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前日譚
「は、初めまして。シリルです。」
初めてシリルと会った時、こんな綺麗な子は見たことないと思った。
____________________________
アカデミーの寮生活で同室となったサイモンは見かけによらずとてもいい奴で領地も隣というだけあって話題がつきずすぐに仲良くなった。
親友とも呼べる仲となった頃、卒業間近の帰省のタイミングでサイモンの実家に誘われたのだ。
「あ、うちにはΩの弟がいるんだ。ブラコンと言われるかもしれないがとてもかわいくていい子なんだよ。」
弟が2人いる事は知っていて、二つ下の次男のアルトは同じアカデミーでも顔見知りである。
まさか一番下はΩとは。
なかなか貴族にはΩは生まれないため珍しいと思った。
そして初めて紹介された時、サイモンの言っていた事がわかった。
確かに綺麗だった。
「な、かわいいだろ」とサイモンにこそっと言われた。
黙っていると人形めいた美しさがあるが、笑ったり話したりすると十歳の子供らしさがあり不思議な魅力があった。
そんなシリルはおしゃべりでよく笑顔でいる子だった。
そして何故だか懐かれた。そして遊びに行く度、膝の上に乗っかるようになったのだ。
自分が一人っ子ということもあり、弟のようにかわいがっていたがシリルが十二歳の時に状況が変わった。
「あ、レオルド様いらっしゃい。」
アカデミーを卒業してレオルドは近衛騎士となった。休みの時はたまにこうやってサイモンの実家に寄ることがあった。
十二歳となったシリルは初めて会った時と比べるとかなり成長し、もともと大人びいている顔つきに色香が混じるようなった。
シリルの笑顔に胸がドキッとしたのを感じた。
それを初めの頃は気づかないふりをしていた。
膝の上に乗っかられる時も、何故かうなじがとても気になった。
そこから甘やかな心地いい香りがするからだ。
そしてその白いうなじに触れたいと思ってしまった。
そう思った瞬間、いけないと思い「ちょっと、シリル近くないか?」と言う。
「ええーいつもと同じだよ?てかね、」
レオルドの指摘にシリルは何食わない顔してまた話だす。
弟だと思っている子にこんな感情を抱くのはおかしい。
笑顔で楽しそうに話しているシリルとは逆にレオルドは自己嫌悪に陥っていた。
いや、そもそもシリルは十二歳だ。
そろそろαとΩとの関係を意識するべきだと思った。
それからシリルに適度な距離を保つため膝に乗ったりすることをやめるよう言ったのだ。
一瞬、シリルは傷ついた顔をしたが今後のためと見てみぬふりをした。
そうこうしている内に月日は流れシリルはますます綺麗に成長していった。
話しかけられると顔を伏せてしまうくらいに。
弟のようだと思っていたのにいつのまにか一人の青年としてみている。
そしてこうも意識してしまうのは好きだからだと気づいた。
「ああ~うちのシシィももうすぐ社交界デビューか。きっとたくさんの縁談の申し込みがくるんだろうな。」
仕事の休みが合って一緒に帰省するサイモンがため息をつくように言う。
「、、、きっとそうだろうな。」
「親的には好きな人と結ばれてほしいと言っていたからどうなるかわからないけど兄的には不安だらけだよ。」
この国は恋愛結婚を推奨しているため貴族同士でもわりと自由なのだ。
シリルが俺でない誰かと結婚する、、?
