異世界の石像

鯖になりたい人

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第一章

巫女(1)

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 暇だ。
 とっても暇。
 この前カベラにこの世界で自分がすることを聞いてはや2週間。
 あれから、カベラは音信不通だし、特に何か困ったこともないし、災害が起きるわけでもなく!
 まぁ自分から災害とかを望むのはどうかと思うけど。
 街の人だって、2日に1回来るかどうかだし、来るとしても結構なおばあさん達だし!
 話しかけても全然反応してくれないし!
 まぁ、お供え物はありがたい、本当にありがたい、けど、食えねぇー!
 なぜ?!なぜなんだ?!お供え物ぐらい食わしてよ! 
 なんで毎回毎回、カラスに角付けたみたいなやつに勝ち誇った顔されながら目の前で食われなければならない?!
(。´xω×)ウワーン


  【落ち着こうとしてます。】


ザッザ
 ん?だれかきた?
「失礼します。アキレウス様。」
 下を見てみると、そこには今まで出会ったことの無いような絶世の美幼女がいた。
 しかも、ケモっ娘!
(∩´∀`)∩ワーイ
 ってなんでこんなケモっ娘が俺のとこに?
「それは、私が貴方様に仕えるため第18代目巫女となったからです。」
 へーそーなんだ。
「はい、以後よろしくお願いします。」
 …………
「…………」
 しゃ、しゃ、
「しゃ?」
 喋ったァァァァァ
「喋りますよ、獣人ですし。」
 いやいやいやいやいや、違うそうじゃない。
 というか、めっちゃ冷淡だなこの子。
「?」
 なんで会話できんの?こっちの世界に来てから、この世界の人達に喋りかけてもみんな気づかなかったよ?
 なのに、なんで君は会話出来んの?
٩(๑>▽<๑)۶ヤッター
「…テンションの差が激しい人ですね。」
 すみません。
「まぁいいですけど。で、なぜ会話できるかと言われましても、私にも分かりません。」
 え、分かんないの?
「はい、しかし先代巫女からは『代々巫女になった者は神の声が聞こえる。』と、言われました。ですが、それがまさか本当だとは。」
 しかも会話までできるなんてね~
 それでその巫女さんがここに何しに?
「今日は私が巫女になり、7日目なので、『巫女は7日ごとに我らが神の前に行く。』という決まりのもと、お祈りをしに来たのと、ご挨拶に伺いに来ました。」
 それはそれは、ご丁寧にどうも。
「…質問してもよろしいでしょうか?」
(・∀・)イイヨイイヨー
「それでは、あなたなんなんですか?」
(  ◜௰◝  )
((( ;゚Д゚))エッ!?
「あなたからは神のような神々しさも、優しさも、猛々しさも、何も感じられません!あなたは本当に神なんですか?」
…え、えっと、なんて答えればいいのか…
 彼女は突然、さっきまでのクールな感じが無くなり、まるで怒ったかのように取り乱した。
「神なんでしたら、人を導いてくださいよ!なんとか言ったらどうです?」
 え、いやそんな事言われましても、俺『ユポリ』ですし。
「?何訳の分からないこと言ってるんですか?」
(どうしよう、異世界の人です~なんて言ってもいいのかな?いや、でも今の俺は神だし、、、説明するのめんどくさいな~。あ、そうだ。)
「さぁ!早く答えてください。」
 そう言うと彼女は俺にパンチして来た。
 多分ちゃぶ台返す時みたいな感じなのだろう。
 けどまぁ、
「いったい!」
 まぁ石だからそうなるよね。
 さてと、神として1人の人間をさとしますかね。


 巫女とやら。
「はい?」
 汝は今、街を危険に晒してるとは分からぬのか?
「は?何言ってるんですか?巫女は街を守るのも役目。街を危険に晒すなど、言語道断、それは巫女になる前から教えられてることです。」
 では、神ということも教えられてるだろう?
「もちろん。ですが、それと私が街を危険に晒しているというのと、何が関け、い、が。…まさか!」
 そうだ。そのまさかだ。
 我はその気になれば、街など一瞬にして消せるのだぞ。
「嘘だ!」
 嘘ではない。
 よろしい、ならば我の力見せてやろう。
(えーっと、どうしよっかなー。どうにかして力を引き出さないと。)
「街の一人の少女を守るため、結構派手めな雷雲よ、雷をまとってバチバチ言いながらリユの街の上に出ろ!ただし落ちないでね☆」
  そう思うと、
ゴロゴロゴロ
  結構なデカさの雷雲が出た。
  ……予想以上の。
「な、なんですかこれは!」
 言ったであろう。これが我の力だ。
「そんな…あなたは街の守り神では無いのですか?!」
 それを否定したのは汝だ。
 覚えておけ、神の力は怖いと。
(決まった…俺今超絶神っぽい。(ง `з´ )ง)
 さて、と。
 あの巫女は改心して、俺の事神って信じたかな~
 そんな呑気な事を、思って下を見てみると、
「あ、あわわわわ」
 気絶してた。
 やっべ、さすがにやりすぎた。 
 今すぐ起こさないとやばいかもな。
 よし、起こすか。
「街の1人の少女を守るため、我が目の前にいる者を起こしてくれ!」
「あ、あれここは…。あ、なーんだ夢でしたか、そうですよね、街に神の怒りが落ちるなんて…」
 そう言って、巫女は街の方を見た。 
 そこにはまだバカでかい雷雲が。
「あわわわわわ」
 あ、ループしちゃった。
 そっかそっか、まず最初に雷雲を消さないと…
 …………あれ?力の消し方教わったっけ?
 やばい、消し方知らない……………………
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