寝てる間に××されてる!?

しづ未

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 毎日眠気が治まらない。もはや病気なんじゃないかと言われるものの、多分深夜までゲームしているからだと思っている。理由はちゃんとある。まあそれを改善するかは別として、だけど。


有馬ありまくん今回のテストも順位一桁だったの!?すごすぎ!」
「授業中も眠そうだし、俺らといっつもゲームしてんのにほんといつ勉強してんだよ?」
「ええ……?別に、そんな特別なことはしてないよ」

 睡眠不足になる程ゲームをしているのになぜ親に禁止されてないのか、理由は単純である。俺はゲームしたところで成績が落ちたことがないのだ。授業さえ受ければテスト範囲は覚えられるし、電車に乗っている時間で復習と予習を終わらせれば帰ってからの時間をゲームに充てられる。要はゲームの時間以外で勉強すれば良いだけだ。だから本当に特別なことはしていない。
 その代わり、そんな極端な生活をしているせいなのか日中はずっと眠い。寝っ転がればどこであろうと秒で眠れてしまう。

「おい一葉ひとは

 昼休み、弁当を食べ終わり教室を出ると声を掛けられた。聞き馴染みのある声に振り返り、いつものように返事をした。

「あ~絃星げんせいじゃん、どしたの?」
「はあ……相変わらず眠そうだな、お前」

 友人の戸波となみ絃星は俺の顔を見るなりため息をついた。絃星は高校に入って最初に仲良くなった男で、俺より頭が良くて真面目な奴だ。まあきっちりした風貌で眼鏡掛けて絵に描いたような優等生だ。俺はいつも寝惚け眼で支度をしているせいでだらしない格好で登校してるので、毎朝のように絃星は俺のネクタイをきっちり結び直したりする。二年生になってからもよく俺に会いにくるので、きっと友達想いな男なのだろう。

「また遅くまでゲームしてたんだろ、体に悪いからほどほどにしろっていつも言ってるのに」

 絃星は眉を吊り上げて俺の顔をジロジロ見る。

「百歩譲ってゲームするのは良いとして、学校で所構わず寝るのはやめろよ?何かされたって文句言えねえからな」
「はあ、またそれ~?午後の授業で寝ない為に寝てるだけだし。人が来ないとこだし大丈夫だよ」

 絃星は顔を合わせる度にこうしてぐちぐちと母親みたいなことを言ってくる。学校で気持ちよく寝る魅力が分かってないんだろうな、可哀想な奴め。

「絃星も寝てみれば良いのに、いっつも根詰めて大変そうだし。あ、それなら俺と一緒に寝る?」
「っはあ!?」
「あはは、冗談だって。じゃ、俺寝てくるから~」

 ひらひらと手を振って絃星とお別れした。よし、今日は天気も良いし屋上で一眠りしよっと!
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