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その後のお話編:彼女にまつわるエトセトラ
エ□フ編その 6:不安は煽るとろくでもない目に合う ※
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「中央大陸の人間の中には、確かに黒髪の勇者に関して未だに熱烈な信奉者がいることは確かだ。
彼によって存続の危機を救われた…もしくは成立することとなったという国家もいくつかあるし、民間レベルならもっとだろう。
そう言えば、アレフハイムなんかもその建国の一助となったなどという話が有名だったか…?
全人種は総じて長命であるため、それらの伝説も近しい親族から生の体験談として語られることもあり、他の国々よりも感動が風化し辛いのだろうな…」
ロビンとのやり取りの翌日、レオーネのメンテナンス時の会話に黒髪の勇者と呼ばれる善五郎さんのお話を振ってみると、クリスティアン王子は対面のソファに座って、お茶を飲みながらそう言った。
レオーネのために建てられた宮や王子の居室に、通信用の魔石を設置してもらっているので、必要時の連絡事項や、ちょこちょこっとした会話などはここから発信・着信できるようにしてある。
しかし、これを使うにも結構な魔力が必要となるため、上位魔獣であっても生誕間もないレオーネや、魔力に優れているとはいえ人間である王子にも、日本で電話を掛ける程の気安さで使うことはできないらしい。
なので、ほとんどの場合、前日もしくは当日に「〇〇頃に行くよー」という発信に対して「わかったー」という返信を受けての転移となるため、細かいホウレンソウはしていない。
そのため、今回の場合はレオーネのお部屋に入って初めて、クリスティアン王子がいることを知った次第である。――――今までの相手が魔力特化の上位魔獣であるカーバンクルさんたちだったので、ロビンや王子に聞いて初めて分かったことだったのだが。
『そうらしいな。
精霊すらも従える女神がテルマイアの街を作り、そこに拠点を置いているという話は、別に人間レベルでは隠しておらんので、耳の早い国の中でも、知ってるものは知っている…程度だったのだが、あの石像を販売し始めたら、遠方の国家にも瞬く間に噂が広がったらしいな。
石像の造形と共に、その髪と瞳が黒い女神…『勇者の縁者かもしれん!』と。
…で、どうなのだ。実際、女神殿は縁者なのか?』
私の膝の上でちょこんとお座りして、前足で顔を擦りながら問いかけるイケボの子ライオンを、元王様だと見抜く人はいないだろう。
すっかり元の職業を忘れそうになってしまう程、子猫の仕草が板についてきている家猫っぷりである。
私は、そんなレオーネの顎下をコショコショと擽りながら、話の内容にため息をつく。
「はぁ……縁者といっても、ただ同じ民族ってだけだと思う。 そもそも、生きてる年代が違いすぎるし。
それだけで妙に期待されてもねーーー……」
そう言いながら、より激しく喉周りを撫でまくっていると、
『ちょ、ちょっと…女神殿……話の途中…やめ……ゴロゴロゴロ……』
中身はおっさんでも、身体は幼体のレオーネは、身体の反射に逆らえる理性がまだ育ち切ってはいないため、すぐに喉を鳴らして体を擦り付けてくるのが可愛らしい。
真面目な口調で何かを言おうとしていた様であるが、すぐに快楽に負けて猫化してしまうのは、マーリンと似てるなーと思いながら、「うふふ」と笑って子猫にしてはちょっと固めの毛皮の感触を楽しんでしまう。
すると、その様子を見守っていた王子は、急にカチャンと微かな音を立ててカップをソーサーに置き、
「そうか。 まあ、その出自については追々聞いていくとして……。
いくら請われても…テルマイアの者たちが勝手に立ち上げた教団の視察ならともかく、あなたを見世物にするようなことは絶対にさせないから、安心してくれ。
恐らく、あなたを守るために立ち上げたという教団の連中も、そこはちゃんと考えているだろう」
と、言いながら立ち上がって、数歩離れた私の目の前までやってくると、急にレオーネの首根っこを掴んで持ち上げた。
『ヒギャ!? こら、クリスティアン! 何をする!』
突然乱暴に持ち上げられたレオーネは、短い手足をバタバタさせて抵抗するのだが、全く届かず空を切る。
