35 / 35
35
しおりを挟む
マリアが拘束され学園から去った後…。
平和な日々だった。
剣と魔法はあれど普通の学園。
私たちはイベントを楽しみ、勉強に辟易し、青春を謳歌した。
マリアを依怙贔屓しがちだった先生も公平になり、マリアをチヤホヤしていた生徒たちは何事もなかったかのように過し、恋人を作る者もいた。
そうして卒業を迎え、翌月王太子シグルスと公爵令嬢リュシルファの結婚式は盛大に行われた。
微笑みを取り戻したシル様は女神かと思うほど綺麗で国民は未来の王妃の美しさを口々に讃えた。
まさに物語のハッピーエンドを絵に描いたような祝福の嵐は私の気持ちも幸せで満たしてくれる。
物語…そう、物語の中なのだ、ここは。
物語『セイント☆ストーリー』の本当に主人公だったマリア。
彼女は今、西の魔物が活溌な地域の教会に軟禁されているそうだ。
はじめは大きな教会でそれなりの待遇だったらしい。
が、教会関係の責任者を担当している第二王子キュレイ様にあれやこれややらかしたのだそうだ。(何やってんだか…)
しかし、さすが本家ヒロインだけあって聖属性の威力は抜群で滞在地域の魔物が落ち着くという…。
その為投獄せずにとりあえず魔物の厄介な地の教会に着く度そこで軟禁されることになったそうだ。
…なんだかなぁ。
彼女以外は本当に物語の世界らしく幸せな日々を過ごしている。
お兄様も婚約者が出来、仲睦まじく愛を育んでいる。
近々近衛騎士団長に就任するらしい。
バルム様は隣国の公女様を妻に迎え今や宰相候補であると同時に外交でも太いパイプを持つ人物と早くも一目置かれる存在だ。
そして私はシル様のお側に仕え、毎日楽しく充実した日々を過ごしている。
慈善事業に力を入れたいというシル様の希望もあって前世の福祉事業を思い出して提案し、2人で形にしたものを文官たちに持ち掛けるなど他の使用人とのパイプ役より正に補佐官のような仕事に変わりつつあるがやりがいを感じている。
リマジ子爵となったジグス様はシル様の執事もしつつ薬草を研究する機関でも役職に就き次々と新薬を開発した。
安価で比較的効き目の高い新薬はシル様の慈善事業で活かされ製法も広がりつつある。
そして私たちは来月結婚式を行う予定だ。
忙しくも充実し、楽しく、幸せを感じる日々。
ゲームのエンディングはどのルートも『幸せな日々は続く…どこまでも…』と流れていた。
だからきっと本当にこの幸せな日々は続いていくのだろう。
少なくともシグルス様が治める世である間は。
今、誰より幸せそうにシル様を見つめるシグルス様はシル様には若干甘いが時に厳しく、時に優しく、何より側近臣下の声をしっかり聞き公務をこなしている。
良い王になるだろうと誰もが安心し、期待している王太子様だ。
ゲームの筋書きをちょっと変えちゃったけど。
ゲームと全然違うヒロインだったけど。
終わり良ければ全て良しだよね!
結婚パレードを終えバルコニーで手を振るシル様とシグルス様。
正面だったスチルと違い後ろ姿で祝福出来ている今の私だけど『幸せな日々は続く…どこまでも…』が見えた気がした。
end
途中グダグダしたり更新まちまちになりましたが最後まで読んでくださりありがとうございます!
長編としてましたが文字数的には短編の範囲らしいので短編と変更しました。
とはいえ長々とありがとうございました!
