転生乙女のケセラセラ

ケセラセラ

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霧島 匠の驚愕

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幸せな人生だと思ってた。


綺麗で優しい女性と出会い結婚ができた。
仕事も順調で、個人病院を持つこともでき、妻が看護婦として一緒に働き、三人の子供を持つことができた。


長男の遠弥(トオヤ)は、俺と同じ道を進むと言って医大に入り、長女の真由は、都内で有名な進学校に入ったが、やりたいことがまだ見つからないとぼやいてた。
次男の和也(カズヤ)は、まだ中学校に入ったがばかりだが、大人しくても、頭がキレる子で、どの子も個性豊で自慢の子供達だった。



そう、真由が交通事故で病院に運ばれてくるまで、その幸せはずっと続いていくものと思っていた。
いつかお嫁に出て行く時は、悲しいだろうと戦々恐々としたり、そのわりに、真由が孫を連れてきたらどんなに嬉しく思うだろうと、妻と話していたこともあった。
しかし、そんな日は永遠に来ないのだと、真由の冷たくなった痛々しい遺体を前に、突如目の前が暗くなった。


なぜ娘がこんな目に?どうして?
夢であればいいと思った。これが現実であるならば、何とも酷い。



娘は、待ち合わせに向かう途中の交差点で、スピードを出しすぎた車がスリップして娘が巻き込まれたと、警察が言った。
待ち合わせ?良く見ると、近くに住む真由の同級生の真人か真っ青な顔で、死人のような顔をしてボーゼンとした姿。
真由の洋服は、普段着ないようなオシャレな服装で、お気に入りの靴を履いていた。

そうか、真由は真人とデートに向かってたんだな。


可愛くオシャレして、好きな人に会いに行ったのだ。
今日は、真由にとって、とびっきり楽しくなる日だったに違いない。
事故に遭わなければ!!



「うっ、くっ、ま、まゆっ、ま、まだ死ぬなっ、彼氏できたんだろ?ま、まだ父さん報告受けてないよ。デートだったんだろ?彼氏を待たせるなよ、ま、まゆっ」



後から後から、涙が込み上げてくる。なぜ娘がこんなにも早く死ななければならなかったのか、運命と言うならば悲しすぎる。
せめて医者として、助けてやれることがあれば良かったのに!



後から、妻や息子達も、真由を目の前にして泣き崩れるしかなかった。



その日から、家族に笑顔が消えた。
半年、一年が過ぎ、生きている家族を守らなければとやっと考えられるようになって、家族もここ最近やっと、前に進もうとしてきたところなのだ。

自分達のことばかりで、近所に住む真人のことは多少気がかりではいても、気にする余裕もなく、4年という月日が足っていた。



だから、医大の時の後輩から連絡をもらった時は、何のようだ?としか思わなかったが「まゆと言えば分かるか?」と聞かれた時には、激昂してしまった。

「まゆ?まゆを知ってるかだって?よくも恥知らずにも俺に聞けたもんだなっ!」

怒鳴りつけて、電話を叩き卸そうとしたところで、慌てた後輩が「な、菜津という子が、霧島せんせいは、まゆと言えば分かるって言ってたんだ。菜津の中にまゆが居るって」



菜津という子の中にまゆがいる?
それは、どういうことだ?



後輩の山崎に詳しく話を聞くと、一週間くらい前に3才の女の子が栄養失調の重体で病院に運びこまれた。
なんと、自力で女の子が救急車を呼んだというから驚きだ。
意識が戻り、事情を女の子から聞いたら、父親と二人暮らしだが、倒れる一週間前から帰ってこなかった。
ずっと耐えていたが、死にそうになって救急車を呼ぶ決意がついたと。もう父親とは会いたくないと言っていて、遠い親戚でお医者さんが居るから、その人に会いたいと、その子供が言うのが俺のことらしい。
確かに、菜津という3才の子供を知ってるかと聞かれたら知らないと答えてたが、その子の中に真由が居るというのなら会わないわけにはいかない。


真由、お前が俺を呼んでるのか?



真由、お前また死にそうになってるのか?



生まれ変わって、幸せじゃないなんて許せることではない。その菜津という子の状態と状況を早々に調べて、助け出さなければならない。



俺は、今回のことを愛する妻、愛する息子達、そして真由のことを今も引きずっているだろう真人に話すべく動いたー。






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