【完結】ブラック企業で働く私が落ちた落とし穴の先はイケメン御曹司が住むお屋敷へと繋がっていました。

望月ナナコ

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次の日の朝になって時継様は昨日言っていた通り私と話をしに部屋に来た。

襖を開けられた途端に入ってくる光がとても眩しい。今日は天気が良いみたいだ。

『昨日はよく眠れたか?』

『あ・・・ハイ。』

昨日助けてくれたのもあり、時継様の前ではなんだかかしこまってしまう。

『着替えたんだな。よく似合っているじゃないか。』

着ていたものは洗ってくれるらしいのでパーカーやらスウェットズボンやら全てお手伝いさんらしき人にお渡しした。

代わりに着物をもらったんだけど着方が全然分からなかったのでそれも着せてもらった。

お祭りで浴衣着るとか成人式で振袖着るとかしかしたことないので地味にテンションがあがる私。

ってまあ、真面目に考えるとそれどころではないんだろうが。

『それでは話してくれ。そなたはどこから来たのだ?』

相変わらず落ち着いた穏やかな姿勢で私に接してくれる時継様。

自分の家に突然知らない女が入っていたというのに、この人はなんて寛大な人なんだろうか。

『その前に一つ質問なんですが、今って西暦何年なんですか?』 

私が暮らしていたのは西暦2121年の世界。

『西暦・・・西暦とはなんのことをいうのだ?』

ああ、昔に西暦って言葉や概念が無かったのかな?

『えっと・・・では、ここは日本ですか?』

『日本?ここは咲良の国だ。』

咲良(さくら)の国?

うん。歴史上たぶん聞いたこと無いな。

それを聞いて悟る。

ここは恐らく、私が生きてきた時空間じゃない。

私がいた世界の過去に遡った訳じゃなくて全く別の世界にぶっ飛んでしまったのか。

『わ、私は・・・ちょっと自分でもまだ信じられないというか・・・気持ちの整理がつかないのですが、恐らくこの場所と全く違う場所から来ました。』

『全く違う場所?』

『私が今まで生きていた場所は西暦2121年の日本という国です。あ、西暦っていうのは私には説明が難しいので特に気にしないでください。とにかく私が生まれ育った日本という国においてそこから何百年も遡った時の生活ぶりがこの咲良の国の皆さんの生活ぶりに本当にそっくりなんです。』

何時代の生活に似ているのかはちょっとよく分からない。人生においてこれ程歴史の勉強を真面目にやっておけばと思ったことはなかった。

『では、そなたは未来から来たと?』

『そこが・・・ちょっと難しいのですが私の知っている限り日本という国が咲良の国と呼ばれてた時代はありません。なので、恐らくですが・・・全然違う場所というか、空間からここに来てしまったのかもしれません。』

伝えたことは思ったままだけどこんな馬鹿げた話を誰が信じるだろうか。

結局話した所でそれを証明出来るはずもなく、結論私は怪しい女でしかない。
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