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file2:姿なき目撃者
4. ぬいぐるみの望み
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「――おはようございます」
「おはよう、今日は早いね」
警視庁の入り口で、夜番から帰るところらしい職員と出会った。豊口という刑事部のベテラン警察官で、怪異現象対策課に比較的理解がある人物だ。
「……一般人の立ち入りは、許可されている範囲でね」
「心得ています」
智輝が腕を掴んでいる人物を流し見て、豊口が軽く念を押す。一目見て、葵が警察関係者ではないと見抜いたのだろう。
一応スーツを着せてきたが、やはり浮いた雰囲気の葵を警察に紛らわすのは無理だった。
豊口と別れ、警視庁内を進む智輝の足取りは重い。物理的にブレーキがかかっているのだ。
「――葵さん。そろそろ起きられないか」
「……起きているよ……起きていなくちゃ、僕は、寝ながら歩いていることになる……」
「ほとんど寝ながら歩いてると思うが」
頭をふらふらさせながら、腕を引かれるままにゆっくりと進む葵。その目はほとんど閉じられている。
智輝を信頼してついて来てくれるのはいいが、危なっかしくて仕方なかった。
ここまで来るのも、相当に苦労があったことを思いだし、智輝は遠くを見つめてため息をつく。
「葵さんの朝の弱さは予想以上だった……」
「ふふ……」
ついには微かな笑い声だけしか返さない葵を、呆れを籠めて流し見た。
前日から葵宅に泊まり込んだ智輝は、葵を起こすのに朝から非常に体力を使った。
耳元でアラームを鳴らされようが微動だにしない葵を揺さぶり、強制的に体を起こし、顔を洗わせ、着替えさせ、口にコーヒーを突っ込んだのだ。
あまりの眠気に無抵抗なのは良かったが、成人男性ひとりを動かすのは、鍛えている智輝をして骨が折れた。
「――あっ、おはようございます!」
「おはようございます、三田さん」
「もう来ていますよ」
生活安全課に着くと、たまたま今日が早番だったらしい三田が、カウンターを指さす。昨日のうちに、朝から専門家を連れてぬいぐるみを確認しに行くと伝えておいたのだ。
カウンターには昨日と同様にうさぎのぬいぐるみが無造作に横たわっていた。
「昨日確かに保管室に返したんですけどね……」
「私も毎回きちんと返していましたよ。……それで、その、後ろの方が専門家、ですか……?」
「ええ、俺の捜査によく協力してくれている人で……葵さん、起きて、このぬいぐるみの確認を!」
葵の腕を引っ張って前に押し出す。
そろそろ起きて、きちんとぬいぐるみを確認してもらえないと、早く来た意味がなくなる。
「……はいはい、ぬいぐるみね……」
閉じようとする目蓋を押さえるように、葵が目元に手を置いた。
暫くしてからゆっくりとぬいぐるみを見下ろす。
「――あら、イケメン……」
ぽつりと呟いた三田を横目で確認しつつ、葵の様子を見守った。
葵はぬいぐるみを見下ろしていたかと思うと、ぎゅっと眉間に皺を寄せる。
「……なるほど。やっぱり君だったか……」
まるでぬいぐるみに出会ったのが初めてではないように呟く。そして、聞こえない声に耳を傾けるように、度々頷きながら顎に指を掛けた。
「――と、なると、あの光景は君が見たものか。惜しむらくは、刺した男の容姿をはっきりと覚えていないことだけど。君、また再現できない? ――ああ、無理か。君はそれを覚えていられるほど、そちらに関心がないしね。仕方ない。君は子を愛する残留思念でしかないのだから。――ふふ、不服そうだね。霊がなんであるか、定義するのは君たちではないもの。不服に思おうと、変えられないのさ」
独り言を呟いているようにしか見えない。
智輝は三田と視線を交わして肩をすくめた。
葵のイケメンぶりに心をときめかせていた三田も、冷静になったようである。理解できない者を見るように、少し引いた感じで葵を眺めていた。