王子は、レオーネを自分の目線まで持ち上げると、胡散臭い笑顔で笑いかけ、
「もういいだろう。 神獣どのはそろそろお疲れの様だ。 猫らしく寝床で丸まってお休みください」
そう言って、
『お前! 仮にも親を掴み上げるとはっ!』
と、ギャーギャー騒ぐ元父親に構わず、「ポーイ」と放物線を描いて寝床に放り投げたのだった。
私はその乱暴とも言える行動に呆気にとられ、咄嗟に反応もできずに両手を取られて立ち上げられると、
「え、あの、レオーネ……」
と、言葉を残しつつ誘導されるがままに部屋を連れ出された。
扉が閉まる前にチラリと見えたレオーネは、ちゃんと大きな寝床に着地しており、
『やれやれ、色ボケが…』
と言いながら大人びた仕草で肩をすくめていたのだった。
そして、現在。
私は王子の私室でやっぱりエロい目にあわされることになるわけで。
「んちゅ……はぁ…、……ぁンっ……」
手を取られたまま部屋の中央まで連れていかれ、ベッドの端に座らされると、護衛の騎士が扉を閉める音と同時に目の前に立っている王子に覆いかぶされるように唇を奪われて。
チュクチュクと音を立てられながら、口腔内の感じる所を舌でまさぐられつつ、後頭部に回した手で首筋を逆撫でられると、ゾワゾワとしたものが背筋を走り抜けるので、堪えきれない声が洩れる。
そうして、夢中になって舌を絡ませ合いながら、お互いの衣服を脱がせていき、ベッドで愛し合う準備を整えていくのだが……私的な服装であっても装飾の多い王子の上着はボタンが多く、簡素な私のローブとは全く手間が違う。
王子の上着を脱がす間に、私はすっかり全裸にされているのだから、不公平極まりない。
「ひどい…私ばっかり……」
ベッドの中央で裸にされて座り込む私と、膝立ちで上着を脱いだだけの王子の対比に、不満を溢すのは仕方ないことだと思う。
そう言ってむくれていると、王子はクスリと笑ってシャツを脱ぎ、その厚い胸板を露わにした。
「俺の裸なんかより、あなたの方が全然綺麗だからいいじゃないか。
その柔らかそうな体を見るだけで、もうこんなになってる」
そう言って、トラウザーズもベッドの外に脱ぎ捨てると、下着を押し上げる昂りに私の手を誘導する。
「あなたの体に興奮してるコレを、可愛がってはくれないのか?」
微笑んでそう言いながら、期待で頬を紅潮させ、ピコピコと動く丸い耳と尻尾にキュンとトキメいてしまう。
「ばか……」
思わずクスリと笑って、固く勃ち上がっている性器に指を這わせながら、下から掠めるように唇を合わせると、王子は私の体を抱き込んで、そのまま後ろに ドサッ と倒れ込んだ。
仰向けになった王子を押し倒したような形で、唇を合わせながら、下着越しに性器を擦り上げていると、チュクチュクと響く水音の合間に
「はっ……ン……」
と、悩ましい吐息を漏らして、逞しい体がビクビクと震えた。
飲み込み切れない唾液を口の端から溢しながらも、貪欲に弄ってくる舌を吸い上げて、下着越しに形が露わになる程固くなった性器を擦り上げると、腰を浮かせて私の手にグイグイ押し付けていることに気づく。
「クリス……きもちい? 押し付けてる……うふ…」
そうやって、頭上の耳元で囁いてやるとビクッと一瞬体を揺らした。
しかしそのすぐ後、王子はキュッと私の体を抱き込んできたので、急に引き寄せられてバランスを崩し、思わず王子の顔の横に片手をついて潰さない様距離をとった…のだが。
その隙に、王子は首元から下方に舌を這わせながら、徐々に顔を移動させつつ、胸の中央に顔を埋めてくるではないか。
私は王子の顔に差し出された胸の無防備さにハッとしたが、時すでに遅く、興奮に固く尖った胸の先を抉る様にペロペロと舐め上げられて
「はっ……あっ…………」
と、王子の顔に胸を押し付けるように背中を反らせて声を上げてしまう。
そうして、股間の昂りを手にグリグリと押し付けられながら、チュパチュパと目の前の乳首を啄ばまれつつ背筋を撫で上げられると、声にならない吐息が洩れ、
「手が止まっているぞ? ククッ……さっきまでいい調子だったのにな…」
そう言われたころには、すっかり形勢が逆転していることに気が付いた。
そうして、私は王子の顔の横に両手をつき、重力に負けて揺れる胸を好き放題に貪られ、おへそに付かんばかりに勃ち上がる性器の上に座り込んでは、
「あんっあんっ…ンあぁっ」
と涙ながらに嬌声をあげて、自分から王子の下着越しにグリグリとイイ所を押し付けていたのだった。
