神を越えろ

タロ芋

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序章

3話,解決策

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 ガチャ
「ただいま。」
「おじゃまします。」
「お帰りなさい。あら、そちらは?」
「こちら、シンくん。」
「はじめまして。」
「あなたがシンくん。よろしくね。ユアの母のミカよ。さ、あがってあがって。」
促されるまま家にあがるシン
「夕飯まだよね。食べていくでしょ?」
「お母さん、お願いがあるの。」
「どうしたの?改まって。」
「シンも私達と一緒にこの家に住んじゃだめかな。」
「一緒って、シンくんにも家があるんじゃないの?」
「シンは両親二人とも居なくて一人なの。」
「それは本当なの?」
「はい、両親は俺が八歳の時に魔法士の任務で。」
「それから五年も一人なのね。わかったわ、シンくんもここでいいなら遠慮しないでいいわよ。」
「あ、ありがとうございます。」
「さ、夕飯にしましょ。」
食卓にはパンと野菜のスープが並べられた。
「「「いただきます」」」
 夕食が済みユアとシンは眠りについた。
ギィ、「ふぁ~あ、人の家だとそわそわしちゃうなぁ。あれ、まだ明かりが。ミカさん起きてるのかな。」
「あら、どうしたの?こんな遅くに。」
「ちょっとそわそわして。」
「そう、こっちで少し話しましょうか。」
「あ、あの。」
「なぁに?」
「なんで邪神の封印なんてのを持った人がスラムなんかにいるんですか?本来国の魔法士の保護下にあるべきなんじゃ…」
「そうね、元々はそうだったのよ。」
「元々は?」 
「ええ。でも封印をより安全なものにする解決策が見つかったの。最も邪神復活のリスクが低い解決策がね。」
「解決策が見つかったのになぜスラムに?」
「解決策が見つかったのはユアが産まれてからだったわ。封印魔法は重ねがけできないのは知ってるかしら?」
「はい。封印魔法のように対象をとる魔法は一度に一つしかかけられないというものですよね。」
「ええ。だから邪神を別の場所に封印しなおすには一度封印を解かなければならないと考えられていたの。でも封印の対象を邪神から人に変えれば封印できる。」
「まさか…」
「そう、国は邪神を封印したユアを封印しようとしたの。そうすればユアは死なず邪神の封印はほぼ永遠なものになるから。」
「そんな、人の命を封印の道具みたいに。」
「それで私はユアを連れて逃げたわ。スラムに逃げ込んで隠れてすごしているのよ。」
「じゃあ見つかったらユアは封印されてしまうんですか?」
「そうね。その可能性が極めて高いと言えるわ。」
「もっと別の解決策を見つけて、ユアが自由に生きられるようにしてみせます。」
「……どうしてあなたはそこまでするの?ユアも驚いていたわ。」
「ユアにも言いましたよ。一目惚れした。好きな人のためになら俺はなんだってやります。」
「そう。ユアのことお願いね。」
「もちろんです!必ずこの悲しい運命から解放してみせます!」
 
 シンの決意と母の願い。ユアに自由と幸福は訪れるのか。邪神に抗う運命の物語の始まりであった。


 ~シンとユアの出会いから一年~
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