異世界の石像

鯖になりたい人

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第一章

同じ者(1)

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 それは、遡ること4日前の出来事だった。
 俺は神の力でとりあえず水をリユの街周辺にある、川や池に行き渡らせようとした。
 普通なら、ここで水が戻って人々の水不足の悩みが無くなり、みんなに笑顔が戻るはず。
【補足:そんな事しなくてもリユの街の人々はみんな笑顔です。】
 今なんか、全否定された気がするけど…
 そして、今に至る。


(;-ω-)ウーン
 どうしようかなー。
 あ、そうだ。
 おーい、カベえもーん。
(どうしたんだい?アキラくん。)
 …
(…)
 …意外とカベラってノリいいよね。
(それは褒めてるんですか?)
 うん、まぁ。
 で、カベラ。俺今神の力が使えないんだけど、原因が何かわかる?
(いえ、全く。というか神の力が使えない事なんて事例が滅多にないので…)
 (ㆆ_ㆆ)ソッカ…
 でも、神の力自体が発動してないっていう感じはないんだよな~。
(それは、どういうことですか?)
 えーっとね、なんか体感だけど、神の力を使った後って妙な感覚があるんだよね。
 で、今回の件でも、神の力を使った後、その感覚はあるんだよ。
(しかし、現象が発現しない…と。)
 うん。
(またよく分からないことになってますね。)
 そうなんだよ。
 

~1時間後~
 わっかんねーなこの現象
(まぁでも何とかしないと。)

~さらに1時間後~
 分かんねぇぇぇ
(まぁまぁ落ち着いてください。)

~さらにさらに1時間後~
 もう辺りは日が沈み暗くなっていた。
(アハハ、アハハ、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ。)
 くっ、ついにカベラも考えすぎてやられたか。
 ((ふぉっ、ふぉっ、ふぉ。))

((悩んでおるようじゃな、若き神よ。))
 あんた誰?
 みると、宙にホログラムのようなモニターがあり、そこには優しそうな老人が写っていた。
(どうしたんですか?アキ、ラ、さん…)
 すると、カベラは震えているのだろうか。
 ガクガクガクガク
 めっちゃガクガク聞こえる。
 どうしたの?カベラ?
(ア、アキラさん、頭を早く下げてください、、、)
 え?なんで?というか今石像だから頭下げるどころか動けないんだけど。
((まぁ、まぁ、そう堅くなるでない。))
 いやー、今材質が石だから元々硬いんですけど…
((ハッハッハッ、面白いことを言う、どれ若いの座布団をやろうか?))
 わーいやったー。
 じゃないわ!
 何?こっちの世界も上手いこと言ったら座布団貰える文化があるの!?
((あるぞい?))
 あるのかよ…
 で?カベラはカベラでなんでそんなに怯えてるの?
 この人優しそうだけど。
(アキラさん、説明していませんでしたが、そちらに、おわす方は…)
 水戸光○公?
(違いますが、だいたいあってます…なんなら、水戸黄○よりもすごい方です…)
(´・∀・`)ヘー
((( ;゚Д゚))エッ!?
(この世界で唯一『キリエ』の位の神、プロテア様です。)
 え、『キリエ』って一人しかいないの?!
ズコー
 なんかカベラとそのモニターの中のプロテアとかいう神がずっこけた。
(そ、そういえば教えていませんでしたね。)
 全くそういう事は早く教えといてよ!
(すいません。)
((もう、ええかのう?))
 あ、ごめんなさい。
 で、その神様が何しにここに?
((おー、そーじゃったそーじゃった。危うく忘れるとこじゃったわい。))
(なんだろうめっちゃ近所の優しいおじいさん感が…)
((まぁ何しに来たかと言うと、大した事じゃない、世界を治しに来たんじゃよ。))
 え?治せるの?
(アキラさん、『キリエ』の役割覚えてますか?)
 えっと、確か世界を守るんだっけ?
(その通りです。なので、『キリエ』の力の使用方法は『ユポリ』とは違い、世界をいい方向に変えようとすると、力は発現します。しかし、その力は『ユポリ』とは比べ物にならないくらいに広範囲、そして、効果は絶大です。まとめると、全世界の『ユポリ』と『イブゲン』が束になっても勝てません。)
 だから世界を治すのも造作ではない、と?
(はい。)
((まぁ、そう言うことじゃ。あともうひとつここに来た理由がある。))
??
((お主じゃよ、アキレウス。なんでも今回の騒動はお主が起こしたらしいのう?じゃからどのような事があってこんなことになったのか説明してもらおうと思ってのう。))
 な、なるほど…
 じゃあまぁなんでこんなことになったかっていうと…
 そこからは洗いざらい全てをプロテアさんに話した。


((ふむ、なるほどのぅ。事情はわかった。じゃが、ワシにも神の力が発現せん理由は分からん。じゃが、大方察しはついた。))
 え?本当ですか?
((うむ、じゃがまぁ、、理由は後々教えよう。ともかく世界を治すのが先じゃ。))
「豊かな我らが世界よ、」
 いいのか?これで。俺が起こしたのに、他人に解決してもらってもいいのだろうか。

「この世界に」
 いや、でも世界を守るのが『キリエ』の役目だからいいのだろう。


不足しとることを全て…」
「待ってくれ!」
 あれ?声が出た。
 まぁいい、そんな事は後で気にしよう。
(アキラ、さん?)
「確かに『キリエ』であるアンタは世界を守り、治すのが役目かもしれない。だけど、今回こんなことになったのは俺の責任だ!だから、今回は俺がこの世界を、いや、人々を治す。」
((ほぅ?じゃがお主、力が使えないではないか?それでどうやって治すと言うんだ?))
「確かに今はそうだ!だけどどうにかする!」
((………ククク、ハッハッハッハッハ、面白い!ならばこの世界、救って見せろ、若き神よ。カベラ!))
(ひゃ、ひゃい!)
((わしはこの若造が気に入った!良い部下を持ったな!))
 え、俺カベラの部下だったの?
((若き神アキレウスよ、ワシから力が発動しない答えのヒントを教えてやろう。))
 なんだって。
((それはな、))
(;・ω・)ごくり
((x+(-x)=0ということじゃ。))
?????
((じゃあワシは帰るからな、頑張れよー。))
 あ、ちょ、
 そう言うとプロテアさんが写っていたホログラムは消えていた。
 ヒントという名の式だけを残して。
 だけど、今回いちばんびっくりしたのは…
 この世界にも座布団文化がある事だった。
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