ゲームしてたら友達と一緒に異世界転移したけど、悪魔だからパーティからハブられた。

勇崎シュー

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09 任務、遠征

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「はァッ!」

 俺は剣に闇を纏わせ、前方宙返りをしながら《シバルリルゴーレム》の右腕の付け根を斬りつけた。
 鋼のような素材で構築されているそれは、鈍い音と共に石タイルの張られている地面に落下する。
 右腕を失ったゴーレムは、狼狽えたのか、或いは急に変わったバランスに対応仕切れなかったのか、一瞬動きを止めた。

「今だサクト!」
「うん。わかってる!」

 ゴーレムの後方に潜んでいたサクトは、背中の傷のある部位に跳躍し、紫色の光を帯びた短剣を突き刺した。確かあれは斬属性スキルの《リニック》。短剣専用の軽攻撃である。
 そのリニックを諸に喰らったゴーレムは、重音の断末魔を遂げながら、その場に転げ伏した。

「ナイス、サクト」

 俺はサクトとハイタッチを交わした。

「よし、この調子で今日中にはこの森を抜けよう」

 この森、初クエストの時とは違う、おどろおどろしい森を見回してみる。
 初クエストの時の森とは違い霧は無いが、まず所々に生えている木が不気味だ。まるで枯れかけの杉のような木と、まだ昼間である筈なのに少し薄暗い所が、どうも不安を煽るのだ。
 何故俺達がこんな場所にいるのかというと、話は数日前に遡る。


 魔王軍に入隊してから、早三ヶ月経った。
 三ヶ月も経つと流石にこの世界にも慣れ始め、順調にクエストもこなせるようになってきた。そう実感を感じていたある日。

「アッシュ、魔王様直々のクエストだって」

 サクトの元に、とあるクエストが届いたのである。
 その内容は、簡単に説明してしまうと、とある魔剣の情報が手に入ったから、調査してほしいとのことだ。
 その調査場所が、この薄気味悪いこの森の先にある遺跡なのだが……。


「サクトぉ、まだ着かないの? だいぶ歩いたと思うんだけど……」

 疎らに敷かれている石タイルを踏みながら、俺はサクトにそう質した。

「うーん。でも、ゴーレムも頻繁に出るようになったし、もうそろそろ着くと思うよ?」
 
 先程も同じような質問をして、同じような返答が帰って来たことに対し、俺は軽く項垂れた。
 確かにゴーレムは多く出くわすようになった。ここらのゴーレムは基本遺跡を守る為に造られたゴーレムなので、遺跡に近いほど多くのゴーレムが配置されている寸法なのである。

「っと、噂をすれば……アッシュ、いくよ」

 サクトが短剣を構え、前方を睨んだ。その視線の先には、ひとつ目を赤く光らせるゴーレムが向かってきていた。
 あの重厚な白く艶めく物質で出来ているゴーレムは、先程も戦った《シバルリルゴーレム》だ。

「さっきと同じ作戦……だよな?」
「うん。油断はせずにね」

 念を押したサクトは、そのままゴーレムに突っ込んでいった。俺も後から追い駆ける。
 サクトがゴーレムの攻撃範囲内まで接近すると、ゴーレムの殴り攻撃を避け、頭上に跳んだ。飛び越える間際に、頭を短剣の柄で殴りつけた。いくら打属性が有効なゴーレムでも、あれでは大きなダメージは与えられない。
 しかし、サクトもそんなことはわかりきっている。俺はサクトに気を取られているゴーレムに、《シュライド》を見舞った。

 この際、呪文は使わなかった。俺はジョブを《バーサーカー》から上位職である《ドレッドナイト》に転職したからである。
 上位職になると、スキル発動の為に必要な呪文を唱える必要が無くなるのだ。つまり、よりスピーディーな戦闘が行えるようになる。ロストアースではそんな機能無かった筈だが、まぁ、気に留めないようにしよう。

「ガガッ……!」

 俺のシュライドを受けたゴーレムは、僅かながらに仰け反った。
 すると、ゴーレムの背後でスキルの駆動音が響いた。その瞬間、梔子色の二撃がゴーレムを襲った。あれは短剣専用斬属性スキル《イクスターヴ》だ。X字の刺突で攻撃する。中々に華のあるスキルである。
 そのイクスターヴで弱点であるヒビに的確に突き刺されたゴーレムは、その場で崩れた。因みに、この前の戦闘もサクトがヒビに突き刺し倒したのだ。

「さて、本格的にゴーレムも増え出したし、本当に近いな、遺跡」

 サクトは遺跡のある方角を見据え、そう呟いた。

「四日歩いて、やっと到着ですか……」

 俺は意味もなく敬語でそう呟いた。
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