平和な日々だった。
剣と魔法はあれど普通の学園。
私たちはイベントを楽しみ、勉強に辟易し、青春を謳歌した。
マリアを依怙贔屓しがちだった先生も公平になり、マリアをチヤホヤしていた生徒たちは何事もなかったかのように過し、恋人を作る者もいた。
そうして卒業を迎え、翌月王太子シグルスと公爵令嬢リュシルファの結婚式は盛大に行われた。
微笑みを取り戻したシル様は女神かと思うほど綺麗で国民は未来の王妃の美しさを口々に讃えた。
まさに物語のハッピーエンドを絵に描いたような祝福の嵐は私の気持ちも幸せで満たしてくれる。
物語…そう、物語の中なのだ、ここは。
物語『セイント☆ストーリー』の本当に主人公だったマリア。
彼女は今、西の魔物が活溌な地域の教会に軟禁されているそうだ。
はじめは大きな教会でそれなりの待遇だったらしい。
が、教会関係の責任者を担当している第二王子キュレイ様にあれやこれややらかしたのだそうだ。(何やってんだか…)
しかし、さすが本家ヒロインだけあって聖属性の威力は抜群で滞在地域の魔物が落ち着くという…。
その為投獄せずにとりあえず魔物の厄介な地の教会に着く度そこで軟禁されることになったそうだ。
…なんだかなぁ。
彼女以外は本当に物語の世界らしく幸せな日々を過ごしている。
お兄様も婚約者が出来、仲睦まじく愛を育んでいる。
近々近衛騎士団長に就任するらしい。
バルム様は隣国の公女様を妻に迎え今や宰相候補であると同時に外交でも太いパイプを持つ人物と早くも一目置かれる存在だ。
そして私はシル様のお側に仕え、毎日楽しく充実した日々を過ごしている。
慈善事業に力を入れたいというシル様の希望もあって前世の福祉事業を思い出して提案し、2人で形にしたものを文官たちに持ち掛けるなど他の使用人とのパイプ役より正に補佐官のような仕事に変わりつつあるがやりがいを感じている。
リマジ子爵となったジグス様はシル様の執事もしつつ薬草を研究する機関でも役職に就き次々と新薬を開発した。
安価で比較的効き目の高い新薬はシル様の慈善事業で活かされ製法も広がりつつある。
そして私たちは来月結婚式を行う予定だ。
忙しくも充実し、楽しく、幸せを感じる日々。
ゲームのエンディングはどのルートも『幸せな日々は続く…どこまでも…』と流れていた。
だからきっと本当にこの幸せな日々は続いていくのだろう。
少なくともシグルス様が治める世である間は。
今、誰より幸せそうにシル様を見つめるシグルス様はシル様には若干甘いが時に厳しく、時に優しく、何より側近臣下の声をしっかり聞き公務をこなしている。
良い王になるだろうと誰もが安心し、期待している王太子様だ。
ゲームの筋書きをちょっと変えちゃったけど。
ゲームと全然違うヒロインだったけど。
終わり良ければ全て良しだよね!
結婚パレードを終えバルコニーで手を振るシル様とシグルス様。
正面だったスチルと違い後ろ姿で祝福出来ている今の私だけど『幸せな日々は続く…どこまでも…』が見えた気がした。
end
途中グダグダしたり更新まちまちになりましたが最後まで読んでくださりありがとうございます!
長編としてましたが文字数的には短編の範囲らしいので短編と変更しました。
とはいえ長々とありがとうございました!
195
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
傍観している方が面白いのになぁ。
志位斗 茂家波
ファンタジー
「エデワール・ミッシャ令嬢!貴方にはさまざな罪があり、この場での婚約破棄と国外追放を言い渡す!」
とある夜会の中で引き起こされた婚約破棄。
その彼らの様子はまるで……
「茶番というか、喜劇ですね兄さま」
「うん、周囲が皆呆れたような目で見ているからな」
思わず漏らしたその感想は、周囲も一致しているようであった。
これは、そんな馬鹿馬鹿しい婚約破棄現場での、傍観者的な立場で見ていた者たちの語りである。
「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹でもあります。
悪役令嬢らしいのですが、務まらないので途中退場を望みます
水姫
ファンタジー
ある日突然、「悪役令嬢!」って言われたらどうしますか?
私は、逃げます!
えっ?途中退場はなし?
無理です!私には務まりません!
