ひよこクスマ

プロトン

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第28話 安定剤

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「水中で燃える」石を偶然発見した後、クスマが最初にした反応は、この危険な「答え」をどうすれば安全に保管できるかを考えることだった。

「だめだ、こいつを直接ポケットに入れるわけにはいかない……密封できる容器が必要だ!」クスマは独り言を言った。

「容器……あります!」

ずっと静かだったふゆこが、突然、目を輝かせた。彼女は自分の小さな鞄から、とても可愛らしいガラスのキャンディージャーを取り出した。中には色とりどりのキャンディーがまだたくさん詰まっている。

「これは学校に持ってきて、新しい友達に分けるために準備したんです……」ふゆこは少し恥ずかしそうに言った。

「よし!没収だ!」
その言葉を聞いて、ふゆこは食べ物を守る小動物のように怯え、無意識にキャンディージャーを胸に抱きしめた。その澄んだ瞳には、一瞬にして涙の膜が張った。

「で、でも……師匠……これは……新しい友達にあげるための……」

彼女の蚊の鳴くような抗議は、クスマの「強権」の前では、あまりにも無力だった。クスマは彼女の腕の中から、彼女の「友情の夢」が詰まったその瓶を直接奪い取ると、ついでに大きな一掴みのキャンディーを、抗議のためにわずかに開いていた彼女の口へと詰め込んだ。

「むぐっ!?」

ふゆこがキャンディーで口を塞がれ、意味不明なうめき声しか出せないでいる間に、クスマは猛烈な速さで、もう一つ大きな一掴みのキャンディーを自分の口にも詰め込み、残りのキャンディーを他の二人に分け与え、それから最も速いスピードで、キャンディージャーの中に砂を敷き、その上に石を置いて、さらに砂で覆った。 

かくして、クスマの先導のもと、四羽の、口いっぱいにキャンディーを詰め込み、頬袋を膨らませたひよこたちが、三号実験室へと突進していった。

しかし、彼らが、いつ爆破されてもおかしくないと噂のそのドアに到着した時、ドアにはただ冷たく一枚の紙が貼られており、そこには二文字だけが書かれていた。

「不在」

四羽は思わず、キャンディーの味に満ちた、失望のため息を漏らした。

─ (•ө•) ─

「な、なんだよ……」

最初に沈黙を破ったのは、クレイの不明瞭で、不機嫌に満ちた文句だった。彼の口はふゆこのキャンディーでいっぱいで、頬袋はリスのように膨れ、そのため話す言葉も少し空気が漏れていた。

「……無駄足じゃないか!」

「違う……」クスマも同じく不明瞭に反論した。彼は高尚な口調で、その紙を分析しようと試みた。「見ろ……『不在』という二文字の筆跡を……」

この二羽の、頬袋を膨らませた奴らが、誰も聞き取れない、キャンディーの味に満ちた討論を始めようとした、まさにその時、ずっと静かだったみぞれもまた、何かを言って、この無意味な口論を止めようとした。

しかし、彼女の、同じくキャンディーでいっぱいに膨らんだ、リスのように可愛らしい頬が、彼女が口を開くや否や、「ん……ん……」という、意味不明な音しか出させなかった。

この「キャンディー地獄」の中では、言語によるコミュニケーションが完全に無効だと悟った後、彼女はまず、どうしようもないといった風に首を横に振った。

次に、彼女は指を伸ばし、まず遠くの、彼らが最初にトントン導師を見かけた方向を指差し、それから自分の足元を指して、「移動」のジェスチャーをした。

何の言葉もなかったが、彼女のその明確で、論理性に満ちたボディランゲージは、彼女の提案を、正確に、その場にいた全ての「まともに喋れない」者たちに伝えたのだった。 

みぞれの先導のもと、彼らはあの人里離れた広場の一角へと戻った。案の定、彼らが衝撃を受けたのは、あのトントン導師が、なんとまだその場におり、一見して極めて危険そうな錬金術の器具に向かって、不撓不屈の、新たな試みを続けていたことだった。

しかし、彼らが前に出る前に、トントン導師の方が一足先に彼らに気づいた。

彼女は振り返り、その鋭い両目は、鷲のように、クレイ、みぞれ、ふゆこを通り越し、真っ直ぐに、隊列の最後尾にいるクスマにロックオンされた。

彼女は彼らが誰であるかも、何をしに来たかも尋ねなかった。ただ、冷たく、何の感情も含まない口調で、クスマに問い質した。

「お前が、さっき「馬鹿だな、大事なものが一つ足りない。これじゃ爆発しないほうがおかしい……」と言った、あのもやしだな?」

彼女は少し間を置き、その口元に危険で、挑戦的な弧を描いた。

「言ってみろ、私がどこを間違えた?」

─ (•ө•) ─

この突然の「学術尋問」と、背後の三人の仲間からの「ご愁傷様」という眼差しの中、クスマの脳は高速で回転した。

かくして、クスマは腹を決め、単刀直入に、あの最も致命的で、そして最も奇想天外な間違いを、直接指摘することにした。

「導師」クスマの口調は異常なほど平然としていた。「あなたの配合と比率には、何の問題もありません」

その言葉に、トントンの眉が初めてひそめられた。彼女はこのもやしが、一体何を企んでいるのか分からなかった。

クスマは彼女の目をまっすぐに見つめ、事実を述べるかのような、何の感情も含まない口調で、その場にいた全員(トントン自身を含む)が信じられない答えを口にした。

「あなたの唯一の間違いは、最も基礎的で、そして最も重要な『安定剤』を一つ、加え忘れたことです」

「安定剤?」トントンは訝しんだ。

「ええ、安定剤です」

クスマの口元に、自信に満ちた、高尚で測りがたい微笑みが浮かんだ。

「あなたのその二つの反応物は、融合する際に、極めて凶暴な火属性の魔力を生み出します。安定剤はその凶暴さを抑制し、完璧に中和することができるのです」

クスマは少し間を置いて、あの最も不可思議な答えを口にした。

「そしてその安定剤とは、『水』そのものです」

「あなたが必要なのは、フラスコの中で実験を完成させることではなく、水で満たされた容器の中で、『水』を天然の安定剤として、全ての余分で、凶暴なエネルギーを吸収させることです。そうして初めて、あなたは最も完璧で、最も安定した生成物を得ることができるのです」

その言葉は、まるで一つの雷鳴のように、トントンの脳裏に轟音と共に炸裂した!

彼女は実験の狂人であり、もちろん「水は火を消す」が常識であることは知っていた。だが、まさにそれ故に、彼女は思考の袋小路に陥り、この「常識」そのものが、謎を解く鍵であるとは、夢にも思わなかったのだ!

彼女の顔の、元々は氷のように冷たかった表情が、この瞬間、完全に溶け落ち、一つの、「なるほど」という悟り、「信じられない」という驚き、そして「この上ない狂喜」が入り混じった、狂気の表情へと変わった。

彼女はもはや一言も無駄口を叩かず、一瞬にしてクスマの前に現れると、その両肩を固く掴み、まるで稀代の宝物でも発見したかのような、震える声で尋ねた。

「……なるほど……そういうことだったのか!この発想……実に天才的だ!」
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