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番外編 剣士様の筆おろし
2
「ハハハ! 童貞が恋人呼ばわりするんじゃねぇ。ヤリてぇなら娼婦にいろいろ教わってきな、この堅物童貞剣士、だとよ」
「いやいや! そんなことは言ってない!」
指を指して笑うアーロンを俺は慌てて制した。
ドゥーガルドはギロリとアーロンを睨んだが、怒りを鎮めるように息を深く吐くと「……分かった」とぼそりと呟いた。
「……確かに俺はそういうことに関して知識も経験もない。ソウシをよろこばせるには勉強が必要だ」
俺をよろこばせるというのは余計だが、行く気になってくれたならそれでいい。
「まぁ、何事も経験が大事だからな。それじゃあよい夜をお過ごしくださいませ~」
ヒラヒラと手を振って一足先に宿へ向かう俺の腕を突如ドゥーガルドが掴んだ。
振り返るとドゥーガルドがじっと俺を見ていた。
「え? な、なに?」
「……もし俺が勉強してきたらソウシは俺と一緒に夜を過ごしてくれるか?」
純粋なまでの眼差しに良心が疼いたけれど、ドゥーガルドを娼館に向かわせることが第一だ。
「そ、そうだな。その時は考えるよ」と前向きな返答をすると、ドゥーガルドの表情がパァァと明るくなった。
「……分かった、頑張る」
「あ、うん、がんばれ」
よく分からない決意表明をするドゥーガルドに思わず励ましの言葉を掛けてしまったが、果たして俺の作戦の第一段階は上手くいったのだった。
コミュ障傾向にある俺が娼館の館長と交渉してまでアーロンたちを娼館に行かせたのは、静かで安全な夜を過ごしたかったからだけではない。
奴らの俺に対する性的な執着を絶つためだ。
名付けて「やっぱり女の子の体がいいよね!」大作戦だ。
ネーミングセンスはまぁ横に置いといて、わりと本気の作戦だ。
以前、男は女性がいない環境でも死の危機感を覚えると男相手でも欲情するという話を聞いたことがある。
これは魔物と戦い、いつも死と隣り合わせであるアーロンたちにも言えるのではないだろうか。
まぁ、アーロンの俺に対する執着は珍しい性的な玩具に対するものとそう変わりないだろうが。
アーロンはともかく、ドゥーガルドは女性がいない環境である上に、図らずも初めて性的な触れ合いをしたのが俺だったからきっと勘違いしてしまったのだ。
そこで考えたのがこの作戦だ。
俺に対する盲目的な執着から目を覚まさせるには、ハッとするほど柔らかい女の子のオッパイしかない!
いや、正直俺も童貞だから触ることはおろか生で見たこともないけれど、きっとそれは童貞を正しい道に導いてくれるに違いない。
「あぁ、いいなぁ。俺もおっぱい触りたい……」
こんなことなら俺も娼館の券をもらっておけばよかった……、いや、でもやっぱり最初は好きな子とがいいよなぁ……、そういえばこの宿屋の娘さん、ミシェットさん、可愛かったなぁ、清楚な感じで笑顔が可愛くて……ーー。
そんなことを考えていたら、いつの間にかベッドの柔らかさに沈むように眠りに落ちていった。
「いやいや! そんなことは言ってない!」
指を指して笑うアーロンを俺は慌てて制した。
ドゥーガルドはギロリとアーロンを睨んだが、怒りを鎮めるように息を深く吐くと「……分かった」とぼそりと呟いた。
「……確かに俺はそういうことに関して知識も経験もない。ソウシをよろこばせるには勉強が必要だ」
俺をよろこばせるというのは余計だが、行く気になってくれたならそれでいい。
「まぁ、何事も経験が大事だからな。それじゃあよい夜をお過ごしくださいませ~」
ヒラヒラと手を振って一足先に宿へ向かう俺の腕を突如ドゥーガルドが掴んだ。
振り返るとドゥーガルドがじっと俺を見ていた。
「え? な、なに?」
「……もし俺が勉強してきたらソウシは俺と一緒に夜を過ごしてくれるか?」
純粋なまでの眼差しに良心が疼いたけれど、ドゥーガルドを娼館に向かわせることが第一だ。
「そ、そうだな。その時は考えるよ」と前向きな返答をすると、ドゥーガルドの表情がパァァと明るくなった。
「……分かった、頑張る」
「あ、うん、がんばれ」
よく分からない決意表明をするドゥーガルドに思わず励ましの言葉を掛けてしまったが、果たして俺の作戦の第一段階は上手くいったのだった。
コミュ障傾向にある俺が娼館の館長と交渉してまでアーロンたちを娼館に行かせたのは、静かで安全な夜を過ごしたかったからだけではない。
奴らの俺に対する性的な執着を絶つためだ。
名付けて「やっぱり女の子の体がいいよね!」大作戦だ。
ネーミングセンスはまぁ横に置いといて、わりと本気の作戦だ。
以前、男は女性がいない環境でも死の危機感を覚えると男相手でも欲情するという話を聞いたことがある。
これは魔物と戦い、いつも死と隣り合わせであるアーロンたちにも言えるのではないだろうか。
まぁ、アーロンの俺に対する執着は珍しい性的な玩具に対するものとそう変わりないだろうが。
アーロンはともかく、ドゥーガルドは女性がいない環境である上に、図らずも初めて性的な触れ合いをしたのが俺だったからきっと勘違いしてしまったのだ。
そこで考えたのがこの作戦だ。
俺に対する盲目的な執着から目を覚まさせるには、ハッとするほど柔らかい女の子のオッパイしかない!
いや、正直俺も童貞だから触ることはおろか生で見たこともないけれど、きっとそれは童貞を正しい道に導いてくれるに違いない。
「あぁ、いいなぁ。俺もおっぱい触りたい……」
こんなことなら俺も娼館の券をもらっておけばよかった……、いや、でもやっぱり最初は好きな子とがいいよなぁ……、そういえばこの宿屋の娘さん、ミシェットさん、可愛かったなぁ、清楚な感じで笑顔が可愛くて……ーー。
そんなことを考えていたら、いつの間にかベッドの柔らかさに沈むように眠りに落ちていった。
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