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二章ー止まない街ー
30 手取り足取り
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雨の止まない街、レアル。
一年中悪天候という面倒な場所へなぜ向かっているかと言うと……。
「ごめんね……私が湖一面の雨水蓮みたいからって」
そう、ユズリが観光名所を見る為である。
謝るくらいなら最初からやらないでほしいが、そんな事いうと酷く落ち込ませるか逆ギレされるかのマイナスイベントしか起きないため黙殺した。
ちなみに雨水蓮とは雨天にしか花開かない特殊な蓮で、そんな特性にぴったりであるレアルには湖一面に咲く雨水蓮が見れるのだとか。
あくまで憶測だが、蓮といっても俺の世界の物とは若干違うものだし、じゃあ何故蓮と呼ばれるのかという問いには転移、転生者につく自動翻訳システムのバグか何かでは、としか答えられない。
「どうしたの? 早く行きましょ!」
「へーい」
思考を変えて突き進むこと約一時間。
二回ほどモンスターと戦闘に入ったが難なく倒し、雨が降り始めてから暫く歩いた後に街の門が見えて来た。
「ここかぁ。何かちょっと寂しげな雰囲気というか……」
「まぁ、一年中雨ばかりじゃ、街の雰囲気も明るくならないでしょうね」
成程、と一人で納得しつつ、門前まで歩く。
「止まれ!」
すると、二人の門番やや過剰に道を塞ぐ。
どれくらい過剰かというと、彼らの持っているハルバードが俺の鼻先の二ミリ先まで近づけて来る位だ。
「ちょちょ、危ないですって!?」
思わず両手を上げて叫ぶと、二人は武器を僅かに下げるが構えたまま俺達を注視してくる。
「……すまないが、今はこの街に様々な問題が立て続けに起こっていてな。余所者を通すにはそれなりの身分証明が必要なのだ」
きな臭ぇー。と思った俺は、自らの身分を証明する前にユズリと相談することにした。
「ねぇ、どうする? 何かこの街、今ヤバいらしいけど……」
「そうね……でも、親方から手紙も預かって来ちゃってるし……」
そうだった。と失礼なミスを犯している事に気づいた俺は、口をへの字にして後ろ髪……を掻こうとするもレインコートのフードに阻まれる。
「うーむ。大切な手紙だけど、門番さんに届けて貰えないか頼んでみるよ」
「それなら、私から頼むわ」
彼女がそう言うと、俺と門番の間に入りフードをほんの少し持ち上げた。
「ディッセル騎士団のユズリです。あなた達ふたりに頼みたい事があるのですが……」
ディッセルって何だっけ? と思い、直ぐに俺が転移されられた時の国名である事を思い出す。
「な、ユズリ様!?」
「何故ここに!? それに、その格好やお連れの方は……?」
驚く兵士に俺は驚く。
やはり様付けで呼ばれているという事は、前から想像していた通り彼女は相当なエリートなのだろう。
だが、兵士はすぐ気づいたのに関わらず、彼女が勤務していたというハーシンの村の人々には気づかれなかったのは何故だ。
一瞬、やはり彼女はラスボス……とか邪推したが、よく考えてみれば簡単だ。勤務中の彼女は鎧を着ていた為キャストオフ状態だった彼女に村人は気づけなかったのだ。
実際ー俺も彼女の素顔を見た時は驚愕していた。
「今は訳合ってこの人に付いているの」
ユズリの回答に脳を現実世界へ呼び戻す。
「はぁ……まぁ、何か訳があるのでしょうな。勿論、ユズリ様とお連れ様は通って良いですよ。ただし、長居はしない方が良いと思いますが……」
「何があったの?」
彼女に質された二名の兵士は、明らかに表情を曇らせた。
言いにくそうにしつつも、先程とは違うもう一人の番兵が説明をしてくれる。
彼いわく、ここ最近レアルにて惨殺事件が幾つか報告されているらしい。
部屋が真っ黒に染まるほどの残虐な手口から、最重要指名手配犯として注意喚起を鳴らしているが、その足取りが全く掴めず難儀しているとの事。
正直、おっかないので関わりたくないのだが……。
