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デスゲーム・・・かぁ。
正直イマイチそそられないしピンと来なかった。
ボクそんなにゲーム好きでも得意でも無いしね。
ボクはそれからすぐにお風呂に入り汗や乾いた精液の残骸などを綺麗さっぱり洗い流した。
ティーセットを用意してお気に入りの紅茶を飲む。
ああ、そんなものに参加して訳のわからない死に方をするくらいなら・・・いっそのこと今ここで自ら死を選んだ方がいいのかもしれない。
ここには父さんや母さん、そして愛する姉さんと暮らした大切な思い出がある。それにボクに抱かれてくれた沢山の女性との思い出も・・・。
そんな思い出の中で死ねるなら・・・。
ボクはしばらく悩んだけど一向に答えは出そうになかった。それにこうしている間にも時間は刻一刻と過ぎてしまう。
ボクは頭を振り、一旦考える事を辞める事にした。
疲れてるしね・・・とりあえずまだ時間はあるし、起きてから決めよう。
そうして胸ポケットにしまってある毒薬に手を添えながら静かに眠りについた。
◇◇◇
「・・・いいんですか?こんなに自由にさせて。もしかしたらこのまま自殺してしまうかもしれませんよ?」
「・・・いや、彼は自殺は選ばないよ。昔からこういう勘は何故か外れた事がないからね。」
「でも、どうして彼なんでしょうか?」
「さあ・・・その答えはボスにしか分からないよ。とにかく、今は彼が機嫌良く出てくるのを待つだけかな。」
◇◇◇
夢を見た。
それは父さんと母さんが死んだあの日の夢。
ブレーキが壊れることはなく、あの場所をスムーズに通り過ぎたボク達家族は無事に温泉に辿り着いた。そして笑い話をしながら豪華な海鮮料理を楽しんでいた。
春から始まる新生活、不安も大きいけど父さんや母さん、姉さんがいればきっと大丈夫。会社を継ぐ自分の未来に疑問なんて何一つ持ってなかったっけ。
夢の最後、家の玄関の前に笑顔の三人が揃っていた。
「サトル・・・私達はいつだって貴方のそばにいるわ。だからどうか自分で死ぬなんて悲しい事を選ばないで。貴方はまだこっちに来てはダメなのよ」
事故があったあの日、ボクの世界は変わってしまった。
・・・もう夢の中のような結末はどうやったってむかえる事が出来ないんだ。
そう・・・それが皆の望みなんだね・・・。
なら、ボクはその想いに争ったりはしないよ。
夢のお陰で目が覚めたボクの心の中は先程とは違って決心がついていた。
もう一度シャワーを浴びて身なりを整え、ローズの香水をまとう。
玄関に向かう前に窓から会社だった建物を眺めた。姉さんを殺してから会社は事業ごと売っちゃったんだよね。まあその分お金に困った事は無かったけど。
大きく深呼吸をした。
・・・さあ、出発しようか。
次のステージへ。
別にどうなってもいいこの命。ゲームでもなんでもやってあげようじゃないか。
コツンコツンと音を出しながらボクは防音室の前を通り過ぎて颯爽と玄関に向かった。
「・・・お待たせ。」
「黄田川様、お待ちしておりました。」
「一つ聞きたいんだけど、ナイフを持って行くのはありかな?無論、君達に使うつもりは到底ないんだけど。」
するとリーダーらしき白い仮面が面白そうに言った。
「・・・いいでしょう。」
黒いバンに乗せられたボクはこうしてお城のような実家を旅立った。
バックミラーに映る綺麗な月はまるでこれからのボクの未来を現すかのように妖艶な輝きを放っていた。
【CASE.1 黄川田サトル編 完結】
正直イマイチそそられないしピンと来なかった。
ボクそんなにゲーム好きでも得意でも無いしね。
ボクはそれからすぐにお風呂に入り汗や乾いた精液の残骸などを綺麗さっぱり洗い流した。
ティーセットを用意してお気に入りの紅茶を飲む。
ああ、そんなものに参加して訳のわからない死に方をするくらいなら・・・いっそのこと今ここで自ら死を選んだ方がいいのかもしれない。
ここには父さんや母さん、そして愛する姉さんと暮らした大切な思い出がある。それにボクに抱かれてくれた沢山の女性との思い出も・・・。
そんな思い出の中で死ねるなら・・・。
ボクはしばらく悩んだけど一向に答えは出そうになかった。それにこうしている間にも時間は刻一刻と過ぎてしまう。
ボクは頭を振り、一旦考える事を辞める事にした。
疲れてるしね・・・とりあえずまだ時間はあるし、起きてから決めよう。
そうして胸ポケットにしまってある毒薬に手を添えながら静かに眠りについた。
◇◇◇
「・・・いいんですか?こんなに自由にさせて。もしかしたらこのまま自殺してしまうかもしれませんよ?」
「・・・いや、彼は自殺は選ばないよ。昔からこういう勘は何故か外れた事がないからね。」
「でも、どうして彼なんでしょうか?」
「さあ・・・その答えはボスにしか分からないよ。とにかく、今は彼が機嫌良く出てくるのを待つだけかな。」
◇◇◇
夢を見た。
それは父さんと母さんが死んだあの日の夢。
ブレーキが壊れることはなく、あの場所をスムーズに通り過ぎたボク達家族は無事に温泉に辿り着いた。そして笑い話をしながら豪華な海鮮料理を楽しんでいた。
春から始まる新生活、不安も大きいけど父さんや母さん、姉さんがいればきっと大丈夫。会社を継ぐ自分の未来に疑問なんて何一つ持ってなかったっけ。
夢の最後、家の玄関の前に笑顔の三人が揃っていた。
「サトル・・・私達はいつだって貴方のそばにいるわ。だからどうか自分で死ぬなんて悲しい事を選ばないで。貴方はまだこっちに来てはダメなのよ」
事故があったあの日、ボクの世界は変わってしまった。
・・・もう夢の中のような結末はどうやったってむかえる事が出来ないんだ。
そう・・・それが皆の望みなんだね・・・。
なら、ボクはその想いに争ったりはしないよ。
夢のお陰で目が覚めたボクの心の中は先程とは違って決心がついていた。
もう一度シャワーを浴びて身なりを整え、ローズの香水をまとう。
玄関に向かう前に窓から会社だった建物を眺めた。姉さんを殺してから会社は事業ごと売っちゃったんだよね。まあその分お金に困った事は無かったけど。
大きく深呼吸をした。
・・・さあ、出発しようか。
次のステージへ。
別にどうなってもいいこの命。ゲームでもなんでもやってあげようじゃないか。
コツンコツンと音を出しながらボクは防音室の前を通り過ぎて颯爽と玄関に向かった。
「・・・お待たせ。」
「黄田川様、お待ちしておりました。」
「一つ聞きたいんだけど、ナイフを持って行くのはありかな?無論、君達に使うつもりは到底ないんだけど。」
するとリーダーらしき白い仮面が面白そうに言った。
「・・・いいでしょう。」
黒いバンに乗せられたボクはこうしてお城のような実家を旅立った。
バックミラーに映る綺麗な月はまるでこれからのボクの未来を現すかのように妖艶な輝きを放っていた。
【CASE.1 黄川田サトル編 完結】
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