私の体に絡みついて、背中を撫で上げお尻をまさぐっていた王子の両手は、今は私の腰を掴んでその動きを助長するように、グリグリと濡れそぼつ隘路の敏感な部分に、薄い布越しの固い性器に押し付けてくる。
「やぁあンっ! ダメっダメっ………」
そうしてズリュズリュと股間のイイ所を擦り合わせながら、徐々に高まる絶頂感に押し流されるまま声を上げ、達する瞬間をただただ待ち望んでいたのだが、王子はなかなかイカせてくれず、
「まだだ。 ……もう少し頑張れるだろう?……」
そう言って、何度も絶頂に至る直前になると、急に全ての刺激をやめてしまうため、私は切なさにすすり泣いた。
「いやっいやっ…もっと続けてぇ……ふぇえ……もうちょっとなのぉ……」
そうして、何度も躱され、焦らされることに堪え切れず、グリグリと自分から隘路の固くなった秘芽を、王子の固い性器にすり合わせようとするのだが、王子はするりと私の体から離れると、ゆっくりとした動作で自分の下着を脱ぎ去った。
「…えっえっ……やだぁ…もっとぉ……」
その動作を見守りつつ、私は自分の胸や股間に指を這わせてすすり泣きながら続きを強請る。
こんな所で止めるなんて、あんまりだ。
ちゃんと最後まで可愛がって欲しいのに。
王子は、そんな私の姿を見ながら、寂しそうな笑みを浮かべて尻尾をパタパタ揺らし、キュッと私の体を抱き込んで、チュッチュと軽いキスを頬や額に落として囁いた。
「もっと俺を欲しがって泣いてくれ…。
親父とばかり会っている姿に、そうではないとわかっていても、やっぱり不安になるんだ…。
何せ、あなたは男の欲望を煽りやすい…。
こんなに男を惹きつける存在が、このままずっと傍にいてくれるのか、わからないから…」
……一体それは、どこのフジコちゃんのお話だろうか…。
彼らの女性観って、よくわからないな…とは思ったが、その声音の切なさに胸を突かれ、一瞬身体の火照りも忘れて思わずその体を抱き返した。
「大丈夫だよ。ちゃんと、好きだから。
この先が何十年、何百年位かはわからないけど…いつでも…ずっと会いに来るよ」
そう言って、裸の胸に頬を摺り寄せると、
「ああ……」
と、耳元で消えそうな儚い声で囁かれ、より強い力で抱き込まれた。
………そんな、割と切ない愛の1ページだったと思うんだけど……
その続きはやっぱり酷かった。
彼によって存続の危機を救われた…もしくは成立することとなったという国家もいくつかあるし、民間レベルならもっとだろう。
そう言えば、アレフハイムなんかもその建国の一助となったなどという話が有名だったか…?
全人種は総じて長命であるため、それらの伝説も近しい親族から生の体験談として語られることもあり、他の国々よりも感動が風化し辛いのだろうな…」
ロビンとのやり取りの翌日、レオーネのメンテナンス時の会話に黒髪の勇者と呼ばれる善五郎さんのお話を振ってみると、クリスティアン王子は対面のソファに座って、お茶を飲みながらそう言った。
レオーネのために建てられた宮や王子の居室に、通信用の魔石を設置してもらっているので、必要時の連絡事項や、ちょこちょこっとした会話などはここから発信・着信できるようにしてある。
しかし、これを使うにも結構な魔力が必要となるため、上位魔獣であっても生誕間もないレオーネや、魔力に優れているとはいえ人間である王子にも、日本で電話を掛ける程の気安さで使うことはできないらしい。
なので、ほとんどの場合、前日もしくは当日に「〇〇頃に行くよー」という発信に対して「わかったー」という返信を受けての転移となるため、細かいホウレンソウはしていない。
そのため、今回の場合はレオーネのお部屋に入って初めて、クリスティアン王子がいることを知った次第である。――――今までの相手が魔力特化の上位魔獣であるカーバンクルさんたちだったので、ロビンや王子に聞いて初めて分かったことだったのだが。
『そうらしいな。
精霊すらも従える女神がテルマイアの街を作り、そこに拠点を置いているという話は、別に人間レベルでは隠しておらんので、耳の早い国の中でも、知ってるものは知っている…程度だったのだが、あの石像を販売し始めたら、遠方の国家にも瞬く間に噂が広がったらしいな。
石像の造形と共に、その髪と瞳が黒い女神…『勇者の縁者かもしれん!』と。
…で、どうなのだ。実際、女神殿は縁者なのか?』
