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第一部 第三王子の花嫁探し
17 第三王子の告白
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「出会った人間の色は全て確認するのか?」
ユーハンはアニエスに視線を戻し問いかける。俯いていたアニエスは慌てて視線を戻し答える。
「いえ、その、母になるべく力は使わないよう言われていたのですが…以前父が商談で騙された事がありまして…それ以来、父の商談の席や…その…興味を持った方は視させて頂いてます…」
アニエスの言葉にユーハンの眉がピクリと上がる。
「では、見習い騎士に[興味を持った]と?それとも騎士全員?」
「いえっ、あのっ、ラーシュ様だけです。あっ、見習い騎士の方の方です。」
「………」
アニエスは[ラーシュ]が特別だとユーハンに告げるが、同じ名前の第三王子のラーシュに第三王子の事ではないと釈明する。そんなアニエスをラーシュは何とも複雑な表情で見ていた。
「では、何故その見習いを視た?」
「はい、その、お見受けした際に不自然な程にお顔が認識出来なくて…その…賊の類が紛れ込んでいるのかと思い…拝見しました…」
「「あー」」
アニエスの言葉に一同が納得したように相槌を打つ。防衛意識の高いアニエスはアンデルソン公爵邸に何かしらの特殊な訓練を受けた賊の類が紛れ込んだと勘違いしたようだ。つまり、令嬢達の興味を失くす為に用いた幻覚魔薬が逆にアニエスの興味を引いてしまったということになる。
「はっ、流石はサラだな」
ユーハンがポツリと呟くと部屋に居た全員の視線がサラに向けられた。サラは自分の思わぬ失態に恥ずかしそうに俯くが、ユーハンの瞳は尊い愛しい人に向ける優しい眼差しだった。
※※※
「では、私も視てもらえるか?」
ラーシュが意を決したようにアニエスに伝える。
ラーシュの言葉にアニエスは長椅子に腰掛けている第三王子を見る。実はアニエスは社交嫌いで令嬢嫌いといわれている第三王子が何故この部屋に居るのか先程から不思議でならなかった。
しかも噂で耳にした様な令嬢を嫌悪し、冷淡な対応をする様にも見えない。寧ろ熱を持った瞳で見られているようにさえ思える。
「はい、では僭越ながら——」
王族に頼まれて断る事など出来ない。アニエスは瞳を閉じて意識をラーシュに集中させる——
「えっ?」
そして驚いたように瞳を開き、ラーシュを見つめる。混じりのない金色に輝く気高きオーラを見たのは生まれてこの方まだ一度だけしかない。
「——アニエス、私だ」
「…えっ……ラーシュ様?」
「あぁ、私がラーシュだ」
「えっ?えっ?どう言う——きゃっ」
理解が追いつかないアニエスを他所にラーシュがアニエスの腕を引き寄せ、抱きしめる。
「おいおい」
ユーハンは呆れた様に声を出した。
「黙っていてすまない。あの見習いは私だ。幻覚魔薬で正体がバレない様にしていたんだ。」
「えっ?えっ?何の為に?」
「何の為……ふっ、——サラですね?」
「サラ王太子妃殿下が?」
ラーシュがサラの思惑に気付いた様に視線を向ける。アニエスもつられてサラに視線を向ける。
「えぇ」
サラは自分の思惑がラーシュに気付かれ何とも居心地の悪い思いになったが、ユーハンが気にも留めないようにラーシュに伝える。
「はっ、結果的に成功だな」
「不本意ですが、その様ですね」
「ラーシュ、騙してごめんなさい」
「良いんです。ユーハンの言う通り、サラのお陰で生涯の伴侶を得られたんですから」
「はっ、伴侶っ!?」
アニエスの驚きの声に今度はラーシュが驚く。
「私と一緒になる気ではないのか?!」
「…なりたかった…なりたい…です…けど…だって…」
「では、リンデロード辺境伯爵が反対すると?」
「いっ、いえっ、その様なっ!父も武勇に優れたラーシュ殿下で有れば手離しで喜ぶかと…でも…ラーシュ様は第三王子殿下なのですよね?」
「王子ではダメだと?」
「………私は…リンデロード領を離れるわけには…」
アニエスはそう呟くとラーシュからそっと離れる。
(やはり、そうなるわよね)
サラの懸念が当たった。
部屋は淡いピンク色の雰囲気から何とも重苦しい空気に変わる——
しかし、ラーシュはサラとアニエスの心配事を意に介さない様子でユーハンの方を向ききっぱりと告げる。
「私は今までも騎士以外の公務に積極的に関わる事はして来ませんでした。」
「あぁ、」
「リンデロード領に行きたいと思います。」
「王族の任を放棄すると?」
「そんなっ!」
ユーハンとラーシュのやり取りにサラは血の気が引くのが分かった。
第三王子であるラーシュが王族の権利を放棄して、リンデロード辺境伯爵家に婿入りすると言っているのだ。
