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(あれ?なんだろうこれ?……私、この人のこと気になるのかな?)
自分の初めて抱く感情がよく分からず戸惑っていると、彼がこちらに手を伸ばしてきた。思わず身を固くし目を瞑ったが、その手は優しく頭を撫でただけだった。経験などないのに、その温もりに何故かひどく安堵する自分がいた。
カサリと音を立てながら落ちる葉を見やり「髪についてたぞ」と彼は言った。
「あ、すみません…ありがとうございます。」
恥ずかしくなって俯いていると、今度は彼の方から声を掛けられた。
「……なあ。アンタが迷惑じゃないなら、またこうやって会ってくれないか?」
「へっ!?」
予想外の申し出に私は目をぱちくりする。
「っ、もちろん無理にとは言わねえよ!ただ……その、もう少し話がしたいと思ってな。」
彼は頬を赤らめ、照れくさそうにしている。
「えええ!?でででもあの、わ、私なんかと話しても楽しくないですよ!?」
(美醜逆転のこの世界では少しだけ良い見た目かもしれないけど、コミュニケーション能力なんてないんですっ…!)
慌てて否定するも、彼は首を横に振った。
「俺は楽しいぜ。それに、アンタはどうな
んだ?……やっぱり俺なんかと一緒にいるのは嫌か?」
「そ、それは……嫌ではない、です。というか、嬉しい、かも?」
(イケメン過ぎて眼福です……)
「!! 本当か!?」
「は、はい……」
勢いに押されてつい返事してしまう。でも、嫌ではなかった。むしろ話している間は楽しかったと思う。流されてみるのもいいかもしれない、と思うくらいには。
「よし!じゃあ決まりだな!」
彼は満足げに笑うと、続けてこんなことを言い出した。
「俺はザックス・オルコット。冒険者ギルド所属のSランク冒険者で、一応剣士ってことになってる。よろしくな!」
「ザックスさんですね。ってええっ!?冒険者の方だったんですか?しかもSランク!?」
「おう。」
Sランク冒険者といえば、この世界で数人しかいない超エリート中の超エリートである。
そんな凄い人がどうして私なんかと? と驚きすぎてぽかんとしていると、彼は困ったように笑っていた。
はっとして、ザックスさんに倣い私も名乗る。
「私は鷹瀬紫穂です。ザックスさんに合わせると、シノ・タカセになります。まだこの街に来たばかりなんですけど…えっと、よろしくお願いしますね。」
「シノ、だな。……ああ、よろしく頼む。」
こうして私たちはお互いの名前を知った。
そして、これをきっかけに彼と交流を深めていくことになるのだった。
自分の初めて抱く感情がよく分からず戸惑っていると、彼がこちらに手を伸ばしてきた。思わず身を固くし目を瞑ったが、その手は優しく頭を撫でただけだった。経験などないのに、その温もりに何故かひどく安堵する自分がいた。
カサリと音を立てながら落ちる葉を見やり「髪についてたぞ」と彼は言った。
「あ、すみません…ありがとうございます。」
恥ずかしくなって俯いていると、今度は彼の方から声を掛けられた。
「……なあ。アンタが迷惑じゃないなら、またこうやって会ってくれないか?」
「へっ!?」
予想外の申し出に私は目をぱちくりする。
「っ、もちろん無理にとは言わねえよ!ただ……その、もう少し話がしたいと思ってな。」
彼は頬を赤らめ、照れくさそうにしている。
「えええ!?でででもあの、わ、私なんかと話しても楽しくないですよ!?」
(美醜逆転のこの世界では少しだけ良い見た目かもしれないけど、コミュニケーション能力なんてないんですっ…!)
慌てて否定するも、彼は首を横に振った。
「俺は楽しいぜ。それに、アンタはどうな
んだ?……やっぱり俺なんかと一緒にいるのは嫌か?」
「そ、それは……嫌ではない、です。というか、嬉しい、かも?」
(イケメン過ぎて眼福です……)
「!! 本当か!?」
「は、はい……」
勢いに押されてつい返事してしまう。でも、嫌ではなかった。むしろ話している間は楽しかったと思う。流されてみるのもいいかもしれない、と思うくらいには。
「よし!じゃあ決まりだな!」
彼は満足げに笑うと、続けてこんなことを言い出した。
「俺はザックス・オルコット。冒険者ギルド所属のSランク冒険者で、一応剣士ってことになってる。よろしくな!」
「ザックスさんですね。ってええっ!?冒険者の方だったんですか?しかもSランク!?」
「おう。」
Sランク冒険者といえば、この世界で数人しかいない超エリート中の超エリートである。
そんな凄い人がどうして私なんかと? と驚きすぎてぽかんとしていると、彼は困ったように笑っていた。
はっとして、ザックスさんに倣い私も名乗る。
「私は鷹瀬紫穂です。ザックスさんに合わせると、シノ・タカセになります。まだこの街に来たばかりなんですけど…えっと、よろしくお願いしますね。」
「シノ、だな。……ああ、よろしく頼む。」
こうして私たちはお互いの名前を知った。
そして、これをきっかけに彼と交流を深めていくことになるのだった。
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