異世界転生したけど殺されました

勇崎シュー

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サウスサウサ編

24話 首斬り斬魔(3)

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「っ、ああああああぁぁぁ......」

 掠れた声で叫ぶクラン。
 こんな、こんなにも呆気なく失ってしまうものなのか......?
 確かに、俺も転生そうそう殺されたが、こんなにも理不尽ものなのか?
 ここはゲームの世界じゃない。つまり失った足は戻らない。
 そう、命と同じように。

「てめえぇぇぇぇッ!」

 そう考える内に俺は怒りが爆発し、気づけば足が動いていた。
 すると相手は俺に気付き、剣を構える。
 首斬り斬魔は、横薙ぎに剣を振るった。
 ビンゴだ。やはり初撃は首を狙ってきた。
 そのことを予測していた俺は、態勢を低くして剣をかわし、そのまま胴体を斬ろうと攻撃する。
 しかし。

「......ッ!?クソっ!」

 俺の剣をガントレットで防がれる。
 見切られた?それとも......。
 俺が距離を取ると、またもや何処からか光の槍が首斬り斬魔に突き刺さる。
 攻撃よりは効いているだろうが、ダメージは期待出来そうにない。
 いや、今は場所を移したい。このままだと負傷しているクランが危ないからな。
 俺は足元の石ころを首斬り斬魔に投げつけた。

「こっち来やがれデュラハン野郎!」

 俺がそう煽り、走り出す。
 すると首斬り斬魔も狙い通り着いてきた。
 ん?まて、デュラハン野郎?
 デュラハンの弱点、ゲームだと何だったろうか。
 いや、その前にあいつはアンデッドだ。ならば。

「エリュ!聞こえてるか!あいつにはヒールでダメージ与えられると思うからやってみてくれ!」

 だいぶ距離をとった俺は、振り向きながらエリュにそう提案を起こす。

「無理よ!ヒールは射程がかなり短いから、遠過ぎるわ!」

 くっ、駄目か。
 やはり応援が来るのを待った方が良いな。
 ......出来るのか?俺一人で時間稼ぎなんて。
 いや、やるんだ。それに今は、俺一人じゃない。姿は見えないけど、エリュもいる。

「首ヲ......首ヲ......」

 本当にさっきからそればっかりだなこの野郎。
 いや、落ち着け俺。焦ったら敗けだ。
 でも深呼吸してる暇はない。
 そんな息切れしている俺に、首斬り斬魔が突進する。
 攻撃は遅いのに、何故か隙は少ない。
 きっと、生前はかなりの手練れだったのだろう。
 俺はその突進を避け、剣を突き立てる。
 しかし、驚きの速さの斬り返しで、俺は再び突飛ばされた。

「うぐっ......」

 地面にひれ伏しながら、俺は自身の腹を押さえる。
 身体能力は少なくとも互角の筈だ。神様に底上げしてもらったからな。
 じゃあなんだ。この騎士と俺との差は......?

 経験?
 そうか、経験値の差だ。
 あの洗練された動き、かなりの猛者だ。
 きっと様々な死線を潜り抜けてきたに違いない。

 なら俺は......?
 俺はまだ、駆け出し冒険者だ。
 クエストなんて数えられる程しかしていない。
 初めから勝ち目なんて無かったんだ。
 そう思うと、俺は突然死の恐怖が襲い掛かってきた。
 身体が強ばり、全身が痺れるような感覚。
 そんな俺に、首斬り斬魔はじりじりと距離を積めてくる。

「く、来んなよ、おい!」

 当然、首斬り斬魔が足を止めることは無かった。
 これはもう、死━━

「アシッドレイ!」

 どこからか、聞き覚えのない声が聞こえた。
 すると、幾つもの液体の粒が首斬り斬魔に降りかかった。
 首斬り斬魔は、黒い煙を炊きながら、氷が急速に溶けるような音を経ててどろりと溶け始める。
 首斬り斬魔が俺の元にたどり着く頃には、もう原型を留めていたかった。

「大丈夫ですか?」

 俺は不意に、そう話しかけられる。
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