悪役令嬢と言われた少女は虚弱過ぎて途中退場をお望みのようです。
一話一話は短めにして、毎日投稿を目指します。お付き合い頂けると嬉しいです。
悪役令嬢に仕立て上げたいなら、ご注意を。
潮海璃月
ファンタジー
幼くして辺境伯の地位を継いだレナータは、女性であるがゆえに舐められがちであった。そんな折、社交場で伯爵令嬢にいわれのない罪を着せられてしまう。そんな彼女に隣国皇子カールハインツが手を差し伸べた──かと思いきや、ほとんど初対面で婚姻を申し込み、暇さえあれば口説き、しかもやたらレナータのことを知っている。怪しいほど親切なカールハインツと共に、レナータは事態の収拾方法を模索し、やがて伯爵一家への復讐を決意する。
悪役令嬢に転生したけど、破滅エンドは王子たちに押し付けました
タマ マコト
ファンタジー
27歳の社畜OL・藤咲真帆は、仕事でも恋でも“都合のいい人”として生きてきた。
ある夜、交通事故に遭った瞬間、心の底から叫んだーー「もう我慢なんてしたくない!」
目を覚ますと、乙女ゲームの“悪役令嬢レティシア”に転生していた。
破滅が約束された物語の中で、彼女は決意する。
今度こそ、泣くのは私じゃない。
破滅は“彼ら”に押し付けて、私の人生を取り戻してみせる。
乙女ゲームのヒロインに転生、科学を駆使して剣と魔法の世界を生きる
アミ100
ファンタジー
国立大学に通っていた理系大学生カナは、あることがきっかけで乙女ゲーム「Amour Tale(アムール テイル)」のヒロインとして転生する。
自由に生きようと決めたカナは、あえて本来のゲームのシナリオを無視し、実践的な魔法や剣が学べる魔術学院への入学を決意する。
魔術学院には、騎士団長の息子ジーク、王国の第2王子ラクア、クラスメイト唯一の女子マリー、剣術道場の息子アランなど、個性的な面々が在籍しており、楽しい日々を送っていた。
しかしそんな中、カナや友人たちの周りで不穏な事件が起こるようになる。
前世から持つ頭脳や科学の知識と、今世で手にした水属性・極闇傾向の魔法適性を駆使し、自身の過去と向き合うため、そして友人の未来を守るために奮闘する。
「今世では、自分の思うように生きよう。前世の二の舞にならないように。」
追放された悪役令嬢は、辺境の谷で魔法農業始めました~気づけば作物が育ちすぎ、国までできてしまったので、今更後悔されても知りません~
黒崎隼人
ファンタジー
公爵令嬢リーゼリット・フォン・アウグストは、婚約者であるエドワード王子と、彼に媚びるヒロイン・リリアーナの策略により、無実の罪で断罪される。「君を辺境の地『緑の谷』へ追放する!」――全てを失い、絶望の淵に立たされたリーゼリット。しかし、荒れ果てたその土地は、彼女に眠る真の力を目覚めさせる場所だった。
幼い頃から得意だった土と水の魔法を農業に応用し、無口で優しい猟師カイルや、谷の仲間たちと共に、荒れ地を豊かな楽園へと変えていく。やがて、その成功は私欲にまみれた王国を揺るがすほどの大きなうねりとなり……。
これは、絶望から立ち上がり、農業で成り上がり、やがては一国を築き上げるに至る、一人の令嬢の壮大な逆転物語。爽快なざまぁと、心温まるスローライフ、そして運命の恋の行方は――?
【完結】断罪された悪役令嬢は、本気で生きることにした
きゅちゃん
ファンタジー
帝国随一の名門、ロゼンクロイツ家の令嬢ベルティア・フォン・ロゼンクロイツは、突如として公の場で婚約者であるクレイン王太子から一方的に婚約破棄を宣告される。その理由は、彼女が平民出身の少女エリーゼをいじめていたという濡れ衣。真実はエリーゼこそが王太子の心を奪うために画策した罠だったにも関わらず、ベルティアは悪役令嬢として断罪され、社交界からの追放と学院退学の処分を受ける。
全てを失ったベルティアだが、彼女は諦めない。これまで家の期待に応えるため「完璧な令嬢」として生きてきた彼女だが、今度は自分自身のために生きると決意する。軍事貴族の嫡男ヴァルター・フォン・クリムゾンをはじめとする協力者たちと共に、彼女は自らの名誉回復と真実の解明に挑む。
その過程で、ベルティアは王太子の裏の顔や、エリーゼの正体、そして帝国に忍び寄る陰謀に気づいていく。かつては社交界のスキルだけを磨いてきた彼女だが、今度は魔法や剣術など実戦的な力も身につけながら、自らの道を切り開いていく。
失われた名誉、隠された真実、そして予期せぬ恋。断罪された「悪役令嬢」が、自分の物語を自らの手で紡いでいく、爽快復讐ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
最初から最後まで、とても面白かったです♩
電波な聖女役以外、登場人物が皆んな性格も良く、痛い場面もなくお話もスムーズで気持ちよく読めました。
主人公の前世話はちょっと悲しかったですが(前設定長いの苦手なので) 比較的サラッと済んだのはよかった。
楽しいひと時をありがとうございます。
お読み下さりありがとうございます!
最初から最後まで楽しんで頂けたなんて嬉しいです✨
読後感も良かったようで安心です。
こちらこそ嬉しい感想をありがとうございます。
励みになります。