レベル“0”ですが、最強です。

勇崎シュー

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序章ー転移ー

08 苦手な人に助けられるとちょっと気まずい。

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「貴様。レベルが0だそうだな。弱い勇者は要らん。この国の王城に踏み入っている事実すら忌々しい……下世話な小僧よ、即刻この国から立ち去れ!」

「なっ……!?」

 普通に悪口を言われた俺は、驚きのあまり声が出ない。
 というか、勝手に呼び出したのはそっちだろう。そのクセ思った人じゃ無かったからといって切り捨てるなんて言語道断の行いではないだろうか。
 謝った上に元の世界に返してくれるならまだ分かるが、恐らくなろう作品よろしくそれは無理な相談なのだろう。

「ちょ、待ってくれよー! 聞いた話によると、さっきのゴタゴタの時タクマも戦ってくれてたみたいだぜー。勇者かどうかの前に、お礼を言うのがスジじゃないのかー?」

 ショーゴが助け舟を出してくれるが、美丈夫の眉間はシワの寄ったままだ。

「ふん。ドューせ何かの間違いで巻き込まれて召喚されたのであろう。我々が呼んだのなら兎も角、事故とあれば自己責任だ」
「いや、何かおかしくないですか? さっきは弱い勇者はいらないって言ってたのに、急に巻き込まれたとかって……矛盾してるでしょう」

 今度はフウマが長々と疑問をぶつけてくれるが、皇帝陛下殿はその表情を崩さない。

「それは“例え勇者だったとしても”という仮定の話だ」

「でも……」
「なー……」

 違和感がいまいち解消されて無いからか、更に言及しようとする二人を小さな動作で制した。
 屁理屈のようだが、そう言われてしまえばこちらの切れるカードはもう無いのだから。

「いや、止めとこう。……ありがとう二人とも」

 その場の全員が押し黙り、皇帝のみが険しい目付きで居る。

「ふん……ラッセル。市民と連携を取り、一刻も早く城を再建させろ。街の復興はその後でいい」
「し、しかし……」
「なんだ、皇帝に対し口答えか?」

 鋭い眼差しで王様を黙らせた皇帝は、踵を返してどこかへ去っていった。
 なんだったのだろう、さっきの人は……。

「何かヤバそうな奴だったなー。それに、王様ってのも色々大変そうだー」
「……だね」

 二人の会話に何処か気まずそうな王様が、俺達を見据えて口を開く。

「御三方。今日のところはゆっくりされて下さい。宿はこちらで用意させて頂くので」

 相変わらず腰が低いが、その理由も大体わかった。
 この人は元々優しい人なのだが、更に上の立場である皇帝があんななのも相まって、物腰が柔らかくなったのだろう。
 そう考えると、初めて会った時の俺の態度の悲惨さに背筋が凍る。

「では、宿を見繕い次第ご案内させていただきますので、それまで安全な城内にてお待ちください」
「あ、はいっ」

 声が裏返しそうになりながら返事をし、俺達は連絡が来るのを待った。









 翌日、何回かのノックにより紹介された宿屋のベッドで目を覚ます。
 簡易的な毛布を捲りながら、目を擦りつつ起き上がる。
 そういえば昨日、仲間になってくれる冒険者を朝方に向かわせるって王様が言ってたから、おそらくその人達が迎えに来てくれたのだろう。

「はいはーい……」

 朦朧とする意識の中。着替えも無いのでこの世界に来た時と同じ青白ストライプのパジャマ姿で扉を開けた。

「おはようございます。タクマ様」

 しかしそこにいたのは、冒険者ではなく鎧を着た騎士だった。相変わらず無骨なヘルムを被っているため声がくぐもっているが、喋り方と背丈で察する。

「あれ……えっと、ユズリ……さん?」
「呼び捨てで構いませんよ」
「それなら、俺も様付けじゃなくて大丈夫だから」

 彼女は「分かりました」と首を縦に振った。

「というか、ここには冒険者の人が来るって聞いてたんだけど……」

 俺の問いに対し、ユズリは……。

「それが……来ません。勇者とはいえ、レベル0の者に付き合っている時間は無いとかで……」
「へ……?」

 これもテンプレ展開なんかい!!
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