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お互いの我儘
29話
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「は? お前頭でも打ったのか? 病院行くか? 良いところ紹介するぞ?」
放課後、俺は篠原に小春と付き合っていることを言った。その結果、案の定信じてはくれなかった。
篠原は、まだ俺の隣の席に座っている小春に目線をやる。
「行かねぇし頭も打ってない」
「ああ、頭を打って頭を打ったことの事を忘れたんだろ?」
「いや、だから本当なんだって」
「じゃあ証明しろよ。丁度一之瀬さんも居るんだし」
「分かったよ」
そう言って俺は小春に話しかける。
「小春、ちょっといい?」
小春は、まさか話しかけられると思っていなかったのか、少しビクッとした。
「な、なにかな?」
「篠原にあの事言ったら証明しろって言われて」
「証明? 私、どうすればいいの?」
「とりあえず小春からも篠原に俺たちの事言ってみてくれる?」
小春は小さく頷いた。
「篠原くん、本当に私、悠斗くんと付き合ってるんだ」
「一之瀬さん。お金とかもらってもそんなこと言っちゃダメだよ」
「お金なんて渡してねぇよ」
「じゃなきゃ一之瀬さんがお前と付き合ってるなんて言うわけないだろ」
「ほ、本当だよ? 信じてくれないの?」
小春は篠原に上目遣いで尋ねる。
「そ、そりゃ一之瀬さんと悠斗が付き合ってるって言われても信じられねぇよ」
「あ、クリスマスイヴの日に篠原くんと奈那子先輩に会った時、本当は篠原くん達みたいに私も悠斗くんとクリスマスデートしてたんだ」
篠原には前からその日は用事があると言っていたため、少しは篠原も信じてくれただろう。でも、完全に信じてくれたわけでは無い。
「ま、マジで言ってるの?」
俺は自慢げに頷く。
「じゃ、じゃああの日、一之瀬さんはどんな服装をしていたんだ?」
その質問は、あの日小春に会っていなければ分からない質問だ。
あの日の小春の姿は絶対に忘れない、忘れられない。
「黒色のニットセットアップに大人っぽいチェックロングコートだったよ」
俺の答えを聞いた篠原の表情は驚きを隠せていなかった。
篠原は俺を見た後に小春を見た。
小春は小さく頷く。
「マジで言ってるの?」
「だからさっきからそう言ってるだろ」
「じゃ、じゃあ何で俺に言わなかったんだよ」
「言っても信じてくれないだろうし、小春と話し合って内緒にすることにしてたんだよ」
「でも今俺にその事言ってるじゃないか」
「昼に小春に篠原には言わないかって言われたんだよ。お前、奈那子先輩と付き合ってるし、ダブルデートもできるからって」
「ほ、本当に付き合ってるんだな?」
篠原はもう一度、俺と小春に向けて聞いてきた。
俺は一度小春を見て、頷いた。
「本当なんだな」
篠原はようやく信じてくれたようだ。
すると篠原は俺の肩に手を置いた。
やはり隠していたことに怒っているのか?
「よ、良かったな! おめでとう!」
「え、え?」
篠原から言われた言葉は、怒りの言葉でも、疑いの言葉でもなく。祝福の言葉だった。
教室には既に人が居なかったため、このことは誰にも聞こえていない。
「いや、だって親友にこんな可愛い彼女ができたのにおめでとうって言わない方がおかしいだろ。一之瀬さん、こいつの事お願いね。こいつめちゃくちゃ優しいから」
「し、知ってるよ。悠斗くんが優しい事」
「ちょっと篠原。そういうの良いから」
俺は肩に置かれた手を掴み、下ろした。
「それより、またいつか休みの日にダブルデートしような! 奈那子ちゃんには俺が言っておくからさ」
「良いの⁉」
小春はダブルデートの誘いに目を輝かせる。
「ああ、勿論!」
篠原は親指を立てて言った。
「でもまさかお前にこんな可愛い彼女が居たとはな、お前にはもったいないぞ」
「それは知ってる」
俺自身もそれは物凄く思っている。
本当に俺なんかで良いのかと、毎日思ってしまうほど、小春は可愛い。
でも、小春を失いたくない。だから、俺が小春に見合うような男になればいいんだ。
「あ、そう言えば俺、奈那子ちゃんと帰る約束してるんだった! じゃあな、また明日!」
そう言って篠原は急いで教室を後にした。
「よ、良かったね。信じてくれて」
「ああ、小春が居てくれて助かったよ」
