音無集★オトナ詩集

音無威人

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偽りの絆 偽物な親子愛 薄汚れた家族

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 物心ついた頃から「あんまり似てないね」と言われて育った
 僕は探した 両親との共通点を
 躍起になれば躍起になるほど
 両親との違いを知るだけだった
 どうして僕らはこんなにも似てないんだろう
 周りの目が僕は辛かった

 そんな時、僕は知ってしまった
 恐るべき真実を

 フラッシュバックする幼き日の記憶
 おぼろげに浮かぶ優しい笑顔の若い男女
 この身が覚えてる優しいぬくもり
 どうしようもないくらいに
 恐ろしい真実は正しかった

 あぁ、僕はどうしたらいいんだ
 たとえすべてが嘘だったとしても
 与えられた愛情は本物と信じたいんだ

 だけど秘密は一つだけじゃなかった
 妹も親とは無関係で 僕とも繋がりなんてありやしなかった
 母と父も他人同士
 偽りの絆 偽物の親子愛 薄汚れた家族
 僕らはみんなバラバラだった
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