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時間はあっという間に過ぎていく
19話
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「じゃあ食べようか」
初詣を終え、家に帰ってきた俺たちは、昼食を食べようとしている。
目の前には美味しそうに並べられたおせち料理がある。
これは小春が作ってくれた。
「うん。食べようか」
小春と向かい合って座り、おせち料理に手を付ける。
味が美味しいのは言わずとも分かる。
小春の手料理なんだから。
「どう? 美味しい?」
「美味しいに決まってるじゃん」
「良かった~」
小春は嬉しそうに手を胸の前で合わせる。
一人で暮らし始めてから初めて食べるおせち料理を彼女と食べることになるとは思ってもいなかったな。
「そういえば、小春はもう冬休み課題は終わったの?」
「まだ終わってないよ。だって沢山あるじゃん」
「そんなに沢山ないと思うけど」
「時間の割に多いと思うの!」
確かにそれは思ってしまう。
特に今年の冬休みは短く感じる。
それはまぎれもなく小春の存在だ。
去年の冬休みは俺一人で、特にやることも無く、退屈な日々だった。
だけど小春がやってきて毎日が楽しく、毎日が楽しみになった。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
改めてそれを身をもって体感した。
「確かに、それは言えてるかもね」
「でしょ? 朝起きたと思ったらいつの間にか夜になってるもん」
「そうだね。今日ももうお昼だし」
俺と小春は手を休めることなくおせちを食べ続ける。
二人だけということもあり、そこまでの量は作っていない。そのため直ぐにおせちを食べ終えてしまう。
「ご馳走様」
俺と小春は同時に手を合わせてそう言葉にした。
美味しい料理も、夢中になって食べてしまうのであっという間になくなってしまう。
「あ、良いよ。洗い物は俺がやるから」
小春は二重の重箱を手に取り、台所へ持っていこうとする。
「え? 良いよ。私がやるよ?」
「作ってくれたんだから洗うくらいのことはするよ」
「でも今日の洗い物は私の担当だよ?」
「良いの、良いの。今日はお正月なんだから、小春も休んでよ」
俺は無理やり小春から重箱を取り、台所に向かった。
「ありがとう。悠斗くん」
「うん。小春はソファーかどこかでくつろいどいてよ」
俺がそう言うと、小春は可愛らしくうなずいてソファーに座った。
そして、ぎゅっとクッションを抱きしめる。
この仕草がたまらなく可愛い。
「悠斗くん? どうかしたの?」
小春の事をずっと見ていると、小春は視線に気づいたのか、そう聞いてくる。
「あ、いや、なんでもないよ。少しぼーっとしていただけ」
「体調は悪くない?」
小春は抱きしめているクッションを置き、俺の元へ駆け寄ってくる。
「やっぱり私がやろうか?」
「大丈夫だよ。体調も悪くないし」
「そう?」
「うん。大丈夫だから、くつろいで」
正直に言えば、今日の朝から少し頭痛がしている。
そこまで頭痛が酷かったわけでは無かったので大丈夫だろうと、体温は計らなかったが、今は頭痛が少し酷くなってきた。
だけど小春を心配させるわけにはいかない。
だけど移すのも絶対に避けたい。
俺は直ぐに洗い物を終え、頭痛薬を飲む。
そして小春にはなるべく近づかないようにする。
「悠斗くん。来て、来て」
小春は手招きをして俺を呼ぶ。
「どうしたの?」
「見て、可愛いよ」
小春の視線は俺からテレビに変わった。
俺もテレビを見ていると、そこには有名なアイドルが子猫と戯れている映像が流れている。動物番組を見ていたらしい。
「猫、好きなの?」
「うん! にゃんちゃん大好き!」
小春は目を輝かせながらテレビに映る子猫を見つめる。
「じゃあ今度猫カフェ行こうか」
「え⁉ 行きたい! 絶対に行く!」
初詣を終え、家に帰ってきた俺たちは、昼食を食べようとしている。
目の前には美味しそうに並べられたおせち料理がある。
これは小春が作ってくれた。
「うん。食べようか」
小春と向かい合って座り、おせち料理に手を付ける。
味が美味しいのは言わずとも分かる。
小春の手料理なんだから。
「どう? 美味しい?」
「美味しいに決まってるじゃん」
「良かった~」
小春は嬉しそうに手を胸の前で合わせる。
一人で暮らし始めてから初めて食べるおせち料理を彼女と食べることになるとは思ってもいなかったな。
「そういえば、小春はもう冬休み課題は終わったの?」
「まだ終わってないよ。だって沢山あるじゃん」
「そんなに沢山ないと思うけど」
「時間の割に多いと思うの!」
確かにそれは思ってしまう。
特に今年の冬休みは短く感じる。
それはまぎれもなく小春の存在だ。
去年の冬休みは俺一人で、特にやることも無く、退屈な日々だった。
だけど小春がやってきて毎日が楽しく、毎日が楽しみになった。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
改めてそれを身をもって体感した。
「確かに、それは言えてるかもね」
「でしょ? 朝起きたと思ったらいつの間にか夜になってるもん」
「そうだね。今日ももうお昼だし」
俺と小春は手を休めることなくおせちを食べ続ける。
二人だけということもあり、そこまでの量は作っていない。そのため直ぐにおせちを食べ終えてしまう。
「ご馳走様」
俺と小春は同時に手を合わせてそう言葉にした。
美味しい料理も、夢中になって食べてしまうのであっという間になくなってしまう。
「あ、良いよ。洗い物は俺がやるから」
小春は二重の重箱を手に取り、台所へ持っていこうとする。
「え? 良いよ。私がやるよ?」
「作ってくれたんだから洗うくらいのことはするよ」
「でも今日の洗い物は私の担当だよ?」
「良いの、良いの。今日はお正月なんだから、小春も休んでよ」
俺は無理やり小春から重箱を取り、台所に向かった。
「ありがとう。悠斗くん」
「うん。小春はソファーかどこかでくつろいどいてよ」
俺がそう言うと、小春は可愛らしくうなずいてソファーに座った。
そして、ぎゅっとクッションを抱きしめる。
この仕草がたまらなく可愛い。
「悠斗くん? どうかしたの?」
小春の事をずっと見ていると、小春は視線に気づいたのか、そう聞いてくる。
「あ、いや、なんでもないよ。少しぼーっとしていただけ」
「体調は悪くない?」
小春は抱きしめているクッションを置き、俺の元へ駆け寄ってくる。
「やっぱり私がやろうか?」
「大丈夫だよ。体調も悪くないし」
「そう?」
「うん。大丈夫だから、くつろいで」
正直に言えば、今日の朝から少し頭痛がしている。
そこまで頭痛が酷かったわけでは無かったので大丈夫だろうと、体温は計らなかったが、今は頭痛が少し酷くなってきた。
だけど小春を心配させるわけにはいかない。
だけど移すのも絶対に避けたい。
俺は直ぐに洗い物を終え、頭痛薬を飲む。
そして小春にはなるべく近づかないようにする。
「悠斗くん。来て、来て」
小春は手招きをして俺を呼ぶ。
「どうしたの?」
「見て、可愛いよ」
小春の視線は俺からテレビに変わった。
俺もテレビを見ていると、そこには有名なアイドルが子猫と戯れている映像が流れている。動物番組を見ていたらしい。
「猫、好きなの?」
「うん! にゃんちゃん大好き!」
小春は目を輝かせながらテレビに映る子猫を見つめる。
「じゃあ今度猫カフェ行こうか」
「え⁉ 行きたい! 絶対に行く!」
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