ってことはないはずだ」
「30超えるって……僕らそこで一旦成長が止まっちゃうらしいんだけど」
ふとレベルキャップの話を思い出して聞いてみた。
モンちゃんはきょとんとした後、思い出したように頷く。
「そういや、そんな仕組みあったな。レベルをさらに上げたきゃ、北の霊峰エリアで【星の雫】っていうアイテムをゲットする必要がある」
さらっとレベルキャップ解放条件が開示されたんだけど!
これはタマモたちにお知らせしなくちゃ。
「そのアイテムは北の霊峰エリアのどこで手に入るの?」
「霊峰の中腹近くに『星の湖』っつーところがあって、水面に星が映っている時間に湖の水を瓶に採取すると、それが【星の雫】になるんだ」
「へぇ、なんかロマンチック?」
星がある時間ってことは夜か。夜の冒険は昼と結構違って怖そう。北の霊峰エリアって、ただでさえ攻略推奨レベルが高いところだしなー。
「普通にモンスターが出るところだから、そんな気分になれるのは一瞬だろうけどな。――とにかく、強くなるためには行くしかないぞ」
「うん、がんばるよー」
頷いたところで、アナウンスが聞こえた。
〈ミッション『レベルキャップ解放(一)』が開始しました。アイテム【星の雫】を手に入れましょう〉
これで解放条件は確定だね。あとで連絡を回しておこう。
今はそれよりモンちゃんの話が優先だ。
「――それじゃあ、僕はレベルを上げつつ、ダンジョンの調査をしたらいいってこと?」
「ああ、できたら頼みたい」
モンちゃんにはお世話になってるし、面白そうなミッションになりそうだし、がんばってみようかな。
「うん。無理しない程度にならね」
「もちろんだ。他のヤツにも頼むから、モモなりのペースでやってみてくれ」
ホッとした感じで微笑むモンちゃんを見ながらお茶を飲む。
こうやって頼られるのって嬉しいなぁ。
「――それじゃ、これ渡しとくな」
モンちゃんから渡されたのは【鉱山への立ち入り許可証】だった。これを持ってるだけで、鉱山内に入れるようになるらしい。
〈ミッション『新たなダンジョンの調査(一)』が開始しました。一階層のマップとモンスター図鑑を完成させましょう〉
おっと? マップはわかるけど、図鑑?
ミッションの詳細を確かめたら、遭遇したモンスターが自動的に『ダンジョンモンスター図鑑』に登録される仕組みになってるらしい。
早く次の階層に進むんじゃなくて、一つの階層を念入りに探索する必要があるのか。ちょっと骨が折れそうだな。
スラリンたちとぼちぼちがんばろう!
内容は『突然で悪いんだが相談がある。時間がある時にうちに来てくれないか?』だって。なんだろう?
「んー、先にモンちゃんの話を聞いてくるか」
王都探索はいつでもできるし。
ということで、モンちゃんに返事をしてから、王都に転移ピンを設定していることを確認する。前にタマモが設定し忘れて、ボス戦からやり直したって聞いたから、確認は大事だ。
「よしっ。じゃあ、モンちゃんちにレッツゴー」
マップから第三の街のモンちゃんの家前に設定した転移ピンを選択。一瞬で景色が切り替わった。
「お、来たな」
「待ち構えられてるとちょっとびっくりするよ!」
目の前に立ってたモンちゃんに気づいて、ぴょんと後ろに跳んじゃう。
「悪い悪い。中へ入ってくれ」
「おじゃましまーす」
勝手知ったる他人の家。モンちゃんに促されるままに、いつもの部屋に入る。レアナさんがお茶とお菓子を用意してくれてた。さっき食べたばかりだけど、別腹で食べちゃうよ。
「こんにちは、モモ。今日はおまんじゅうを用意したのよ。たくさん食べてね」
「はーい、ありがとう!」
モンちゃんの用件が気になるけど、まずはお茶で一服。緑茶はやっぱり心が和むねー。レアナさんはお茶を淹れるのも上手くて、ほとんど渋みがなくて甘く感じる。
おまんじゅうは粒あんと白あん、栗あんの三種類だった。今は粒あんの気分!
「うまうま」
「いつも美味しそうに食うよな」
「美味しいからね」
ほのぼのしてる僕とは違って、モンちゃんは微妙に緊張感を漂わせてる気がした。どうしたんだろう?
