からふる〜名前に色が入っている殺人鬼達の殺人回想録〜

望月ナナコ

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今日はボクのとある華麗な一日の過ごし方を貴方だけに特別に教えちゃうね!

朝起きて白湯を飲み、身体を目覚めさせたら朝食の前に軽い運動をするんだ。

今日はとてもいい天気。こんな日は広い庭の片隅にある大きな木の下に行き、スコップを使って一心不乱に大きな穴を掘るんだ。普段はなかなか出無精だからね。運動不足解消には丁度いいかなって思ってる。

ボクはこう見えてとある地方の地主の息子なんだよ。父さんは会社を経営していてね。というかもう両親はいないから・・・息子だったっていうのが正しいのかな?今は亡き母さんの趣味で自宅の外観はまるで小さなお城。もちろん室内もたぶん高いであろうアンティークやら絵画やらが飾ってあったり、螺旋階段があったり、ボクはもうなんとも思わないけど女の子達には軒並み評判が良いみたい。

あ、もうそろそろいい時間かな。穴も丁度よく掘れたしね。

ボクは急いでシャワーを浴びて軽めの朝食をとり、身なりを整える。鏡を見て笑顔で自分と向き合う。矯正された綺麗な白い歯はいつ見ても見惚れちゃうな。よし、今日もいい感じ。自分に自信を持つ事は大切でしょ?両親には感謝してる、高身長かつ綺麗な顔でこの世にボクを産み落としてくれたんだからね。 

仕上げにお気に入りのローズの香りの香水をまといその日の気分で選んだ外車で颯爽と目的地まで車を走らせる。

今日はね、大事な予定がある日なんだ。

巷ではさ、婚活パーティーとかいう名称みたいなんだけど。ボクの家は山の中だからね。ある程度山を下りて都心に行かないとやっていなくて。そこが少し面倒ではあるんだけどね。

駐車場に車を停めて受付を済ませ、胸に番号札をつける。それから自己紹介カードみたいのを書かされてそれを元に女性がいるブースを一人一人と話しながら男性陣が一周回っていくっていう仕組み。

「初めまして。」

ボクがとびきりの笑顔で挨拶すると大体の女性は頬を赤らめるよ。まあ当然だよね、ここに来ている他の男性陣とは色々とレベルが違いすぎるからね。

「・・・初めまして。」

ボクは今日このパーティでミキという女性に出会った。

「・・・・・もしかして、緊張してるかな?」

「あ・・・すみません、今日初めてパーティに参加して・・・何を喋ったらいいかよくわからなくて・・・。」

「そう・・・初めて、なんだ。」

ボクは気まずそうに俯くミキに優しく話しかける。一人一人と話せる時間は限られているからね。気になった相手がいるなら自分から行かないと。

「実はボクも今日が初めてで。なんかこんなに沢山初対面の人とどんどん話していく事はそうそう無いからね。緊張しちゃうよね。」

ボクがそう言うとミキは少し安心したように顔を上げてこっちを見てくれた。しばらく世間話をしてその場を更に和ませる。

「あの、時間が無いから無理を承知で言うんだけど君ともっと話がしてみたいから良かったらカップルになって欲しい。」

ミキはそれを聞いて驚いた表情をしていたけどそれと同時に嬉しそうでもあった。

まあボクはこのパーティー実は初めてじゃないんだけどどうせバレないからいいよね。

こうして最終的に会場の司会者みたいな人から胸に付けてる番号を呼ばれ、ボクはめでたくこの日ミキとカップルになったんだ。



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