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一章ー風の都ー
25 疾風の空中戦
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「キョェエエエアァアァアアアアアアアーッ!」
体長六メートルはある、圧倒的な体躯の黒鳥が俺達を見下ろしていた。
その影を見た瞬間、全身が粟立つように戦慄する。
しかしいつまでも固まっているわけにはいかないので、即座に思考を切り替え叫んだ。
「バック! 上方にそこら辺の木くらいデカいカースベルグ確認。今すぐ引き離した方がいい!」
「わぁってる!」
何ヶ所かに付いているミラーでその姿を確認したのか、焦燥した様子でバックはエアロマシンの速度を上げる。
俺も戦闘態勢に入るべく、その詠唱を口にした。
「《剣招来》……ッ!」
魔法陣から呼び出した黒剣を手に、カースベルグへ向き直る。
「で、デカすぎだろ! 聞いてた全長の三倍はあるぞ!」
「くっ、すまねぇ、あそこまで成長してるたぁ思いもしなかった……!」
成程、確かに聞いた情報は数年前のものだった。
今更ながら最新の情報を仕入れとけば良かった等と思うが、後悔は後だ。
今はただ、奴を別次元へ送ることだけを考える!
「バック! 予定通り近づけるか?」
「やれねぇ事はねぇけど……あんちゃんは大丈夫なのか!?」
「愚問ってヤツだよそれは!」
そんな俺の啖呵に応える様に、エンジンを昂らせてカースベルグの脇腹に突っ込む。
このまま近づいて、大きめに切り裂けば……という魂胆は、次の瞬間に吹き飛ばされる。
「キョェアアアアアァアアーッ!」
大黒鳥はその翼を大きめにはためかさただけで、こちらの突進を妨害した。
「ぐぬっ……!」
受ける暴風に口を結ぶも、その体躯だけは見逃さないよう見開く。
しかし、いつの間にか敵の影を見逃してしまった。
「どこだ……!?」
俺がそう呟いた瞬間、再び巨影が覆い被さる。
「バック!」
「ぐぉおおおおああッ!」
バックが叫びながら前方へ駆けると、後方をカースベルグが砲弾並の速さで空を切り裂いた。
あれが直撃していたら……と想像するだけで身が凍りそうだったので思考から排する。
何だアイツは、図体の割に速すぎだろ! と叫びたかったが呑み込み、脳内で現状の最善手を模索する。
始めは大きめの別次元の裂け目を近距離で構築出来れば終わりだと思っていたが、このままでは近づくなんてもってのほかだ。
何か、何かいい方法は無いか……!
と、様々な可能性を逡巡する中、ひとつの妙案を閃く。
「バック、フックショットって持ってきてるか?」
「あ? まぁ、一応幾つかの備品はあるが……」
それを聞いて、俺は片頬を上げる。
「頼む、貸してくれ!」
「それはいいが、あんちゃん何する気だ!?」
バックがまた襲い来る黒鳥を辛くも避けた所で、「いいから!」と急かす。
彼は苦い顔をしつつもフックショットの場所を教えてくれた。
「おし、これか」
座席の下に固定されていたそれを取り出し、確りと握る。
これで後は、次にカースベルグが飛んでくるのを待つだけだ。
「あ、あんちゃんまさか……!?」
バックが何やら青ざめた表情をするが、今はこれしか思いつかない。
「ヤツが近付いてきたら、コイツで捕まえる! 衝撃に備えてくれ」
「だ、大胆だなあんちゃん!」
そんな会話を知ってか知らずか、カースベルグが目を光らせて再び突撃してくる。
今度もバックが素早く操縦し避けるが、今度は俺がフックショットを放った。
適当にそれっぽいボタンを押したら先端がしっかり射出され、黒い影を捕らえる。
「んぐっ!?」
しかしその瞬間、言葉にできない程の力が左腕と全身を襲い、エアロマシンすら引っ張られた。
俺は歯を噛み締めて手を離さないよう踏ん張る。
「ぐ、くっ……!」
フックショットの鎖部分を収納しつつ近づくが、敵の重みとスピードのせいか、思うように回収されない。
あと少し、あと少しで届く……と思ったところで、バックが声を上げた。
「あんちゃん、これ以上は機体が持たねぇ!」
「あと少しなんだ! 踏ん張れないか!?」
「いや、このままだとエンジンがオーバーヒート起こして最悪バーストしちまう! 早くその装置を離してくれ!」
どうする? という自問自答に一瞬の間に様々な思考を往来させる。
そして、今度は妙案所でない作戦を思いつく。
だが、ここでミスをすれば……と体が強ばりそうになった所でかぶりを振って覚悟を決めた。
「……ちょっと、行ってくる」
それだけ言い残し、俺は……。
マシンの留め具を黒剣で切断した。
体長六メートルはある、圧倒的な体躯の黒鳥が俺達を見下ろしていた。
その影を見た瞬間、全身が粟立つように戦慄する。
しかしいつまでも固まっているわけにはいかないので、即座に思考を切り替え叫んだ。
「バック! 上方にそこら辺の木くらいデカいカースベルグ確認。今すぐ引き離した方がいい!」
「わぁってる!」
何ヶ所かに付いているミラーでその姿を確認したのか、焦燥した様子でバックはエアロマシンの速度を上げる。
俺も戦闘態勢に入るべく、その詠唱を口にした。
「《剣招来》……ッ!」
魔法陣から呼び出した黒剣を手に、カースベルグへ向き直る。
「で、デカすぎだろ! 聞いてた全長の三倍はあるぞ!」
「くっ、すまねぇ、あそこまで成長してるたぁ思いもしなかった……!」
成程、確かに聞いた情報は数年前のものだった。
今更ながら最新の情報を仕入れとけば良かった等と思うが、後悔は後だ。
今はただ、奴を別次元へ送ることだけを考える!