「――それで、相談ってなに? モンちゃんが僕にって珍しいよね」
「まぁ、そうかもな。……まだ情報規制されてんだが、実は東の鉱山がダンジョン化したらしいんだ」
「ダンジョン化?」
モンちゃんに言われて、はじまりの街近くにある廃工場のダンジョンを脳裏に思い浮かべた。ダンジョンって結構謎な場所だよね。
レイドイベントの時にあったタケミさん曰く、ダンジョンモンスターの発生にはなんらかの仕組みがあるらしいけど。
「ああ。そもそもダンジョン、つーのがまだ原理の解明が進んでないものなんだが、穢れた魔力が溜まって空間が変異するらしいって話がある」
「ふーん……なんかそんな話はどっかで聞いたことある気がする?」
タマモたちのダンジョン探索実況だったかな。そういう感じのヒントがあったらしいんだよね。
「そうか。まぁ、そういう原理は置いといて。今問題なのは、東の鉱山がダンジョン化して、内部の調査が進んでないことなんだ」
「モンちゃんはしてないの?」
「俺はダンジョンからモンスターが溢れてくる可能性を考えて、街防衛の役割がある。弟子たちには調査させてるんだが、今、高レベルのヤツらが他の街に出払ってて、なかなか調査が進まないんだ」
ご都合主義? というか、これたぶんミッションに繋がる話だよね。
「冒険者ギルドも信頼できる冒険者に声を掛けてるらしいが、なかなか集まらなくてなぁ。貢献度は少ないが、実力はあるモモたちみたいな旅人にも依頼しようって話が出てる」
「そうなんだ」
タケミさんとかユウシャとかに話がいくのかな。いや、ユウシャは微妙?
それにしても、ダンジョン探索かー。楽しそうだけど、僕とテイムモンスターたちで進める場所なのか気になる。
「――僕、レベル30になってないけど大丈夫? スラリンたちもまだレベルそんなに高くないよ?」
「できたら30超えてた方がいいが、無理ってことはないはずだ」
「30超えるって……僕らそこで一旦成長が止まっちゃうらしいんだけど」
ふとレベルキャップの話を思い出して聞いてみた。
モンちゃんはきょとんとした後、思い出したように頷く。
「そういや、そんな仕組みあったな。レベルをさらに上げたきゃ、北の霊峰エリアで【星の雫】っていうアイテムをゲットする必要がある」
さらっとレベルキャップ解放条件が開示されたんだけど!
これはタマモたちにお知らせしなくちゃ。
「そのアイテムは北の霊峰エリアのどこで手に入るの?」
「霊峰の中腹近くに『星の湖』っつーところがあって、水面に星が映っている時間に湖の水を瓶に採取すると、それが【星の雫】になるんだ」
「へぇ、なんかロマンチック?」
星がある時間ってことは夜か。夜の冒険は昼と結構違って怖そう。北の霊峰エリアって、ただでさえ攻略推奨レベルが高いところだしなー。
「普通にモンスターが出るところだから、そんな気分になれるのは一瞬だろうけどな。――とにかく、強くなるためには行くしかないぞ」
「うん、がんばるよー」
頷いたところで、アナウンスが聞こえた。
〈ミッション『レベルキャップ解放(一)』が開始しました。アイテム【星の雫】を手に入れましょう〉
これで解放条件は確定だね。あとで連絡を回しておこう。
今はそれよりモンちゃんの話が優先だ。
「――それじゃあ、僕はレベルを上げつつ、ダンジョンの調査をしたらいいってこと?」
「ああ、できたら頼みたい」
モンちゃんにはお世話になってるし、面白そうなミッションになりそうだし、がんばってみようかな。
「うん。無理しない程度にならね」
「もちろんだ。他のヤツにも頼むから、モモなりのペースでやってみてくれ」
ホッとした感じで微笑むモンちゃんを見ながらお茶を飲む。
こうやって頼られるのって嬉しいなぁ。
「――それじゃ、これ渡しとくな」
モンちゃんから渡されたのは【鉱山への立ち入り許可証】だった。これを持ってるだけで、鉱山内に入れるようになるらしい。
〈ミッション『新たなダンジョンの調査(一)』が開始しました。一階層のマップとモンスター図鑑を完成させましょう〉
おっと? マップはわかるけど、図鑑?
ミッションの詳細を確かめたら、遭遇したモンスターが自動的に『ダンジョンモンスター図鑑』に登録される仕組みになってるらしい。
早く次の階層に進むんじゃなくて、一つの階層を念入りに探索する必要があるのか。ちょっと骨が折れそうだな。
スラリンたちとぼちぼちがんばろう!
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