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9章 もふうさフィーバー
325.役立つ情報げっと
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もふもふ教設立以来、最大の危機が訪れたかもしれない。レイドイベントより攻略が大変。
真剣に悩んでたら、モンちゃんが苦笑しながら口を開いた。
「倒したり奪ったりしたくないなら、餌付けするのがいいぞ」
「餌付け? テイムする時みたいに?」
「テイムっていうか、お世話だな。モンスターに好物をあげると【モンスターの贈り物】っていうのをもらえることがあるって聞いたことないか?」
モンちゃんに言われて思い出した。
第二の街で青乳牛を餌付けして、モンスターの贈り物システムを解放したことあったなぁ。
友好度に応じて、一日一回特別なレアアイテムをもらえることがあるんだっけ? 最近してなかったから忘れてたや。
テイム目的で好物をあげた時に、モンスターの贈り物をもらえることなかったし。青乳牛に対しても、毛繕いして素材をもらうことばっかりしてたからなぁ。
「知ってる知ってるー。でもあれって、一種類のモンスターからは一日一回しかもらえないんだよね?」
「それが、宝石兎は違うんだよ。個体ごとに一日一回くれるから、たくさんの宝石兎に出会って餌付けすれば、大量のアイテムをもらえる」
「おお、それいいね!」
これ、運営さんが用意した救済策かな? もふもふ教みんなが不参加になったら、このサーバーへの影響大きそうだもんね。
「餌付けした宝石兎からは、卵やイースタージュエルをもらえるぞ」
「もらえるアイテムは、卵を奪った時や倒した時と一緒なんだ?」
「宝石兎はそれ以外のアイテムを持ってないからな」
なるほど。つまり、倒さずに餌付けして回れば、十分にシーズンイベントをこなせるってことか。よかったー!
僕がにこにこしてたら、モンちゃんも「モンスター好きはやっぱ、餌付けを選ぶよな」と満足そうに頷いた。
「宝石兎の好物ってなぁに?」
「果物が好きだぞ。品質がいい果物は、友好度が上がりやすい」
「それなら、果樹の作付けを増やさなきゃ!」
一部の野菜栽培をやめて、果樹に切り替えよう。
そんな感じで計画を練っていたら、モンちゃんが「そこで買うんじゃなくて栽培を考えるのがモモだよなぁ」と笑った。
そうだよ。そして、店で売ることまで考えるのが僕なのです。
僕の農地で採れる果物は品質最高だから、きっと人気になるはず。
シーズンイベントへの不安が消えたところで、時間を確認して立ち上がる。
そろそろもふもふ教会議に向かわなきゃ。シーズンイベント攻略法は直接みんなに教えてあげよう。
「僕、用事があるから行くね」
「ああ……ストルムにお茶が来なかったな」
「そういえばレアナさん、何をして――」
尋ねかけたところで、レアナさんが現れる。
マドレーヌを食べていたストルムが顔を上げて首を傾げた。
『なんか美味しそうなにおいがするぞー?』
「ふふ、時の葉茶があったから淹れてみたの。竜は好きだと聞いたんだけど、どうかしら?」
わざわざストルムが好みそうなお茶を淹れてくれたらしい。
キラキラと目を輝かせ、ストルムがカップに顔を突っ込み、ぺちゃぺちゃと舐めるように飲む。嬉しそうに尻尾が揺れていた。よかったねー。
「時の葉茶ってなぁに?」
「霊峰で採れる【時の葉】をお茶にしたものよ。時空系の魔力を豊富に含んでいるらしいわ」
「それは、ストルムが好きなのも当然だね。霊峰にそんなアイテムがあるんだ?」
僕が頷きながら尋ねると、モンちゃんが口を開く。
「仙桃ミルクの滝がある岩場に洞窟があって、そこには時空系の魔力が溜まってるんだ。時の葉とか時空草とか、特殊なアイテムを採集できるぞ」
「おお、そうなんだ? それは行ってみなくちゃ」
時空草は農地で育ててるけど、ストルムにあげる時空団子作りのために、もっとたくさん欲しいなぁって思ってたんだよね。
天兎にも会いたいし、そろそろ本格的にがんばって霊峰攻略してみようかな。ストルムに乗って楽に行けたら一番いいんだけど。
確か、霊峰上層の攻略推奨レベルって35以上だったよねぇ。オギンに有利なフィールドだから、パーティに入れたら頼りになるだろうし、多少僕のレベルが足りなくても行けるかな?
「ストルム、今度一緒に行こうね!」
『おいらにまかせてー』
好物を大量入手できるチャンスと気合いを入れるストルムに、僕はあははっと笑った。
ストルムの横で、スラリンたちがぴょんぴょんと跳ねて存在を主張する。
「きゅぴ(僕もがんばるよ!)」
「ぴぅ(回復は任せて)」
「にゃ(ヒスイも活躍できるかにゃ……?)」
やる気いっぱいなスラリンとユキマルとは違い、ヒスイはちょっと自信なさそう。
ヒスイはまだレベルが低いもんねぇ。でも、サポートタイプのスキルを使えるし、十分活躍できると思う。あとは攻撃を受けないよう、回避に努めてもらうのがいいかな。
霊峰攻略の方法を考えながら、にこにこと頬が緩む。
シーズンイベントに霊峰攻略、遊びたいこといっぱいで楽しいな。
『ぷはー、美味しかったよー』
「喜んでもらえてよかったわ」
満足そうなストルムに、レアナが優しく微笑む。ストルムは随分とレアナさんを気に入ったみたいで、頭を撫でさせてあげていた。
ストルムって、好物くれる人みんなになつくんじゃない?
