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9章 もふうさフィーバー
353.作戦会議だよ
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僕をからかうのをやめたルトが、真面目に入手した情報の説明を始めた。
「さっきも言ったけど、敵はこの船よりデカくてシャチみたいなモンスターだ。名前は暴走鯱」
「名前からして強そう……」
「そうだな。主な攻撃は体当たり、噛みつく、渦、水噴射、水鞭、水竜巻、水弾だな。範囲攻撃が多い」
なかなか厄介そう。
水噴射や水竜巻、水弾は一度にすべての船を襲ってくるらしい。渦は海水に入らない限りは船が無効化してくれるから、あまり影響はないんだって。
ただ、体当たりや噛みつく攻撃で船に損傷が出ると、船が壊れてプレイヤー敗退になる可能性があるようだ。
それは僕がスタ島行きの船で体験した海賊戦と似たようなものだね。
今回は五隻の船があるから、どれか一つでも残った状態で敵を倒せたら、参加者全員がイベントをクリアした扱いになるらしいけど。
「基本的には遠距離攻撃がいいの?」
「そうだな。海に入ったらすぐに沈められるし、小さな船でもそれは同じだ。ああ、でも、モモなら飛んで近づくことはできるんじゃねーか?」
ルトに言われて考える。
この船より大きなモンスターに飛んで近づいて、僕は無事で済む? 象に挑む蟻くらいのサイズ差がある気がするよ。無謀じゃない?
「……できる限り、遠距離攻撃でいきたいなぁ」
「ま、お前は魔術士でテイマーだし、それでいいんじゃね」
ルトは提案してみただけで、別に僕がどう戦おうと構わないらしい。
そういえば、ルトは剣士だけど、遠距離攻撃できるの?
「ルトはどう戦うつもり?」
「俺はこれがあるから」
僕が尋ねると、ルトは腰元にある剣をポンッと叩いた。
前に見た剣とは違う気がする。
「それが噂の光空剣ですか」
タマモがルトの剣を見て、感心した様子で頷いてる。噂ってなんだろう?
ルトは得意気な表情で、剣を掲げて見せてくれた。
「お、タマモも知ってるんだ? これ、俺が師匠に教えてもらいながら作った剣なんだ。材料はモモにもらった時空系素材と、自分で採ってきた光属性のレアアイテムな。マジで素材集めが大変だったぜ……」
説明しながら、ルトが遠い目で空を見上げる。よっぽど苦労したんだね。
「噂では光属性と時空属性を合わせた攻撃をできるそうですけど」
「おう。前に使ってた剣でも空間斬りはできたけど、それより威力がアップして、かつ光属性が加わり、より遠距離の敵も攻撃できるようになった」
「すごいねー。ルト、がんばったんだね」
よくわかんないけど、きっと凄い攻撃なんだろうな、と思いながら僕は拍手する。この後、その剣の攻撃を見るのが楽しみ!
ルトは照れた感じで「ん」と頷き、僕の頭をポンポンと撫でた。
「タマモはどう攻撃するつもりなんだ? 体術士って、今回の戦いじゃ不利だろ」
「あ、そうだよね。飛べるアイテムいる?」
ルトの指摘を聞いて、僕はタマモに食べかけニンジンを使ったエナドリを差し出してみた。
タマモは「あ、くださるなら欲しいですが……」と言いつつ、肩をすくめる。
「私も遠距離攻撃できるんですよ。体術士のスキルの中に、パンチ弾というものがありまして、こう——気合いを込めたパンチが魔力の塊になって放たれる感じです」
説明しながら、タマモがえいっとシャドウボクシングのようなポーズをする。見た目はあまり威力はなさそう。
「へぇ、初めて聞いたスキルだな」
「そうなんですか? 似たようなスキルで、キック弾というのもあって、それをクールタイムを考えながら使い分けるのが、私の主な遠距離攻撃です」
情報通のルトも知らないってことは、タマモが持ってるスキルはレアなのかも。
とりあえず、タマモにエナドリと魔力回復薬を手渡す。
今回いろんな人のバトルスタイルを見られそうだなぁ。楽しみが増えたよ。
「モモはどう戦うんだ?」