「なっ、なりませんっ、その様な事をラーシュ殿下にさせる訳には行きませんっ!」
アニエスもサラと同様、ラーシュの選択には反対のようだ。
「私はあの時、責任をとると言った筈だ。」
ラーシュはアニエスに視線を向けそう告げると、重い声で続ける。
「それともアニエスは私が居なくても問題ないと?私ではない者と添い遂げるとでも言うのか?」
ラーシュの声色が低く、重いものに変わる。透明度の高いブルーサファイアの様な瞳が冷たい輝きでアニエスを見据える。
「いっ、いえっ、…その様な事は…出来そうに有りませんが…」
アニエスの言葉に一瞬でラーシュの瞳に温度が宿る。
「ならば問題ない。ユーハン、そう言う事でお願いします。」
淡々とユーハンにそう告げるが、サラは気が遠くなる思いでいた。
直系の王族、しかも王位継承権三位の第三王子が王都から離れた辺境領に居を構えた前例はない。国王陛下夫妻はどう思うだろうか?サラは心配そうにユーハンの様子を伺う。
しかしユーハンは全く問題ないと言うように二人に伝える。
「お前の気持ちは分かった。だが、王族の任を放棄する事は許可できない。」
「ユーハンっ!」
ラーシュの憤る声を手で制止し、ユーハンは言葉を続ける。
「一先ず海域にあるリンデロード領の護衛強化として、二年間騎士隊の派遣を行う。」
「は?…はい。リンデロード領への護衛騎士隊の派遣、誠に有難うございます。」
アニエスは思わぬ領地への騎士隊派遣の話しに戸惑う。
「ラーシュ、お前にはリンデロード領護衛騎士隊長の任を与える。其処で領地内の騎士を育成してくれ。いいな。」
「はい」
「二年も有れば充分だろう?」
そう言ってラーシュに得意気に笑いかける。ラーシュは輝くような笑顔でユーハンを見て元気よく答える。
「はいっ!」
状況が掴めなかったサラだが、漸く合点が言ったとばかりに第一王太子殿下である自慢の夫を見つめる。
「あの…それで、その…どう言う事でしょうか?二年間はラーシュ殿下のお側に居られることは分かりましたが…」
「アニエスっ!私達は二年後に婚姻を結ぶ事が出来る!」
「えっ!?」
二年後にはユーハンがオビュルタン王国の王となる。次期王が第三王子のリンデロード領へ居住を移すことを容認し、二人の婚姻を約束してくれたのだ。ユーハンが王位を継ぐ迄の二年間も二人が離れ離れにならない様にと、リンデロード領護衛騎士隊長としてラーシュを叙任したという訳だった。
(この二人に幸多く在らんことを)
サラは喜び合う二人を見つめながら祈る。そしてサラとユーハンは温かい眼差しで二人を見つめながら、どちらともなく手を握り合った。
ユーハンはアニエスに視線を戻し問いかける。俯いていたアニエスは慌てて視線を戻し答える。
「いえ、その、母になるべく力は使わないよう言われていたのですが…以前父が商談で騙された事がありまして…それ以来、父の商談の席や…その…興味を持った方は視させて頂いてます…」
アニエスの言葉にユーハンの眉がピクリと上がる。
「では、見習い騎士に[興味を持った]と?それとも騎士全員?」
「いえっ、あのっ、ラーシュ様だけです。あっ、見習い騎士の方の方です。」
「………」
アニエスは[ラーシュ]が特別だとユーハンに告げるが、同じ名前の第三王子のラーシュに第三王子の事ではないと釈明する。そんなアニエスをラーシュは何とも複雑な表情で見ていた。
「では、何故その見習いを視た?」
「はい、その、お見受けした際に不自然な程にお顔が認識出来なくて…その…賊の類が紛れ込んでいるのかと思い…拝見しました…」
「「あー」」
アニエスの言葉に一同が納得したように相槌を打つ。防衛意識の高いアニエスはアンデルソン公爵邸に何かしらの特殊な訓練を受けた賊の類が紛れ込んだと勘違いしたようだ。つまり、令嬢達の興味を失くす為に用いた幻覚魔薬が逆にアニエスの興味を引いてしまったということになる。
「はっ、流石はサラだな」
ユーハンがポツリと呟くと部屋に居た全員の視線がサラに向けられた。サラは自分の思わぬ失態に恥ずかしそうに俯くが、ユーハンの瞳は尊い愛しい人に向ける優しい眼差しだった。
※※※
「では、私も視てもらえるか?」
ラーシュが意を決したようにアニエスに伝える。
ラーシュの言葉にアニエスは長椅子に腰掛けている第三王子を見る。実はアニエスは社交嫌いで令嬢嫌いといわれている第三王子が何故この部屋に居るのか先程から不思議でならなかった。
しかも噂で耳にした様な令嬢を嫌悪し、冷淡な対応をする様にも見えない。寧ろ熱を持った瞳で見られているようにさえ思える。
「はい、では僭越ながら——」
王族に頼まれて断る事など出来ない。アニエスは瞳を閉じて意識をラーシュに集中させる——
「えっ?」
そして驚いたように瞳を開き、ラーシュを見つめる。混じりのない金色に輝く気高きオーラを見たのは生まれてこの方まだ一度だけしかない。
