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第3章 異世界で溺愛剣士の婚約者!?
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まさにああ言えばこう言う状態だ。
どんなに勘違いを正そうと言葉を尽くしても、さらに勘違いを拗らせるばかりで徒労感ばかりが増す。
「お前ら一旦落ち着け! 十秒でいいから、妄想から目を覚まして現実をちゃんと見てくれ! 頼むから!」
「そうだ、ちゃんと現実を見ろ」
「……それはこっちの台詞だ」
「お前らって言ってんだろ! 何でこんなにも言葉が通じねぇんだよ! 誰かー! 国語の先生はいらっしゃいませんかー!」
こいつらに一から言葉を教えてあげてくれ!
もう俺一人では手に負えない、と助けを求めて叫ぶと、ゴン、と拳骨が頭に落とされた。
「あだっ!」
「うるせぇ、ギャアギャア騒ぐな! 変な目で見られてんだろうが!」
アーロンに言われて辺りを見回すと、確かに行き交う人々が怪訝そうにこちらを見ている。
うわぁ。恥ずかしい……!
我に帰った俺は顔を赤くして肩を窄めた。
「ソウシに暴力を振るうとは何事だ!」
「……お前、覚悟はできているんだろうな」
クロとドゥーガルドが殺気立ってアーロンを睨む。
いや! 拳骨を喰らったのはお前らのせいだからな!
「というかなんで俺だけ拳骨されないといけないんだよ!」
「テメェが一番うるさかったからだ。あと事の元凶は全てお前だろ」
「はぁ!? なんで俺のせい!?」
うるさかったのは認める。
でもどう考えても、ことの元凶はふざけた妄想に取り憑かれたこの二人だろ!
憤然と抗議する俺に、アーロンのこめかみにピキリと青筋が立つ。
「あァ? どう考えてもお前のせいだろうが。いつまでもキッパリ拒まねぇから、こいつらにつけ込まれるんだろ」
「いや、俺わりとはっきりノーって言ってるけど!」
それはもう、ノーと言えない日本人とは思えないほどにはっきりと。
けれどどんなにはっきりノーと言っても原形を留めないほどに曲解されるのだ。絶対に俺は悪くない。
悪いのは都合のいい解釈をして妄想を暴走させるドゥーガルドとクロであって、俺が責められるいわれはない。
それなのになんで俺のせいばかりにされるのが不満で口を曲げてむくれていると、アーロンは呆れたように溜め息を吐いた。
「……というか、お前、本当に帰るのか?」
「え?」
突然の話題転換の上、ぼそりと呟くような声だったので、反射的に訊き返す。
すると、まるで聞き取れなかった俺が悪いかのように、チッと舌打ちをしてから、どこか自棄っぱちな風にもう一度口を開いて言った。
「だからっ、本当に元いた世界に帰るつもりかって訊いてんだよ!」
「え、あ、うん、もちろん、そうだけど……」
何を今更当たり前の事を聞いてるんだ? と首を傾げつつも、思いがけず返された強い口調に怯んでしどろもどろになる。
俺の返答に、アーロンは眉間に皺を寄せた。
「帰ってどうするんだよ」
「ど、どうするって……」
どんなに勘違いを正そうと言葉を尽くしても、さらに勘違いを拗らせるばかりで徒労感ばかりが増す。
「お前ら一旦落ち着け! 十秒でいいから、妄想から目を覚まして現実をちゃんと見てくれ! 頼むから!」
「そうだ、ちゃんと現実を見ろ」
「……それはこっちの台詞だ」
「お前らって言ってんだろ! 何でこんなにも言葉が通じねぇんだよ! 誰かー! 国語の先生はいらっしゃいませんかー!」
こいつらに一から言葉を教えてあげてくれ!
もう俺一人では手に負えない、と助けを求めて叫ぶと、ゴン、と拳骨が頭に落とされた。
「あだっ!」
「うるせぇ、ギャアギャア騒ぐな! 変な目で見られてんだろうが!」
アーロンに言われて辺りを見回すと、確かに行き交う人々が怪訝そうにこちらを見ている。
うわぁ。恥ずかしい……!
我に帰った俺は顔を赤くして肩を窄めた。
「ソウシに暴力を振るうとは何事だ!」
「……お前、覚悟はできているんだろうな」
クロとドゥーガルドが殺気立ってアーロンを睨む。
いや! 拳骨を喰らったのはお前らのせいだからな!
「というかなんで俺だけ拳骨されないといけないんだよ!」
「テメェが一番うるさかったからだ。あと事の元凶は全てお前だろ」
「はぁ!? なんで俺のせい!?」
うるさかったのは認める。
でもどう考えても、ことの元凶はふざけた妄想に取り憑かれたこの二人だろ!
憤然と抗議する俺に、アーロンのこめかみにピキリと青筋が立つ。
「あァ? どう考えてもお前のせいだろうが。いつまでもキッパリ拒まねぇから、こいつらにつけ込まれるんだろ」
「いや、俺わりとはっきりノーって言ってるけど!」
それはもう、ノーと言えない日本人とは思えないほどにはっきりと。
けれどどんなにはっきりノーと言っても原形を留めないほどに曲解されるのだ。絶対に俺は悪くない。
悪いのは都合のいい解釈をして妄想を暴走させるドゥーガルドとクロであって、俺が責められるいわれはない。
それなのになんで俺のせいばかりにされるのが不満で口を曲げてむくれていると、アーロンは呆れたように溜め息を吐いた。
「……というか、お前、本当に帰るのか?」
「え?」
突然の話題転換の上、ぼそりと呟くような声だったので、反射的に訊き返す。
すると、まるで聞き取れなかった俺が悪いかのように、チッと舌打ちをしてから、どこか自棄っぱちな風にもう一度口を開いて言った。
「だからっ、本当に元いた世界に帰るつもりかって訊いてんだよ!」
「え、あ、うん、もちろん、そうだけど……」
何を今更当たり前の事を聞いてるんだ? と首を傾げつつも、思いがけず返された強い口調に怯んでしどろもどろになる。
俺の返答に、アーロンは眉間に皺を寄せた。
「帰ってどうするんだよ」
「ど、どうするって……」
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