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第一章
④ フェンリル3姉弟と言われて1ヶ月。本当にドッキリじゃないの?
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そして、あれから1ヶ月ほどが経過して、目も開かない子狼だった双子は大きくなり、すっかり4足歩行で、50畳はありそうな広い室内を走り回っている。
室内といっても、人の手がかかったような調度品は、親子4頭が好き勝手寝転べるほど大きな寝台…というか寝床と、大きくて立派な彫刻の施された出入り口の両開きの扉。
そして、部屋の隅っこにある―――一体何のためにあるのかは分からないのだが―――やたら豪華な装飾が施されキラキラと輝く大きな金色の台位しかない。
外壁や天井は天然の岩をくり抜いたような滑らかな石造りで、その石は24時間仄かに発光していて明るいけれども、今が夜なのか昼なのか分かりづらい。
その室内を所狭しと走り回る子狼達の姿は普通にジャーマンシェパードの子犬のようだったが…大きさだけなら成犬並。
手足を伸ばして寝転べば、私の156cmの身長とそれ程変わらない程でかい。
ちなみに、時の経過については、運良くお風呂で握りしめていたスマホが一緒に転移してきて、1ヶ月間充電することもなく稼働し続けているので、それを見て時間を確認することができたのだ。
もちろん、電波やWi-Fiは繋がっていないが、それでも小さな端末としてこの世界で自分の立ち位置を確認するのに役立った。
そして現在の私と言えば、相変わらずマッパのままで、すっかり裸族として生活することに慣れきっていた。
だって…マッパで転移してきたから、何も持ってきてないんだもん。
ボブヘアが湯船に浸からないよう、頭に巻いてたフェイスタオル1本とスマホでどうしろと?
そして、彼らの巣穴が意外と清潔な空間だったのは良かったけど、周りは全員狼。
言ってしまえば、全員裸族。フッサフサだからそんな風に見えないけど、裸族。
当然生まれながらの裸族の方々が服なんて持ってる訳無いじゃないよ。
そして私は、環境に溶け込み目立たないことを信条とする日本人である。
分かっていただけましたか? この流れ。
ここで服を着るのは逆にドレスコードに反するとか何とか云々した結果。
慣れると楽よ? マッパ。
葉っぱ一枚すら必要とされない、この暮らし。案外快適だった。
汚れるとママンが清浄魔法みたいの使ってくれるから、常にお風呂上がりみたいにきれいだし。
部屋はママンの魔力でオートエアコンでもかかってるみたいに、常に適温なので熱くも寒くもない。
人間の文明は羞恥心の芽生えから始まると、聖書にも書いてあったかもしれないが、羞恥心も生まれない環境では、知恵の実なんて必要ないよねー…なんて、宗教論争にでもなりそうなことを考える。
『ねーたん、ままのおっぱい、おいしいね』
アッシュグレイの毛並みの上の弟であるヴォルが、『うへへ』と狼犬の子犬さながらの可愛らしさで笑いながらママンの乳首に吸い付いている。
何も言わずにチューチューと吸い付いているもう一匹の、色違いのそっくりさんであるダークグレイの下の弟ロキも、おっぱいを咥えたままこちらを見上げてニパっと微笑んだ。
ぐうかわ……鼻血出そう…
そんな超絶可愛い弟狼たちの笑顔に悩殺されながら、顔を覆って身悶えた。
そして、私も弟たちに混じってママンの極上ミ○キー味の母乳に吸い付き、姉弟として彼らと飲みニケーションを深めていったのだった。
ママンの極上モフ毛もあったけぇ………母犬のバブみ最高……
こんなの知ってしまったら、地球での半端な赤ちゃんプレイなど児戯に等しい。
あんなものは大人のお遊びであると断言する―――いや、確かに大人の遊びなんですけれどもね。
母狼の包容力に、弟達の凶悪なまでの可愛らしさ。
他に何の食料も必要としない完全栄養食である、母乳!
これで何の不満があろうか!? いやない!(反語)
ないったらないよね!? ねっ!?
何とか言ってください、だれかーーっ!?
…なんてまぁ、こうやって自分がやってることに疑問を持ってしまうと、ふとした不安に襲われてしまうこともありますけれども。
………………いえ、大丈夫ですよ。
ヤケクソになんてなってないです。
やっぱりブラとパンツ位ほしいなー…とか思ってないです。
いくら大きくてもプライバシーなんて一欠片もない空間が地味に辛いとか、
トイレに行くことが一度もない不思議が頭を過るとか、
ここは狼しかいない世界じゃないよねーとか、
いつまでここにいればいいのかなーとか、
ちょっと辛いものも食べたいな―とか………
考えてない、考えてない、考えてないったら、ない!