「そんなの、絶対捕まえなきゃ!」
そうなりますよね……。
一年中悪天候という面倒な場所へなぜ向かっているかと言うと……。
「ごめんね……私が湖一面の雨水蓮みたいからって」
そう、ユズリが観光名所を見る為である。
謝るくらいなら最初からやらないでほしいが、そんな事いうと酷く落ち込ませるか逆ギレされるかのマイナスイベントしか起きないため黙殺した。
ちなみに雨水蓮とは雨天にしか花開かない特殊な蓮で、そんな特性にぴったりであるレアルには湖一面に咲く雨水蓮が見れるのだとか。
あくまで憶測だが、蓮といっても俺の世界の物とは若干違うものだし、じゃあ何故蓮と呼ばれるのかという問いには転移、転生者につく自動翻訳システムのバグか何かでは、としか答えられない。
「どうしたの? 早く行きましょ!」
「へーい」
思考を変えて突き進むこと約一時間。
二回ほどモンスターと戦闘に入ったが難なく倒し、雨が降り始めてから暫く歩いた後に街の門が見えて来た。
「ここかぁ。何かちょっと寂しげな雰囲気というか……」
「まぁ、一年中雨ばかりじゃ、街の雰囲気も明るくならないでしょうね」
成程、と一人で納得しつつ、門前まで歩く。
「止まれ!」
すると、二人の門番やや過剰に道を塞ぐ。
どれくらい過剰かというと、彼らの持っているハルバードが俺の鼻先の二ミリ先まで近づけて来る位だ。
「ちょちょ、危ないですって!?」
思わず両手を上げて叫ぶと、二人は武器を僅かに下げるが構えたまま俺達を注視してくる。
「……すまないが、今はこの街に様々な問題が立て続けに起こっていてな。余所者を通すにはそれなりの身分証明が必要なのだ」
きな臭ぇー。と思った俺は、自らの身分を証明する前にユズリと相談することにした。
「ねぇ、どうする? 何かこの街、今ヤバいらしいけど……」
「そうね……でも、親方から手紙も預かって来ちゃってるし……」
そうだった。と失礼なミスを犯している事に気づいた俺は、口をへの字にして後ろ髪……を掻こうとするもレインコートのフードに阻まれる。
「うーむ。大切な手紙だけど、門番さんに届けて貰えないか頼んでみるよ」
「それなら、私から頼むわ」
彼女がそう言うと、俺と門番の間に入りフードをほんの少し持ち上げた。
「ディッセル騎士団のユズリです。あなた達ふたりに頼みたい事があるのですが……」
ディッセルって何だっけ? と思い、直ぐに俺が転移されられた時の国名である事を思い出す。
「な、ユズリ様!?」
「何故ここに!? それに、その格好やお連れの方は……?」
驚く兵士に俺は驚く。
やはり様付けで呼ばれているという事は、前から想像していた通り彼女は相当なエリートなのだろう。
だが、兵士はすぐ気づいたのに関わらず、彼女が勤務していたというハーシンの村の人々には気づかれなかったのは何故だ。
一瞬、やはり彼女はラスボス……とか邪推したが、よく考えてみれば簡単だ。勤務中の彼女は鎧を着ていた為キャストオフ状態だった彼女に村人は気づけなかったのだ。
実際ー俺も彼女の素顔を見た時は驚愕していた。
「今は訳合ってこの人に付いているの」
ユズリの回答に脳を現実世界へ呼び戻す。
「はぁ……まぁ、何か訳があるのでしょうな。勿論、ユズリ様とお連れ様は通って良いですよ。ただし、長居はしない方が良いと思いますが……」
「何があったの?」
彼女に質された二名の兵士は、明らかに表情を曇らせた。
言いにくそうにしつつも、先程とは違うもう一人の番兵が説明をしてくれる。
彼いわく、ここ最近レアルにて惨殺事件が幾つか報告されているらしい。
部屋が真っ黒に染まるほどの残虐な手口から、最重要指名手配犯として注意喚起を鳴らしているが、その足取りが全く掴めず難儀しているとの事。
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そうなりますよね……。
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