「――智輝」
「なんだ?」
「この子はいつ帰れるの?」
「……持ち主が見つからないことにはなぁ……」
不意に掛けられた問いに答えを迷う。拾得物としての問い合わせはあったかと、三田に目で尋ねると、無言で首を横に振られた。
「あの公園の近くに住む女の子だよ。このぬいぐるみの対象年齢より少し年上で……小学五年生かな。この子は彼女の『ライナスの毛布』みたいなものなんだろうね」
つらつらと話し始めた葵を、三田と一緒になってじっと見つめてしまった。
「……神田さん、この方、サイコメトラーかなにかですか」
「サイコメトラー?」
「外国では事件捜査の手段として認められている超能力者ですよ。確か、ものに残された思念を読み取って情報を得るとか……?」
「……なんか、そういうドラマは観たことがある気がします」
思念を読み取るという点では、葵はサイコメトラーに当てはまるのかもしれない。だが、なんとなくしっくりこなかった。
「ふふ……僕はそういうのじゃないと思うよ。外国のサイコメトラーと呼ばれる人が、どういう感覚を持っているか知らないから断言はできないけど」
ぬいぐるみに集中しながらも、智輝と三田の話はしっかりと聞いていたようだ。
笑いながら否定する葵にとりあえず頷き、智輝は葵が齎した情報に頭を悩ませた。
「……三田さん。このぬいぐるみの持ち主を探して声を掛けるのは、捜査一課にどう思われますかね?」
「う~ん、難しいところですが……。このぬいぐるみが度々姿を消してここに現れているのは、あちらでも気味悪く思われているようですよ? 昨日捜査一課の人が監視カメラで確認したみたいですが、悪戯した人は見つからず、見なかったことにしたらしいです。だから……怪異現象対策課が手を出しても、表向きなにも言わないのではないかと。証拠品としての価値も低いですからね」
「……先ほど葵さんが言っていたことを本当だとすると、このぬいぐるみは犯人を目撃していたように思えますが」
「証言にはなりえませんから、ないも同然ですよ」
三田がばっさりと切り捨てた。
ぬいぐるみがひとりでに動き出すという心霊現象は感覚的に理解できても、警察官としての常識が、その理解を正式な文書にすることを拒む。それは、智輝もよく分かる感覚だった。霊の証言を警察は相手にしないのだから。
「――存在せぬ目撃者、か」
「ただほとんどの人がその存在を認識しえないというだけなんだけどね」
智輝の呟きに葵が肩をすくめた。そして、大きくあくびをする。一応手で隠す意思はあるようだが、全く隠しきれていない。
三田の表情が一気に微笑ましげになった。
葵のことを多少不気味に感じても、やはり美貌は心理的忌避感を和らげるのに有効ということか。
「この子は女の子のところに帰りたくて、ここまで出て来ているらしい。エネルギー的にこれより先に進むほどの力がないようだね。僕たちが持ち主を見つけ出して返してやれば、問題解決だ」
「……そうだな。そうしよう」
行動方針を決めた智輝たちは、来たばかりの警視庁を立ち去ることにした。
ぬいぐるみは、三田が保管室に返しておいてくれるという。昨日返しに行った際に、無断で持ち出したのかと散々疑いを掛けられたので、内心でホッとした。あの冤罪には、怪異現象対策課への嫌味が多分に含まれていたと思う。
「――智輝、あの女性と仲がいいの?」
「え? あの女性って、三田さんか?」
不意に葵から声を掛けられたのは、警視庁から駐車場に出てきた時だった。
質問の意図が分からず疑問を返した智輝に、葵が揶揄混じりの笑みを向ける。
「うん。彼女、智輝に気があるみたいだったから」
「……それは……勘違いでは――」
「思念を読み取れる僕が、感情を読み間違えると思う?」
「……」
なんとも答えようがなく、智輝は沈黙した。それを見て、葵が軽やかな笑い声を上げる。
「モテるねぇ」
「……葵さんに言われたくない」
憮然として、車へと早足で向かうついでに、葵の背中を強かに叩いた。盛大に呻いていようと気にしない。