「バック! 予定通り近づけるか?」
「やれねぇ事はねぇけど……あんちゃんは大丈夫なのか!?」
「愚問ってヤツだよそれは!」
そんな俺の啖呵に応える様に、エンジンを昂らせてカースベルグの脇腹に突っ込む。
このまま近づいて、大きめに切り裂けば……という魂胆は、次の瞬間に吹き飛ばされる。
「キョェアアアアアァアアーッ!」
大黒鳥はその翼を大きめにはためかさただけで、こちらの突進を妨害した。
「ぐぬっ……!」
受ける暴風に口を結ぶも、その体躯だけは見逃さないよう見開く。
しかし、いつの間にか敵の影を見逃してしまった。
「どこだ……!?」
俺がそう呟いた瞬間、再び巨影が覆い被さる。
「バック!」
「ぐぉおおおおああッ!」
バックが叫びながら前方へ駆けると、後方をカースベルグが砲弾並の速さで空を切り裂いた。
あれが直撃していたら……と想像するだけで身が凍りそうだったので思考から排する。
何だアイツは、図体の割に速すぎだろ! と叫びたかったが呑み込み、脳内で現状の最善手を模索する。
始めは大きめの別次元の裂け目を近距離で構築出来れば終わりだと思っていたが、このままでは近づくなんてもってのほかだ。
何か、何かいい方法は無いか……!
と、様々な可能性を逡巡する中、ひとつの妙案を閃く。
「バック、フックショットって持ってきてるか?」
「あ? まぁ、一応幾つかの備品はあるが……」
それを聞いて、俺は片頬を上げる。
「頼む、貸してくれ!」
「それはいいが、あんちゃん何する気だ!?」
バックがまた襲い来る黒鳥を辛くも避けた所で、「いいから!」と急かす。
彼は苦い顔をしつつもフックショットの場所を教えてくれた。
「おし、これか」
座席の下に固定されていたそれを取り出し、確りと握る。
これで後は、次にカースベルグが飛んでくるのを待つだけだ。
「あ、あんちゃんまさか……!?」
バックが何やら青ざめた表情をするが、今はこれしか思いつかない。
「ヤツが近付いてきたら、コイツで捕まえる! 衝撃に備えてくれ」
「だ、大胆だなあんちゃん!」
そんな会話を知ってか知らずか、カースベルグが目を光らせて再び突撃してくる。
今度もバックが素早く操縦し避けるが、今度は俺がフックショットを放った。
適当にそれっぽいボタンを押したら先端がしっかり射出され、黒い影を捕らえる。
「んぐっ!?」
しかしその瞬間、言葉にできない程の力が左腕と全身を襲い、エアロマシンすら引っ張られた。
俺は歯を噛み締めて手を離さないよう踏ん張る。
「ぐ、くっ……!」
フックショットの鎖部分を収納しつつ近づくが、敵の重みとスピードのせいか、思うように回収されない。
あと少し、あと少しで届く……と思ったところで、バックが声を上げた。
「あんちゃん、これ以上は機体が持たねぇ!」
「あと少しなんだ! 踏ん張れないか!?」
「いや、このままだとエンジンがオーバーヒート起こして最悪バーストしちまう! 早くその装置を離してくれ!」
どうする? という自問自答に一瞬の間に様々な思考を往来させる。
そして、今度は妙案所でない作戦を思いつく。
だが、ここでミスをすれば……と体が強ばりそうになった所でかぶりを振って覚悟を決めた。
「……ちょっと、行ってくる」
それだけ言い残し、俺は……。
マシンの留め具を黒剣で切断した。
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