ありえない。
社交デビューしてからじゃだめだ。
誰かに盗られるくらいならちゃんと伝えようとレオルドは思った。
シリルにそんな気がなくてもじわじわと好きになってもらえばいい。
そう思った。
「、、サイモン。何があってもお前は俺の味方でいてくれるよな?」
「なんだよ。急に。当たり前だろ。」
サイモンは笑顔で返事をくれる。
これで手強い兄一人の言質を取ったと心の中でレオルドは笑う。
シリルのうなじに触れるのも、噛み跡をつけるのも俺だけだ。
自分から湧き上がってくる独占欲を感じながら
レオルドは馬車に揺られるのであった。
初めてシリルと会った時、こんな綺麗な子は見たことないと思った。
____________________________
アカデミーの寮生活で同室となったサイモンは見かけによらずとてもいい奴で領地も隣というだけあって話題がつきずすぐに仲良くなった。
親友とも呼べる仲となった頃、卒業間近の帰省のタイミングでサイモンの実家に誘われたのだ。
「あ、うちにはΩの弟がいるんだ。ブラコンと言われるかもしれないがとてもかわいくていい子なんだよ。」
弟が2人いる事は知っていて、二つ下の次男のアルトは同じアカデミーでも顔見知りである。
まさか一番下はΩとは。
なかなか貴族にはΩは生まれないため珍しいと思った。
そして初めて紹介された時、サイモンの言っていた事がわかった。
確かに綺麗だった。
「な、かわいいだろ」とサイモンにこそっと言われた。
黙っていると人形めいた美しさがあるが、笑ったり話したりすると十歳の子供らしさがあり不思議な魅力があった。
そんなシリルはおしゃべりでよく笑顔でいる子だった。
そして何故だか懐かれた。そして遊びに行く度、膝の上に乗っかるようになったのだ。
自分が一人っ子ということもあり、弟のようにかわいがっていたがシリルが十二歳の時に状況が変わった。
「あ、レオルド様いらっしゃい。」
アカデミーを卒業してレオルドは近衛騎士となった。休みの時はたまにこうやってサイモンの実家に寄ることがあった。
十二歳となったシリルは初めて会った時と比べるとかなり成長し、もともと大人びいている顔つきに色香が混じるようなった。
シリルの笑顔に胸がドキッとしたのを感じた。
それを初めの頃は気づかないふりをしていた。
膝の上に乗っかられる時も、何故かうなじがとても気になった。
そこから甘やかな心地いい香りがするからだ。
そしてその白いうなじに触れたいと思ってしまった。
そう思った瞬間、いけないと思い「ちょっと、シリル近くないか?」と言う。
「ええーいつもと同じだよ?てかね、」
レオルドの指摘にシリルは何食わない顔してまた話だす。
弟だと思っている子にこんな感情を抱くのはおかしい。
笑顔で楽しそうに話しているシリルとは逆にレオルドは自己嫌悪に陥っていた。
いや、そもそもシリルは十二歳だ。
そろそろαとΩとの関係を意識するべきだと思った。
それからシリルに適度な距離を保つため膝に乗ったりすることをやめるよう言ったのだ。
一瞬、シリルは傷ついた顔をしたが今後のためと見てみぬふりをした。
そうこうしている内に月日は流れシリルはますます綺麗に成長していった。
話しかけられると顔を伏せてしまうくらいに。
弟のようだと思っていたのにいつのまにか一人の青年としてみている。
そしてこうも意識してしまうのは好きだからだと気づいた。
「ああ~うちのシシィももうすぐ社交界デビューか。きっとたくさんの縁談の申し込みがくるんだろうな。」
仕事の休みが合って一緒に帰省するサイモンがため息をつくように言う。
「、、、きっとそうだろうな。」
「親的には好きな人と結ばれてほしいと言っていたからどうなるかわからないけど兄的には不安だらけだよ。」
この国は恋愛結婚を推奨しているため貴族同士でもわりと自由なのだ。
シリルが俺でない誰かと結婚する、、?
ありえない。
社交デビューしてからじゃだめだ。
誰かに盗られるくらいならちゃんと伝えようとレオルドは思った。
シリルにそんな気がなくてもじわじわと好きになってもらえばいい。
そう思った。
「、、サイモン。何があってもお前は俺の味方でいてくれるよな?」
「なんだよ。急に。当たり前だろ。」
サイモンは笑顔で返事をくれる。
これで手強い兄一人の言質を取ったと心の中でレオルドは笑う。
シリルのうなじに触れるのも、噛み跡をつけるのも俺だけだ。
自分から湧き上がってくる独占欲を感じながら
レオルドは馬車に揺られるのであった。
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一般的には「界」を当てると思うのですが。
余計なお世話でしょうが気になったので。
こんにちは!
感想ありがとうございます!
そして、ご指摘ありがとうございます!
全然気付きませんでした汗
続き思いついたら書けたらなと思います(^O^)
後日談ではなく前日譚では…?
ご指摘ありがとうございます。
直しておきました!
誤解とはいえ冷たくされてたのにすぐにしっぽ振って告白OKにはちょっとガッカリだぞ…( ๐_๐)
少しくらいは反省というか、もう少しねばってほしかった……(´Д`)
感想ありがとうございます!
たしかにチョロすぎましたね😂
作者としても「もうちょい粘れ…!」って心の中でツッコミ入れてました(笑)
シリルはレオルドの以前の態度よりレオルドのことが好きって気持ちが勝ちました…🐶
多分、今後の2人の主導権はシリルが握るでしょう。続き思いついたら今までの行いに少しレオルドがぎゃふんされるの書いてみようかなと笑