私の膝の上でちょこんとお座りして、前足で顔を擦りながら問いかけるイケボの子ライオンを、元王様だと見抜く人はいないだろう。
すっかり元の職業を忘れそうになってしまう程、子猫の仕草が板についてきている家猫っぷりである。
私は、そんなレオーネの顎下をコショコショと擽りながら、話の内容にため息をつく。
「はぁ……縁者といっても、ただ同じ民族ってだけだと思う。 そもそも、生きてる年代が違いすぎるし。
それだけで妙に期待されてもねーーー……」
そう言いながら、より激しく喉周りを撫でまくっていると、
『ちょ、ちょっと…女神殿……話の途中…やめ……ゴロゴロゴロ……』
中身はおっさんでも、身体は幼体のレオーネは、身体の反射に逆らえる理性がまだ育ち切ってはいないため、すぐに喉を鳴らして体を擦り付けてくるのが可愛らしい。
真面目な口調で何かを言おうとしていた様であるが、すぐに快楽に負けて猫化してしまうのは、マーリンと似てるなーと思いながら、「うふふ」と笑って子猫にしてはちょっと固めの毛皮の感触を楽しんでしまう。
すると、その様子を見守っていた王子は、急にカチャンと微かな音を立ててカップをソーサーに置き、
「そうか。 まあ、その出自については追々聞いていくとして……。
いくら請われても…テルマイアの者たちが勝手に立ち上げた教団の視察ならともかく、あなたを見世物にするようなことは絶対にさせないから、安心してくれ。
恐らく、あなたを守るために立ち上げたという教団の連中も、そこはちゃんと考えているだろう」
と、言いながら立ち上がって、数歩離れた私の目の前までやってくると、急にレオーネの首根っこを掴んで持ち上げた。
『ヒギャ!? こら、クリスティアン! 何をする!』
突然乱暴に持ち上げられたレオーネは、短い手足をバタバタさせて抵抗するのだが、全く届かず空を切る。
王子は、レオーネを自分の目線まで持ち上げると、胡散臭い笑顔で笑いかけ、
「もういいだろう。 神獣どのはそろそろお疲れの様だ。 猫らしく寝床で丸まってお休みください」
そう言って、
『お前! 仮にも親を掴み上げるとはっ!』
と、ギャーギャー騒ぐ元父親に構わず、「ポーイ」と放物線を描いて寝床に放り投げたのだった。
私はその乱暴とも言える行動に呆気にとられ、咄嗟に反応もできずに両手を取られて立ち上げられると、
「え、あの、レオーネ……」
と、言葉を残しつつ誘導されるがままに部屋を連れ出された。
扉が閉まる前にチラリと見えたレオーネは、ちゃんと大きな寝床に着地しており、
『やれやれ、色ボケが…』
と言いながら大人びた仕草で肩をすくめていたのだった。
そして、現在。
私は王子の私室でやっぱりエロい目にあわされることになるわけで。
「んちゅ……はぁ…、……ぁンっ……」
手を取られたまま部屋の中央まで連れていかれ、ベッドの端に座らされると、護衛の騎士が扉を閉める音と同時に目の前に立っている王子に覆いかぶされるように唇を奪われて。
チュクチュクと音を立てられながら、口腔内の感じる所を舌でまさぐられつつ、後頭部に回した手で首筋を逆撫でられると、ゾワゾワとしたものが背筋を走り抜けるので、堪えきれない声が洩れる。
そうして、夢中になって舌を絡ませ合いながら、お互いの衣服を脱がせていき、ベッドで愛し合う準備を整えていくのだが……私的な服装であっても装飾の多い王子の上着はボタンが多く、簡素な私のローブとは全く手間が違う。
王子の上着を脱がす間に、私はすっかり全裸にされているのだから、不公平極まりない。
「ひどい…私ばっかり……」
ベッドの中央で裸にされて座り込む私と、膝立ちで上着を脱いだだけの王子の対比に、不満を溢すのは仕方ないことだと思う。
そう言ってむくれていると、王子はクスリと笑ってシャツを脱ぎ、その厚い胸板を露わにした。
「俺の裸なんかより、あなたの方が全然綺麗だからいいじゃないか。
その柔らかそうな体を見るだけで、もうこんなになってる」
そう言って、トラウザーズもベッドの外に脱ぎ捨てると、下着を押し上げる昂りに私の手を誘導する。
「あなたの体に興奮してるコレを、可愛がってはくれないのか?」
微笑んでそう言いながら、期待で頬を紅潮させ、ピコピコと動く丸い耳と尻尾にキュンとトキメいてしまう。
「ばか……」
思わずクスリと笑って、固く勃ち上がっている性器に指を這わせながら、下から掠めるように唇を合わせると、王子は私の体を抱き込んで、そのまま後ろに ドサッ と倒れ込んだ。
