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1自慢の友達
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私の友達はとても頭が良い。授業も一回聞いただけで覚えてしまうし、絵もうまいし、歌だってうまい。
自慢の友達だ。彼と友達でいれることは私の誇りの一つだ。
「さくら、明日の授業なんだった?」
「国語、算数、道徳、体育!」
「ありがと」
彼はゆーすけくん。学習机の本棚から教科書を取り出して、藍色のランドセルに詰め込んでいる。
小さなその背中を見ながら、私は微笑んだ。
利発そうな顔、勉強の時に集中するスイッチのために度の入っていない眼鏡をかけている。明日の準備が終わったら、今度は授業の予習だ。塾でもらったプリントを机に広げる。
ゆーすけくんは、看護師のお母さんと外科医のお父さんとの間に生まれた長男だ。下に弟と妹が一人ずついる。
活発な弟は勉強がてんでダメ。だからゆーすけくんに掛かる期待はどんどん大きくなっていった。妹は女の子で末っ子だから、という理由でのびのびと成長している。
私とゆーすけくんはそんな妹の子守中に出会った。
日曜日の朝、戦う少女のアニメーション。その時のストーリーとゆーすけくんの中の何かがカチリとかみ合った。
私はその時から「魔法少女さくら」としてゆーすけくんにしか見えない友達をやっている。だが、彼はどうにも私のことをノイローゼによる幻覚だと思っているらしい。
「さくら、これ分かる?」
ゆーすけくんが指さした所は、私の設定された年齢であればすぐに解けるはずの問題だろう。『魔法少女さくら』は中学生の少女だという設定だった。小学生のゆーすけくんが解いている問題は全部解けるはずだ。
「分かんない」
「そっか」
彼は残念そうに言った。
私は本当に分からなかった。ゆーすけくんができること、わかっていることは私にも可能だ。でも、知らないことできない事は私にもできなかった。
こういう時ゆーすけくんはとても悲しそうな顔をする。
私の事を幻覚だと思っているからだ。
それを証明する方法として彼が模索しはじめたのは、ゆーすけくんが知らないことを私が知っていること。それからは色んな会話をしたが、結局その証明をすることは出来なかった。
だって魔法は使えなくちゃ証明できないもんね。
自慢の友達だ。彼と友達でいれることは私の誇りの一つだ。
「さくら、明日の授業なんだった?」
「国語、算数、道徳、体育!」
「ありがと」
彼はゆーすけくん。学習机の本棚から教科書を取り出して、藍色のランドセルに詰め込んでいる。
小さなその背中を見ながら、私は微笑んだ。
利発そうな顔、勉強の時に集中するスイッチのために度の入っていない眼鏡をかけている。明日の準備が終わったら、今度は授業の予習だ。塾でもらったプリントを机に広げる。
ゆーすけくんは、看護師のお母さんと外科医のお父さんとの間に生まれた長男だ。下に弟と妹が一人ずついる。
活発な弟は勉強がてんでダメ。だからゆーすけくんに掛かる期待はどんどん大きくなっていった。妹は女の子で末っ子だから、という理由でのびのびと成長している。
私とゆーすけくんはそんな妹の子守中に出会った。
日曜日の朝、戦う少女のアニメーション。その時のストーリーとゆーすけくんの中の何かがカチリとかみ合った。
私はその時から「魔法少女さくら」としてゆーすけくんにしか見えない友達をやっている。だが、彼はどうにも私のことをノイローゼによる幻覚だと思っているらしい。
「さくら、これ分かる?」
ゆーすけくんが指さした所は、私の設定された年齢であればすぐに解けるはずの問題だろう。『魔法少女さくら』は中学生の少女だという設定だった。小学生のゆーすけくんが解いている問題は全部解けるはずだ。
「分かんない」
「そっか」
彼は残念そうに言った。
私は本当に分からなかった。ゆーすけくんができること、わかっていることは私にも可能だ。でも、知らないことできない事は私にもできなかった。
こういう時ゆーすけくんはとても悲しそうな顔をする。
私の事を幻覚だと思っているからだ。
それを証明する方法として彼が模索しはじめたのは、ゆーすけくんが知らないことを私が知っていること。それからは色んな会話をしたが、結局その証明をすることは出来なかった。
だって魔法は使えなくちゃ証明できないもんね。
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