あなたは嘘つき、それでも愛します!(改善版)

マイン

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本篇

優羽との再会

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学校へ向かってる間、友紀と色んな話をした。「担任の先生はどんな人なのか」とか「部活はどうする?」など他愛のない話をしていた。その時友紀があることを聞いてきた。

「‪理想の番候補とかいるの?せっかく共学なんだから恋愛もしたいよな!」
「理想の番候補か...」

確かに高校生ぐらいになれば番候補を考え始める人は多いだろう。でも俺は...

「考えたことないなぁ。‪」

そう答えるしかなかった。ほんとに考えたことが無いわけじゃない。でも‪α‬の人と仲良くできる自信が無い。「所詮」‪α‬とΩは友達にもなれないんだから。好きになっても無駄になるだけだから。

「そっかぁ。まぁ、過去のこともあるだろうしなぁ。でも!どんな出会いがあるか分からないし!もしかしたらいい出会いもあるかもよ!」
「そうだね。」


友紀の言葉にはいつも元気づけられる。そうだ。過去を引きづってるのが嫌で共学に通うことにしたんだ。ゆっくりでもいいから他の性別の人とも仲良くなれたらいいな。
話しているうちに学校に着いた。

「あ!クラス分け書いてある!見に行こ!」
「ほんとだ。同じクラスだといいな。」
「えーと。俺と悠人の名前は...あ!あった!同じクラスだよ!」
「よかったぁ!」

良かった。入学早々クラスでぼっちになることは避けれた。そういえばの名前あったりしないかな。

「どうした?クラス行かないの?」
「いや、小学校の時の友達いないかなって。」
「あぁ!噂の!」

そう、友紀には優羽のことを話している。高校でもしかして!って話してたんだけど...

「名前は...なさそうだね」
「そうだなぁ。って!時間やばい!そろそろ行かないと!」
「あ!ほんとだ!急げ!」

入学式の時間が迫ってきててじっくりは探せなかったが優羽の名前はなかった。まぁ、そんな運命みたいにはいかないか。


無事入学式には間に合い、今日はあと帰るだけとなった。

「なんで校長の話ってあんなに長いの?おしり痛いし眠過ぎて首カクカクしたわ」
「俺もほぼ聞いてなかったよ 」
「あ、‪α‬達だ。あっちも終わったのかな?」

この学校は問題を避けるために集会は‪α‬とΩを別々にやっているらしい。久しぶりに‪見るα‬。小学校の時と違い身長や体格が全然違う。やっぱ少し怖いな。そう思ってると友紀が、

「俺ちょっと探検しようと思うんだけど悠人はどうする?」
「いや、俺はあそこの木の下で待ってるから一人で行ってきな」
「わかった!何かあればすぐ連絡しろよ!」

そう言って友紀はワクワクした様子で走っていった。俺は広場にある木の近くにある椅子に座った。風が気持ちいい。こういう木漏れ日好きだなぁ。少しウトウトし始めた頃に突然声をかけられた。

「あ、すみません。隣いいですか?」

身長は高めの男の人。一瞬‪α‬かと思ったけどチョーカーをしている。驚いてじっと顔を見ていると

「あのー?」
「あ、はい!どうぞ!」
「ありがとうございます」

動揺していいよと言ってしまった。なぜ隣に座ったのだろうか。周りを見てみると他にもいくつか空いてる椅子はあった。少し怖いし友紀に連絡しようかなと悩んでいると隣でスクスクと聞こえてきた。

「そんなに警戒しないでくださいよ」
「そんなこといわれても...」
「はるくんってそんなに警戒心強かったけ?」
「え?」

隣に座ってきた人は俺の名前を呼んだ。しかも「はるくん」と。俺のことをそう呼ぶのは1人しかいない。

「はるくんってまさか...」
「あ、もっとかっこよく行きたかったんだけどバレちゃったかな?」

見た目が変わっていて分からなかったがその隣に座ってきた人は優羽だった。驚きと喜びで言葉がうまく出なかった。ただ俺は

「優羽...会いたかった!」

そう言って抱きついた。優羽だ。やっと会えた。俺の大切な友達。

「はるくん危ないよ!椅子から落ちちゃう!」
「あ、ごめん!嬉しすぎてつい!クラス分け見た時に名前なかったからいないかと思ってたよ!」
「あー、端の方にあったかな?」

少し目が泳いでる気がした。でもそんなのはどうでもいい。それから俺と優羽は色々話した。会っていない間何をしていたか、今どこに住んでいるのかなど。
1番気になったのは優羽の外見だ。小学校の時から身長は大きかったが黒髪の少し目が隠れるぐらいの髪の毛だった。でも今は白銀に毛先黒色のウルフカットという髪型だ。

「髪の毛染めたんだね」
「似合ってないかな?」
「そんなことないよ!似合ってる!かっこいいよ!」
「ありがと!はるくんはあまり変わってないね。」
「え、成長してないってこと!?」
「いい意味でね!小学校の時と変わらず可愛いままだよ」

いきなり言われた「可愛い」。優羽ってこんな事言うやつだったけ?少しびっくりはしたがなんだか悪い気はしない。そんな時、

「はーーるーーとーーー!!!」

友紀の声が聞こえた。なんだか叫んでるし怒っているようだった。

「はるくんのことかな?呼ばれてるけど友達?」
「そう!中学の時に一緒になった人なんだ!」
「そうなんだ…」

そう聞くと優羽はカバンを持ち立ち上がろうとした。

「え、もう行っちゃうの?もう少し話そうよ。もしかしてなにか用事あるの?」
「いや、用事は無いけど……僕がいたら邪魔かなって」
「そんなことない!まだ一緒いて!お願い!」

優羽は少し悩んだがわかったと言ってくれた。少しわがままだったろうか。でも久しぶりの再会だ。もっと一緒にいたい。それに友紀に優羽のことを紹介したい。

「悠人聞いてよ!さっき自販機でジュース買おうとしたらさぁ!……ってどちら様?」
「ずっと話してた会いたかった人!」
「え!?まじで!初めましてぇ!友紀っていいますー!会えて良かったな!」

友紀も一緒になって喜んでくれた。多分優羽を紹介した時俺の顔は今までにないほどの笑顔だったと思う。

「僕のこと話してたんですか?」
「そーなんですよ!悠人てば中学で仲良くなってからずっっっっと「優羽はすごく優しいんだよ」「優羽のおかげで俺は今が楽しいんだよ」って言ってたんですから!」
「おい!余計なこと言うなよ!」

耳まで熱くなった。ふと優羽の顔を見てみるとなぜか優羽も顔が赤くなっていた。その時目が合い2人して苦笑した。

「じゃあ僕はそろそろ帰るね」
「わかった!ごめんね引き止めちゃって」
「大丈夫だよ!はるくん、友紀くんまたね」
「また明日~!」

「話聞いてた通りすっごくいい人だな!」
「でしょ!……あ」
「どうした?」
「クラス聞き忘れた。まぁまた明日聞けばいいか!」

いないと思ってた優羽がいてほんとに明日からの学校生活が楽しみだ。このまま何も無いといいな。
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