………私はすっかり彼らの一員として―――狼3姉弟の姉として、必死に異世界に馴染もうとしていたが……そろそろ心の限界値は近いかもしれないと思った。
とりあえず、今日もきゃっきゃとはしゃぐ弟たちを両脇にかかえてモフモフしながら精神の安定を図っている。
モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフ
室内といっても、人の手がかかったような調度品は、親子4頭が好き勝手寝転べるほど大きな寝台…というか寝床と、大きくて立派な彫刻の施された出入り口の両開きの扉。
そして、部屋の隅っこにある―――一体何のためにあるのかは分からないのだが―――やたら豪華な装飾が施されキラキラと輝く大きな金色の台位しかない。
外壁や天井は天然の岩をくり抜いたような滑らかな石造りで、その石は24時間仄かに発光していて明るいけれども、今が夜なのか昼なのか分かりづらい。
その室内を所狭しと走り回る子狼達の姿は普通にジャーマンシェパードの子犬のようだったが…大きさだけなら成犬並。
手足を伸ばして寝転べば、私の156cmの身長とそれ程変わらない程でかい。
ちなみに、時の経過については、運良くお風呂で握りしめていたスマホが一緒に転移してきて、1ヶ月間充電することもなく稼働し続けているので、それを見て時間を確認することができたのだ。
もちろん、電波やWi-Fiは繋がっていないが、それでも小さな端末としてこの世界で自分の立ち位置を確認するのに役立った。
そして現在の私と言えば、相変わらずマッパのままで、すっかり裸族として生活することに慣れきっていた。
だって…マッパで転移してきたから、何も持ってきてないんだもん。
ボブヘアが湯船に浸からないよう、頭に巻いてたフェイスタオル1本とスマホでどうしろと?
そして、彼らの巣穴が意外と清潔な空間だったのは良かったけど、周りは全員狼。
言ってしまえば、全員裸族。フッサフサだからそんな風に見えないけど、裸族。
当然生まれながらの裸族の方々が服なんて持ってる訳無いじゃないよ。
そして私は、環境に溶け込み目立たないことを信条とする日本人である。
分かっていただけましたか? この流れ。
ここで服を着るのは逆にドレスコードに反するとか何とか云々した結果。
慣れると楽よ? マッパ。
葉っぱ一枚すら必要とされない、この暮らし。案外快適だった。
汚れるとママンが清浄魔法みたいの使ってくれるから、常にお風呂上がりみたいにきれいだし。
部屋はママンの魔力でオートエアコンでもかかってるみたいに、常に適温なので熱くも寒くもない。
人間の文明は羞恥心の芽生えから始まると、聖書にも書いてあったかもしれないが、羞恥心も生まれない環境では、知恵の実なんて必要ないよねー…なんて、宗教論争にでもなりそうなことを考える。
『ねーたん、ままのおっぱい、おいしいね』
アッシュグレイの毛並みの上の弟であるヴォルが、『うへへ』と狼犬の子犬さながらの可愛らしさで笑いながらママンの乳首に吸い付いている。
何も言わずにチューチューと吸い付いているもう一匹の、色違いのそっくりさんであるダークグレイの下の弟ロキも、おっぱいを咥えたままこちらを見上げてニパっと微笑んだ。
ぐうかわ……鼻血出そう…
そんな超絶可愛い弟狼たちの笑顔に悩殺されながら、顔を覆って身悶えた。
そして、私も弟たちに混じってママンの極上ミ○キー味の母乳に吸い付き、姉弟として彼らと飲みニケーションを深めていったのだった。
ママンの極上モフ毛もあったけぇ………母犬のバブみ最高……
こんなの知ってしまったら、地球での半端な赤ちゃんプレイなど児戯に等しい。
あんなものは大人のお遊びであると断言する―――いや、確かに大人の遊びなんですけれどもね。
母狼の包容力に、弟達の凶悪なまでの可愛らしさ。
他に何の食料も必要としない完全栄養食である、母乳!
これで何の不満があろうか!? いやない!(反語)
ないったらないよね!? ねっ!?
何とか言ってください、だれかーーっ!?
…なんてまぁ、こうやって自分がやってることに疑問を持ってしまうと、ふとした不安に襲われてしまうこともありますけれども。
………………いえ、大丈夫ですよ。
ヤケクソになんてなってないです。
やっぱりブラとパンツ位ほしいなー…とか思ってないです。
いくら大きくてもプライバシーなんて一欠片もない空間が地味に辛いとか、
トイレに行くことが一度もない不思議が頭を過るとか、
ここは狼しかいない世界じゃないよねーとか、
いつまでここにいればいいのかなーとか、
ちょっと辛いものも食べたいな―とか………
考えてない、考えてない、考えてないったら、ない!
………私はすっかり彼らの一員として―――狼3姉弟の姉として、必死に異世界に馴染もうとしていたが……そろそろ心の限界値は近いかもしれないと思った。
とりあえず、今日もきゃっきゃとはしゃぐ弟たちを両脇にかかえてモフモフしながら精神の安定を図っている。
モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフ
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