「じゃ、じゃあ私達も帰ろっか」
「ああ」
篠原に続いて、俺と小春も教室を後にする。
放課後、俺は篠原に小春と付き合っていることを言った。その結果、案の定信じてはくれなかった。
篠原は、まだ俺の隣の席に座っている小春に目線をやる。
「行かねぇし頭も打ってない」
「ああ、頭を打って頭を打ったことの事を忘れたんだろ?」
「いや、だから本当なんだって」
「じゃあ証明しろよ。丁度一之瀬さんも居るんだし」
「分かったよ」
そう言って俺は小春に話しかける。
「小春、ちょっといい?」
小春は、まさか話しかけられると思っていなかったのか、少しビクッとした。
「な、なにかな?」
「篠原にあの事言ったら証明しろって言われて」
「証明? 私、どうすればいいの?」
「とりあえず小春からも篠原に俺たちの事言ってみてくれる?」
小春は小さく頷いた。
「篠原くん、本当に私、悠斗くんと付き合ってるんだ」
「一之瀬さん。お金とかもらってもそんなこと言っちゃダメだよ」
「お金なんて渡してねぇよ」
「じゃなきゃ一之瀬さんがお前と付き合ってるなんて言うわけないだろ」
「ほ、本当だよ? 信じてくれないの?」
小春は篠原に上目遣いで尋ねる。
「そ、そりゃ一之瀬さんと悠斗が付き合ってるって言われても信じられねぇよ」
「あ、クリスマスイヴの日に篠原くんと奈那子先輩に会った時、本当は篠原くん達みたいに私も悠斗くんとクリスマスデートしてたんだ」
篠原には前からその日は用事があると言っていたため、少しは篠原も信じてくれただろう。でも、完全に信じてくれたわけでは無い。
「ま、マジで言ってるの?」
俺は自慢げに頷く。
「じゃ、じゃああの日、一之瀬さんはどんな服装をしていたんだ?」
その質問は、あの日小春に会っていなければ分からない質問だ。
あの日の小春の姿は絶対に忘れない、忘れられない。
「黒色のニットセットアップに大人っぽいチェックロングコートだったよ」
俺の答えを聞いた篠原の表情は驚きを隠せていなかった。
篠原は俺を見た後に小春を見た。
小春は小さく頷く。
「マジで言ってるの?」
「だからさっきからそう言ってるだろ」
「じゃ、じゃあ何で俺に言わなかったんだよ」
「言っても信じてくれないだろうし、小春と話し合って内緒にすることにしてたんだよ」
「でも今俺にその事言ってるじゃないか」
「昼に小春に篠原には言わないかって言われたんだよ。お前、奈那子先輩と付き合ってるし、ダブルデートもできるからって」
「ほ、本当に付き合ってるんだな?」
篠原はもう一度、俺と小春に向けて聞いてきた。
俺は一度小春を見て、頷いた。
「本当なんだな」
篠原はようやく信じてくれたようだ。
すると篠原は俺の肩に手を置いた。
やはり隠していたことに怒っているのか?
「よ、良かったな! おめでとう!」
「え、え?」
篠原から言われた言葉は、怒りの言葉でも、疑いの言葉でもなく。祝福の言葉だった。
教室には既に人が居なかったため、このことは誰にも聞こえていない。
「いや、だって親友にこんな可愛い彼女ができたのにおめでとうって言わない方がおかしいだろ。一之瀬さん、こいつの事お願いね。こいつめちゃくちゃ優しいから」
「し、知ってるよ。悠斗くんが優しい事」
「ちょっと篠原。そういうの良いから」
俺は肩に置かれた手を掴み、下ろした。
「それより、またいつか休みの日にダブルデートしような! 奈那子ちゃんには俺が言っておくからさ」
「良いの⁉」
小春はダブルデートの誘いに目を輝かせる。
「ああ、勿論!」
篠原は親指を立てて言った。
「でもまさかお前にこんな可愛い彼女が居たとはな、お前にはもったいないぞ」
「それは知ってる」
俺自身もそれは物凄く思っている。
本当に俺なんかで良いのかと、毎日思ってしまうほど、小春は可愛い。
でも、小春を失いたくない。だから、俺が小春に見合うような男になればいいんだ。
「あ、そう言えば俺、奈那子ちゃんと帰る約束してるんだった! じゃあな、また明日!」
そう言って篠原は急いで教室を後にした。
「よ、良かったね。信じてくれて」
「ああ、小春が居てくれて助かったよ」
「じゃ、じゃあ私達も帰ろっか」
「ああ」
篠原に続いて、俺と小春も教室を後にする。
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