「うーん、テイムモンスターを召喚して、僕は魔術で遠距離攻撃かなー」
ルト曰く、暴走鯱は水属性らしいので、風属性の攻撃が効果的だ。
テイムモンスターは風属性のヒスイの他に、誰を召喚しようかなぁ。
「モモがフルでモンスターを召喚するなら、パーティは組まない方がいいかもな」
「あ、そっか。テイムモンスターでパーティ枠使うもんね。えっと、今のところ召喚予定なのは——」
ルトに言われて、真剣に考える。
ヒスイ以外に最大で四体召喚できる。途中交代もできるから、ひとまず遠距離攻撃できるモンスターを選ぶなら……スラリンとユキマル、オギンかな。
スラリンは流星スキルを使えるし、ユキマルと一緒なら攻撃力アップできる。ただ、流星以外に遠距離攻撃があまりないから、すぐ交代するのを考えてもよさそう。
ユキマルは謎光線スキルと回復スキルで活躍してくれそうだから、敵との相性を見ながら交代するか考えよう。
オギンは基礎ステータスが高いし、吹雪や氷柱で遠距離攻撃できるから、ずっとバトルに参加してもらうのがいいだろうな。
ショコラとペタは交代要員にしよう。遠距離攻撃もできるけど、暴走鯱に対して有利な属性というわけじゃないし。
ピアは基本的にバトルに参加したがらないから、喚ぶのは万が一の場合だけ。ナッティは遠距離攻撃のスキルを持ってないから、今回は不参加で。
あとはストルムだけど……
「ねぇ、このイベントで白嵐竜を喚んでもいいと思う?」
一般的なプレイヤーの感覚を確認しようと、ルトとタマモに問いかけてみた。
ストルムは頼りになると思うけど、召喚したせいで他のプレイヤーの邪魔をしちゃったら申し訳ないからねぇ。
「あー……そういや、いたな。喚んだら騒がしくなるだろうな……」
「ドラゴンですか……私はいいと思いますよ。ドラゴンが戦っているところ、見てみたいですし。モモさんとドラゴンの組み合わせ、最高に萌えますし!」
遠い目をするルトと、少し考えた後にニコッと笑うタマモを、僕は交互に眺めた。
なんとなく、ルトの反応の方が一般的な気がするけど、このサーバー内はもふもふ教に入ってる人が多いらしいし、タマモの意見を取り入れても間違ってはないかも?
「そっか、じゃあ、ストルムも喚ぼう」
最初に召喚するのは、ヒスイ、スラリン、ユキマル、オギン、ストルムの五体に決定。
ストルムが戦うところを見るのは初めてだから、楽しみだなー。
「さっきも言ったけど、敵はこの船よりデカくてシャチみたいなモンスターだ。名前は暴走鯱」
「名前からして強そう……」
「そうだな。主な攻撃は体当たり、噛みつく、渦、水噴射、水鞭、水竜巻、水弾だな。範囲攻撃が多い」
なかなか厄介そう。
水噴射や水竜巻、水弾は一度にすべての船を襲ってくるらしい。渦は海水に入らない限りは船が無効化してくれるから、あまり影響はないんだって。
ただ、体当たりや噛みつく攻撃で船に損傷が出ると、船が壊れてプレイヤー敗退になる可能性があるようだ。
それは僕がスタ島行きの船で体験した海賊戦と似たようなものだね。
今回は五隻の船があるから、どれか一つでも残った状態で敵を倒せたら、参加者全員がイベントをクリアした扱いになるらしいけど。
「基本的には遠距離攻撃がいいの?」
「そうだな。海に入ったらすぐに沈められるし、小さな船でもそれは同じだ。ああ、でも、モモなら飛んで近づくことはできるんじゃねーか?」
ルトに言われて考える。
この船より大きなモンスターに飛んで近づいて、僕は無事で済む? 象に挑む蟻くらいのサイズ差がある気がするよ。無謀じゃない?
「……できる限り、遠距離攻撃でいきたいなぁ」
「ま、お前は魔術士でテイマーだし、それでいいんじゃね」
ルトは提案してみただけで、別に僕がどう戦おうと構わないらしい。
そういえば、ルトは剣士だけど、遠距離攻撃できるの?
「ルトはどう戦うつもり?」
「俺はこれがあるから」
僕が尋ねると、ルトは腰元にある剣をポンッと叩いた。
前に見た剣とは違う気がする。
「それが噂の光空剣ですか」
タマモがルトの剣を見て、感心した様子で頷いてる。噂ってなんだろう?
