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5日目 自慰
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「はぁ……はぁ……」
シャワーを浴びて雄の匂いを消し、マルアークは一息ついていた。中出しされた精液もある程度は搔きだせたはずだ。
今日の男は妙に汗っかきで匂いがきつかった。水滴をバスタオルで拭い、シャワールームを出る。全て撮影されているのだと聞かされているが、平時は恥じらいが残っており身体にタオルを巻いて隠す。
「あいつ……」
マルアークは相手の男が脱ぎ散らかした服を見つける。根本が几帳面なので散らかっていると気になるが、こんな奴の服を綺麗に畳んでやるつもりもなかった。適当に集めて隅へ固めようかと彼女はワイシャツを手に取る。僅かに湿っており、持ち上げるだけであの男の匂いが鼻孔に届く。
「……っ」
彼女は僅かに不快感を覚えたが、それと同時に胸の奥から熱いものが込み上げてきた。直前の情事が、強く抱きしめられて臓腑を熱く滾る肉槍でかき回されるあの感覚が蘇る。
「な、なんで……」
淫唇がじわりと濡れ、震え始める。この様子は全て見られている。つまりマルアークの精神に糸を通して無理矢理絶頂させることのできる人形使いがタイミングを合わせて干渉しているだけなのが、彼女にはそんなことまで頭が回らない。
「は、はぁ……」
湿った唇から熱い吐息が漏れ出し、手が股へ導かれる。触れてゆっくりとなぞっていくと、背筋に電流が走ったかの様にびくりとマルアークの躰が震えた。
「んぁああっ!」
自分の身体故に誰よりもどこを触れれば心地よいか知っている。ただ一人の空間でぴちゃぴちゃと自らを慰める水音が響く。
「すぅ……は、はぁ、はぁっ」
気づけばシャツを顔に押し当てて匂いを嗅ぎ、股を激しく弄って身体を悶えさせたせいでタオルがはだけても気に留めることなく自慰を続けた。内股が蜜でびしょびしょになる頃、マルアークの躰は跳ねるように絶頂を迎えた。
「イっ……あぁあ!」
腰が抜けて座り込む彼女は、茫然としていた。自分はいつからこんな淫乱な女になってしまったのか。許嫁に申し訳が、などと思うよりも先に身体は熱っぽく疼く。マルアークはシャツに袖を通すと、ベッドに寝そべって続きをした。
「っ、ああ……」
思い浮かべるのは自分を抱いた不特定多数の化け物ではなく、許嫁である陽大。変なところで半端に理性が働いてしまい、ここで彼の名を呟けばそこから陽大に危険が及ぶと感じ、それはしなかった。
(陽大……陽大っ)
脚に躰をねじ込み、猛々しい竿を突き立てられる妄想に彼女は遊ぶ。愛しても恋してもいない男にあれほどまでの快楽を与えられたのだ。もしそれが愛しい人ならどうなってしまうのか。胸が高鳴り、指の動きも激しくなる。
「はぁ、はぁっ、はーぁっ……」
ベッドにも男の匂いが残っており、まるで抱かれているかの様な錯覚のもと彼女は一人で身体を慰める。陽大とは性交はおろか、同衾もしていない。だが、もしこれが陽大の匂いなら、と脳が変換して燃え盛る劣情と共に錯覚を強めていく。
「うぁああっ!」
二度目の絶頂。前回よりも激しく蜜が吹き出し、身体も跳ね上がる。しかし一向に満足することはなかった。より熱く、強い飢えと渇きがマルアークを襲った。
「したい……したいしたいしたいっ……!」
すっかり彼女はセックスの虜となっていた。ここまで実に仕掛け人であるデリンジャーの誘導が巧妙であった。身体が嫌がり、秘部を守る為に出す愛液を『感じている証拠』と位置づけ、ナメクジや虫の様な化け物に犯させることで人の姿をした相手ならマシという錯覚を生み出した。
そして孕んだ化け物の子を降ろすため、自ら行為に臨まねばならない状況を生み出す。化け物を産むかセックスするか、二択にもならない二択を突き付けた。
「う、ああ、あ……イっ……!」
マルアークは身体をのけ反らせてイった。すっかりこれが見られていることなど忘れている。
「はぁ、はぁ……なんで、足りな……」
彼女は疲労感から半ばまどろみつつ、枕を抱いて男の汗がしみ込んだマットレスに躰を擦り付けて続きに浸った。
「ん、ぅ……」
三度絶頂したことで淫核や乳頭も感度を増し、布に擦り付けるだけで痺れる様な快感を得られた。
「ん、くっ……」
