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序章
2話,夢
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チュンチュン
鳥の声が響く明け方
「はっはっはっ」
早朝からスラムを走るのは深紅の髪をした少年
「早くに待っててユアを驚かしてやろう。」
約束通りシンはユアとの待ち合わせの場所へ。
「あれ、もう居たの?」
「ええ、でも来たばかりよ。」
早朝から走ってここに向かったシンより早くに着いて落ち着いた様子から、さらに早くにからここに居ることがうかがえた。
「今日は二人で魔法の練習しようよ。」
「ええ。ちなみにどこで練習するの?」
「そうだなぁ、練習場は人多いし。向こうの山に良いとこあるからそこにしよう。」
二人はスラムから少し離れた山へ向かった。
「ユアって魔力の属性ってなに?ちなみに俺は炎なんだけど。」
魔力には属性がありその属性の魔法が使える。さらには魔力の属性には序列のようなものがあり、希少性や秀でた能力によって決められる。シンの持つ炎は序列でいうと七番目程である。
「私は雷よ。」
「雷!?属性系序列一位…」
「ちなみに魔力量は?」
「三十万くらいかしらね。」
「三十万!?俺の魔力の十倍…魔法士の平均が十万程度と言われるなか、まさに天才か。」
「でもほとんど封印魔法に使われて普段使える量は五、六千が良いとこよ。」
「そんなに封印魔法に使ってるの?」
「そうよ。封印魔法を使うために私の家系は魔力が多いらしいし。」
「そうゆことか。着いた着いた。ここだ。」
そこは山とは思えないほどに開けた場所で、平坦の広がる空き地のような場所だった。
「これ、もしかしてつくったの?」
「ああ、スラム出身で魔法士になるなら練習あるのみ!夜でも誰にも迷惑かかんない山のなかに練習場をつくったんだ。」
いったいどれほど時間がかかったのか、いつからつくったのか、それは一人でつくるにはあまりに途方もない大きさだった。
「じゃあ練習するか。」
「そうね。」
「あそこに的をつくってあるから遠距離魔法から練習しよう。」
「じゃあ俺から。炎よ!」
ボウッ、ドーン
シンの手から放たれた炎の玉は見事に的に命中した。
「あれ、魔法の詠唱は?」
詠唱は魔法発動に必要不可欠とされ、それは優秀な魔法士とて例外はない。
「あぁ、実は知られてないけど詠唱いらないんだよ。俺も最近わかったんだけど、大事なのはその魔法で起こる結果をイメージする事で詠唱はその補助でしかないんだよ。」
「そんなこと、よく気付いたわね。」
「よくあるじゃん、詠唱めんどいなぁって。それで適当にやったら同じ魔法でたから笑」
(何気にシンもかなり天才なんじゃ…)
「じゃあ、次は私ね。せっかくだし私も詠唱省略してみようかしら。……雷鳴よ!」
カッ!バリバリ!
