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3-3.外との関わり
115.順調順調
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召喚して数日が経った頃には、闇妖樹たちは操人形の指示を受けて配置につき順調に根を伸ばせたようで、予定していた監視範囲を網羅できるようになった。
その結果——
『ヒガシ1ヨリ、キョウイド3マモノ、セッキンデス』
『りょうかーい。エンド行ってきて』
『わかったよ』
コネクトを通して闇妖樹から報告を受けたリルが、エンドに指示を出して魔物対峙に向かわせている。
東1とは、リルの狩り場になっている山の東側を三等分した内の一つだ。山の外部から近づく魔物を監視している。
闇妖樹たちの担当区域は、東西北の1~3と山の麓1~4・中腹1~3・山頂1~2で分けている。
脅威度とは、魔物の強さを1~5に分けた区分で評価したもの。1が雑魚で対処不要、5が古竜レベルの強さだ。
脅威度3は、操人形では対処できないレベルの魔物で、かつ麓へと被害を及ぼしかねない種類の魔物を指している。
このレベルの魔物にはリルかエンド、あるいは影兎が対応に当たる。
『チュウフク3ヨリ、キョウイド4マモノ、クダッテマス』
『おっと……じゃあ、エンドには先にそっちに対応してもらおう』
新たな報告を受けたリルが、コネクトを使ってエンドに呼びかけた。なんだか楽しそうな雰囲気だ。
「司令官ごっこ、面白そうだな」
『うん、楽しい! 自分で狩りしなくても、ワクワクするよー』
リルが尻尾をブンブンと振って答える。
面倒くさくないならいいんだ。指示役は操人形の仕事にしようかと思ってたけど、上手い具合にリルの退屈を紛らわせることができてよかった。
ちなみに、外に出かけたエンドには影兎が一体ついていっているから、狩った魔物はダンジョンに持ち帰りDPにする予定だ。資源は余さず使わないともったいないもんな。
『マスター、もうちょっと様子を見たら、俺ここに必要なくなりません?』
操人形からコネクトで連絡がきた。
確かに、闇妖樹とリル・エンドのおかげで、山の秩序はだいぶ整ってきてるんだよなぁ。
狼族獣人たちへの説明役として、操人形にはもう少し山にいてほしいけど、その後はどうしようか。
ラッカルは操人形への疑いを捨てきれてないみたいだけど、今のところこれ以上突っつくつもりはなさそうだし、ダンジョンに帰還させるかな……。
「そうだなぁ。操人形はどうしたい?」
『ダンジョンに帰りたいです。もちろん、人の世界の偵察任務は続行できますよ』
即答だった。
操人形は普段ダンジョン外の任務をしてもらうことが多いからこそ、ダンジョンとの強い関わりを求めているのかも。
「……そっか。じゃあ、こっちに帰っておいで。ダンジョンゲートを使ったら、時間経過に矛盾が出そうだから、普通に旅してもらうけど」
『またですかー……』
嫌そうな声で言う操人形に、俺は苦笑してしまう。
日本ほど交通が整っていないので、ピエモからマーレに戻るのが一苦労だというのは言われなくても理解できる。
「もうちょっとそっちに長居するなら、ダンジョンゲートで戻ってきてもいいぞ?」
『えー……ここにいたことにして、ダンジョンで過ごすのはダメです?』
「いいけど、ここで何をするんだ?」
ダンジョン内に操人形の仕事になるようなものはないなぁ、と思いながら尋ね返す。
操人形も『うぅん……』と唸って考え込んだ。
『あ、それなら、ダンジョンゲートから、別の場所の調査に行きますよ。冒険者としての身分証を使わなければ、俺の足取りを追うのは無理でしょうし、冒険者ギルドに怪しまれることはないですよ』
「別の場所? あぁ、プラーテか」
ダンジョンゲートを設置後、ほとんど使っていないことを思い出して頷く。
農作物を得られたら、と思ってたけど、狼族獣人たちのおかげで大量に入手できるようになったから、使う必要がなくなったんだよなぁ。
操人形の暇つぶしと、慰労旅行的なものとして、プラーテに行ってもらってもいいかもしれない。
「——あ、それなら、プラーテの料理とか調査してほしい」
最近ロアンナから新たな料理レシピを考案したい、と依頼をされていたことを思い出して呟く。
日本食っていろいろあるけど、俺はそのすべての作り方を知っているわけじゃない。つまり、そろそろレシピが尽きてきた。
だから、新しいレシピの参考になるような料理を現地から得られたらありがたい。
『料理ですかぁ……ふむ、いいですね! 美味い料理で一緒に酒を飲みましょう!』
操人形のテンションが如実に上がった。
俺は笑いながら頷く。
「ああ、そうしよう。いい料理が見つかるといいな」
『俺に任せてくださーい』
操人形は普段『面倒くさい』なんて言いながらも、わりと仕事好きなタイプなので、随分と張り切っているようだ。インクとはえらい違いだな。
冒険者対応から戻ってきて『休憩ですー』と寝ているインクを、俺はジトッと見つめた。隙あらば怠けようとするな。操人形を見習え。
『インクはっけん~』
『あそべ~』
『ぐえっ!? ……っ、勘弁して……!』
俺が注意する前に、インクは影兎に飛びかかられて死にそうな顔になっていた。
怠けてるからバチが当たったんだ。ちょっとは学習しろ。俺はもふもふと勤勉者以外には優しくないぞ。
