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序章ー転移ー
09 お分かりいただけただろうか。
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「ここには冒険者の人が来るって聞いてたんだけど……」
俺の問いに対し、ユズリは……。
「それが……来ません。勇者とはいえ、レベル0の者に付き合っている時間は無いとかで……」
うそーん。と心の中で肩を落とす。
確かにぼっちスタートは色んな作品によくある展開だが……なんも知らない世界で独りにされても正直困る。
街並みは所謂中世ヨーロッパという感じだが、海外旅行にすら行ったことない俺は果たしてこれが中世の街並みなのかと改めて聞かれても頷きにくい。
「あの……先ずはこれ。王様達から預かってきました。今は城の再建で忙しいので、先に魔王城へ向かって行ってほしいと……」
俺は受け取ったリュック位のサイズ……というか本当に背負える機能を持った袋を開けてみると、地図や最低限の防具のようなもの、そしてお金らしき金属も入っていた。
「……というか、俺は勇者じゃないとか言われてたけど、これ受け取っちゃっていいのかな」
「勇者様は一人から五人までをランダムで召喚されるので、お渡しできる分は元々用意されていたんですよ。それに、魔王が倒されるまで召喚された者は帰れないので……それまで暮らすのが大変だろうという王様の気遣いです」
新たな情報が眩む程の王様の優しさに頭が上がらない中、ユズリはやや緊張した面持ちで質してくる。
「……それで、タクマ。貴方はこれからどうするんですか?」
「へ? これからって?」
反射的にそう聞き返してしまうと、彼女は少し怒ったように。
「だから、勇者として旅に出るのか、何処か小さな町で魔王が討伐される日まで待つのか、ですよ」
「……あー」
気の抜けた声が出てしまうが、昨日今日は色々ありすぎてまだ脳の整理が終わっていないのにそこまで考えられなかったのだから仕方が無い。
「そうだな……取り敢えずここから出てって、適当にぶらついてから考えるよ」
何も決めるのは今すぐじゃなくて良い。
そう思っての発言だったが、ユズリは何やら困り顔だ。
「もう、どっちつかずじゃないですか。隠居するなら私の故郷を紹介したし、旅に出るなら……」
一旦区切られた言葉に顔を見合わせると、彼女は咳払いして続きを発する。
「私がお供しますよ」
思わぬ言葉に、身体が硬直した。
数秒後、動かせるようになった口で……。
「えぇぇぇーっ!? いや、ありがたいけど、いいの?」
彼女には、騎士としての仕事が色々とあるはずだ。今は首都が襲撃されるという大事件が起きているワケだから、尚更。
それに……。
「ど、どうして俺なんかに……」
純粋たる問いに対し、彼女は少し、怒った風に。
「どうしてって、助けてくれたじゃないですか。まだお礼も出来てないし、それに貴方一人じゃ色々と大変かなーって」
かな、って。
確かに、不安も不都合も山ほどあるのが現状だが、少し話が上手すぎではないだろうか。
まさか、実はこの子がラスボスだったり……って、それは無いか。
「というか、助けたって言っても、それは君が最初に助けてくれたからだよ。俺は借りを返しただけ」
「ふーん。そう言うって事は、私に着いてきてほしくないんですね?」
ぐっ、この子、分かった上で……!