今更声が漏れない様に、枕を噛んで耐えるマルアーク。全ての罠に面白いくらい嵌まっていく高貴な魔法少女の行く末は、惨めなものとなりそうだった。
シャワーを浴びて雄の匂いを消し、マルアークは一息ついていた。中出しされた精液もある程度は搔きだせたはずだ。
今日の男は妙に汗っかきで匂いがきつかった。水滴をバスタオルで拭い、シャワールームを出る。全て撮影されているのだと聞かされているが、平時は恥じらいが残っており身体にタオルを巻いて隠す。
「あいつ……」
マルアークは相手の男が脱ぎ散らかした服を見つける。根本が几帳面なので散らかっていると気になるが、こんな奴の服を綺麗に畳んでやるつもりもなかった。適当に集めて隅へ固めようかと彼女はワイシャツを手に取る。僅かに湿っており、持ち上げるだけであの男の匂いが鼻孔に届く。
「……っ」
彼女は僅かに不快感を覚えたが、それと同時に胸の奥から熱いものが込み上げてきた。直前の情事が、強く抱きしめられて臓腑を熱く滾る肉槍でかき回されるあの感覚が蘇る。
「な、なんで……」
淫唇がじわりと濡れ、震え始める。この様子は全て見られている。つまりマルアークの精神に糸を通して無理矢理絶頂させることのできる人形使いがタイミングを合わせて干渉しているだけなのが、彼女にはそんなことまで頭が回らない。
「は、はぁ……」
湿った唇から熱い吐息が漏れ出し、手が股へ導かれる。触れてゆっくりとなぞっていくと、背筋に電流が走ったかの様にびくりとマルアークの躰が震えた。
「んぁああっ!」
自分の身体故に誰よりもどこを触れれば心地よいか知っている。ただ一人の空間でぴちゃぴちゃと自らを慰める水音が響く。
「すぅ……は、はぁ、はぁっ」
気づけばシャツを顔に押し当てて匂いを嗅ぎ、股を激しく弄って身体を悶えさせたせいでタオルがはだけても気に留めることなく自慰を続けた。内股が蜜でびしょびしょになる頃、マルアークの躰は跳ねるように絶頂を迎えた。
「イっ……あぁあ!」
腰が抜けて座り込む彼女は、茫然としていた。自分はいつからこんな淫乱な女になってしまったのか。許嫁に申し訳が、などと思うよりも先に身体は熱っぽく疼く。マルアークはシャツに袖を通すと、ベッドに寝そべって続きをした。
「っ、ああ……」
思い浮かべるのは自分を抱いた不特定多数の化け物ではなく、許嫁である陽大。変なところで半端に理性が働いてしまい、ここで彼の名を呟けばそこから陽大に危険が及ぶと感じ、それはしなかった。
(陽大……陽大っ)
脚に躰をねじ込み、猛々しい竿を突き立てられる妄想に彼女は遊ぶ。愛しても恋してもいない男にあれほどまでの快楽を与えられたのだ。もしそれが愛しい人ならどうなってしまうのか。胸が高鳴り、指の動きも激しくなる。
「はぁ、はぁっ、はーぁっ……」
ベッドにも男の匂いが残っており、まるで抱かれているかの様な錯覚のもと彼女は一人で身体を慰める。陽大とは性交はおろか、同衾もしていない。だが、もしこれが陽大の匂いなら、と脳が変換して燃え盛る劣情と共に錯覚を強めていく。
「うぁああっ!」
二度目の絶頂。前回よりも激しく蜜が吹き出し、身体も跳ね上がる。しかし一向に満足することはなかった。より熱く、強い飢えと渇きがマルアークを襲った。
「したい……したいしたいしたいっ……!」
すっかり彼女はセックスの虜となっていた。ここまで実に仕掛け人であるデリンジャーの誘導が巧妙であった。身体が嫌がり、秘部を守る為に出す愛液を『感じている証拠』と位置づけ、ナメクジや虫の様な化け物に犯させることで人の姿をした相手ならマシという錯覚を生み出した。
そして孕んだ化け物の子を降ろすため、自ら行為に臨まねばならない状況を生み出す。化け物を産むかセックスするか、二択にもならない二択を突き付けた。
「う、ああ、あ……イっ……!」
マルアークは身体をのけ反らせてイった。すっかりこれが見られていることなど忘れている。
「はぁ、はぁ……なんで、足りな……」
彼女は疲労感から半ばまどろみつつ、枕を抱いて男の汗がしみ込んだマットレスに躰を擦り付けて続きに浸った。
「ん、ぅ……」
三度絶頂したことで淫核や乳頭も感度を増し、布に擦り付けるだけで痺れる様な快感を得られた。
「ん、くっ……」
今更声が漏れない様に、枕を噛んで耐えるマルアーク。全ての罠に面白いくらい嵌まっていく高貴な魔法少女の行く末は、惨めなものとなりそうだった。
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