轟音と強烈な光、的は焼け焦げていた。
「凄い、ほんとに詠唱いらなのね。」
「まぁ、全部なくすとテンポ狂うからちょっとはあるといいけどね。さっきみたいに。」
「それじゃあ、どんどん練習していきますか!」
カーカー
「そろそろ切り上げましょうよ。」
日は傾き辺りはオレンジ色に染まっていた。
(シン、魔力切れにならないのかしら…)
「じゃあ、そろそろ帰るか。」
「ねぇ、シンの魔力って三万くらいなのよね?あれだけ魔法を使って魔力切れにならないの?」
「あぁ、それは俺が使ってる魔法が全部オリジナルで自分専用につくってるからだよ。」
「オリジナル魔法?汎用魔法に見えるものが多かったけれど。」
「うん。汎用魔法と同じ結果をもたらす魔法も全部一から見直してつくり変えたんだ。自分が使えればいいから必要な魔力量も少なくてすむから沢山使えるんだ。」
魔法にはオリジナル魔法と汎用魔法の二つがある。オリジナルとは個人がつくった魔法でつくった本人しか使えない。ただし特殊な効果や強力なものが多い。一方汎用魔法は誰にでも使える魔法でそれなりの威力や効果を持つ。ただしより多くの人が使うため偏りがなくクセもないため、発動時の必要魔力量が多くなってしまう。
(使ってる魔法が全部オリジナル魔法って、どれだけ研究と練習を積んだの…)
「ねぇ、シンはどうして魔法士になりたいの?やっぱりスラムから出たいから?」
「いいや、そんなことはないよ。実は俺、親が居ないんだ。二人とも魔法士だったんだけど、ある日任務に行ったきり帰って来なかった。それから家もお金も無くなってスラムに行き着いた。スラムのみんなは俺を迎えてくれて住む場所もくれた。だから、魔法士になってスラムを魔族から守れるようになりたいんだ。」
「でも、お父さんやお母さんの命を奪った仕事よ?」
「いや、魔法士という仕事が二人の命を奪ったわけじゃない。それに、二人は魔法士であることを誇りに思っていた。俺にも守りたい場所が、そして守りたい人ができたから、俺は魔法士になる。」
「そっか。」
「ユアは?二人で魔法士を目指す?」
「私は…私は私の中の邪神をどうにかしたいわね。産まれてくる子供に同じことを背負わせる訳にはいかないもの。」
「じゃあ、まずは邪神をどうにか別のとこに封印しなおす方法をみつけるか、倒す方法をみつける。そんで解決したら二人で魔法士になるってことで。」
「ふふ、そんなに上手くいくかしら?」
「やってみせるさ。よし、今日は帰ってまた明日も練習だ!」
「あ、シン…」
「どうかした?」
「さっき両親二人とも居ないって言ったわよね。もし、よかったら私の家にこない?」
「え、そ、それって。」
「一緒に住まない?」
(な、なにー!?どうする俺。好きな人と一つ屋根のした。なんて急展開、ここはスマートに。…スマートにってなんだー!?どうする、どうする?)
「本当に、いいの?」
「ええ!お母さんもきっと許してくれるわ。」
「じゃあ、お母さんに確認してよかったら一緒に住むってことで。」
急展開でユアの家に行くことになったシン。ここから二人の距離は縮まるのか。
鳥の声が響く明け方
「はっはっはっ」
早朝からスラムを走るのは深紅の髪をした少年
「早くに待っててユアを驚かしてやろう。」
約束通りシンはユアとの待ち合わせの場所へ。
「あれ、もう居たの?」
「ええ、でも来たばかりよ。」
早朝から走ってここに向かったシンより早くに着いて落ち着いた様子から、さらに早くにからここに居ることがうかがえた。
「今日は二人で魔法の練習しようよ。」
「ええ。ちなみにどこで練習するの?」
「そうだなぁ、練習場は人多いし。向こうの山に良いとこあるからそこにしよう。」
二人はスラムから少し離れた山へ向かった。
「ユアって魔力の属性ってなに?ちなみに俺は炎なんだけど。」
魔力には属性がありその属性の魔法が使える。さらには魔力の属性には序列のようなものがあり、希少性や秀でた能力によって決められる。シンの持つ炎は序列でいうと七番目程である。
「私は雷よ。」
「雷!?属性系序列一位…」
「ちなみに魔力量は?」
「三十万くらいかしらね。」
「三十万!?俺の魔力の十倍…魔法士の平均が十万程度と言われるなか、まさに天才か。」
「でもほとんど封印魔法に使われて普段使える量は五、六千が良いとこよ。」
「そんなに封印魔法に使ってるの?」
「そうよ。封印魔法を使うために私の家系は魔力が多いらしいし。」
「そうゆことか。着いた着いた。ここだ。」
そこは山とは思えないほどに開けた場所で、平坦の広がる空き地のような場所だった。
「これ、もしかしてつくったの?」
「ああ、スラム出身で魔法士になるなら練習あるのみ!夜でも誰にも迷惑かかんない山のなかに練習場をつくったんだ。」
いったいどれほど時間がかかったのか、いつからつくったのか、それは一人でつくるにはあまりに途方もない大きさだった。
「じゃあ練習するか。」
「そうね。」
「あそこに的をつくってあるから遠距離魔法から練習しよう。」
「じゃあ俺から。炎よ!」
ボウッ、ドーン
シンの手から放たれた炎の玉は見事に的に命中した。
「あれ、魔法の詠唱は?」
詠唱は魔法発動に必要不可欠とされ、それは優秀な魔法士とて例外はない。
「あぁ、実は知られてないけど詠唱いらないんだよ。俺も最近わかったんだけど、大事なのはその魔法で起こる結果をイメージする事で詠唱はその補助でしかないんだよ。」
「そんなこと、よく気付いたわね。」
「よくあるじゃん、詠唱めんどいなぁって。それで適当にやったら同じ魔法でたから笑」
(何気にシンもかなり天才なんじゃ…)
「じゃあ、次は私ね。せっかくだし私も詠唱省略してみようかしら。……雷鳴よ!」
カッ!バリバリ!
