異世界転生したけど殺されました

勇崎シュー

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サウスサウサ編

11話 グラスウッズの討伐

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 グラスウッズ。
 土からの養分だけでなく、動物も喰らう獰猛な植物系モンスター。
 だからこそ、グラスウッズに生える草は養分が多く含まれており、万病に効く薬に使われる。
 しかし、一般人が採ろうとしても危険なので、冒険者に依頼されることが多いそうだ。
 グラスウッズは他のモンスターと比べ比較的弱く、その草の需要からも、駆け出し冒険者がクエストをこなすことが多いらしい。
 俺達はそんなグラスウッズを狩るべく、サウスサウサ付近の森に来ていた。

「エリュ、ここからはいつモンスターが襲ってくるかわからない。気を引き閉めて行こう」

 エリュは無言で頷く。
 俺達の装備は、自身の肉体だけだ。
 エリュだけでも何か装備を買った方がいいのでは、と俺が提案したが、俺の服を買ったら金がほぼ消えたと答えた。
 俺はエリュへの罪悪感も装備することになった。

「よし、エリュ。ここからは隠密ハイディングを使おう」

 隠密ハイディングとは闇属性魔法の一つで、敵から見つかりにくくなる魔法だ。
 本来は闇属性魔法なんて見つかったら即死刑だが、攻撃以外の魔法ならあまり効果を知られていないので誤魔化せるとエリュが言っていた。

「に、してもどれがグラスウッズか見分け難いな。どれも同じように見える」

 グラスウッズは基本、ここらで繁茂しているオルヴの木に擬態している。
 見分け方は、グラスウッズは小さめということと、他の木より魔力が多く含まれていることらしい。

「コウキ、多分あれ、グラスウッズよ」

 エリュが小声で俺にそう言う。
 指差す方を見てみると、確かに他の木より小さめの木がそこに生えていた。

「よし、このままハイディングで近づいて、合図したら一斉に魔法を使おう」

 エリュはこくりと頷き、そのままグラスウッズに近づく。
 そして魔法の射程圏内に入ったところで、俺が手で合図を送る。

「「光槍ライトランスッ!」」

 使う魔法は特に決めていなかったが、俺達は偶然同じ魔法を使用した。光属性魔法のライトランスだ。
 俺達の前方から突如現れた光の槍が、グラスウッズに交差して突き刺さる。

「ヴヴヴーッ!」

 発声器官など無いだろうに、何故か奇声を叫びながら、グラスウッズはその場に倒れた。
 光の槍は粒子となって拡散し、その場に残るはグラスウッズの死体のみだった。

「ふう、なんだ。結構余裕じゃん」
「そのわりには汗が酷いわよ、コウキ」

 エリュがにたにたしながらそうからかってくる。

「ほっとけ。それより、この頭に生えてるヤツが薬草だよな?」

 俺はグラスウッズの頭に生えてる、他の葉より色の濃い葉を取りながらそう聞く。

「恐らくそれね。今回はそれを9枚集めるのがクエストのはずよ」
「よし、この調子でどんどん行こうぜ!」

 ぶっちゃけ、俺は調子に乗っていた。
 何故なら、今の所何の支障なくことが進んでいるからだ。
 ゾンビなことを除けば、やっとまともな異世界生活だ。
 俺は今、ここに来て一番楽しく生活を送っている。

 この生活が、続けば良いのだが......。
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