仰向けになった王子を押し倒したような形で、唇を合わせながら、下着越しに性器を擦り上げていると、チュクチュクと響く水音の合間に
「はっ……ン……」
と、悩ましい吐息を漏らして、逞しい体がビクビクと震えた。
飲み込み切れない唾液を口の端から溢しながらも、貪欲に弄ってくる舌を吸い上げて、下着越しに形が露わになる程固くなった性器を擦り上げると、腰を浮かせて私の手にグイグイ押し付けていることに気づく。
「クリス……きもちい? 押し付けてる……うふ…」
そうやって、頭上の耳元で囁いてやるとビクッと一瞬体を揺らした。
しかしそのすぐ後、王子はキュッと私の体を抱き込んできたので、急に引き寄せられてバランスを崩し、思わず王子の顔の横に片手をついて潰さない様距離をとった…のだが。
その隙に、王子は首元から下方に舌を這わせながら、徐々に顔を移動させつつ、胸の中央に顔を埋めてくるではないか。
私は王子の顔に差し出された胸の無防備さにハッとしたが、時すでに遅く、興奮に固く尖った胸の先を抉る様にペロペロと舐め上げられて
「はっ……あっ…………」
と、王子の顔に胸を押し付けるように背中を反らせて声を上げてしまう。
そうして、股間の昂りを手にグリグリと押し付けられながら、チュパチュパと目の前の乳首を啄ばまれつつ背筋を撫で上げられると、声にならない吐息が洩れ、
「手が止まっているぞ? ククッ……さっきまでいい調子だったのにな…」
そう言われたころには、すっかり形勢が逆転していることに気が付いた。
そうして、私は王子の顔の横に両手をつき、重力に負けて揺れる胸を好き放題に貪られ、おへそに付かんばかりに勃ち上がる性器の上に座り込んでは、
「あんっあんっ…ンあぁっ」
と涙ながらに嬌声をあげて、自分から王子の下着越しにグリグリとイイ所を押し付けていたのだった。
私の体に絡みついて、背中を撫で上げお尻をまさぐっていた王子の両手は、今は私の腰を掴んでその動きを助長するように、グリグリと濡れそぼつ隘路の敏感な部分に、薄い布越しの固い性器に押し付けてくる。
「やぁあンっ! ダメっダメっ………」
そうしてズリュズリュと股間のイイ所を擦り合わせながら、徐々に高まる絶頂感に押し流されるまま声を上げ、達する瞬間をただただ待ち望んでいたのだが、王子はなかなかイカせてくれず、
「まだだ。 ……もう少し頑張れるだろう?……」
そう言って、何度も絶頂に至る直前になると、急に全ての刺激をやめてしまうため、私は切なさにすすり泣いた。
「いやっいやっ…もっと続けてぇ……ふぇえ……もうちょっとなのぉ……」
そうして、何度も躱され、焦らされることに堪え切れず、グリグリと自分から隘路の固くなった秘芽を、王子の固い性器にすり合わせようとするのだが、王子はするりと私の体から離れると、ゆっくりとした動作で自分の下着を脱ぎ去った。
「…えっえっ……やだぁ…もっとぉ……」
その動作を見守りつつ、私は自分の胸や股間に指を這わせてすすり泣きながら続きを強請る。
こんな所で止めるなんて、あんまりだ。
ちゃんと最後まで可愛がって欲しいのに。
王子は、そんな私の姿を見ながら、寂しそうな笑みを浮かべて尻尾をパタパタ揺らし、キュッと私の体を抱き込んで、チュッチュと軽いキスを頬や額に落として囁いた。
「もっと俺を欲しがって泣いてくれ…。
親父とばかり会っている姿に、そうではないとわかっていても、やっぱり不安になるんだ…。
何せ、あなたは男の欲望を煽りやすい…。
こんなに男を惹きつける存在が、このままずっと傍にいてくれるのか、わからないから…」
……一体それは、どこのフジコちゃんのお話だろうか…。
彼らの女性観って、よくわからないな…とは思ったが、その声音の切なさに胸を突かれ、一瞬身体の火照りも忘れて思わずその体を抱き返した。
「大丈夫だよ。ちゃんと、好きだから。
この先が何十年、何百年位かはわからないけど…いつでも…ずっと会いに来るよ」
そう言って、裸の胸に頬を摺り寄せると、
「ああ……」
と、耳元で消えそうな儚い声で囁かれ、より強い力で抱き込まれた。
………そんな、割と切ない愛の1ページだったと思うんだけど……
その続きはやっぱり酷かった。
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