轟音と強烈な光、的は焼け焦げていた。
「凄い、ほんとに詠唱いらなのね。」
「まぁ、全部なくすとテンポ狂うからちょっとはあるといいけどね。さっきみたいに。」
「それじゃあ、どんどん練習していきますか!」
カーカー
「そろそろ切り上げましょうよ。」
日は傾き辺りはオレンジ色に染まっていた。
(シン、魔力切れにならないのかしら…)
「じゃあ、そろそろ帰るか。」
「ねぇ、シンの魔力って三万くらいなのよね?あれだけ魔法を使って魔力切れにならないの?」
「あぁ、それは俺が使ってる魔法が全部オリジナルで自分専用につくってるからだよ。」
「オリジナル魔法?汎用魔法に見えるものが多かったけれど。」
「うん。汎用魔法と同じ結果をもたらす魔法も全部一から見直してつくり変えたんだ。自分が使えればいいから必要な魔力量も少なくてすむから沢山使えるんだ。」
魔法にはオリジナル魔法と汎用魔法の二つがある。オリジナルとは個人がつくった魔法でつくった本人しか使えない。ただし特殊な効果や強力なものが多い。一方汎用魔法は誰にでも使える魔法でそれなりの威力や効果を持つ。ただしより多くの人が使うため偏りがなくクセもないため、発動時の必要魔力量が多くなってしまう。
(使ってる魔法が全部オリジナル魔法って、どれだけ研究と練習を積んだの…)
「ねぇ、シンはどうして魔法士になりたいの?やっぱりスラムから出たいから?」
「いいや、そんなことはないよ。実は俺、親が居ないんだ。二人とも魔法士だったんだけど、ある日任務に行ったきり帰って来なかった。それから家もお金も無くなってスラムに行き着いた。スラムのみんなは俺を迎えてくれて住む場所もくれた。だから、魔法士になってスラムを魔族から守れるようになりたいんだ。」
「でも、お父さんやお母さんの命を奪った仕事よ?」
「いや、魔法士という仕事が二人の命を奪ったわけじゃない。それに、二人は魔法士であることを誇りに思っていた。俺にも守りたい場所が、そして守りたい人ができたから、俺は魔法士になる。」
「そっか。」
「ユアは?二人で魔法士を目指す?」
「私は…私は私の中の邪神をどうにかしたいわね。産まれてくる子供に同じことを背負わせる訳にはいかないもの。」
「じゃあ、まずは邪神をどうにか別のとこに封印しなおす方法をみつけるか、倒す方法をみつける。そんで解決したら二人で魔法士になるってことで。」
「ふふ、そんなに上手くいくかしら?」
「やってみせるさ。よし、今日は帰ってまた明日も練習だ!」
「あ、シン…」
「どうかした?」
「さっき両親二人とも居ないって言ったわよね。もし、よかったら私の家にこない?」
「え、そ、それって。」
「一緒に住まない?」
(な、なにー!?どうする俺。好きな人と一つ屋根のした。なんて急展開、ここはスマートに。…スマートにってなんだー!?どうする、どうする?)
「本当に、いいの?」
「ええ!お母さんもきっと許してくれるわ。」
「じゃあ、お母さんに確認してよかったら一緒に住むってことで。」
急展開でユアの家に行くことになったシン。ここから二人の距離は縮まるのか。
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