葵は感情を正確に読み取れるのだとしても、それに反比例するように、全くデリカシーが足りていないと思う。
「おはよう、今日は早いね」
警視庁の入り口で、夜番から帰るところらしい職員と出会った。豊口という刑事部のベテラン警察官で、怪異現象対策課に比較的理解がある人物だ。
「……一般人の立ち入りは、許可されている範囲でね」
「心得ています」
智輝が腕を掴んでいる人物を流し見て、豊口が軽く念を押す。一目見て、葵が警察関係者ではないと見抜いたのだろう。
一応スーツを着せてきたが、やはり浮いた雰囲気の葵を警察に紛らわすのは無理だった。
豊口と別れ、警視庁内を進む智輝の足取りは重い。物理的にブレーキがかかっているのだ。
「――葵さん。そろそろ起きられないか」
「……起きているよ……起きていなくちゃ、僕は、寝ながら歩いていることになる……」
「ほとんど寝ながら歩いてると思うが」
頭をふらふらさせながら、腕を引かれるままにゆっくりと進む葵。その目はほとんど閉じられている。
智輝を信頼してついて来てくれるのはいいが、危なっかしくて仕方なかった。
ここまで来るのも、相当に苦労があったことを思いだし、智輝は遠くを見つめてため息をつく。
「葵さんの朝の弱さは予想以上だった……」
「ふふ……」
ついには微かな笑い声だけしか返さない葵を、呆れを籠めて流し見た。
前日から葵宅に泊まり込んだ智輝は、葵を起こすのに朝から非常に体力を使った。
耳元でアラームを鳴らされようが微動だにしない葵を揺さぶり、強制的に体を起こし、顔を洗わせ、着替えさせ、口にコーヒーを突っ込んだのだ。
あまりの眠気に無抵抗なのは良かったが、成人男性ひとりを動かすのは、鍛えている智輝をして骨が折れた。
「――あっ、おはようございます!」
「おはようございます、三田さん」
「もう来ていますよ」
生活安全課に着くと、たまたま今日が早番だったらしい三田が、カウンターを指さす。昨日のうちに、朝から専門家を連れてぬいぐるみを確認しに行くと伝えておいたのだ。
カウンターには昨日と同様にうさぎのぬいぐるみが無造作に横たわっていた。
「昨日確かに保管室に返したんですけどね……」
「私も毎回きちんと返していましたよ。……それで、その、後ろの方が専門家、ですか……?」
「ええ、俺の捜査によく協力してくれている人で……葵さん、起きて、このぬいぐるみの確認を!」
葵の腕を引っ張って前に押し出す。
そろそろ起きて、きちんとぬいぐるみを確認してもらえないと、早く来た意味がなくなる。
「……はいはい、ぬいぐるみね……」
閉じようとする目蓋を押さえるように、葵が目元に手を置いた。
暫くしてからゆっくりとぬいぐるみを見下ろす。
「――あら、イケメン……」
ぽつりと呟いた三田を横目で確認しつつ、葵の様子を見守った。
葵はぬいぐるみを見下ろしていたかと思うと、ぎゅっと眉間に皺を寄せる。
「……なるほど。やっぱり君だったか……」
まるでぬいぐるみに出会ったのが初めてではないように呟く。そして、聞こえない声に耳を傾けるように、度々頷きながら顎に指を掛けた。
「――と、なると、あの光景は君が見たものか。惜しむらくは、刺した男の容姿をはっきりと覚えていないことだけど。君、また再現できない? ――ああ、無理か。君はそれを覚えていられるほど、そちらに関心がないしね。仕方ない。君は子を愛する残留思念でしかないのだから。――ふふ、不服そうだね。霊がなんであるか、定義するのは君たちではないもの。不服に思おうと、変えられないのさ」
独り言を呟いているようにしか見えない。
智輝は三田と視線を交わして肩をすくめた。
葵のイケメンぶりに心をときめかせていた三田も、冷静になったようである。理解できない者を見るように、少し引いた感じで葵を眺めていた。
「――智輝」
「なんだ?」
「この子はいつ帰れるの?」
「……持ち主が見つからないことにはなぁ……」