なんか色々と手玉に取られているような気がするが、俺もこの子が居てくれたなら何かと安心出来るので、気持ちを割り切って顎を引く。
「つ、着いてきてほしいです……! でも、騎士の仕事とかは……?」
「大丈夫です。王様から許可貰ってきたから」
成程。王様も仲間が一人もいない俺に気を使ってくれたのか。
「それじゃあ行きましょう。不謹慎かもしれないけど、やっぱりちょっと胸が踊っちゃう。絵本みたい……とは行かないかもしれないけど、色々な所を見て回れるなんて」
俺も彼女と同様の気持ちだが、そう漏らしつつ歩いて行ってしまうユズリに対し、待ったをかける。
「ちょ、まっ、行かないでっ。俺まだパジャマなんだよぉおおおおッ!!」
俺の問いに対し、ユズリは……。
「それが……来ません。勇者とはいえ、レベル0の者に付き合っている時間は無いとかで……」
うそーん。と心の中で肩を落とす。
確かにぼっちスタートは色んな作品によくある展開だが……なんも知らない世界で独りにされても正直困る。
街並みは所謂中世ヨーロッパという感じだが、海外旅行にすら行ったことない俺は果たしてこれが中世の街並みなのかと改めて聞かれても頷きにくい。
「あの……先ずはこれ。王様達から預かってきました。今は城の再建で忙しいので、先に魔王城へ向かって行ってほしいと……」
俺は受け取ったリュック位のサイズ……というか本当に背負える機能を持った袋を開けてみると、地図や最低限の防具のようなもの、そしてお金らしき金属も入っていた。
「……というか、俺は勇者じゃないとか言われてたけど、これ受け取っちゃっていいのかな」
「勇者様は一人から五人までをランダムで召喚されるので、お渡しできる分は元々用意されていたんですよ。それに、魔王が倒されるまで召喚された者は帰れないので……それまで暮らすのが大変だろうという王様の気遣いです」
新たな情報が眩む程の王様の優しさに頭が上がらない中、ユズリはやや緊張した面持ちで質してくる。
「……それで、タクマ。貴方はこれからどうするんですか?」
「へ? これからって?」
反射的にそう聞き返してしまうと、彼女は少し怒ったように。
「だから、勇者として旅に出るのか、何処か小さな町で魔王が討伐される日まで待つのか、ですよ」
「……あー」
気の抜けた声が出てしまうが、昨日今日は色々ありすぎてまだ脳の整理が終わっていないのにそこまで考えられなかったのだから仕方が無い。
「そうだな……取り敢えずここから出てって、適当にぶらついてから考えるよ」
何も決めるのは今すぐじゃなくて良い。
そう思っての発言だったが、ユズリは何やら困り顔だ。
「もう、どっちつかずじゃないですか。隠居するなら私の故郷を紹介したし、旅に出るなら……」
一旦区切られた言葉に顔を見合わせると、彼女は咳払いして続きを発する。
「私がお供しますよ」
思わぬ言葉に、身体が硬直した。
数秒後、動かせるようになった口で……。
「えぇぇぇーっ!? いや、ありがたいけど、いいの?」
彼女には、騎士としての仕事が色々とあるはずだ。今は首都が襲撃されるという大事件が起きているワケだから、尚更。
それに……。
「ど、どうして俺なんかに……」
純粋たる問いに対し、彼女は少し、怒った風に。
「どうしてって、助けてくれたじゃないですか。まだお礼も出来てないし、それに貴方一人じゃ色々と大変かなーって」
かな、って。
確かに、不安も不都合も山ほどあるのが現状だが、少し話が上手すぎではないだろうか。
まさか、実はこの子がラスボスだったり……って、それは無いか。
「というか、助けたって言っても、それは君が最初に助けてくれたからだよ。俺は借りを返しただけ」
「ふーん。そう言うって事は、私に着いてきてほしくないんですね?」
ぐっ、この子、分かった上で……!
なんか色々と手玉に取られているような気がするが、俺もこの子が居てくれたなら何かと安心出来るので、気持ちを割り切って顎を引く。
「つ、着いてきてほしいです……! でも、騎士の仕事とかは……?」
「大丈夫です。王様から許可貰ってきたから」
成程。王様も仲間が一人もいない俺に気を使ってくれたのか。
「それじゃあ行きましょう。不謹慎かもしれないけど、やっぱりちょっと胸が踊っちゃう。絵本みたい……とは行かないかもしれないけど、色々な所を見て回れるなんて」
俺も彼女と同様の気持ちだが、そう漏らしつつ歩いて行ってしまうユズリに対し、待ったをかける。
「ちょ、まっ、行かないでっ。俺まだパジャマなんだよぉおおおおッ!!」
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