"深海こだま"の都市伝説について

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資料群1

なおびの女学院都市伝説、校舎をさまよう幽霊(1988年、なおびの女学院生徒会配布物の没案)

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 本記事はなおびの女学院内のオカルト好きの間では有名な、生徒会の没配布物の写しである。

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 新入生の皆さん、入学おめでとうございます。我が校は寄宿舎による全寮制が特徴です。
 親元を始めて離れ、不安もありつつ浮足立つ人も多いでしょう。しかし、寄宿舎のルールは姉の指導の下、キチンと守りましょう。

 特に寄宿舎の門限は絶対厳守です。我が校は付近に住宅地すらなく、寄宿舎と校舎が塀に囲まれており安全が保たれているため、油断しがちですが門限は守らねばなりません。
 というのもやはり暗くなれば周囲が見えにくくなって危険ですし、怖いのは人間の不審者だけではありません。

 実は我が校には昔から言い伝えられている、一つの都市伝説があるのです。
 なおびの女学院の校内を、夜間這いまわる幽霊がいるのです。
 その幽霊は貴女のスールが属する花を確かめるため、指輪やリボンタイを確認しに接近してきます。そして花がアイリスであった場合、黄色い液体を浴びせると噂されています。

 なぜそんな幽霊が現れるようになったのでしょうか。戦後すぐの我が校ではこんな事件がありました。
 カトレア寮に属する、一組の姉妹スールがいました。まだ当時は外国人の生徒はどの学校にもおらず、ましてやハーフの生徒も皆無の時代でした。そんな時代、その姉妹の姉は美しい金色の髪を持っていました。
 姉は誰に対しても分け隔てなく優しく、施設から入学した妹の面倒もよく見ていました。
 美人で性格もいい、そんな人間はどんな時代でも人気者で嫉妬の対象にもなります。ましてや当時では珍しい身体的特徴も持っていました。

 姉を妬む生徒も多くおり、彼女はいじめの標的となってしまいました。特にいじめを主導したのは、アイリス寮に属する生徒だったと言います。
 そして姉はいじめを苦に自殺し、その際金色の髪を墨汁で黒く染めていたそうです。

 それ以降、我が校では黒い髪の幽霊が目撃されるようになりました。しかし恐怖はそれだけではなかったのです。

 姉妹の妹も姉の死で狂い、アイリス寮に飾られているアイリスの装飾を姉の髪色である金色で塗り、アイリス寮の生徒を見ると襲うようになりました。妹の行方は現在も分かっていないそうです。

 そんな怪談は言い伝えに過ぎません。しかし、こんな怪談を作ってでも門限を守ってほしい、いじめをしないでほしいという先輩たちの思いは確かにそこにあるのです。
 皆さんもそんな先輩たち、お姉さまのお姉さまの想いに答え、きちんと校則を守って学業に励みましょう。
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