不意に掛けられた問いに答えを迷う。拾得物としての問い合わせはあったかと、三田に目で尋ねると、無言で首を横に振られた。
「あの公園の近くに住む女の子だよ。このぬいぐるみの対象年齢より少し年上で……小学五年生かな。この子は彼女の『ライナスの毛布』みたいなものなんだろうね」
つらつらと話し始めた葵を、三田と一緒になってじっと見つめてしまった。
「……神田さん、この方、サイコメトラーかなにかですか」
「サイコメトラー?」
「外国では事件捜査の手段として認められている超能力者ですよ。確か、ものに残された思念を読み取って情報を得るとか……?」
「……なんか、そういうドラマは観たことがある気がします」
思念を読み取るという点では、葵はサイコメトラーに当てはまるのかもしれない。だが、なんとなくしっくりこなかった。
「ふふ……僕はそういうのじゃないと思うよ。外国のサイコメトラーと呼ばれる人が、どういう感覚を持っているか知らないから断言はできないけど」
ぬいぐるみに集中しながらも、智輝と三田の話はしっかりと聞いていたようだ。
笑いながら否定する葵にとりあえず頷き、智輝は葵が齎した情報に頭を悩ませた。
「……三田さん。このぬいぐるみの持ち主を探して声を掛けるのは、捜査一課にどう思われますかね?」
「う~ん、難しいところですが……。このぬいぐるみが度々姿を消してここに現れているのは、あちらでも気味悪く思われているようですよ? 昨日捜査一課の人が監視カメラで確認したみたいですが、悪戯した人は見つからず、見なかったことにしたらしいです。だから……怪異現象対策課が手を出しても、表向きなにも言わないのではないかと。証拠品としての価値も低いですからね」
「……先ほど葵さんが言っていたことを本当だとすると、このぬいぐるみは犯人を目撃していたように思えますが」
「証言にはなりえませんから、ないも同然ですよ」
三田がばっさりと切り捨てた。
ぬいぐるみがひとりでに動き出すという心霊現象は感覚的に理解できても、警察官としての常識が、その理解を正式な文書にすることを拒む。それは、智輝もよく分かる感覚だった。霊の証言を警察は相手にしないのだから。
「――存在せぬ目撃者、か」
「ただほとんどの人がその存在を認識しえないというだけなんだけどね」
智輝の呟きに葵が肩をすくめた。そして、大きくあくびをする。一応手で隠す意思はあるようだが、全く隠しきれていない。
三田の表情が一気に微笑ましげになった。
葵のことを多少不気味に感じても、やはり美貌は心理的忌避感を和らげるのに有効ということか。
「この子は女の子のところに帰りたくて、ここまで出て来ているらしい。エネルギー的にこれより先に進むほどの力がないようだね。僕たちが持ち主を見つけ出して返してやれば、問題解決だ」
「……そうだな。そうしよう」
行動方針を決めた智輝たちは、来たばかりの警視庁を立ち去ることにした。
ぬいぐるみは、三田が保管室に返しておいてくれるという。昨日返しに行った際に、無断で持ち出したのかと散々疑いを掛けられたので、内心でホッとした。あの冤罪には、怪異現象対策課への嫌味が多分に含まれていたと思う。
「――智輝、あの女性と仲がいいの?」
「え? あの女性って、三田さんか?」
不意に葵から声を掛けられたのは、警視庁から駐車場に出てきた時だった。
質問の意図が分からず疑問を返した智輝に、葵が揶揄混じりの笑みを向ける。
「うん。彼女、智輝に気があるみたいだったから」
「……それは……勘違いでは――」
「思念を読み取れる僕が、感情を読み間違えると思う?」
「……」
なんとも答えようがなく、智輝は沈黙した。それを見て、葵が軽やかな笑い声を上げる。
「モテるねぇ」
「……葵さんに言われたくない」
憮然として、車へと早足で向かうついでに、葵の背中を強かに叩いた。盛大に呻いていようと気にしない。
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