思わず苦笑しながら、改めてモンちゃんたちにお別れの挨拶をする。
もふもふ教会議開始の時間が迫ってるぞー。急げ急げー。
真剣に悩んでたら、モンちゃんが苦笑しながら口を開いた。
「倒したり奪ったりしたくないなら、餌付けするのがいいぞ」
「餌付け? テイムする時みたいに?」
「テイムっていうか、お世話だな。モンスターに好物をあげると【モンスターの贈り物】っていうのをもらえることがあるって聞いたことないか?」
モンちゃんに言われて思い出した。
第二の街で青乳牛を餌付けして、モンスターの贈り物システムを解放したことあったなぁ。
友好度に応じて、一日一回特別なレアアイテムをもらえることがあるんだっけ? 最近してなかったから忘れてたや。
テイム目的で好物をあげた時に、モンスターの贈り物をもらえることなかったし。青乳牛に対しても、毛繕いして素材をもらうことばっかりしてたからなぁ。
「知ってる知ってるー。でもあれって、一種類のモンスターからは一日一回しかもらえないんだよね?」
「それが、宝石兎は違うんだよ。個体ごとに一日一回くれるから、たくさんの宝石兎に出会って餌付けすれば、大量のアイテムをもらえる」
「おお、それいいね!」
これ、運営さんが用意した救済策かな? もふもふ教みんなが不参加になったら、このサーバーへの影響大きそうだもんね。
「餌付けした宝石兎からは、卵やイースタージュエルをもらえるぞ」
「もらえるアイテムは、卵を奪った時や倒した時と一緒なんだ?」
「宝石兎はそれ以外のアイテムを持ってないからな」
なるほど。つまり、倒さずに餌付けして回れば、十分にシーズンイベントをこなせるってことか。よかったー!
僕がにこにこしてたら、モンちゃんも「モンスター好きはやっぱ、餌付けを選ぶよな」と満足そうに頷いた。
「宝石兎の好物ってなぁに?」
「果物が好きだぞ。品質がいい果物は、友好度が上がりやすい」
「それなら、果樹の作付けを増やさなきゃ!」
一部の野菜栽培をやめて、果樹に切り替えよう。
そんな感じで計画を練っていたら、モンちゃんが「そこで買うんじゃなくて栽培を考えるのがモモだよなぁ」と笑った。
そうだよ。そして、店で売ることまで考えるのが僕なのです。
僕の農地で採れる果物は品質最高だから、きっと人気になるはず。
シーズンイベントへの不安が消えたところで、時間を確認して立ち上がる。
そろそろもふもふ教会議に向かわなきゃ。シーズンイベント攻略法は直接みんなに教えてあげよう。
「僕、用事があるから行くね」
「ああ……ストルムにお茶が来なかったな」
「そういえばレアナさん、何をして――」
尋ねかけたところで、レアナさんが現れる。
マドレーヌを食べていたストルムが顔を上げて首を傾げた。
『なんか美味しそうなにおいがするぞー?』
「ふふ、時の葉茶があったから淹れてみたの。竜は好きだと聞いたんだけど、どうかしら?」
わざわざストルムが好みそうなお茶を淹れてくれたらしい。
キラキラと目を輝かせ、ストルムがカップに顔を突っ込み、ぺちゃぺちゃと舐めるように飲む。嬉しそうに尻尾が揺れていた。よかったねー。
「時の葉茶ってなぁに?」
「霊峰で採れる【時の葉】をお茶にしたものよ。時空系の魔力を豊富に含んでいるらしいわ」
「それは、ストルムが好きなのも当然だね。霊峰にそんなアイテムがあるんだ?」
僕が頷きながら尋ねると、モンちゃんが口を開く。
「仙桃ミルクの滝がある岩場に洞窟があって、そこには時空系の魔力が溜まってるんだ。時の葉とか時空草とか、特殊なアイテムを採集できるぞ」
「おお、そうなんだ? それは行ってみなくちゃ」
時空草は農地で育ててるけど、ストルムにあげる時空団子作りのために、もっとたくさん欲しいなぁって思ってたんだよね。
天兎にも会いたいし、そろそろ本格的にがんばって霊峰攻略してみようかな。ストルムに乗って楽に行けたら一番いいんだけど。
確か、霊峰上層の攻略推奨レベルって35以上だったよねぇ。オギンに有利なフィールドだから、パーティに入れたら頼りになるだろうし、多少僕のレベルが足りなくても行けるかな?
「ストルム、今度一緒に行こうね!」
『おいらにまかせてー』
好物を大量入手できるチャンスと気合いを入れるストルムに、僕はあははっと笑った。
ストルムの横で、スラリンたちがぴょんぴょんと跳ねて存在を主張する。
「きゅぴ(僕もがんばるよ!)」
「ぴぅ(回復は任せて)」
「にゃ(ヒスイも活躍できるかにゃ……?)」
やる気いっぱいなスラリンとユキマルとは違い、ヒスイはちょっと自信なさそう。
ヒスイはまだレベルが低いもんねぇ。でも、サポートタイプのスキルを使えるし、十分活躍できると思う。あとは攻撃を受けないよう、回避に努めてもらうのがいいかな。
霊峰攻略の方法を考えながら、にこにこと頬が緩む。
シーズンイベントに霊峰攻略、遊びたいこといっぱいで楽しいな。
『ぷはー、美味しかったよー』
「喜んでもらえてよかったわ」
満足そうなストルムに、レアナが優しく微笑む。ストルムは随分とレアナさんを気に入ったみたいで、頭を撫でさせてあげていた。
ストルムって、好物くれる人みんなになつくんじゃない?
思わず苦笑しながら、改めてモンちゃんたちにお別れの挨拶をする。
もふもふ教会議開始の時間が迫ってるぞー。急げ急げー。
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