ルトは得意気な表情で、剣を掲げて見せてくれた。
「お、タマモも知ってるんだ? これ、俺が師匠に教えてもらいながら作った剣なんだ。材料はモモにもらった時空系素材と、自分で採ってきた光属性のレアアイテムな。マジで素材集めが大変だったぜ……」
説明しながら、ルトが遠い目で空を見上げる。よっぽど苦労したんだね。
「噂では光属性と時空属性を合わせた攻撃をできるそうですけど」
「おう。前に使ってた剣でも空間斬りはできたけど、それより威力がアップして、かつ光属性が加わり、より遠距離の敵も攻撃できるようになった」
「すごいねー。ルト、がんばったんだね」
よくわかんないけど、きっと凄い攻撃なんだろうな、と思いながら僕は拍手する。この後、その剣の攻撃を見るのが楽しみ!
ルトは照れた感じで「ん」と頷き、僕の頭をポンポンと撫でた。
「タマモはどう攻撃するつもりなんだ? 体術士って、今回の戦いじゃ不利だろ」
「あ、そうだよね。飛べるアイテムいる?」
ルトの指摘を聞いて、僕はタマモに食べかけニンジンを使ったエナドリを差し出してみた。
タマモは「あ、くださるなら欲しいですが……」と言いつつ、肩をすくめる。
「私も遠距離攻撃できるんですよ。体術士のスキルの中に、パンチ弾というものがありまして、こう——気合いを込めたパンチが魔力の塊になって放たれる感じです」
説明しながら、タマモがえいっとシャドウボクシングのようなポーズをする。見た目はあまり威力はなさそう。
「へぇ、初めて聞いたスキルだな」
「そうなんですか? 似たようなスキルで、キック弾というのもあって、それをクールタイムを考えながら使い分けるのが、私の主な遠距離攻撃です」
情報通のルトも知らないってことは、タマモが持ってるスキルはレアなのかも。
とりあえず、タマモにエナドリと魔力回復薬を手渡す。
今回いろんな人のバトルスタイルを見られそうだなぁ。楽しみが増えたよ。
「モモはどう戦うんだ?」
「うーん、テイムモンスターを召喚して、僕は魔術で遠距離攻撃かなー」
ルト曰く、暴走鯱は水属性らしいので、風属性の攻撃が効果的だ。
テイムモンスターは風属性のヒスイの他に、誰を召喚しようかなぁ。
「モモがフルでモンスターを召喚するなら、パーティは組まない方がいいかもな」
「あ、そっか。テイムモンスターでパーティ枠使うもんね。えっと、今のところ召喚予定なのは——」
ルトに言われて、真剣に考える。
ヒスイ以外に最大で四体召喚できる。途中交代もできるから、ひとまず遠距離攻撃できるモンスターを選ぶなら……スラリンとユキマル、オギンかな。
スラリンは流星スキルを使えるし、ユキマルと一緒なら攻撃力アップできる。ただ、流星以外に遠距離攻撃があまりないから、すぐ交代するのを考えてもよさそう。
ユキマルは謎光線スキルと回復スキルで活躍してくれそうだから、敵との相性を見ながら交代するか考えよう。
オギンは基礎ステータスが高いし、吹雪や氷柱で遠距離攻撃できるから、ずっとバトルに参加してもらうのがいいだろうな。
ショコラとペタは交代要員にしよう。遠距離攻撃もできるけど、暴走鯱に対して有利な属性というわけじゃないし。
ピアは基本的にバトルに参加したがらないから、喚ぶのは万が一の場合だけ。ナッティは遠距離攻撃のスキルを持ってないから、今回は不参加で。
あとはストルムだけど……
「ねぇ、このイベントで白嵐竜を喚んでもいいと思う?」
一般的なプレイヤーの感覚を確認しようと、ルトとタマモに問いかけてみた。
ストルムは頼りになると思うけど、召喚したせいで他のプレイヤーの邪魔をしちゃったら申し訳ないからねぇ。
「あー……そういや、いたな。喚んだら騒がしくなるだろうな……」
「ドラゴンですか……私はいいと思いますよ。ドラゴンが戦っているところ、見てみたいですし。モモさんとドラゴンの組み合わせ、最高に萌えますし!」
遠い目をするルトと、少し考えた後にニコッと笑うタマモを、僕は交互に眺めた。
なんとなく、ルトの反応の方が一般的な気がするけど、このサーバー内はもふもふ教に入ってる人が多いらしいし、タマモの意見を取り入れても間違ってはないかも?
「そっか、じゃあ、ストルムも喚ぼう」
最初に召喚するのは、ヒスイ、スラリン、ユキマル、オギン、ストルムの五体に決定。
ストルムが戦うところを見るのは初めてだから、楽しみだなー。
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