「——アニエス、私だ」
「…えっ……ラーシュ様?」
「あぁ、私がラーシュだ」
「えっ?えっ?どう言う——きゃっ」
理解が追いつかないアニエスを他所にラーシュがアニエスの腕を引き寄せ、抱きしめる。
「おいおい」
ユーハンは呆れた様に声を出した。
「黙っていてすまない。あの見習いは私だ。幻覚魔薬で正体がバレない様にしていたんだ。」
「えっ?えっ?何の為に?」
「何の為……ふっ、——サラですね?」
「サラ王太子妃殿下が?」
ラーシュがサラの思惑に気付いた様に視線を向ける。アニエスもつられてサラに視線を向ける。
「えぇ」
サラは自分の思惑がラーシュに気付かれ何とも居心地の悪い思いになったが、ユーハンが気にも留めないようにラーシュに伝える。
「はっ、結果的に成功だな」
「不本意ですが、その様ですね」
「ラーシュ、騙してごめんなさい」
「良いんです。ユーハンの言う通り、サラのお陰で生涯の伴侶を得られたんですから」
「はっ、伴侶っ!?」
アニエスの驚きの声に今度はラーシュが驚く。
「私と一緒になる気ではないのか?!」
「…なりたかった…なりたい…です…けど…だって…」
「では、リンデロード辺境伯爵が反対すると?」
「いっ、いえっ、その様なっ!父も武勇に優れたラーシュ殿下で有れば手離しで喜ぶかと…でも…ラーシュ様は第三王子殿下なのですよね?」
「王子ではダメだと?」
「………私は…リンデロード領を離れるわけには…」
アニエスはそう呟くとラーシュからそっと離れる。
(やはり、そうなるわよね)
サラの懸念が当たった。
部屋は淡いピンク色の雰囲気から何とも重苦しい空気に変わる——
しかし、ラーシュはサラとアニエスの心配事を意に介さない様子でユーハンの方を向ききっぱりと告げる。
「私は今までも騎士以外の公務に積極的に関わる事はして来ませんでした。」
「あぁ、」
「リンデロード領に行きたいと思います。」
「王族の任を放棄すると?」
「そんなっ!」
ユーハンとラーシュのやり取りにサラは血の気が引くのが分かった。
第三王子であるラーシュが王族の権利を放棄して、リンデロード辺境伯爵家に婿入りすると言っているのだ。
「なっ、なりませんっ、その様な事をラーシュ殿下にさせる訳には行きませんっ!」
アニエスもサラと同様、ラーシュの選択には反対のようだ。
「私はあの時、責任をとると言った筈だ。」
ラーシュはアニエスに視線を向けそう告げると、重い声で続ける。
「それともアニエスは私が居なくても問題ないと?私ではない者と添い遂げるとでも言うのか?」
ラーシュの声色が低く、重いものに変わる。透明度の高いブルーサファイアの様な瞳が冷たい輝きでアニエスを見据える。
「いっ、いえっ、…その様な事は…出来そうに有りませんが…」
アニエスの言葉に一瞬でラーシュの瞳に温度が宿る。
「ならば問題ない。ユーハン、そう言う事でお願いします。」
淡々とユーハンにそう告げるが、サラは気が遠くなる思いでいた。
直系の王族、しかも王位継承権三位の第三王子が王都から離れた辺境領に居を構えた前例はない。国王陛下夫妻はどう思うだろうか?サラは心配そうにユーハンの様子を伺う。
しかしユーハンは全く問題ないと言うように二人に伝える。
「お前の気持ちは分かった。だが、王族の任を放棄する事は許可できない。」
「ユーハンっ!」
ラーシュの憤る声を手で制止し、ユーハンは言葉を続ける。
「一先ず海域にあるリンデロード領の護衛強化として、二年間騎士隊の派遣を行う。」
「は?…はい。リンデロード領への護衛騎士隊の派遣、誠に有難うございます。」
アニエスは思わぬ領地への騎士隊派遣の話しに戸惑う。
「ラーシュ、お前にはリンデロード領護衛騎士隊長の任を与える。其処で領地内の騎士を育成してくれ。いいな。」
「はい」
「二年も有れば充分だろう?」
そう言ってラーシュに得意気に笑いかける。ラーシュは輝くような笑顔でユーハンを見て元気よく答える。
「はいっ!」
状況が掴めなかったサラだが、漸く合点が言ったとばかりに第一王太子殿下である自慢の夫を見つめる。
「あの…それで、その…どう言う事でしょうか?二年間はラーシュ殿下のお側に居られることは分かりましたが…」
「アニエスっ!私達は二年後に婚姻を結ぶ事が出来る!」
「えっ!?」
二年後にはユーハンがオビュルタン王国の王となる。次期王が第三王子のリンデロード領へ居住を移すことを容認し、二人の婚姻を約束してくれたのだ。ユーハンが王位を継ぐ迄の二年間も二人が離れ離れにならない様にと、リンデロード領護衛騎士隊長としてラーシュを叙任したという訳だった。
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