******
更新スケジュールが厳しくなってきたので、今後は2日に1回更新になりますー。
ご理解くださいませ……
その結果——
『ヒガシ1ヨリ、キョウイド3マモノ、セッキンデス』
『りょうかーい。エンド行ってきて』
『わかったよ』
コネクトを通して闇妖樹から報告を受けたリルが、エンドに指示を出して魔物対峙に向かわせている。
東1とは、リルの狩り場になっている山の東側を三等分した内の一つだ。山の外部から近づく魔物を監視している。
闇妖樹たちの担当区域は、東西北の1~3と山の麓1~4・中腹1~3・山頂1~2で分けている。
脅威度とは、魔物の強さを1~5に分けた区分で評価したもの。1が雑魚で対処不要、5が古竜レベルの強さだ。
脅威度3は、操人形では対処できないレベルの魔物で、かつ麓へと被害を及ぼしかねない種類の魔物を指している。
このレベルの魔物にはリルかエンド、あるいは影兎が対応に当たる。
『チュウフク3ヨリ、キョウイド4マモノ、クダッテマス』
『おっと……じゃあ、エンドには先にそっちに対応してもらおう』
新たな報告を受けたリルが、コネクトを使ってエンドに呼びかけた。なんだか楽しそうな雰囲気だ。
「司令官ごっこ、面白そうだな」
『うん、楽しい! 自分で狩りしなくても、ワクワクするよー』
リルが尻尾をブンブンと振って答える。
面倒くさくないならいいんだ。指示役は操人形の仕事にしようかと思ってたけど、上手い具合にリルの退屈を紛らわせることができてよかった。
ちなみに、外に出かけたエンドには影兎が一体ついていっているから、狩った魔物はダンジョンに持ち帰りDPにする予定だ。資源は余さず使わないともったいないもんな。
『マスター、もうちょっと様子を見たら、俺ここに必要なくなりません?』
操人形からコネクトで連絡がきた。
確かに、闇妖樹とリル・エンドのおかげで、山の秩序はだいぶ整ってきてるんだよなぁ。
狼族獣人たちへの説明役として、操人形にはもう少し山にいてほしいけど、その後はどうしようか。
ラッカルは操人形への疑いを捨てきれてないみたいだけど、今のところこれ以上突っつくつもりはなさそうだし、ダンジョンに帰還させるかな……。
「そうだなぁ。操人形はどうしたい?」
『ダンジョンに帰りたいです。もちろん、人の世界の偵察任務は続行できますよ』
即答だった。
操人形は普段ダンジョン外の任務をしてもらうことが多いからこそ、ダンジョンとの強い関わりを求めているのかも。
「……そっか。じゃあ、こっちに帰っておいで。ダンジョンゲートを使ったら、時間経過に矛盾が出そうだから、普通に旅してもらうけど」
『またですかー……』
嫌そうな声で言う操人形に、俺は苦笑してしまう。
日本ほど交通が整っていないので、ピエモからマーレに戻るのが一苦労だというのは言われなくても理解できる。
「もうちょっとそっちに長居するなら、ダンジョンゲートで戻ってきてもいいぞ?」
『えー……ここにいたことにして、ダンジョンで過ごすのはダメです?』
「いいけど、ここで何をするんだ?」
ダンジョン内に操人形の仕事になるようなものはないなぁ、と思いながら尋ね返す。
操人形も『うぅん……』と唸って考え込んだ。
『あ、それなら、ダンジョンゲートから、別の場所の調査に行きますよ。冒険者としての身分証を使わなければ、俺の足取りを追うのは無理でしょうし、冒険者ギルドに怪しまれることはないですよ』
「別の場所? あぁ、プラーテか」
ダンジョンゲートを設置後、ほとんど使っていないことを思い出して頷く。
農作物を得られたら、と思ってたけど、狼族獣人たちのおかげで大量に入手できるようになったから、使う必要がなくなったんだよなぁ。
操人形の暇つぶしと、慰労旅行的なものとして、プラーテに行ってもらってもいいかもしれない。
「——あ、それなら、プラーテの料理とか調査してほしい」
最近ロアンナから新たな料理レシピを考案したい、と依頼をされていたことを思い出して呟く。
日本食っていろいろあるけど、俺はそのすべての作り方を知っているわけじゃない。つまり、そろそろレシピが尽きてきた。
だから、新しいレシピの参考になるような料理を現地から得られたらありがたい。
『料理ですかぁ……ふむ、いいですね! 美味い料理で一緒に酒を飲みましょう!』
操人形のテンションが如実に上がった。
俺は笑いながら頷く。
「ああ、そうしよう。いい料理が見つかるといいな」
『俺に任せてくださーい』
操人形は普段『面倒くさい』なんて言いながらも、わりと仕事好きなタイプなので、随分と張り切っているようだ。インクとはえらい違いだな。
冒険者対応から戻ってきて『休憩ですー』と寝ているインクを、俺はジトッと見つめた。隙あらば怠けようとするな。操人形を見習え。
『インクはっけん~』
『あそべ~』
『ぐえっ!? ……っ、勘弁して……!』
俺が注意する前に、インクは影兎に飛びかかられて死にそうな顔になっていた。
怠けてるからバチが当たったんだ。ちょっとは学習しろ。俺はもふもふと勤勉者以外には優しくないぞ。
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更新スケジュールが厳しくなってきたので、今後は2日に1回更新になりますー。
ご理解くださいませ……
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